我ガ奇ナル日常譚 〜夢とリアルと日々ホラー〜

羽瀬川璃紗

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17 参拝

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 初詣や二年参りなど参拝シーズンなので、それにまつわる話。時期としては、私が夫と出会う少し前のこと。 


 変な夢を見た。
 今までそんな類を見た事無かったのに、夢の中に恵比寿神のモチーフが現れた。 


(神社や寺はあるけど、神様は無かったな) 

 無意識の内に見かけて夢に出たかと思い、ネットで自宅から1番近い恵比寿神にまつわる場所を調べると…、 

「△デパートの傍に、恵比寿神社があるんだ…!」 


 そのデパートにまつわる、あるエピソードがあったのだ。

 私が生まれる前。
 お産を甘く見た母は、予定日前日にドライブに行き、このデパートで昼食中に陣痛が始まった。
 慌てて産院へ向かい、翌日に私が生まれたのである。
 

(そういえば何故、母はこのデパートに行ったのだろう?近場に他のデパートもあったのに) 

 そして次に恵比寿神を調べた私は、あるものを見つけた。 

 神無月に出雲に行かず留守番をしている神が、恵比寿神というのだ。


 諸説あるが、神無月で神様が出雲へ移動している間、急を要するお願いを聞きつけて、出雲へ連絡に行き、叶える手助けをしているとか…。

 そこで私はある事に気が付いた。 

 私は神無月:10月生まれである。初産で不安な母は、安産をお願いに行こうにも神無月なので、臨月なのにわざわざ恵比寿神社へ祈願しに行ったのでは…?と。

 そして。 

(今は旧暦の神無月だ。私が無事生まれてから、母達はお礼参りに行ったのだろうか?忙しくて行ってないんじゃ?これは何かの巡り合わせかもしれない) 

 こうしては居られない。

 丁度休みだった私は、その日の内に恵比寿神社へと向かった。市街地でデパートの屋上にあるので、不便も迷う事も無かった。 


 約30年越し?の誕生お礼参りと、ついでに婚活成就祈願もして、帰途についた。 


「ねえ母さん。私が生まれる前に△デパートに行ってたのって、恵比寿参りしようとしたからじゃないの?」 

 帰宅して母に言うと、母は頭に?マークを浮かべた。 

「あの時はね、有効期限が近いタダ券をレストランで使おうとして、デパート行ったのよ」 


 それを聞き、今日1日の壮大な考察がただの妄想に過ぎなかった事に、私は愕然とした。 


 だがその1ヵ月後に夫と出会ったので、無駄足ではなく素晴らしいご利益を受けたのだと、私は考えている。 

 そもそもは、ご利益欲しさで参拝に行くものでは無いけれど。




(神主の常駐は無いが、御朱印やお守りの授与はインターホンで注文すると可能。この最上階フロアは神社のみ)

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感想 1

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