超レア消費アイテム生産者の異世界つえー物語~今ならもれなく全紛失したら死ぬ特典付きです~

安居 飽人

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序章

3. 戦闘は全紛失フラグ

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「…!?ここは…!」

 森の中、木々が生い茂る場所で目を覚ます。
 先程から現実とは思えない白い空間から飛ばされ、もしかしたら現実の日本に戻された、所謂黄泉返りとして復活したのでないかと一瞬錯覚した。

「視点が……!わ、若くなってる…!?」

 そう、今の自分はあの時の大学生ではない。
 そこからマイナス10歳の、しかも生前"アウェイクスピリットオンライン"で制作したアバターが幼くなったような姿になっていたのだ。

「夢じゃない、な……」

 そうして土や森や風の匂いを感じるうちに、徐々に自分が何故この場に居るのかを思い出す。

「そうだった……ここが異世界か。ん?」

 そこで、来ていたズボンのポケットに違和感を覚える。
 探ってみると、それは生前使っていたスマホだった。機種もそれを覆っているカバーも変わらないが、だけは違った。
 スマホに映っている画面には、自分がダウンロードしたアプリが一切なく、代わりに【Q&A】【ITEM】【SHOP】と書かれた3つのアプリしか入っていない事に気づいた。

 【Q&A】はこの世界の事について、詳しく書かれているのを先程あったアイリーンが纏めたものだろう。【ITEM】は手に入れた物を異空間収納した際、何が入っているのかを確認する機能か?それに、【SHOP】という物はなんだ?思いがけず画面をタップする。
 
 それは、今まで集めたレインボーオーブを使って、様々な物を購入するという機能だった。"アウェイクスピリットオンライン"で当たり前の道具や回復ポーション、中には終盤にならないと絶対に手に入らない高価なアイテムまで取り揃えてある。
 アイテムが高価であればあるほど、消費されるオーブの数も多い。現在所持しているレインボーオーブは【5000】OV。OVとはオーブの単位か。安価なポーションなら【100】OV…50個購入すれば即0になってゲームオーバーだから、49個までなら買える。

 次に自分のステータスを確認しようとスマホを弄ろうとしたら、勝手にステータスが表示された。ご丁寧に音声検索まで再現されているとは…。

名前 :オルタ・クリムゾン
レベル:100/199
性別 :男
身長 :175cm ※15歳成人時
体重 :63kg  ※15歳成人時
種族 :堕天使アンヘルハーフ

HP  :500/1000  
MP  :500/1000   
物理攻撃:A
物理防御:B
素早さ :S
魔法攻撃:A 
魔法防御:A
特殊  :S
運   :C   

職業ジョブレベル】
妖術師ソーサラー       ―Lv.10/10
戦士ファイター       ―Lv.10/10
魔獣使いビーストテイマー       ―Lv.10/10

【スキルレベル】
〇戦闘系
・我流体術 ―Lv.10/10
・剣術   ―Lv. 8/10
・槍棒術  ―Lv. 4/10
・弓術   ―Lv. 6/10
・ガンナー ―Lv.10/10

〇耐性系
・状態異常耐性 ―Lv.10/10
・幻術耐性   ―Lv.10/10

〇魔術系
・魔力感知   ―Lv.10/10
・火属性    ―Lv. 9/10
・風属性    ―Lv. 6/10
・土属性    ―Lv. 5/10
・水属性    ―Lv. 7/10

〇その他
・家事     ―Lv. 8/10
・合成術    ―Lv.10/10

〇特殊
・雷属性    ―Lv.10/10
・結界魔術   ―Lv.10/10
・経験値取得率UP―Lv.1/?
・レインボーオーブドロップ率UP―Lv.1/?

 よし、ステータスは確認した通りで何処もおかしいところはない。女神さまと弄ったスキルも特殊として記録されてある…!
 折角なら何かのモンスターと戦って、どういう感覚なのかを確かめたいところ。でもいきなり来たら心の準備が―――――


「ガァアアアア!!」
「ふぇ!?」

 いきなりモンスターが出てきちゃったよ!?まさか…これが…

 転生後初のだ!!

 どうしよどうしよ…!前世じゃ熊どころか猿とか野生の動物とエンカウントしたことないんだよ!?今こうしている間でも………あれ?
 目の前に現れた狼っぽいモンスターは襲ってこない。よく見ると、序盤の野良モンスターである"ザーコウルフ"だっけ?レベルは確か1~10辺りで初心者がバトルで慣れさせるためのチュートリアルモンスターだったか?
 もしかして、俺のレベルが高すぎて手が出せずにいるのか?それともゲームの通りで、これはチュートリアルで動かない仕様というものだろうか?

 なんにせよ、今の自分には落ち着かせる時間が必要だ。先ずは装備を整えないと!スマホから【ITEM】をタップして、武器を呼び寄せる。

・<クリムゾン・マント>
 レアランクA。相手からの物理・魔法攻撃の威力を減少させ、更に内側には攻撃力上昇・治癒魔法を組み込ませてある紅蓮の防護服。赤い外套を内側に羽織り、肩・胴・脚にそれぞれ最低限の黒い強化防具として取り付けている。

・<煉獄紅刀れんごくこうとう
 レアランクS。血のような紅い日本刀。魔法を付与することも可能であり、特に炎・雷系魔法では威力が上がる。与えたダメージの数%を吸収し、自身の体力に変換・回復する効果を持つ。

 よしこれだ!【装備しますか?】と迷わずYESをタップする。次の瞬間、体から光が溢れ出して選択した服装と、紅い日本刀が手に握られていた。
 うひょー!実物で見るとかっけー!だが、相手もいつまでも待っていない!装備したのは良いけど、どうやって振ればいいんだ?剣道とかやったことないんだけど!?

 そう思っていると、次の瞬間には先程の視点から更に高くなって……
 いや、ゲームをプレイしているように…姿を中心に風景を見ていた。えっこれって幽体離脱!?そして手にはいつの間にかコントローラー……これで倒せと??
 スティックを傾かせて相手に近づき、無防備になっているモンスターを前にボタンを押す。アバター側の感覚がどうなっているのか分からないが、日本刀が無慈悲にもザーコウルフに向かって振り下ろされる。

 切り裂かれるエフェクトが発動し、モンスターは一発で倒された挙句黒い瘴気となって消え失せる。そしてそこには少量のレインボーオーブがドロップしていた。初めて獣を殺してしまったけど、こういう感覚なのか。だが、しなければレインボーオーブを落とされてこちらが殺されていた。

 チュートリアルが終了し、スマホ画面に映し出される地図を頼りに突き進んでいく。すると……

「おぉ!!」

 そこには100%木造のログハウスが建てられていた。ゲームだとかなり高額に支払わないと購入できない拠点だ。

『最低限の生活必需品は揃えております、傍には川が御座いますので暫く飢えには問題ありません。それと…』

 女神さまがご用意してくださった大切な拠点、ぞんざいに扱わないようにと感激の涙を流す。

 だが、次の一文でそれは180度変わる。

『申し訳ありませんが、ログハウスの防衛までには手を回せませんでした。モンスターは四六時中出現いたしますので、防犯対策はそちらの方で確立させてくださいsorry』

 ガサガサガサ…!

 この一文を読んだ瞬間、まるでタイミングを計ったかのように何体かのモンスターが、こちらを見た。

「そこが一番重要だろうよぉぉぉぉぉ!?!?!?」

 全没収フラグは終わらない。日本刀を振りかざしながら、転生したオルタ・クリムゾンは迎え撃つのであった。
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