我ガ奇ナル日常譚 〜夢とリアルと日々ホラー〜

羽瀬川璃紗

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122 金縛り・弐

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 金縛り、私の母親編。私の夢見の体質は彼女譲りなのか、母親も金縛りに関する妙な体験談がある。


 あれは、私がまだ10代の時のこと。
 小学生の頃からオカルト好きで、『心霊映像』や『恐怖体験』の特番があると欠かさず見ていた私と妹は、その夜の特番を心待ちにしていた。

「今晩のアレ、楽しみ~。テレビに映った心霊特集気になる」

「前回の再現ドラマ、別の番組でも見た話だったからちょっとつまんなかったよね~」

 いつものようにリビングで昼寝する母親の傍ら、私と妹はおやつをつまみ、そんな談議をしていた。しばらく話してると、急に母親が起き上がって怒った。

「あんた達! 声がうるさいよ、静かにしなさい!!」

 母は繊細とは真逆の人間で、どんなにうるさい場所でも眠れてしまう(4児の母が成せる技か)。そんなに大声で話してた訳ではなかったが、具合でも悪いのかと私達は会話を自重した。

 それから数日後。母はこんな事を言いだした。

「こないだ特番あった日に金縛り遭ってさぁ」

「え、夜に?」

「昼間。あんた達2人で、前回の心霊特番の話してたでしょ? 隣でウトウトしてたら変なモノ見えて、金縛りになったの」

「何が見えたの?」

「目を閉じてるのに、ピントが合わないくらいの近距離に『寄り目の天狗』の顔があったの。瞬きしなくて無表情の静止画みたいで、でもあんた達の話す声は普通に聞こえてた」

 怖い話をすると寄って来るとは言ったものだ。母は取りあえず、私達の心霊番組談議を止めさせなくてはと思い、解いて起きて私達を叱ったという訳だ。

 レム睡眠中に耳から入った情報が作り出した虚像かもしれないが、耳は聞こえているのに身体は動かず、目を閉じているのに変なモノが見えるというのはなかなかの恐怖である。


 金縛りが、とあるきっかけになった事もあった。

 幼い頃は両親と4兄弟皆で川の字(6人なので倍の川)で寝ていたが、ライフスタイルの変化で父・私&妹・弟2人&母の3組に分かれて、それぞれ寝る様になった。

 ある夜、母が寝ている時に、見知らぬ女と口論する夢を見たそうだ。夢の詳細は忘れたが一方的に暴言を吐かれ覚醒し、寝直そうとしたら金縛りに遭ったという。

(えー、横向きでも金縛り遭うの?)

 眠いからそのまま寝よう、と思った母。だが次の瞬間、タオルケットから出ている脚に、何者かの長い髪の毛がバサッとかかった。
 血の気の引いた母は、メチャクチャに脚を動かし金縛りを解き、タオルケットで全身を隠し寝直したそうだ。

「だって隣で寝てる息子達、髪の毛短いもん。絶対アレ女の髪の毛だよ、長かったし」

 母はそれから間もなく、別室で眠るようになった。

 ちなみにその部屋は、第85話でも紹介した弟達の部屋である。母が体験したのは、私と妹が不可解体験をした数年後の事だった。

 現在、その部屋を使っている弟は、特に不可解が起こる事無く生活している。
 起こらないのはたまたまか、『何か』が居るとしたら、それは相手を選ぶのか。

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感想 1

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