漆黒の夜は極彩色の夢を 〜夢日記ショート·ショート~

羽瀬川璃紗

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魔法と駆逐 ※子供の重傷表現あり

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 私は、小学生になっていた。

「私ね、魔法使えるんだよ」

 給食の時間、私が不意にそう言うと、カズオは怪訝な顔をした。

「はぁ?」

 私の隣に座ってた、ノゾミも頷いた。

「マジだよ、都子の魔法。先週テレビで『超能力者』の特番やってたでしょ? 使えるようになったんだって」

 カズオは鼻で笑った。

「寝言は寝て言えよ。だったらお前、空飛んでみろっての」

 私は真剣な目で答えた。

「それがさ、まだ開花したばっかで使えるものと使えないものがあるの。空飛ぶは念じたけど出来ない」

「出ました、『それは出来ない』発言。嘘つくんなら黙れよ」

 私は隣の班の男子を指さした。

「今からツトムくん、トイレ行かせるから見てて」

 私はツトムを見つめた。友人らと談笑していたツトムは、急に立ち上がり担任のとこへ行き、教室を出て行った。

「ね? まだこういうことしか、出来ないの」

「すごーい! さすが都子」

 私の魔法には制約があった。かけられる範囲は、同じクラスの同級生のみで、担任や他のクラスの子はかからない。
 そして、『金持ちになる』とか『給食のデザートが増える』とか、当人以外の物質的なものにはかからなかった。

「マジ、すげえじゃん。都子」

「都子にかけて貰えば、どんな苦手も克服だわ!」

 跳べなかった跳び箱が飛べた、ホームランを打てた…、クラスメイト達は密かに沸いた。カズオは、ジト目で私を見ていた。

 数日後の掃除時間、カズオは窓拭きをする私の元へ現れた。

「おい。俺に魔法をかけろ」

「え、今?」

 カズオは凄む様な表情で言った。

「俺を不死身にしろ。やらねえとぶん殴る」

「…分かった」

 私は、カズオを数秒間見つめた。

「やったか?」

「うん」

「よし!」

 カズオは窓によじ登ると、3階から飛び降りた。クラスメイト達は窓に駆け寄った。

「…やったね、あいつ」

「息してるな。血すごいけど生きてる」

「ていうかウケる。『不死身』とかって」

 カズオの転落は、普段の行いのせいで『度胸試しの末の事故』と断定された。死の淵を彷徨ったカズオは何とか持ち直し、退院後は特別支援学校へと転校した。

 私達5年1組の児童は、乱暴者のカズオの被害者だった。私達は『魔法』を作り出し、害なるものを除去したのだった

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