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序章
15. 初見はフラグばかり―②
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これから新しく済む家に着いたら、メイドさんとか執事さんがいた。
あれ?前世で金持ちじゃないから知らないけど、実際にこんなに多いの?ぶっちゃけもっと少なくて、5人くらいで生活をするんじゃないかと思っていたのだが…。
「ここではこれが日常なのですよオルタ様。それに、この屋敷の部屋も半分程は使用人の部屋になります」
ここでも発動するアルナアドバイス。そういうもんなのかな…
「まぁオルタ君は、これから慣れて行けばいいよ」
アルリスさんの優しさが目に沁みます。
「お帰りなさいませ旦那様、奥様、アルナ様。そして、お初に御目に掛かりますオルタ様。私、このエバーライフ邸の女中頭を務めさせて頂きます。ルーナと申します。至らぬ所も御座いましょうが、精一杯お勤め致しますので宜しくお願い致します」
「「「「「「宜しくお願い致します」」」」」」
メイドさん達が一斉に頭を下げる。久しぶりに見たなメイドさん…。
友達の誘いでメイド喫茶に行ったきりだ。ここじゃメイドはファッションじゃなくて立派な職業である為、制服は正に作業着だ。清楚ある黒服に白いエプロン。スカートも短くないし、フリフリもなし。アルバイトとは違う、本物である。
「お初に御目に掛かりますオルタ様。私この屋敷の執事長を務めさせて頂きます、スチュワードと申します。この屋敷の事は万全に取り仕切りますので、宜しくお願い致します」
「「お願い致します」」
メイドが沢山ならまだ分かるが、執事も数名いる。名前はてっきりセバスチャンかと思ったけど、スチュワードさんね了解。
「私は料理長を務めさせて頂きます、ジャンと申します。オルタ様にご満足いただけるようお食事をご提供いたしますので、何卒宜しくお願い致します」
料理人まで数名雇っているのか!?何だこの待遇?俺は…俺は一体何をしたらいいんだ!?
「オルタ様は何もなさらなくて結構です。掃除、洗濯、料理と家事は全て私どもにお任せ下さい」
「そ、そう言われても…今まで全部自分でしてたし、全部任せるのは気が引くというか…」
「ハハハ、まあ初めはそう不安になるが慣れていけばいい。慣れたら気にする必要は無くなっていくさ」
ノーマンさんがそう背中をバシバシ叩く。リラックスさせようという魂胆だが、未だに落ち着かない。それから洋館内を案内され、ようやく自分の部屋に辿り着いた。
…広い、ログハウスの私室より広すぎる空間だ。荷物は全部異空間収納から取り出せばいいが…
《…オルタ、これがベッドというものなのか?前の家より何倍もフカフカなのだが》
ログハウスで過ごした最後の夜と同じくらい寝つけられないのは言うまでもなく、それが翌日の朝…昨日との違いが朝一番でハッキリと現実であったことを思い知らされる。
「オルタ様、朝でございます。起きておられますか?」
移動の疲れが溜まっていたせいか、フカフカのベッドで一夜明けたと思った瞬間見知らぬ声で目が覚める。
何のことはない、ルーナさん率いるメイド隊(自分で命名)が朝の支度に自室を訪れて来たのだ。支度なんて自分一人で出来るのだが、その前に既にドアの向こうで待機していたのだ。これが貴族の流儀…!お手伝いさん、早すぎる!
「それでは失礼ながら、オルタ様のお支度をさせていただきます」
こちらが声を上げると、有無を言わずに俺の身の回りを世話を開始した。
こちらがやる事と言えば洗面くらいしかない。頭の髪の毛から、足の指先までの着替えをあっという間に終わらせる。あれか、アルナちゃんで慣れているんだなこの人たち。因みにイナヅマの方は毛づくろいだけだが、慣れているような手つきでしかも素早く終えていた。しかもイナヅマも気持ちよさそうに落ち着いている。
「お食事のご用意は出来ておりますので、ダイニングへご案内させていただきます」
支度を終え、今度は朝食だ。ルーナさんに案内され、1階のとある部屋の前に着く。
「おはようオルタ、昨日はゆっくり休められたか?」
「は、はい。ぐっすりと眠れることが出来ましたのー…いえ、父上」
扉を開けると、一番奥の真正面の席には当主のノーマンさんが座って食事をしていた。うーん、ここの養子になった事を実感できていないからか、まだ他人行儀な姿勢になっている。そしてメイドの一人が、俺の座る椅子に引いてくれて、静かに座った。
「謙遜しないで、貴方はもうエバーライフ家の家族なんだから」
「ふふ、御兄様ったら」
隣にいたアルリスさんとアルナちゃんがそう優しく微笑んでくる…………ん?お兄様??
「ちょっとまって…アルナさん?お兄様って???」
「えっ?どこか可笑しいところありましたか?だって私よりも年上で、それに憧れの存在なのです。呼んで当然ですよ?それに、私の事はアルナと呼び捨てで結構です。これからよろしくお願いしますね♪」
あまりのカルチャーショックに、俺は石化してしまう。
前世では一人っ子だったから、兄弟なんていない。なんだかむず痒いな…。
さて、今日の用事は他でもない…
第4の没収フラグ―――市民証作成である!
先日、この街に入った際にこれから父になる人が見せた市民証を、本日自分用のを作成する手筈だ。
これがとんでもない優れモノで、個人の魔力を認識し専用の魔術台を使用して本人と確認することが出来るのだ。それに銀行に登録すればキャッシュカードとして登録することもでき、複雑なブラックボックスの術式である為、記録は当然、不正操作は受け付けられない仕組みだ。魔力を扱えない人も判別できるらしいが、そこは分からないだとか。
そして重要なのは、これは兵士や冒険者など戦える者の能力を表すこともできるというのだ。
発行される役所では、自分の持っている能力を鑑定することが出来る部署があり、そこで現時点でのステータスを確認することが出来る。それで、他のギルドへの手続きも円滑に進めることが出来る。
冒険者になるのであれば、ステータスによって自分の実力にあったレベルのクエストを受付側が提供できるし、テイマーギルドであれば使い魔を即登録できるのだ。
「オルタ様、宜しければ…私のをお見せましょうか?」
「えっ!?スチュワードさん、それどう見ても個人情報ですよね!?いくら身内だからって見せない方が…!」
「ふぉふぉふぉ、私のような先が短い老いぼれは今更でございます。そこまで自慢できるようなステータスではありませんので」
名前 :スチュワード
レベル:10/100
性別 :男
年齢 :66
種族 :人間
【職業レベル】
・執事 ―Lv.10/10
【スキルレベル】
・魔力感知 ―Lv.1/10
・水属性 ―Lv.2/10
・家事 ―Lv.10/10
朝食を終え役所に向かう途中、馬車の中でスチュワードさんのステータスを見せてもらった。恥を忍んで見せてくれた彼には申し訳なかったが、可笑しいところは特にない。所々は"アウェイクスピリットオンライン"と似ている。てかLv.10が二つもあるじゃねーか…。
HPやMPと言ったゲーム部分の数値はなかったが…まずいな。職業レベルとスキルレベルは普通に表示されている。このまま普通に受けてしまったら、俺のスキルが全部バレてしまう…!
「心配はいりませんオルタ様。市民証の情報は自分から喋らない限り問題はありません。内容を悪用する犯罪者も増えたため、現在は隠すのが通例になっております。役所の方も秘密にするよう厳守を心掛けております」
俺の表情を見て察したのか、スチュワードさんがそう言った。隠しスキルの心読みでも持っているのかと思ったぞ!?でも考えたら、それもそうか。手の内を晒す事で戦いで不利になるかもしれないし、うっかりしなければ誰にもバレることはない。バレるとするならば強さの比較としてレベルくらいだが…俺の場合、バレたら天変地異が起きそうなんだが…
「…な、なるほど」
「だから、自分の情報はちゃんと秘密にしておくのよ?分からない事があれば出来るだけ答えてあげたいけど、教えたくない事は教えなくて良いからね?」
本当に親切だこの人達は…どれを教えるかは後で決めよう。
それよか偽造する事って出来ないのかな…無理だな。
………。
「うぅ…辿り着いてしまった」
現実は非情だ。対策を練る前に、役所に着いてしまった。
「ようこそいらっしゃいました。あっ、エバーライフ様!お待ちしておりました!」
受付の女性が、ハッとした顔つきで対応する。どうやら父上が、いつの間にか予約をしていたようだ。うぅ、ここで逃げてしまったら余計に怪しまれる…!
「いつもご苦労様。用件は伝えた通り、この子の市民証発行をお願いしたい。養子として、我がエバーライフ家に迎えたいのだ」
「そうでしたか。畏まりました、ではこちらへ。鑑定の間にご案内致します」
「それではちゃんと付いていきなさい、迷わないようにね。私はこれから仕事場に向かうから、分からないことがあったらアルリスに遠慮なく言いなさい」
「はい!では、また後程」
どうやらノーマンさんは、この後仕事らしい。次に会うとしたら今日の夜になりそうだな。
俺は皆と別れ、案内役の女性について役所内を歩く。鑑定の間は受ける者以外は原則立ち入り禁止らしい。プライバシーだからか、自分一人で集中しやすくするための配慮なのだろう。
「こちらへどうぞ」
「し、失礼します…」
通された部屋はこれまたシンプルな構造だ。
ぱっと見た限り、RPGゲームのように水晶玉と台座だけが置かれている。台座を見ると水上玉の手前に、何か四角いものをはめ込むような窪みがあった。
「こちらが市民証の元となるボードになります。この板をこの台座にはめ込み、あなたが水晶に触れれば鑑定は完了いたします。水晶に触れる際に強い光が放たれますが、害はありませんから安心して下さい」
「わかりました」
透明の板を見せてからそう言った女性は板を台座に填め、台座を挟んだ向かいへ歩いて行く。
「それでは、どうぞ?」
案内役の女性が、そう言う。もう逃げることはできない…!ええい、ままよ!俺は覚悟を決め、水晶玉に触れた。
あれ?前世で金持ちじゃないから知らないけど、実際にこんなに多いの?ぶっちゃけもっと少なくて、5人くらいで生活をするんじゃないかと思っていたのだが…。
「ここではこれが日常なのですよオルタ様。それに、この屋敷の部屋も半分程は使用人の部屋になります」
ここでも発動するアルナアドバイス。そういうもんなのかな…
「まぁオルタ君は、これから慣れて行けばいいよ」
アルリスさんの優しさが目に沁みます。
「お帰りなさいませ旦那様、奥様、アルナ様。そして、お初に御目に掛かりますオルタ様。私、このエバーライフ邸の女中頭を務めさせて頂きます。ルーナと申します。至らぬ所も御座いましょうが、精一杯お勤め致しますので宜しくお願い致します」
「「「「「「宜しくお願い致します」」」」」」
メイドさん達が一斉に頭を下げる。久しぶりに見たなメイドさん…。
友達の誘いでメイド喫茶に行ったきりだ。ここじゃメイドはファッションじゃなくて立派な職業である為、制服は正に作業着だ。清楚ある黒服に白いエプロン。スカートも短くないし、フリフリもなし。アルバイトとは違う、本物である。
「お初に御目に掛かりますオルタ様。私この屋敷の執事長を務めさせて頂きます、スチュワードと申します。この屋敷の事は万全に取り仕切りますので、宜しくお願い致します」
「「お願い致します」」
メイドが沢山ならまだ分かるが、執事も数名いる。名前はてっきりセバスチャンかと思ったけど、スチュワードさんね了解。
「私は料理長を務めさせて頂きます、ジャンと申します。オルタ様にご満足いただけるようお食事をご提供いたしますので、何卒宜しくお願い致します」
料理人まで数名雇っているのか!?何だこの待遇?俺は…俺は一体何をしたらいいんだ!?
「オルタ様は何もなさらなくて結構です。掃除、洗濯、料理と家事は全て私どもにお任せ下さい」
「そ、そう言われても…今まで全部自分でしてたし、全部任せるのは気が引くというか…」
「ハハハ、まあ初めはそう不安になるが慣れていけばいい。慣れたら気にする必要は無くなっていくさ」
ノーマンさんがそう背中をバシバシ叩く。リラックスさせようという魂胆だが、未だに落ち着かない。それから洋館内を案内され、ようやく自分の部屋に辿り着いた。
…広い、ログハウスの私室より広すぎる空間だ。荷物は全部異空間収納から取り出せばいいが…
《…オルタ、これがベッドというものなのか?前の家より何倍もフカフカなのだが》
ログハウスで過ごした最後の夜と同じくらい寝つけられないのは言うまでもなく、それが翌日の朝…昨日との違いが朝一番でハッキリと現実であったことを思い知らされる。
「オルタ様、朝でございます。起きておられますか?」
移動の疲れが溜まっていたせいか、フカフカのベッドで一夜明けたと思った瞬間見知らぬ声で目が覚める。
何のことはない、ルーナさん率いるメイド隊(自分で命名)が朝の支度に自室を訪れて来たのだ。支度なんて自分一人で出来るのだが、その前に既にドアの向こうで待機していたのだ。これが貴族の流儀…!お手伝いさん、早すぎる!
「それでは失礼ながら、オルタ様のお支度をさせていただきます」
こちらが声を上げると、有無を言わずに俺の身の回りを世話を開始した。
こちらがやる事と言えば洗面くらいしかない。頭の髪の毛から、足の指先までの着替えをあっという間に終わらせる。あれか、アルナちゃんで慣れているんだなこの人たち。因みにイナヅマの方は毛づくろいだけだが、慣れているような手つきでしかも素早く終えていた。しかもイナヅマも気持ちよさそうに落ち着いている。
「お食事のご用意は出来ておりますので、ダイニングへご案内させていただきます」
支度を終え、今度は朝食だ。ルーナさんに案内され、1階のとある部屋の前に着く。
「おはようオルタ、昨日はゆっくり休められたか?」
「は、はい。ぐっすりと眠れることが出来ましたのー…いえ、父上」
扉を開けると、一番奥の真正面の席には当主のノーマンさんが座って食事をしていた。うーん、ここの養子になった事を実感できていないからか、まだ他人行儀な姿勢になっている。そしてメイドの一人が、俺の座る椅子に引いてくれて、静かに座った。
「謙遜しないで、貴方はもうエバーライフ家の家族なんだから」
「ふふ、御兄様ったら」
隣にいたアルリスさんとアルナちゃんがそう優しく微笑んでくる…………ん?お兄様??
「ちょっとまって…アルナさん?お兄様って???」
「えっ?どこか可笑しいところありましたか?だって私よりも年上で、それに憧れの存在なのです。呼んで当然ですよ?それに、私の事はアルナと呼び捨てで結構です。これからよろしくお願いしますね♪」
あまりのカルチャーショックに、俺は石化してしまう。
前世では一人っ子だったから、兄弟なんていない。なんだかむず痒いな…。
さて、今日の用事は他でもない…
第4の没収フラグ―――市民証作成である!
先日、この街に入った際にこれから父になる人が見せた市民証を、本日自分用のを作成する手筈だ。
これがとんでもない優れモノで、個人の魔力を認識し専用の魔術台を使用して本人と確認することが出来るのだ。それに銀行に登録すればキャッシュカードとして登録することもでき、複雑なブラックボックスの術式である為、記録は当然、不正操作は受け付けられない仕組みだ。魔力を扱えない人も判別できるらしいが、そこは分からないだとか。
そして重要なのは、これは兵士や冒険者など戦える者の能力を表すこともできるというのだ。
発行される役所では、自分の持っている能力を鑑定することが出来る部署があり、そこで現時点でのステータスを確認することが出来る。それで、他のギルドへの手続きも円滑に進めることが出来る。
冒険者になるのであれば、ステータスによって自分の実力にあったレベルのクエストを受付側が提供できるし、テイマーギルドであれば使い魔を即登録できるのだ。
「オルタ様、宜しければ…私のをお見せましょうか?」
「えっ!?スチュワードさん、それどう見ても個人情報ですよね!?いくら身内だからって見せない方が…!」
「ふぉふぉふぉ、私のような先が短い老いぼれは今更でございます。そこまで自慢できるようなステータスではありませんので」
名前 :スチュワード
レベル:10/100
性別 :男
年齢 :66
種族 :人間
【職業レベル】
・執事 ―Lv.10/10
【スキルレベル】
・魔力感知 ―Lv.1/10
・水属性 ―Lv.2/10
・家事 ―Lv.10/10
朝食を終え役所に向かう途中、馬車の中でスチュワードさんのステータスを見せてもらった。恥を忍んで見せてくれた彼には申し訳なかったが、可笑しいところは特にない。所々は"アウェイクスピリットオンライン"と似ている。てかLv.10が二つもあるじゃねーか…。
HPやMPと言ったゲーム部分の数値はなかったが…まずいな。職業レベルとスキルレベルは普通に表示されている。このまま普通に受けてしまったら、俺のスキルが全部バレてしまう…!
「心配はいりませんオルタ様。市民証の情報は自分から喋らない限り問題はありません。内容を悪用する犯罪者も増えたため、現在は隠すのが通例になっております。役所の方も秘密にするよう厳守を心掛けております」
俺の表情を見て察したのか、スチュワードさんがそう言った。隠しスキルの心読みでも持っているのかと思ったぞ!?でも考えたら、それもそうか。手の内を晒す事で戦いで不利になるかもしれないし、うっかりしなければ誰にもバレることはない。バレるとするならば強さの比較としてレベルくらいだが…俺の場合、バレたら天変地異が起きそうなんだが…
「…な、なるほど」
「だから、自分の情報はちゃんと秘密にしておくのよ?分からない事があれば出来るだけ答えてあげたいけど、教えたくない事は教えなくて良いからね?」
本当に親切だこの人達は…どれを教えるかは後で決めよう。
それよか偽造する事って出来ないのかな…無理だな。
………。
「うぅ…辿り着いてしまった」
現実は非情だ。対策を練る前に、役所に着いてしまった。
「ようこそいらっしゃいました。あっ、エバーライフ様!お待ちしておりました!」
受付の女性が、ハッとした顔つきで対応する。どうやら父上が、いつの間にか予約をしていたようだ。うぅ、ここで逃げてしまったら余計に怪しまれる…!
「いつもご苦労様。用件は伝えた通り、この子の市民証発行をお願いしたい。養子として、我がエバーライフ家に迎えたいのだ」
「そうでしたか。畏まりました、ではこちらへ。鑑定の間にご案内致します」
「それではちゃんと付いていきなさい、迷わないようにね。私はこれから仕事場に向かうから、分からないことがあったらアルリスに遠慮なく言いなさい」
「はい!では、また後程」
どうやらノーマンさんは、この後仕事らしい。次に会うとしたら今日の夜になりそうだな。
俺は皆と別れ、案内役の女性について役所内を歩く。鑑定の間は受ける者以外は原則立ち入り禁止らしい。プライバシーだからか、自分一人で集中しやすくするための配慮なのだろう。
「こちらへどうぞ」
「し、失礼します…」
通された部屋はこれまたシンプルな構造だ。
ぱっと見た限り、RPGゲームのように水晶玉と台座だけが置かれている。台座を見ると水上玉の手前に、何か四角いものをはめ込むような窪みがあった。
「こちらが市民証の元となるボードになります。この板をこの台座にはめ込み、あなたが水晶に触れれば鑑定は完了いたします。水晶に触れる際に強い光が放たれますが、害はありませんから安心して下さい」
「わかりました」
透明の板を見せてからそう言った女性は板を台座に填め、台座を挟んだ向かいへ歩いて行く。
「それでは、どうぞ?」
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