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30 龍の花嫁
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友人が結婚した頃の話。
友人:アイリと出会ったのは、中学生の時。男勝りで竹を割ったような性格で、好きなゲームをきっかけに仲良くなった。
彼女の家は代々続く寿司屋で、4つ下に弟が生まれるまで『跡取り娘』として、厳しく躾られたそうだ。
なので、性格の割に細やかな気配りなど女子力が高く、物事に対して真面目に取り組む女性でもあった。
「結婚願望あるけど、一生独身かもしれない~」
と、大人になってから会う度に愚痴っていたアイリだが、縁に恵まれ結婚する事になった。
生まれ育った家を離れる寂しさよりも、愛する旦那さんとの新生活へのワクワクの方が、勝っていたアイリ。
婚姻届の提出前夜、彼女は夢を見た。
テレビで、人形劇の番組をやっていた。
『ナントカ童子』という題名のそれは、中華圏が舞台らしい。
少年が拾った動物を、ペットとして可愛がっていたが、それは龍の化身だった。
大人になった龍は天界へ。少年は泣きながら感謝を述べて、お別れをした。
よくあるオチだなと思い、ふと部屋の襖を見ると、少年と龍が描かれていた。
(え?ウチの襖の柄ってこの物語のモチーフだったっけ?)
驚いてると、来客を知らせるチャイムが鳴った。
行くと、そこには見知らぬ女性が居たという。年齢は40~50代だろうか、身綺麗な美人だった。
女性は柔らかな笑みで、破魔矢の様な物を差し出した。
(新しい物を持って来たんだ。これは、弟へだ)
直感的にアイリは思い、弟を呼び受け取らせた。女性は家を後にする。
(大変、お礼を言わなくちゃ!)
アイリは追いかけた。
外は雨が上がり、夕暮れが近いのか空は金色に輝いている。ゆっくり眺めていたい、と思うくらい綺麗だった。
自宅敷地内の屋敷稲荷にも、同じ破魔矢が置いてあった(現実には置いてない)。
女性の後ろ姿を見つけ、アイリは大声を出した。
「ありがとう!」
女性は振り向いて、笑顔で応えた。
起きた時、アイリは泣きそうになったそうだ。
弟が生まれて、家族に蔑ろにされた気がしたり、気弱な弟と比べられ『お前が女じゃなく男だったら良かったのに』など軽口を叩かれたり…。
アイリは物心ついてから、モヤモヤを抱いていたのだという。
「家が嫌だとずっと思ってたけど、家にとっての私は『龍』みたいに大層な存在だったのかも、なんて、柄にも無く思って。
家を出るにあたって、盛大に送ってもらった気がしたんだ」
オカルトに興味のないアイリは、珍しくそう言った。
あの夢は、アイリが『これまでの人生』に自信を持って嫁入りしてもらう為に、見せられた夢ではないかと私は考える。
一男一女に恵まれたアイリは『跡取りだ』『女子だから』と区別せず、別け隔てなく2人の子供を育てている。
友人:アイリと出会ったのは、中学生の時。男勝りで竹を割ったような性格で、好きなゲームをきっかけに仲良くなった。
彼女の家は代々続く寿司屋で、4つ下に弟が生まれるまで『跡取り娘』として、厳しく躾られたそうだ。
なので、性格の割に細やかな気配りなど女子力が高く、物事に対して真面目に取り組む女性でもあった。
「結婚願望あるけど、一生独身かもしれない~」
と、大人になってから会う度に愚痴っていたアイリだが、縁に恵まれ結婚する事になった。
生まれ育った家を離れる寂しさよりも、愛する旦那さんとの新生活へのワクワクの方が、勝っていたアイリ。
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(え?ウチの襖の柄ってこの物語のモチーフだったっけ?)
驚いてると、来客を知らせるチャイムが鳴った。
行くと、そこには見知らぬ女性が居たという。年齢は40~50代だろうか、身綺麗な美人だった。
女性は柔らかな笑みで、破魔矢の様な物を差し出した。
(新しい物を持って来たんだ。これは、弟へだ)
直感的にアイリは思い、弟を呼び受け取らせた。女性は家を後にする。
(大変、お礼を言わなくちゃ!)
アイリは追いかけた。
外は雨が上がり、夕暮れが近いのか空は金色に輝いている。ゆっくり眺めていたい、と思うくらい綺麗だった。
自宅敷地内の屋敷稲荷にも、同じ破魔矢が置いてあった(現実には置いてない)。
女性の後ろ姿を見つけ、アイリは大声を出した。
「ありがとう!」
女性は振り向いて、笑顔で応えた。
起きた時、アイリは泣きそうになったそうだ。
弟が生まれて、家族に蔑ろにされた気がしたり、気弱な弟と比べられ『お前が女じゃなく男だったら良かったのに』など軽口を叩かれたり…。
アイリは物心ついてから、モヤモヤを抱いていたのだという。
「家が嫌だとずっと思ってたけど、家にとっての私は『龍』みたいに大層な存在だったのかも、なんて、柄にも無く思って。
家を出るにあたって、盛大に送ってもらった気がしたんだ」
オカルトに興味のないアイリは、珍しくそう言った。
あの夢は、アイリが『これまでの人生』に自信を持って嫁入りしてもらう為に、見せられた夢ではないかと私は考える。
一男一女に恵まれたアイリは『跡取りだ』『女子だから』と区別せず、別け隔てなく2人の子供を育てている。
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