64 / 153
64 死にまつわるエトセトラ
しおりを挟む
葬儀に続いて、『死』にまつわるあれやこれやの話。
私の地元だけの話かもしれないが、『年初めに女性が亡くなると、亡くなる人が続く』と言うものがある。
女性は集団行動が好きなので、1人ではあの世に行きたがらず、何人か連れて行くというのだ。
ある年、1月に近所で高齢女性が老衰で亡くなった。するとそこから、3ヶ月連続で同じ町内の高齢女性が病死や老衰で亡くなったのだ。
年齢や季節的にも、死亡者があってもおかしくない状況だったが、いずれも3人は同じ趣味仲間であり、仲の良い友人関係だった。
「仲良かったから、皆で川を渡って行ったんだね」
と、参列者は言ったらしい。
ちなみに、最初に亡くなった女性の告別式は菩提寺の都合で『友引』におこなわれ、2人目の女性は『友引』の日に亡くなった。
偶然かも知れないが、私はちょっと怖かった。
他に『寿命でのやむを得ない死者は盆や彼岸に出る』という話もある。
永く昏睡状態だったり、状態悪化と寛解を繰り返す人は、何故かその時期に亡くなるという。
年齢や病気は関係ないらしく、どちらかと言うとそれは「あの人はあれが寿命だったのだ」と、残された人が納得するための迷信の様な気もするが…。
ある年の瀬、母方の祖父が危篤状態になった時のこと。
私はこんな夢を見た。
夢の中で私は母方祖父母宅に居た。いつもの様に茶の間に行こうとすると。
「子供はこっちに来たらダメ!」
知らないお婆さんに一喝され、廊下へ締め出された。
(私、成人してるのに…?)
首を傾げつつ、廊下にある姿見をふと見ると、私は小学校低学年時の姿だった。
(本当だ、子供だ。じゃあ遊ぼう!)
そこで祖父母宅にある玩具を引っ張り出して遊ぶ、という夢だった。
母にこの話をすると。
「て、事はご先祖さまが寿命に関しての話し合いをしてるのね。臨終は正月かな、春の彼岸かな…」
先人達からすれば、子孫の私は幾つになろうが『子供』なのだろうか。
結局、祖父は1度持ち直したが寝たきりとなり、春の彼岸最終日の翌日にこの世を去った。
そして、『死人の出た水回りは必ず改修してから使う』だ。
風呂の浴槽で家人が死んだ場合、浴槽を交換したり、風呂場そのものをリフォーム工事しないと、死人に引っ張られて新たな死者が出る、というのだ。
水場には死者の魂が留まりやすいので、理にかなっている感じもあるが、死亡時に激しく汚れた場合、いかに家族だとしてもそのまま使いたくないのが心情だろう。
私の知人の隣人宅で、その家の父親が浴槽で亡くなった事があった。家自体が古かった事もあり、翌年新しく家を立て替えたそうだ。
ところがその翌年、その息子も風呂場で亡くなったという。風呂場をリニューアルしたというのにだ。
同じ家に住む家族が、2代続けて2年違いで亡くなったその家は、今もまだ健在らしいが、風呂場のリフォームをその後行ったかは不明だ。
以上が私の地元で語り継がれる、『死に関する迷信』である。
『迷信』ではあるが、私からすれば裏付けのある話ばかりなので、『迷信』とは思えないものもあるのだが…。
私の地元だけの話かもしれないが、『年初めに女性が亡くなると、亡くなる人が続く』と言うものがある。
女性は集団行動が好きなので、1人ではあの世に行きたがらず、何人か連れて行くというのだ。
ある年、1月に近所で高齢女性が老衰で亡くなった。するとそこから、3ヶ月連続で同じ町内の高齢女性が病死や老衰で亡くなったのだ。
年齢や季節的にも、死亡者があってもおかしくない状況だったが、いずれも3人は同じ趣味仲間であり、仲の良い友人関係だった。
「仲良かったから、皆で川を渡って行ったんだね」
と、参列者は言ったらしい。
ちなみに、最初に亡くなった女性の告別式は菩提寺の都合で『友引』におこなわれ、2人目の女性は『友引』の日に亡くなった。
偶然かも知れないが、私はちょっと怖かった。
他に『寿命でのやむを得ない死者は盆や彼岸に出る』という話もある。
永く昏睡状態だったり、状態悪化と寛解を繰り返す人は、何故かその時期に亡くなるという。
年齢や病気は関係ないらしく、どちらかと言うとそれは「あの人はあれが寿命だったのだ」と、残された人が納得するための迷信の様な気もするが…。
ある年の瀬、母方の祖父が危篤状態になった時のこと。
私はこんな夢を見た。
夢の中で私は母方祖父母宅に居た。いつもの様に茶の間に行こうとすると。
「子供はこっちに来たらダメ!」
知らないお婆さんに一喝され、廊下へ締め出された。
(私、成人してるのに…?)
首を傾げつつ、廊下にある姿見をふと見ると、私は小学校低学年時の姿だった。
(本当だ、子供だ。じゃあ遊ぼう!)
そこで祖父母宅にある玩具を引っ張り出して遊ぶ、という夢だった。
母にこの話をすると。
「て、事はご先祖さまが寿命に関しての話し合いをしてるのね。臨終は正月かな、春の彼岸かな…」
先人達からすれば、子孫の私は幾つになろうが『子供』なのだろうか。
結局、祖父は1度持ち直したが寝たきりとなり、春の彼岸最終日の翌日にこの世を去った。
そして、『死人の出た水回りは必ず改修してから使う』だ。
風呂の浴槽で家人が死んだ場合、浴槽を交換したり、風呂場そのものをリフォーム工事しないと、死人に引っ張られて新たな死者が出る、というのだ。
水場には死者の魂が留まりやすいので、理にかなっている感じもあるが、死亡時に激しく汚れた場合、いかに家族だとしてもそのまま使いたくないのが心情だろう。
私の知人の隣人宅で、その家の父親が浴槽で亡くなった事があった。家自体が古かった事もあり、翌年新しく家を立て替えたそうだ。
ところがその翌年、その息子も風呂場で亡くなったという。風呂場をリニューアルしたというのにだ。
同じ家に住む家族が、2代続けて2年違いで亡くなったその家は、今もまだ健在らしいが、風呂場のリフォームをその後行ったかは不明だ。
以上が私の地元で語り継がれる、『死に関する迷信』である。
『迷信』ではあるが、私からすれば裏付けのある話ばかりなので、『迷信』とは思えないものもあるのだが…。
0
あなたにおすすめの小説
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
10秒で読めるちょっと怖い話。
絢郷水沙
ホラー
ほんのりと不条理な『ギャグ』が香るホラーテイスト・ショートショートです。意味怖的要素も含んでおりますので、意味怖好きならぜひ読んでみてください。(毎日昼頃1話更新中!)
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる