我ガ奇ナル日常譚 〜夢とリアルと日々ホラー〜

羽瀬川璃紗

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22 侵入者

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 私の母親から聞いた話。 


 妹を出産後、当時2歳だった私と共に母の実家へ里帰りしていた。2週間後に産院へ、検診で訪れた時のこと。 


 待合室に、実家近所に住む母の同級生のカヨコが居た。そんなに親しくないが一応会釈した母を、カヨコはあからさまに無視した。
 母は具合か虫の居所が悪いのだろうと思い、それ以上干渉しなかった。 

 その日の23時頃。うとうとしながら妹に授乳していると、部屋の窓の前の道路を車が1台通り過ぎた。
 その道路の先には、カヨコの家があったので『カヨコ、いま帰って来たのかな』と母はぼんやり思ったそうだ。 

 カヨコは美人だけど、自慢ばかりする子だったなあ。高校時代に会った時は『あなた就職希望なの?私、東京の大学に行くのよ!』なんて言ってきたっけ。
 などと、昔を回想しつつ授乳していると…、母は異変に気付いた。 

 部屋の出入り口に誰かが立っていた。

(いやいや、赤子の世話で疲れて夢を見ているに違いない)

 だが、人物は次の瞬間、そこから布団の足元部分へ、音も無くスッと移動したのだ。 

 母は素早く立ち上がり、部屋の外へ飛び出した。
 祖母(母の母)へ『カヨコの生き霊が来た!』と訴え、塩を背中にかけてもらったらしい。 

 幸い、それ以上の事は何も起こらず、風の噂でカヨコもそれから半年後に結婚して、嫁いだらしい
と聞いた。 


 母は『姿は良く見えなかったけど、カヨコの事を考えてたから、生き霊だと思った』と言っていたが。 


 東京の大学に行くと言ってたカヨコは、あの時何故地元に居たのだろう。 

 あの日、カヨコは何故産科医院に居たのだろう。 

 土地柄も時代的にも、交際短期間の電撃結婚は少数派だった。結婚する半年前なら、結納をしたり婚約中で幸せいっぱいの筈だろう。
 子供連れの知り合いを見ても、わざと無視する精神状態では無いのでは。

 そして、昼間産科に居たカヨコが夜の23時になってから帰宅するなんて、何があったのか。 

 背景を考えると、カヨコが母を無視したり、生き霊になってやって来た理由がとても怖い。 


 個人的にもっと怖いのは、母が飛び出して塩をかけて貰ってる間、眠っていた2歳の私はその部屋で生き霊と2人きりになっていた事だ。

 何もなかったから、いいけれど。 

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感想 1

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