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花時雨【4月短編】
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実家から届けられた大量のいちごを、悪くなる前に何かにしようと考えた。一番簡単なのはジャムだ。時間はかかるけれど、煮込んでいれば完成する。他にも色々とレシピはあったけれど、せっかくの高級いちごだ。下手をやって台無しにはしたくない。
そんなわけで、早速いちごジャムの作成に取り掛かることにする。
まずは、大きな鍋を一つ。そこにいちごを入れて、そこに大量の砂糖をまぶしていく。ただでさえ「甘くて丸い」いちごなのだ。これはきっと美味しいジャムになるな。
「おあー、いちごー」
「これを軽く潰して、火にかけるんだ」
「おみつぶす!」
「じゃあ頼んだ」
「うぃ」
おたまを使って上手にいちごを潰していく。砂糖がほどよく混ざったところで火をつけた。あとは焦げないように様子を見ていくことになる。
うーん、やっぱり楽だ。
「いいにおいがするねー」
「家中いちごだな」
「いちごのおふろだ……!」
想像したら自分の体がいちごになってしまいそうだ。今度はいちごの形をしたお風呂に入るおみを想像してみる。
うん、こっちは可愛い。
「沸騰したらレモン汁を入れて、アクが消えたら完成だ」
「はやくたべたい!」
「うーん、時間かかるんだよなぁ」
「みえー!」
「あ、そうだ」
なんとかしておみの意識をいちごジャムから離さなければ。そう思い、ふと冷凍庫に眠っている「あるもの」を思い出した。あれならおみも暇にならないかも。
「ちょっと代わってもらえる?」
「いーよ」
「適当にぐるぐるしてるだけで大丈夫」
「うぃ」
えーと、確かこの辺にあったはず。お花見の後、織田さんに「余ったからあげるわ」と言われてもらったものだ。どう使うべきかわからず眠らせていたのだけれど。
今日こそ使うべきだろう。
「あった!」
「なにー?」
「パイ生地だ」
冷凍されたパイ生地は、型に入れて焼くだけで簡単にパイを焼くことができる。焼き方はあったはずなので、これに出来立てのいちごジャムを乗せればお手軽いちごパイの完成だ。
「おみ、こっちする?」
「するー!」
型にパイ生地を敷き詰めてもらう間に、いちごはすっかりと煮詰まっていた。レモン汁を入れ、アクが消えるまで適度にかき混ぜる。俺の隣でせっせとおみがパイ生地を敷いている。手形がくっきりと残っているが、これもまた味だろう。
穴がないことを確認して、次はフォークを手渡した。
「これを底にぷすぷすって刺して」
「ぷすぷすー」
「いい感じにな」
「いーかんじー」
満遍なく刺されたので、暖めていたオーブンで軽く焼いていく。カスタードの作り方は前に織田さんから教えてもらっていたので、手早く作ってしまう。我ながらお菓子作りが得意になってしまった。まさかカスタードクリームをこんなにも簡単に作れてしまうなんて。
俺も所帯じみたなぁ。
「ううーおなかすいたー」
「もうちょっとだからな」
「じゃむ、できた?」
「うん。味見する?」
「する!」
アクはすっかり消えていた。小さじに掬って、熱を取った後、おみの口に運んでやる。んあー、と口を開けている様はまるで幼い小鳥のようだ。
「どう?」
「んー!」
「美味しい?」
「おみ、うれしい!」
「よかった」
どうやら成功のようだ。あとはパイ生地にカスタードを流し込み、その上にジャムを乗せてもう一度焼けばいちごパイの完成だ。今日は緑茶じゃなくて紅茶にしようかな。
おみの分にはミルクをたっぷり入れて。
縁側でのんびり、おやつにしよう。
「いちご、すごいね」
「他の果物でも作れるんだぞ」
「わー! おみ、つくりたい! じゃむやさん!」
おみだけじゃなくて、俺も少しずつ出来ることが増えてきている。
二人で一緒に成長しているんだな。
そんなことを考えながら、焼き上がっていくパイ生地を二人で眺めていた。
そんなわけで、早速いちごジャムの作成に取り掛かることにする。
まずは、大きな鍋を一つ。そこにいちごを入れて、そこに大量の砂糖をまぶしていく。ただでさえ「甘くて丸い」いちごなのだ。これはきっと美味しいジャムになるな。
「おあー、いちごー」
「これを軽く潰して、火にかけるんだ」
「おみつぶす!」
「じゃあ頼んだ」
「うぃ」
おたまを使って上手にいちごを潰していく。砂糖がほどよく混ざったところで火をつけた。あとは焦げないように様子を見ていくことになる。
うーん、やっぱり楽だ。
「いいにおいがするねー」
「家中いちごだな」
「いちごのおふろだ……!」
想像したら自分の体がいちごになってしまいそうだ。今度はいちごの形をしたお風呂に入るおみを想像してみる。
うん、こっちは可愛い。
「沸騰したらレモン汁を入れて、アクが消えたら完成だ」
「はやくたべたい!」
「うーん、時間かかるんだよなぁ」
「みえー!」
「あ、そうだ」
なんとかしておみの意識をいちごジャムから離さなければ。そう思い、ふと冷凍庫に眠っている「あるもの」を思い出した。あれならおみも暇にならないかも。
「ちょっと代わってもらえる?」
「いーよ」
「適当にぐるぐるしてるだけで大丈夫」
「うぃ」
えーと、確かこの辺にあったはず。お花見の後、織田さんに「余ったからあげるわ」と言われてもらったものだ。どう使うべきかわからず眠らせていたのだけれど。
今日こそ使うべきだろう。
「あった!」
「なにー?」
「パイ生地だ」
冷凍されたパイ生地は、型に入れて焼くだけで簡単にパイを焼くことができる。焼き方はあったはずなので、これに出来立てのいちごジャムを乗せればお手軽いちごパイの完成だ。
「おみ、こっちする?」
「するー!」
型にパイ生地を敷き詰めてもらう間に、いちごはすっかりと煮詰まっていた。レモン汁を入れ、アクが消えるまで適度にかき混ぜる。俺の隣でせっせとおみがパイ生地を敷いている。手形がくっきりと残っているが、これもまた味だろう。
穴がないことを確認して、次はフォークを手渡した。
「これを底にぷすぷすって刺して」
「ぷすぷすー」
「いい感じにな」
「いーかんじー」
満遍なく刺されたので、暖めていたオーブンで軽く焼いていく。カスタードの作り方は前に織田さんから教えてもらっていたので、手早く作ってしまう。我ながらお菓子作りが得意になってしまった。まさかカスタードクリームをこんなにも簡単に作れてしまうなんて。
俺も所帯じみたなぁ。
「ううーおなかすいたー」
「もうちょっとだからな」
「じゃむ、できた?」
「うん。味見する?」
「する!」
アクはすっかり消えていた。小さじに掬って、熱を取った後、おみの口に運んでやる。んあー、と口を開けている様はまるで幼い小鳥のようだ。
「どう?」
「んー!」
「美味しい?」
「おみ、うれしい!」
「よかった」
どうやら成功のようだ。あとはパイ生地にカスタードを流し込み、その上にジャムを乗せてもう一度焼けばいちごパイの完成だ。今日は緑茶じゃなくて紅茶にしようかな。
おみの分にはミルクをたっぷり入れて。
縁側でのんびり、おやつにしよう。
「いちご、すごいね」
「他の果物でも作れるんだぞ」
「わー! おみ、つくりたい! じゃむやさん!」
おみだけじゃなくて、俺も少しずつ出来ることが増えてきている。
二人で一緒に成長しているんだな。
そんなことを考えながら、焼き上がっていくパイ生地を二人で眺めていた。
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