我ガ奇ナル日常譚 〜夢とリアルと日々ホラー〜

羽瀬川璃紗

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59 アクセス ※胎児の死亡描写あり

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 以前、一緒に働いていた人から聞いた話。


 ジュリさんというギャルママが職場にいた。
 ジュリさんは派手めで勝ち気そうな美人だが、見た目に反して仕事ぶりや立ち振る舞いは、真面目な女性だった。



 ジュリさんは23歳の時、付き合っていた彼氏とできちゃった婚をして、長男:タケルくんが誕生した。
 タケルくんは甘えん坊で、ママの後ろをついて歩く子だったそうだ。

 タケルくんが3歳の時、ジュリさんは第二子を授かった。
 タケルくんの弟か妹が生まれるという事で、ジュリさんも旦那さんも、大喜びだったそうだ。

 妊娠5ヶ月の安定期に入って間もなく、健診に行った時に『お腹の赤ちゃんの心臓が止まっている』と、医師から子宮内胎児死亡の宣告を受けた。

 ジュリさんは泣きながら、旦那さんとタケルくんに『お腹の赤ちゃんが死んでしまった』事を説明すると、タケルくんは、

「残念だったね、女の子だったのに」

と言った。

 死んだ赤ちゃんは、タケルくんが言う通り女児だった。


 その頃から、タケルくんの奇妙な言動が始まったという。
 会った事の無い親戚のおじさんの死を言い当てたり、家族旅行が身内の急病で延期になる事を予見したり。

 ジュリさん曰く、

「旦那の曾祖母が、拝み屋の家系出身だったらしいのね。旦那が子供の頃に死んだんだけど、その時も不思議な事があったとか、義母さんが言っててさ。
もしかするとタケルは霊感的なものが遺伝したのかも、なんて旦那側の家族が言ってる」

 ジュリさんは何回か目の当たりにしたが、半信半疑だったらしい。


 タケルくんが4歳になった時。
 バースデーパーティーを兼ねて、旦那さん実家近くのファミリーレストランで、義両親と共に食事をする事になった。
 何度も行ってる馴染みの店だ。ところが。

 休日昼時という事で、入店当時3~4組待ちとなっていたので順番を予約して待っていると、タケルくんが急にぐずり出した。

「ここ嫌!」

「何で? ここの誕生日プレート、楽しみにしてたじゃん」

「帰るの~!!」

 普段聞き分けの良いタケルくんが何故かぐずって大泣きしてしまい、持病の喘息の発作が出てしまった。
 間の悪い事に、いつも持ち歩いている吸入薬を家に忘れていたので、急遽キャンセルして帰宅する事になった。


 帰宅し無事吸入を済ませ、落ち着いたので宅配ピザでも頼もうかとしていると、義母さんから着信。電話に出ると。

『大丈夫?家着いた?何かあのファミレスの隣で、ガス爆発が起きたらしくて、大騒ぎになってるよ!!』

 何と、店舗隣の改修中のテナントビルで、ガス漏れに火花が引火しての爆発が発生し、周辺に大小様々な破片が散らばる事故が起こったという。

 ファミレスなどの客にケガは無かったが、もし途中で帰らなければ、2日前に車検から戻ったばかりの旦那さんの車は、降り注ぐ破片が当たり整備工場に逆戻りになっただろう。



 懐疑的だったジュリさんは、その一件でタケルくんの能力を信じる様になったという。

「すごいですね、息子君マジのやつじゃないですか」

「信じざるを得ないっちゅうか? オカルト案件、信じないタチだったんだけどねー。…そう言えばこの前、息子がまた変な事言ってたんだ」

「何ですか?」

「『次、また女の子来るよ。あの子来るから』だって。『あの子』って、流産した子かな、マジかなぁ? マジだといいけど」


 それから2か月後、ジュリさんは仕事を辞めた。妊娠をしたからだった。

 特に医師から指示があった訳でも、健康状態が悪かった訳でも無いが、先の流産があったために大事を取ったとの事だった。

 その後、無事にジュリさんは女の子を出産したという。
 ジュリさんとの付き合いは途絶えてしまったので、現在を知る事は出来ないが、今でもタケルくんは不思議な予見をしているのだろうか?


 私が唯一知る、霊感があるかもしれないお子さんの話。

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感想 1

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