我ガ奇ナル日常譚 〜夢とリアルと日々ホラー〜

羽瀬川璃紗

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16 合縁奇縁

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 聖夜なので恋バナでも。私の恋愛黒歴史にまつわる不思議話。 


 20代の頃、趣味のオフ会の男性メンバー:ライに片思いしていた。彼は同じオフ会仲間:メルが彼女なので、私は恋心を秘めて会合に参加した。 

 でも諦めきれない私は、『痛い沼』に手を出した。スピリチュアルだ。 

 恋に効くパワーストーンブレスレットを身につけたり、恋愛運アップ風水を実行したり、最終的には『2人が別れる』魔術を試すまでになった。 

 どれも効果は無く『次のオフ会で結婚報告されたらどうしよう』という酷い被害妄想に陥ったので、オフ会を辞めて距離を置いた。 


 それから数年後、夫と出会った。初デートの日、在りし日に買ったパワーストーンブレスレットを付けて行った。
 恋に効く事はなくとも、デザインは気に入ってたからだ。 

 その夜、ブレスレットが壊れた。今まで何度落としても平気だったのに、帰宅した瞬間ちぎれたのだ。 
(劣化?それとも…?) 

 夫との交際は順調に進んだ。もしかすると、ライよりこの人の方が良いとブレスレットは教えてくれたのかも、なんて思った。 


 そんな中、オフ会仲間と偶然再会した。 

「久しぶり~! あれから何年? 12年かぁ!」 

「すごーい、干支1周したね!! オフ会はまだ続いてる?」 

「解散したけど、〇ちゃんとはまだ連絡取り合って、たまに会ってるよ」 

 オフ会仲間は、ある話を教えてくれた。 

「…オフ会無くなったの、ライくんとメルが原因なんだよね」 


 2人はとても相性が良く、結婚秒読み状態だったが、ライは『まだ結婚したくない』と渋り続けていたそうだ。 

 交際7年目に『お互いイイ歳だから』と両家から婚約の話が出たが、ライは『結婚は親に言われてやるものでない』と頑なに渋り、婚約は見合わせとなった。 

 だがその割にメルは『今ライを逃したら私は結婚出来なくなる』、ライは『別にメルが嫌いな訳でない』と言い、ズルズル続いた。 

 そんな折、ライはオフ会仲間の1人と浮気。例によりメルは許したが、オフ会は解散となったらしい。


 私はそれを聞きため息をついた。 

「ライくん、最低だね」 

「本当そう。ライくんの浮気、それだけでなくて他にもあったみたい。メルが惚れた弱みで、文句言えないの知っててやっててさ。
まだ別れてないよ、あの2人」 


 話を聞きつつ、私はスピリチュアルに傾倒した時期に目にした、ある言葉を思い出した。 


『世の中には、どうしても叶わない事柄がある。それは長い目で見て不幸になるから、あえて成就しないようになっている』 


 思えばライダメ男と結ばれずに済んだから、私は夫と出逢えたとも言えるか。

 そんな意味で私は、恋に効かなかった恋愛パワーストーンブレスレットに感謝している。 

 
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