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ある知人と私の話。
中1の時、仲間外れに遭った。
『ぼっち』になっても、授業では何かと『2人組を作れ』と指示される。
そこで私は仕方なく、同じくぼっち女子:ミサエと組んだ。
ミサエは重度の中二病で、彼女のノートには流血する美少女の絵や、痛ポエムが書かれていた。
ミサエは私に威圧的だった。『群れるからそんな目に遭うのよ』とよく言われた。
他のクラスには別の友人もいるし、私は彼女に心を開く事はなかった。
2年で別のクラスになると、ミサエは待ち伏せしてきた。
すれ違いざまに『恩知らず』『どうせまた仲間外れにされるのに』などと言ってくる。
ミサエはそんな態度にも関わらず、何故か私に執着した(誰かとつるむ経験が嬉しかったのか?)。
ミサエの事は、相手にしなかった。
ミサエは高校受験で、当てつけのようにわざわざ私と同じ学校を受けたが、授業中グロ画ばかりに精を出してたせいか不合格となり、実質そこで途絶えた。
ある時の同窓会で、同じ部活だった男子:ノブヒサから、ある話をされた。
「最近SNSアプリを始めたら『知り合いかも』ってやつに、ミサエが出てきてさ。覚えてる?」
見せられたスマホ画面には、そのアプリには珍しくフルネーム&顔出しアイコンのミサエが載っていた。
ノブヒサは言った。
「チラッと見たけど、モロに怪しいブログしてた」
「へえ、そうなの」
アプリを入れなくても、ブログはネットで見れるので、見る事にした。
10数年ぶりのミサエは、中学当時より瘦せてスッキリしていたが、顔立ちは変わらない。
肩書は『色彩カウンセラー・幸せ訓練士』。毎日、幸せになる金言や色で幸福になる方法をブログに載せているようだ。
(『学生時代にスクールカースト下位だった経験から、学校生活の悩み相談に親身にお答えします』ね…。でも正規のカウンセラーでは無いんだ)
その夜、変な夢を見た。
大きな掃き出し窓のある、1階の部屋に私は居た。何処かで、女が何かを話す声がする。
声は隣家のテレビかと思ったが、話し方が一方的なので違う。
(お隣さん、電話でもしてるのかな)
声が続く中、外の砂利を踏みしめる音がした。
(誰かうちの敷地を歩いてる。お客さん?)
足音は目の前の窓へと近づく。ところが砂利の上を歩いていたのは、華奢な赤いサンダルだった。
妙な事に人の姿は無く、透明人間に履かれてるかの様に、サンダルだけが動いているのだ。
(やばい、窓開いてる)
固まる私の目の前で、赤いサンダルは進む向きを変え、こちらに。
(こっち来る前に起きなきゃ!)
咄嗟にそこで目覚めた。
数日後、ミサエのブログを読んだ。
『同窓会に呼ばれなくとも気に病まず、現在の大事な人と楽しい時間を過ごそう』
との記述。解説文は全然関係ない話だが。
(日付が同窓会の直後だ)
同窓会と言うか、主催者と仲の良い友人10人前後の飲み会なので、勿論ミサエにまで声は掛けてない。
(もしかすると、参加した誰かのSNSを見つけて、把握したのかな)
そしてブログの日常記事に『新しい靴を買いました!』との一文と画像。
(…赤いミュールか。そう言えば夢に赤いサンダル出たな)
そして翌年、私はまた妙な夢を見た。
歩いてるとミサエに遭った。
「あなたがママになるとはね。子供の名前、何なの?」
「名前? 『ルナ』よ」
気が進まないので違う名前を言った。ミサエは微笑む。
「今ね、人の夢を叶える手助けをする仕事してるの。何か叶えたい事ない?」
自分の仕事の営業活動か。私は答えた。
「でもさ。だいたいの事って、お金かタイミングで叶うじゃん? だから手伝って欲しい事は無いね。
セレブになりたいみたいな荒唐無稽な夢も無いし、そもそもそんな夢の手助けは出来ないでしょ?」
夢はそこで終わった。
数日後、ノブヒサから飲み会の誘いが来た。娘がまだ小さいので、雑談がてら断りの連絡を入れた。
『そういや、ミサエと少し前に偶然会ってさ。おたくの事訊かれて、結婚して子供生まれたって教えたら『信じられない!』って失礼なリアクションしてたぞ』
「え! 嫁ぎ先とか娘の名前、教えてないよね?」
『勿論、教えてないよ。俺のもだけど連絡先しつこく訊いてきて気味悪いから、丁重に断ったよ』
ノブヒサの言葉にほっとしたが電話の後、気になってミサエのブログを覗いた。
『私は人の夢を叶える手助けをしているのを、誇りに思ってます』の記述。
ノブヒサがいつ会ったかは知らないが、記事はあの夢を見た前日だった。
(ミサエのブログと私の夢がリンクしてる?偶然だよね、でも…)
そしてその半年後、私はまた夢を見た。
夢の中で、私は中学生だった。
実家の2階の自室に居るとチャイムが鳴り、窓から外を見ると、玄関の外にミサエが居るのが見えた。
(放っといて居留守しよう)
私はそのまま、ミサエを無視した。
(もしかしてまた?)
夢から覚めた私はふと考えた。
実際の私達は互いの家の場所は知らないし、教えても無い。
半年前に私の連絡先を知りたがってた。もしや、実家を突き止めたか。
さり気なく実家に近況を訪ねるも、郵便物も訪問者も無いという。
それにしても。
(夢の中の私、余裕だったな。普通、玄関前に居たらギョッとするよね)
そして、ミサエのブログを読んでみた。
最新記事に『魂にはランクがあります。ランクが変わると、人と合わなくなる事があります』とあった。
よくある類は友を呼ぶの法則で、現在付き合いのある人は自分と同レベルだ、疎遠になった人はレベルが変わったから縁が切れた、という内容だった。
(何かスピリチュアルカウンセラーみたいな文章だな。他人事ながら大丈夫か?ミサエは)
そして日常の話。そこには母校の中学校と、その周辺の写真。
『久しぶりに母校へ行ってみた。街並みがすっかり変わって、道に迷いそう』との文。
土地開発で地元は様変わりしたが、それは中学校周辺でも私の実家を含むエリアのみだ。
(中学当時の卒アルは、まだ生徒の住所が載っていた。実家は地番変更で住所が変わったけど、旧住所を頼りに近くまで来たのかも…?)
ミサエは近くまで来たが、実家には辿り着けなかった。
だから夢の中の私は余裕だったのか。
『ランクが変わったから、出遭う事は無い』
それでもミサエとは、これからも繋がりながら行違うのだろうか。この話は、現在も進行中だ。
中1の時、仲間外れに遭った。
『ぼっち』になっても、授業では何かと『2人組を作れ』と指示される。
そこで私は仕方なく、同じくぼっち女子:ミサエと組んだ。
ミサエは重度の中二病で、彼女のノートには流血する美少女の絵や、痛ポエムが書かれていた。
ミサエは私に威圧的だった。『群れるからそんな目に遭うのよ』とよく言われた。
他のクラスには別の友人もいるし、私は彼女に心を開く事はなかった。
2年で別のクラスになると、ミサエは待ち伏せしてきた。
すれ違いざまに『恩知らず』『どうせまた仲間外れにされるのに』などと言ってくる。
ミサエはそんな態度にも関わらず、何故か私に執着した(誰かとつるむ経験が嬉しかったのか?)。
ミサエの事は、相手にしなかった。
ミサエは高校受験で、当てつけのようにわざわざ私と同じ学校を受けたが、授業中グロ画ばかりに精を出してたせいか不合格となり、実質そこで途絶えた。
ある時の同窓会で、同じ部活だった男子:ノブヒサから、ある話をされた。
「最近SNSアプリを始めたら『知り合いかも』ってやつに、ミサエが出てきてさ。覚えてる?」
見せられたスマホ画面には、そのアプリには珍しくフルネーム&顔出しアイコンのミサエが載っていた。
ノブヒサは言った。
「チラッと見たけど、モロに怪しいブログしてた」
「へえ、そうなの」
アプリを入れなくても、ブログはネットで見れるので、見る事にした。
10数年ぶりのミサエは、中学当時より瘦せてスッキリしていたが、顔立ちは変わらない。
肩書は『色彩カウンセラー・幸せ訓練士』。毎日、幸せになる金言や色で幸福になる方法をブログに載せているようだ。
(『学生時代にスクールカースト下位だった経験から、学校生活の悩み相談に親身にお答えします』ね…。でも正規のカウンセラーでは無いんだ)
その夜、変な夢を見た。
大きな掃き出し窓のある、1階の部屋に私は居た。何処かで、女が何かを話す声がする。
声は隣家のテレビかと思ったが、話し方が一方的なので違う。
(お隣さん、電話でもしてるのかな)
声が続く中、外の砂利を踏みしめる音がした。
(誰かうちの敷地を歩いてる。お客さん?)
足音は目の前の窓へと近づく。ところが砂利の上を歩いていたのは、華奢な赤いサンダルだった。
妙な事に人の姿は無く、透明人間に履かれてるかの様に、サンダルだけが動いているのだ。
(やばい、窓開いてる)
固まる私の目の前で、赤いサンダルは進む向きを変え、こちらに。
(こっち来る前に起きなきゃ!)
咄嗟にそこで目覚めた。
数日後、ミサエのブログを読んだ。
『同窓会に呼ばれなくとも気に病まず、現在の大事な人と楽しい時間を過ごそう』
との記述。解説文は全然関係ない話だが。
(日付が同窓会の直後だ)
同窓会と言うか、主催者と仲の良い友人10人前後の飲み会なので、勿論ミサエにまで声は掛けてない。
(もしかすると、参加した誰かのSNSを見つけて、把握したのかな)
そしてブログの日常記事に『新しい靴を買いました!』との一文と画像。
(…赤いミュールか。そう言えば夢に赤いサンダル出たな)
そして翌年、私はまた妙な夢を見た。
歩いてるとミサエに遭った。
「あなたがママになるとはね。子供の名前、何なの?」
「名前? 『ルナ』よ」
気が進まないので違う名前を言った。ミサエは微笑む。
「今ね、人の夢を叶える手助けをする仕事してるの。何か叶えたい事ない?」
自分の仕事の営業活動か。私は答えた。
「でもさ。だいたいの事って、お金かタイミングで叶うじゃん? だから手伝って欲しい事は無いね。
セレブになりたいみたいな荒唐無稽な夢も無いし、そもそもそんな夢の手助けは出来ないでしょ?」
夢はそこで終わった。
数日後、ノブヒサから飲み会の誘いが来た。娘がまだ小さいので、雑談がてら断りの連絡を入れた。
『そういや、ミサエと少し前に偶然会ってさ。おたくの事訊かれて、結婚して子供生まれたって教えたら『信じられない!』って失礼なリアクションしてたぞ』
「え! 嫁ぎ先とか娘の名前、教えてないよね?」
『勿論、教えてないよ。俺のもだけど連絡先しつこく訊いてきて気味悪いから、丁重に断ったよ』
ノブヒサの言葉にほっとしたが電話の後、気になってミサエのブログを覗いた。
『私は人の夢を叶える手助けをしているのを、誇りに思ってます』の記述。
ノブヒサがいつ会ったかは知らないが、記事はあの夢を見た前日だった。
(ミサエのブログと私の夢がリンクしてる?偶然だよね、でも…)
そしてその半年後、私はまた夢を見た。
夢の中で、私は中学生だった。
実家の2階の自室に居るとチャイムが鳴り、窓から外を見ると、玄関の外にミサエが居るのが見えた。
(放っといて居留守しよう)
私はそのまま、ミサエを無視した。
(もしかしてまた?)
夢から覚めた私はふと考えた。
実際の私達は互いの家の場所は知らないし、教えても無い。
半年前に私の連絡先を知りたがってた。もしや、実家を突き止めたか。
さり気なく実家に近況を訪ねるも、郵便物も訪問者も無いという。
それにしても。
(夢の中の私、余裕だったな。普通、玄関前に居たらギョッとするよね)
そして、ミサエのブログを読んでみた。
最新記事に『魂にはランクがあります。ランクが変わると、人と合わなくなる事があります』とあった。
よくある類は友を呼ぶの法則で、現在付き合いのある人は自分と同レベルだ、疎遠になった人はレベルが変わったから縁が切れた、という内容だった。
(何かスピリチュアルカウンセラーみたいな文章だな。他人事ながら大丈夫か?ミサエは)
そして日常の話。そこには母校の中学校と、その周辺の写真。
『久しぶりに母校へ行ってみた。街並みがすっかり変わって、道に迷いそう』との文。
土地開発で地元は様変わりしたが、それは中学校周辺でも私の実家を含むエリアのみだ。
(中学当時の卒アルは、まだ生徒の住所が載っていた。実家は地番変更で住所が変わったけど、旧住所を頼りに近くまで来たのかも…?)
ミサエは近くまで来たが、実家には辿り着けなかった。
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