17 / 42
序章
14. 初見はフラグばかり―①
しおりを挟む
「ノーマンさん、国にある家ってどれくらいの大きさなんですか?」
目的のブルーローズ帝国への道、俺は馬車の中でこれから共に暮らすノーマンさんへ質問をする。
「そうさな、国から下賜されたものだから…軽く10部屋以上はあるかな」
マジか?かなりの豪邸なんじゃ…
"アウェイクスピリットオンライン"では仕事場にしかいないから、こういったプライベートな話を聞けるのは中々新鮮である。確かに、ゲームの設定でも国王と旧知の仲だったからな…。
「部屋だけじゃないですよ?お客様をたくさんお呼びすることが出来る応接室があって、大きな暖炉に10人くらいは座れるソファーがあるリビングに、30人で食事が出来るダイニング、男女別のお風呂や厨房があります」
アルナちゃんが補足する。マジ大きいんだな!?
そういうのは現世の中でも余程巡り合わせがないと、一生かけても住めないくらいのものじゃないか?男女別の風呂やトイレって、どんだけ金掛けてんだよ!?
さて、王都への道程ですが………特に何も無かったよ!
それより馬車からの風景に目を輝かせていたからな。森を抜け、国へ近づくごとに村人の家屋や畑が多くなっていき、それと同様に人とすれ違う回数も多くなってきた。
「見えて来たわ。オルタ君、あれが"ブルーローズ帝国"よ」
アルリスさんの声で、顔を前へ向ける。
デカい…それしか言えなかった。
大きい、これが"ブルーローズ帝国"か!?ゲームで見るより何倍も大きい…!
単にビジュアルと広さが違うだけかもしれないが、本当に異国に来たと実感させられる。一番目立ったのはどの建物よりも高度の高い位置にある"王城"だろう。メインイベントでしか入れないが、いつか俺自身入れる日が来るだろうか?
そして、やって来ました没収フラグ―――検問です!
大門から続く長い列に並び、馬車たちは一旦止まる。窓からのぞくと、他所から来た人や物品を見張りの兵士達が厳しくチェックしているのが見えた。大丈夫だ、異空間収納を利用している俺からすれば、エバーライフ家の皆が口走らなければ問題ない。そして、俺達の番がやってくる。
「身分証はありますか?」
と、入国を管理してる兵士さんが訊ねてくる。
身分証…住民票みたいなもの?をノーマンさんが兵士へ差し出す。しまった、そんなものは当然俺にはない!
「これでいいか?」
「はっ!確認いたしました! あ、あの…こちらの坊っちゃんは?」
坊っちゃん!?まあ言われるのは覚悟していたが…兵士からの怪訝な目に委縮してしまう。因みにイナヅマは俺の服へ上手く隠れている。
「この子はオルタ。オルタ・クリムゾン。我々の養子だ、住民登録はこちらでやっておくよ」
「そうでしたか!どうぞお通り下さい!」
「ありがとうございます。お勤めご苦労様です」
ノーマンさんの説明で兵士が納得してくれて俺はホッとする。
検問をクリアし、俺達はそのまま帝国内へ入った。
流石帝国、人の密度がすごすぎる。前世で都会の人混みを知ってるとはいえ、実際にこんなに大勢の人を見るのはこの世界に来て初めてだ。東京程ではないが、滅茶苦茶多い。
俺は視線をキョロキョロさせながら街並みを進む。それにしても綺麗な街並みだ。道路は全部石畳で整備も行き届いているし、建物も全部石造り。現代のヨーロッパ風の街並みとよく似ている。
「オルタ君、あそこが我々の仕事場"エバーライフ商会"だ」
…え?あれが仕事場ってマジなの?
どう見ても王宮にしか見えないんですけど?
しかし、国へ入ってもまだ目的地へ着かない。商会を通り過ぎて20分ほどは経ってるような…。
だが街並みを見ていると納得する。この国は王城を中心に囲う様に、貴族が住む大きい屋敷が並んでる区画があり、更にそれを囲う様に平民が暮らす区画がある。
区画同士が別れてる訳では無いが、王城に行く機会の多い貴族達が城の近くに邸宅を構え、特に王城に用事の無い平民がその外側に家を構えているだけだ。
そしてようやく屋敷に着く。馬車から降りて、そのでかさに屋敷を見上げ口をあんぐりと開け呆けてしまう。
予想通り…とてつもなく大きい屋敷もとい洋館じゃねーか!?これは当然だが、決して仕事場ではないエバーライフ家の私宅である。
屋敷の門の前でそんな事を考えていると…
「ようこそお帰りなさいませ、ノーマン様、アルリス様、アルナ様。そして、初めましてオルタ様」
門の脇から立派な鎧に身を包んだ兵士さんが現れる。この世界に来て、年上から様付けで呼ばれるのは初めてだぞ…。
「この子はこういう扱いに慣れていなくてな、あまり堅苦しくない様に接してやってくれないか?」
「はっ、かしこまりました」
いや、ぜんぜん堅いわと心の中でツッコむ。
改めて見ても大きい家だ…シンメトリーの洋館なんて初めて見る。
そしてこれまた門に負けないくらい、でかい玄関のドアを開くと…
「「「「「「お帰りなさいませ」」」」」」
ズラリと並んだメイドさんと執事さんが出迎えてくれる光景と、広すぎる内装に口が床に付くほど唖然としてしまった俺であった。
目的のブルーローズ帝国への道、俺は馬車の中でこれから共に暮らすノーマンさんへ質問をする。
「そうさな、国から下賜されたものだから…軽く10部屋以上はあるかな」
マジか?かなりの豪邸なんじゃ…
"アウェイクスピリットオンライン"では仕事場にしかいないから、こういったプライベートな話を聞けるのは中々新鮮である。確かに、ゲームの設定でも国王と旧知の仲だったからな…。
「部屋だけじゃないですよ?お客様をたくさんお呼びすることが出来る応接室があって、大きな暖炉に10人くらいは座れるソファーがあるリビングに、30人で食事が出来るダイニング、男女別のお風呂や厨房があります」
アルナちゃんが補足する。マジ大きいんだな!?
そういうのは現世の中でも余程巡り合わせがないと、一生かけても住めないくらいのものじゃないか?男女別の風呂やトイレって、どんだけ金掛けてんだよ!?
さて、王都への道程ですが………特に何も無かったよ!
それより馬車からの風景に目を輝かせていたからな。森を抜け、国へ近づくごとに村人の家屋や畑が多くなっていき、それと同様に人とすれ違う回数も多くなってきた。
「見えて来たわ。オルタ君、あれが"ブルーローズ帝国"よ」
アルリスさんの声で、顔を前へ向ける。
デカい…それしか言えなかった。
大きい、これが"ブルーローズ帝国"か!?ゲームで見るより何倍も大きい…!
単にビジュアルと広さが違うだけかもしれないが、本当に異国に来たと実感させられる。一番目立ったのはどの建物よりも高度の高い位置にある"王城"だろう。メインイベントでしか入れないが、いつか俺自身入れる日が来るだろうか?
そして、やって来ました没収フラグ―――検問です!
大門から続く長い列に並び、馬車たちは一旦止まる。窓からのぞくと、他所から来た人や物品を見張りの兵士達が厳しくチェックしているのが見えた。大丈夫だ、異空間収納を利用している俺からすれば、エバーライフ家の皆が口走らなければ問題ない。そして、俺達の番がやってくる。
「身分証はありますか?」
と、入国を管理してる兵士さんが訊ねてくる。
身分証…住民票みたいなもの?をノーマンさんが兵士へ差し出す。しまった、そんなものは当然俺にはない!
「これでいいか?」
「はっ!確認いたしました! あ、あの…こちらの坊っちゃんは?」
坊っちゃん!?まあ言われるのは覚悟していたが…兵士からの怪訝な目に委縮してしまう。因みにイナヅマは俺の服へ上手く隠れている。
「この子はオルタ。オルタ・クリムゾン。我々の養子だ、住民登録はこちらでやっておくよ」
「そうでしたか!どうぞお通り下さい!」
「ありがとうございます。お勤めご苦労様です」
ノーマンさんの説明で兵士が納得してくれて俺はホッとする。
検問をクリアし、俺達はそのまま帝国内へ入った。
流石帝国、人の密度がすごすぎる。前世で都会の人混みを知ってるとはいえ、実際にこんなに大勢の人を見るのはこの世界に来て初めてだ。東京程ではないが、滅茶苦茶多い。
俺は視線をキョロキョロさせながら街並みを進む。それにしても綺麗な街並みだ。道路は全部石畳で整備も行き届いているし、建物も全部石造り。現代のヨーロッパ風の街並みとよく似ている。
「オルタ君、あそこが我々の仕事場"エバーライフ商会"だ」
…え?あれが仕事場ってマジなの?
どう見ても王宮にしか見えないんですけど?
しかし、国へ入ってもまだ目的地へ着かない。商会を通り過ぎて20分ほどは経ってるような…。
だが街並みを見ていると納得する。この国は王城を中心に囲う様に、貴族が住む大きい屋敷が並んでる区画があり、更にそれを囲う様に平民が暮らす区画がある。
区画同士が別れてる訳では無いが、王城に行く機会の多い貴族達が城の近くに邸宅を構え、特に王城に用事の無い平民がその外側に家を構えているだけだ。
そしてようやく屋敷に着く。馬車から降りて、そのでかさに屋敷を見上げ口をあんぐりと開け呆けてしまう。
予想通り…とてつもなく大きい屋敷もとい洋館じゃねーか!?これは当然だが、決して仕事場ではないエバーライフ家の私宅である。
屋敷の門の前でそんな事を考えていると…
「ようこそお帰りなさいませ、ノーマン様、アルリス様、アルナ様。そして、初めましてオルタ様」
門の脇から立派な鎧に身を包んだ兵士さんが現れる。この世界に来て、年上から様付けで呼ばれるのは初めてだぞ…。
「この子はこういう扱いに慣れていなくてな、あまり堅苦しくない様に接してやってくれないか?」
「はっ、かしこまりました」
いや、ぜんぜん堅いわと心の中でツッコむ。
改めて見ても大きい家だ…シンメトリーの洋館なんて初めて見る。
そしてこれまた門に負けないくらい、でかい玄関のドアを開くと…
「「「「「「お帰りなさいませ」」」」」」
ズラリと並んだメイドさんと執事さんが出迎えてくれる光景と、広すぎる内装に口が床に付くほど唖然としてしまった俺であった。
0
あなたにおすすめの小説
『異世界ごはん、はじめました!』 ~料理研究家は転生先でも胃袋から世界を救う~
チャチャ
ファンタジー
味のない異世界に転生したのは、料理研究家の 私!?
魔法効果つきの“ごはん”で人を癒やし、王子を 虜に、ついには王宮キッチンまで!
心と身体を温める“スキル付き料理が、世界を 変えていく--
美味しい笑顔があふれる、異世界グルメファン タジー!
SSSレア・スライムに転生した魚屋さん ~戦うつもりはないけど、どんどん強くなる~
草笛あたる(乱暴)
ファンタジー
転生したらスライムの突然変異だった。
レアらしくて、成長が異常に早いよ。
せっかくだから、自分の特技を活かして、日本の魚屋技術を異世界に広めたいな。
出刃包丁がない世界だったので、スライムの体内で作ったら、名刀に仕上がっちゃった。
転生貴族の領地経営〜現代日本の知識で異世界を豊かにする
初
ファンタジー
ローラシア王国の北のエルラント辺境伯家には天才的な少年、リーゼンしかしその少年は現代日本から転生してきた転生者だった。
リーゼンが洗礼をしたさい、圧倒的な量の加護やスキルが与えられた。その力を見込んだ父の辺境伯は12歳のリーゼンを辺境伯家の領地の北を治める代官とした。
これはそんなリーゼンが異世界の領地を経営し、豊かにしていく物語である。
ブラック企業でポイントを極めた俺、異世界で最強の農民になります
はぶさん
ファンタジー
ブラック企業で心をすり減らし過労死した俺が、異世界で手にしたのは『ポイント』を貯めてあらゆるものと交換できるスキルだった。
「今度こそ、誰にも搾取されないスローライフを送る!」
そう誓い、辺境の村で農業を始めたはずが、飢饉に苦しむ人々を見過ごせない。前世の知識とポイントで交換した現代の調味料で「奇跡のプリン」を生み出し、村を救った功績は、やがて王都の知るところとなる。
これは、ポイント稼ぎに執着する元社畜が、温かい食卓を夢見るうちに、うっかり世界の謎と巨大な悪意に立ち向かってしまう物語。最強農民の異世界改革、ここに開幕!
毎日二話更新できるよう頑張ります!
異世界転生した女子高校生は辺境伯令嬢になりましたが
初
ファンタジー
車に轢かれそうだった少女を庇って死んだ女性主人公、優華は異世界の辺境伯の三女、ミュカナとして転生する。ミュカナはこのスキルや魔法、剣のありふれた異世界で多くの仲間と出会う。そんなミュカナの異世界生活はどうなるのか。
家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~
北条新九郎
ファンタジー
三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。
父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。
ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。
彼の職業は………………ただの門番である。
そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。
二月から週二回更新になります。お気に入り・感想、宜しくお願いします。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める
自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。
その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。
異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。
定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる