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26 休火山
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自宅から遠くに見える所にある火山:A岳。それに関する話。
A岳は県内で有数の標高を誇り、風光明媚な観光地で、県民の誰しもが1回は訪れた事のある有名な山だ。
麓でなくとも校舎から山が見えれば、校歌に『遠くに見えるはA岳』とか『A岳に抱かれた我が学び舎』的な歌詞が入るくらい、親しまれている。
30代前半の頃にある夢を見た。
茅葺屋根の木造住宅、土間のかまどで食事の支度をしていた私は、突き上げる様な揺れに見舞われた。
普通の地震と違い、何分経っても揺れが終わらない。みるみる内に外は真っ暗になってゆく。
夜の様な暗さというより、土砂降りの時のどす黒い空である。
ある事に気付いた私は、勝手口(土間だから玄関かもしれない)から外を見た。
向かいにある牛か馬の小屋の軒下で、着物姿の小さな男の子と女の子が動けないでいるのだ。
「あんた達! こっちいらっしゃい!!」
私が叫ぶも、2人はパニックを起こしていて動けない。間の悪い事に、空からは小石が降ってきた。
(まずい。こっちは屋根に茅があるから少しは厚さがあるけど、あっちは板張りだから屋根を突き破るかもしれない!)
「ほら! こっち!!」
「怖いよー!」
私が行って2人を連れて来た方が早いか。でも頭を守れそうなものは…。
(そうだ。鍋がある!!)
夢はそこで終わった。
身近に噴火をリアルタイムで経験した事はないが、気になったので何となくA岳をネットで調べた。
A岳は活火山だが、戦前に小規模な噴火を起こして以来、休眠状態となっている。
特筆すべきは江戸時代から明治にかけて。100年間だけで18回も、規模は様々だが頻繁に噴火を起こしていたらしい。
(見た夢なんか時代がかってたな、着物だったし。夢の中みたいに、茅葺屋根に火砕物が降り注ぐ事もあったかもしれない)
偶然と言えば偶然だが、夢を通じて昔の人の意識にアクセスしたとか。
もし実在の人物ならば、彼らは噴火で命を落とさずに天寿を全うしただろうか。ネットには、人的被害までは書いてなかった。
ところがその3ヵ月後、地震が相次ぎ噴火警戒レベルが引き上げになった。
幸いにも年内にすぐ引き下げられたが、私は『予知夢かも?!』と勝手にビビっていた。
ちなみに、友人知人を含めA岳が見える所に住む人は、最低でも1回はA岳噴火の夢を見た事があるようだ。
無意識の内に、視覚から得た情報に抱いている恐れが夢に出るのか…?
割に夢で津波を見た人間は、周りには居ない。それこそA岳よりも海が身近な人も居るというのに。
その仮説が正しければ、津波より噴火の方が『恐れ』として重要度が高いのか。まあ、津波は内陸に逃げればいいけど、噴火は海に逃げれば安全だとは言い難い。
などと考えながら、私は今日も遠くのA岳を見やっている。
A岳は県内で有数の標高を誇り、風光明媚な観光地で、県民の誰しもが1回は訪れた事のある有名な山だ。
麓でなくとも校舎から山が見えれば、校歌に『遠くに見えるはA岳』とか『A岳に抱かれた我が学び舎』的な歌詞が入るくらい、親しまれている。
30代前半の頃にある夢を見た。
茅葺屋根の木造住宅、土間のかまどで食事の支度をしていた私は、突き上げる様な揺れに見舞われた。
普通の地震と違い、何分経っても揺れが終わらない。みるみる内に外は真っ暗になってゆく。
夜の様な暗さというより、土砂降りの時のどす黒い空である。
ある事に気付いた私は、勝手口(土間だから玄関かもしれない)から外を見た。
向かいにある牛か馬の小屋の軒下で、着物姿の小さな男の子と女の子が動けないでいるのだ。
「あんた達! こっちいらっしゃい!!」
私が叫ぶも、2人はパニックを起こしていて動けない。間の悪い事に、空からは小石が降ってきた。
(まずい。こっちは屋根に茅があるから少しは厚さがあるけど、あっちは板張りだから屋根を突き破るかもしれない!)
「ほら! こっち!!」
「怖いよー!」
私が行って2人を連れて来た方が早いか。でも頭を守れそうなものは…。
(そうだ。鍋がある!!)
夢はそこで終わった。
身近に噴火をリアルタイムで経験した事はないが、気になったので何となくA岳をネットで調べた。
A岳は活火山だが、戦前に小規模な噴火を起こして以来、休眠状態となっている。
特筆すべきは江戸時代から明治にかけて。100年間だけで18回も、規模は様々だが頻繁に噴火を起こしていたらしい。
(見た夢なんか時代がかってたな、着物だったし。夢の中みたいに、茅葺屋根に火砕物が降り注ぐ事もあったかもしれない)
偶然と言えば偶然だが、夢を通じて昔の人の意識にアクセスしたとか。
もし実在の人物ならば、彼らは噴火で命を落とさずに天寿を全うしただろうか。ネットには、人的被害までは書いてなかった。
ところがその3ヵ月後、地震が相次ぎ噴火警戒レベルが引き上げになった。
幸いにも年内にすぐ引き下げられたが、私は『予知夢かも?!』と勝手にビビっていた。
ちなみに、友人知人を含めA岳が見える所に住む人は、最低でも1回はA岳噴火の夢を見た事があるようだ。
無意識の内に、視覚から得た情報に抱いている恐れが夢に出るのか…?
割に夢で津波を見た人間は、周りには居ない。それこそA岳よりも海が身近な人も居るというのに。
その仮説が正しければ、津波より噴火の方が『恐れ』として重要度が高いのか。まあ、津波は内陸に逃げればいいけど、噴火は海に逃げれば安全だとは言い難い。
などと考えながら、私は今日も遠くのA岳を見やっている。
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