我ガ奇ナル日常譚 〜夢とリアルと日々ホラー〜

羽瀬川璃紗

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138 向こう

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 前回、『あの世との距離感が夢に現れた話』をしたのだが、今回は死者が私の夢に出て来た時のことを幾つか。


 父方祖母が亡くなった夜、こんな夢を見た。

 夢の中で私は中学生くらいで、家族みんなで農作業をしていた。
 機械で作業をしていたがマシントラブルが多く、父と母は『メンテナンスをサボるから!』『ミスをフォローせず文句ばっかり!』と険悪になっていた(娘の私からすればいつものこと)。

 ふと『おばあちゃん何してるかな』と思い祖母を見ると、黙々と自分の担当作業をしていた。

 私は『でもアレ、気づいてるし見てるよね』と苦笑し、夢から覚めた。

 その後、祖母の葬儀の準備や段取りで余裕の無い父と母が何度か揉めていたのだが、多分祖母は私の夢の中みたいに、見えないけど近くで呆れてるんだろうな、と思ったものだ。


 同様に、亡き母方祖父の場合。

 夢に祖父が出て来る時は、いつも祖父母宅の外に居た。シチュエーションは様々、皆で花火をやったり畑仕事をしてたりで庭先には居るのに、何故か家の中には入らないし行かないのである。

 母にその話をすると、

「認知症だった晩年、おばあちゃんが嫌過ぎて自宅から出て徘徊していたから、死後もおばあちゃんの居る自宅に入らないのかもしれない」

と、見解を述べた。

 ところが昨年、家に入れなかった筈の祖父が、家の中で爆睡してる(しかも生前の様にいびきをかいてる)夢を見た。
 丁度その3か月前、祖母が施設に入ったところだったので、『祖母が居なくなりようやく祖父が家に入れるようになった』のかも、と私は考えた。

 そもそも、祖父の両親が土地を借りて住み始めた、祖父にとって生まれ育った家なのだが。夫婦というものは、色々複雑な事情も存在するのである。


 番外編として。

 数年前、実家の飼犬が14歳11か月の大往生をした。その翌年の秋彼岸の前の週、その愛犬が私の夢に出た。

 夢の中で私は用事があって実家へ出向き、玄関先で母と立ち話をしていた。ふと、いつものように傍にある犬小屋を見やると、愛犬が顔を覗かせた。

『元気かぁ?』

 犬小屋に私が行くと、喜んだ愛犬は小屋から顔と前足を出したのだが、妙だった。全体が茶色い体毛なのに、腰から先が妙に長細く、灰色の毛になっていた。

(あれ?この子、こんな色でこんなに胴が長かったっけ…?)

 夢はそこで終わった。

 多分愛犬は、まだ彼岸じゃないのに夢の中で『フライング彼岸帰省』をしたのだろう。
 結果として、上半身は私の夢に入り込めたが、下半身はあの世に居るため、灰色=死後の世界の色だったのではないか。

 ちなみにその愛犬は、私だけでなく母の夢にもその当時『フライング彼岸帰省』をしていた。母の夢は日常の夢だったので、特に記憶に残る何かは無かったらしい。


 『死』は終わりではなく、その先の事情も実は存在するかもしれない、と思った話。

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