我ガ奇ナル日常譚 〜夢とリアルと日々ホラー〜

羽瀬川璃紗

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18 ー2022ー

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 予知夢をよく見る知り合いの話。


 飲食店で働いていた時に、大学生アルバイトのニナという女子が居た。明るくて可愛く、仕事ぶりも真面目ないい子だった。


「彼氏に浮気されて別れるかも」

 休憩室で一緒になった時、ニナはバイト仲間で親友であるミツキと私に言った。

「えー、浮気されたの?」

「まだ。でも『夢』で見た」

 その言葉に首を傾げると、ニナは説明した。

「自分、正夢よく見るんです。普段夢見ないんだけど、リアルではっきりした夢見ると、だいたい『本当』になっちゃう」

 それから1ヵ月程して、ニナの夢は現実となった。


 彼女に霊感は特に無いが、夢だけは異様に正夢率が高いらしい。

「正夢というけど、『個人的』な夢ばかりで『世界規模』の夢は見ないんです。実際、震災の夢は見なかったし」


 中学生の頃、授業中に思わず『あ、コレ夢で見た!』と言ってしまい、担任から冷やかし半分に尋ねられた。

『正夢を見たのか。じゃあこの後、何が起こるか覚えてる?』
『確か、教頭先生が来ました』

 するとその数秒後、偶然にも廊下を教頭先生が巡回で通りかかり、クラス中がパニックになったという。


「何かそれがトラウマになって、大学でミツキと知り合うまで誰にも言わなかったんです。あの子は偏見無いから」

 ニナは笑って話した。


 ある時のこと。

 世の中が『東京が次のオリンピック開催地に選ばれるかも!』と沸き立った事があった。

「オリンピック、興味無いしな~」

 休憩中にワイドショーを見つつ私が呟くと、ニナは言った。

「…選ばれると思いますよ」

「え?…もしや夢?」

 ピンと来た私が尋ねると、ニナは少々険しい表情をした。

「私が見た夢は、ここであのテレビを見てるんだけど、映像が瓦礫の山なんですよ」

「瓦礫…?」

「それでミツキが『うわー、あと1年ズレてたらオリンピック直撃だね』って言ってて」

「場所、東京なの?」

「多分。いま開催地決めてるのが『2020年大会』だから、夢の中の『東京壊滅?』は前年の2019年か、翌年の2021年ですかね。
…本当になったら嫌だなぁ」

 私はそこで、ニナにある質問をした。

「…もしかして、私も一緒にテレビ見てた?」

「居たかもです」

 それを聞き、私は頭を抱えた。

「マジか…!私、2020年には3○歳アラフォーだよ?ずっとここで働いてて独身だったらキツイ~!」

「それ言ったら、自分もミツキも内定貰えないまま大学卒業して、ココ続けてるって事ですよ!実現したら嫌です~!」

 所詮、オリンピックより自分の事の私達。

 だが、意に反して『東京開催』が決定した。


 そして。

 翌年、ニナとミツキはそれぞれ就職内定し店を後にした。私は大病後の体調不良で店を辞め、夫と出会い結婚した。


 時は流れ、一連の昨今。

 オリンピックは1年延期して開催。19年も21年も、首都が壊滅するような事態は起こらなかった。

 だが『1年ズレたらオリンピック』と言ってたので、それが19年とも21年とも言ってないのだ。


 2022年はどんな年になるのだろう。

 わがままは言わない。可もなく不可もなくと言えるような、無難な年になって欲しいと願わずに居られない。

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