漆黒の夜は極彩色の夢を 〜夢日記ショート·ショート~

羽瀬川璃紗

文字の大きさ
62 / 132

バグ

しおりを挟む
 私は、ゲームの世界の登場人物になっていた。 

 武器は元々備わっている初期装備の武器と、天(開発者)より与えられた特殊能力。
 本編で戦闘員パーティーメンバーでもモブキャラでも、最後の1人になるまで殺し合わねばならない。
 バトルロワイヤルがゲームのフィールドで、始まっていた。 

 この状況になると、皆の本性がめくれてくる。
 仲間思いで正義漢のアルバートは殺人マシーンと化し、心優しきヒロインのバネッサも一定時間不死身になれる特殊能力を乱用し、何人も葬っている。 


 私は非戦闘員にも関わらず、ある条件を満たしている事から、この狂ったゲームに巻き込まれてしまった。 

「冷静な人ってどれ位居ると思う?」 

「さあ? もう全員殺されたんじゃない?」 

 ランディが事も無げに言う。そんな彼も元々はチャラいキャラなのだが、皆がおかしいせいかとてもマトモに見える。 

「各バージョンの主人公、ヒロイン級の奴らが1番狂ってるな。誰もが『唯一のモノ』になりたがる。
つまり、アクが強くないと主役級を張れないって事だ」 

 普段から落ち着いてるバロンは、こんな時も冷静だった。

 我々3人は戦意を持たぬことと、このゲームの終焉を願っていることで、利害関係が一致している。 

 私は言った。 

「可能な限り多くの人を『隠す』事が出来れば、と思ってる。とりあえず戦意を持たない人から」 

「そうだね、君みたいに『名前』のある『ゲーム内で非戦闘員モブキャラ』ってどれくらい居るだろう?」 

 ランディが首を傾げると、バロンは呟いた。 

「…3桁はいくだろうな」 

 私達3人の作戦は、私の特殊能力ミッシングにより傷つけずに対象者を隠し、人数を減らす。
 隠された人は自動的に行動不能になるので、『強制保護』と言う感じか。 


「しかし開発者も馬鹿だな。特殊能力を何百も作ったら、どこかにバグが発生するだろうに」 

「その結果がコレよ。いいじゃない。知らしめてやる」 

 私が言うと、バロンは鼻で笑った。 

「ほう、ミーシャはそういうキャラだったのか?」 

 キャラ設定は私もブレているようだ。 

 
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

鳴瀬ゆず子の社外秘備忘録 〜掃除のおばさんは見た~

羽瀬川璃紗
経済・企業
清掃員:鳴瀬ゆず子(68)が目の当たりにした、色んな職場の裏事情や騒動の記録。 ※この物語はフィクションです。登場する団体・人物は架空のものであり、実在のものとは何の関係もありません。 ※ストーリー展開上、個人情報や機密の漏洩など就業規則違反の描写がありますが、正当化や教唆の意図はありません。 注意事項はタイトル欄併記。続き物もありますが、基本的に1話完結、どの話からお読み頂いても大丈夫です。 26年1月限定で毎週金曜22時更新。 次回の限定更新は26年3月を予定しております。

とある男の包〇治療体験記

moz34
エッセイ・ノンフィクション
手術の体験記

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

意味が分かると怖い話(解説付き)

彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです 読みながら話に潜む違和感を探してみてください 最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください 実話も混ざっております

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

処理中です...