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第1章 異種族交流編
21. 緑茶パワーは至高
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「それじゃ、こちらへどうぞ…」
黒竜族同士のトラブルに巻き込まれてしまった俺とアルナ。
一応何があったのかを詳しく説明させてもらうため、黒竜族の親子をログハウスへ案内する。移動中もアルナは「大丈夫なの?」とビクビクしていたが、義理堅い種族だから大丈夫と宥めた。
ログハウスに到着し、防犯の結界を解除すると黒竜族の親子が驚く。親子と言っても姿は人間に擬態しているが、頭からは角、背中からは翼、腰の後ろから太い尻尾を覗かせている。
「驚いた。まさか結界魔術を使う人間とは…」
「兄者を倒しただけでも凄いけど…」
と、このように驚いていた。魔族領でも結界魔術は珍しい部類なのか?自分達より強敵であるゆえに警戒を解かない。こちらをいつまでも警戒させておくのはマズい。
「どうぞ、こちらにお掛けください。アルナ、悪いけど台所から冷たいお茶用意してもらえるか?」
「は、はい!」
迎えておいて何もないという失礼を冒さない為、アルナにお茶の用意をお願いする。2年前とはいえ場所は覚えているはずだ。それなら俺がした方が良いって?俺が準備してたら、その間に待たせているアルナが可哀そうになるだろ。今でも黒竜を前にビクビクしてんだから。
「先に申しますが、私達は貴方がたに危害を加えるつもりはありません」
「お前は冒険者ではないのか?私たちは黒竜族であるぞ?」
俺は、先に黒竜族の親子に敵対する気はない事を事前に説明する。今は少しでも、この親子と落ち着いて対話に持ち込むことが先決だ。戦って負けるつもりはないが、女神から貰ったログハウスを壊したくない。因みに護衛の黒竜2体はログハウスの外で待機してもらっている。
「俺は冒険者じゃありませんのでご安心を。私はオルタ・クリムゾン。ここから先にある、ブルーローズ帝国に住んでいる一般市民です」
「う、うむ…」
「俺は、何故同族同士が襲っているのか理由を知りたいだけなんです。襲ってしまったら理由なんて聞けないし、状況によってはこちらの帝国が滅亡しかねません。ですので、お互い被害を最小限にしようとこうして話し合いの場を設けました」
お前のような一般ピーポーなんているかと突っ込まれそうな目で見られた。
やっぱり先程倒してしまったのを見ているのか、本来敵対している種族が襲ってこない事の疑問に本心で答える。実際にこちらは冒険者どころかまだ学生にもなってない。それに対して黒竜族の親子はポカンとしている。なんだ?俺は変な事でも言ったか?
「驚いた…人間だというのに、我々を襲わないとは…」
「しかも、まだ幼いというのにこれほどの対応とは…子供とは思えん」
すいません、一応精神は大人の部類なんです。
黒竜族の親子は、俺が真剣に対話を望んでいることを理解してくれたようだ。決して怯えたりせず、逆に見下してもいない。対等の立場として向かい合ってくれている。
「うむ、君を疑ってすまなかった。そちらから名乗られたら、返すのが作法というもの。私は黒竜族の長を務めている"アール・シュヴァルツ"という。魔族領の火山付近一帯を取り仕切っている者だ。そして、こちらが娘のフレイだ」
「フレイよ。よろしく」
黒竜族の親子がそう自己紹介をする。
やっぱり"アウェイクスピリットオンライン"で登場する人物の名前だ。容姿も一致しているし、本人たちで間違いない。だからといって、ここで「知っています」という訳にはいかない。先ずは落ち着いて、オブラートに国内でしか生きたことがない事をアピールしよう。
「やっぱりそうだったんですね、黒竜族なんて初めて見ました…!本の中の伝説に会えるなんて…!」
ここで俺は黒竜族に興味津々である事をアピールし、警戒心を解こうとする。そこで、お茶の準備を終えたのかアルナが台所から姿を現した。
「お、お待たせしました…」
手にはおぼんに乗せた冷えた緑茶が人数分ある。しかし、怯えながら運んでいるのでガチャガチャと、ガラスと氷の音を立てながら向かってきた。あわよくば零すかと心配したが、慎重にテーブルに置く。それから座っている俺の横へそそくさと急いだ。
「粗茶ですがどうぞ。もしかして、冷たい飲み物は苦手でしたか?」
「いや、それはない。頂こう……これは、冷たいッ!」
アルナから出された冷たい緑茶を手に取ろうとしたら、案の定すごく冷えているのに驚いていた。そしてグビっと一気に飲む。アールさんは状態異常感知のスキルを持っているので毒味は問題なく、緑茶自体も黒竜族にとっては珍しいものであったことは知っていた。やはり原作と同じ反応だ。
「父上!?大丈夫ですか!?」
「これは美味い!フレイよ、お前も飲んでみろ!キンキンに冷えとるぞ!戦闘で疲れた身体を癒してくれる!」
アールさんに促され、フレイも手を取り飲んでみる。すると、一瞬で目を見開き驚きの表情になっていた。さて、警戒心も薄れたことで本題に入ろう。ここからがフラグの始まりになるかもしれないのだから。
黒竜族同士のトラブルに巻き込まれてしまった俺とアルナ。
一応何があったのかを詳しく説明させてもらうため、黒竜族の親子をログハウスへ案内する。移動中もアルナは「大丈夫なの?」とビクビクしていたが、義理堅い種族だから大丈夫と宥めた。
ログハウスに到着し、防犯の結界を解除すると黒竜族の親子が驚く。親子と言っても姿は人間に擬態しているが、頭からは角、背中からは翼、腰の後ろから太い尻尾を覗かせている。
「驚いた。まさか結界魔術を使う人間とは…」
「兄者を倒しただけでも凄いけど…」
と、このように驚いていた。魔族領でも結界魔術は珍しい部類なのか?自分達より強敵であるゆえに警戒を解かない。こちらをいつまでも警戒させておくのはマズい。
「どうぞ、こちらにお掛けください。アルナ、悪いけど台所から冷たいお茶用意してもらえるか?」
「は、はい!」
迎えておいて何もないという失礼を冒さない為、アルナにお茶の用意をお願いする。2年前とはいえ場所は覚えているはずだ。それなら俺がした方が良いって?俺が準備してたら、その間に待たせているアルナが可哀そうになるだろ。今でも黒竜を前にビクビクしてんだから。
「先に申しますが、私達は貴方がたに危害を加えるつもりはありません」
「お前は冒険者ではないのか?私たちは黒竜族であるぞ?」
俺は、先に黒竜族の親子に敵対する気はない事を事前に説明する。今は少しでも、この親子と落ち着いて対話に持ち込むことが先決だ。戦って負けるつもりはないが、女神から貰ったログハウスを壊したくない。因みに護衛の黒竜2体はログハウスの外で待機してもらっている。
「俺は冒険者じゃありませんのでご安心を。私はオルタ・クリムゾン。ここから先にある、ブルーローズ帝国に住んでいる一般市民です」
「う、うむ…」
「俺は、何故同族同士が襲っているのか理由を知りたいだけなんです。襲ってしまったら理由なんて聞けないし、状況によってはこちらの帝国が滅亡しかねません。ですので、お互い被害を最小限にしようとこうして話し合いの場を設けました」
お前のような一般ピーポーなんているかと突っ込まれそうな目で見られた。
やっぱり先程倒してしまったのを見ているのか、本来敵対している種族が襲ってこない事の疑問に本心で答える。実際にこちらは冒険者どころかまだ学生にもなってない。それに対して黒竜族の親子はポカンとしている。なんだ?俺は変な事でも言ったか?
「驚いた…人間だというのに、我々を襲わないとは…」
「しかも、まだ幼いというのにこれほどの対応とは…子供とは思えん」
すいません、一応精神は大人の部類なんです。
黒竜族の親子は、俺が真剣に対話を望んでいることを理解してくれたようだ。決して怯えたりせず、逆に見下してもいない。対等の立場として向かい合ってくれている。
「うむ、君を疑ってすまなかった。そちらから名乗られたら、返すのが作法というもの。私は黒竜族の長を務めている"アール・シュヴァルツ"という。魔族領の火山付近一帯を取り仕切っている者だ。そして、こちらが娘のフレイだ」
「フレイよ。よろしく」
黒竜族の親子がそう自己紹介をする。
やっぱり"アウェイクスピリットオンライン"で登場する人物の名前だ。容姿も一致しているし、本人たちで間違いない。だからといって、ここで「知っています」という訳にはいかない。先ずは落ち着いて、オブラートに国内でしか生きたことがない事をアピールしよう。
「やっぱりそうだったんですね、黒竜族なんて初めて見ました…!本の中の伝説に会えるなんて…!」
ここで俺は黒竜族に興味津々である事をアピールし、警戒心を解こうとする。そこで、お茶の準備を終えたのかアルナが台所から姿を現した。
「お、お待たせしました…」
手にはおぼんに乗せた冷えた緑茶が人数分ある。しかし、怯えながら運んでいるのでガチャガチャと、ガラスと氷の音を立てながら向かってきた。あわよくば零すかと心配したが、慎重にテーブルに置く。それから座っている俺の横へそそくさと急いだ。
「粗茶ですがどうぞ。もしかして、冷たい飲み物は苦手でしたか?」
「いや、それはない。頂こう……これは、冷たいッ!」
アルナから出された冷たい緑茶を手に取ろうとしたら、案の定すごく冷えているのに驚いていた。そしてグビっと一気に飲む。アールさんは状態異常感知のスキルを持っているので毒味は問題なく、緑茶自体も黒竜族にとっては珍しいものであったことは知っていた。やはり原作と同じ反応だ。
「父上!?大丈夫ですか!?」
「これは美味い!フレイよ、お前も飲んでみろ!キンキンに冷えとるぞ!戦闘で疲れた身体を癒してくれる!」
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