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第1章 異種族交流編
22. 未知の状態異常
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「本題に入りましょう。どうして、貴方がたのお兄さんは同族を襲っていたんですか?」
緑茶パワーのおかげで警戒心を解くことに成功し、改めて黒竜族の暴走について問う俺。
それは当然、知識を出来るだけ修正していくためだ。これでも"アウェイクスピリットオンライン"内のバトルについては裏の裏まで調べ尽くしている。今回はモンスターの暴走という、ピンポイントな状況。
しかし、アールさんから予想にしない言葉が飛び出る。
「…残念ながら、こちらも全く分からないのだ」
「…へっ?」
俺は間抜けな声を上げてしまった。
黒竜族の長が…分からない?そんな馬鹿な!と心の中で驚く。
「これでも、状態異常の魔術に関しては詳しいつもりだった。状況から見るに、暴走する瘴気が関係していると見えた。しかし、いくら解呪の魔術を放っても効果が無かった。こんな事は初めてだ…」
確かに、ゲームをやり込んだ俺から見てもあの瘴気は初めて見た。
あれは俺でも知らないこの世界特有の状態異常か?闇属性の魔術とかが加わっているのだろうか?だが、一目見た時から悪寒が走ったのは間違いない。魔族領よりも深い闇から生み出された魔術と言われてもおかしくなかった。
「それから里で暴れる兄を治めようと、黒竜族総出で止めに入った。しかし暴走は止まらず、それどころか私までも襲ってきて……」
「それで、里に被害が出ないよう囮を買って出たと…」
そして、俺達が介入した現在に至る。
暴走した対象を里から離したのは好判断だ。黒竜族が住むところはマグマがある山岳地帯。何かの弾みで活火山に影響されてしまっては、被害が尋常でなくなる。
「何はともあれ、我が息子の介錯に感謝している。君のような勇気と実力を兼ね備えた人間は初めてだ。もし良ければ、我が里に案内したい」
おおっと!ここで長から直々のご案内が来た!
ブルーローズ帝国以外の街って、この数年間何処にも行ってないんだよねー!
「兄様、いくら長からのご案内とはいえいきなり行ったら失礼に当たりますよ!?それに…」
ここでアルナから待ったをかける。何故だ!と問う代わりに、彼女は窓の外を指さした。
「……………あっ」
窓の外は…真っ暗な闇に包まれていた。
しまった!黒竜族と話しているうちにすっかり夜になってしまっていた!!
うわぁどうしよどうしよ!門限を完全に過ぎているよ!これは問答無用で説教コースだわ!
「やっべぇ!もう無理かもしれないけど、早く屋敷に戻らないと…!」
「全く気がつかなかった…」
俺もアルナも茫然としていた。その時、シュヴァルツ親子が不思議そうな顔で天井を見つめていた。
「これは…なんなのだ?」
それは、部屋に吊るしてあった"結界魔術"だ。それは辺りが真っ暗だというのに、まるでログハウスの中だけが昼間と変わらない明るさを保っているように見えた。結界の中には、バチバチと閃光のような何かが蠢いている。
「オルタ、これって何なの?これが明かりの正体なの?」
「あぁ、それは電気…つっても分かんないか。"雷"ですよ、"雷"」
「「はぁあああ!?!?」」
ここでシュヴァルツ親子がまたもや驚愕する。
そう…先程からログハウスの部屋を明るくしているのは天井に吊るしてあった、雷そのものを封印した結界であった。信じられないだろ?ところがそうでもなかったんだ。
雷が鳴り響いている大嵐の中、勇気をもって避雷針として長い鉄の棒を結界魔術にくっつけて実験したんだよね。するとあらやだ不思議、見事避雷針に落ちた"雷"自体がそのまま結界に封じれたんだよね。しかも俺の結界には自然を長期保存できる力があるのか、数ヶ月ごとに威力が落ちてきて1年程保つことが出来たほどだ。
この研究成果に、初めて会ったエバーライフ夫妻に説明すると度肝を抜かれた。
自然現象を長期に亘って封印する結界なんて聞いたことがない、しかも人の目では早すぎて見えない雷の力をだ。
まぁ早い話…人体にも知らずに電気が帯電してて、それは寒い日に鉄に触れたらビリっと反応する静電気の原理を説明したいが、このファンタジーな世界に原子とか科学的な根拠や思想がないのだから意味がない。
「君は一体何者なのだ?」と再度質問をされるが、結界魔術が使えるただのしがない男ですよと苦笑いを返す。
「それと…このお茶美味しいかったわ。茶葉とか今ある?」
「えっ、あるけど…?」
「それ、全部頂戴?」
「「えぇえええええ!?」」
「勿論、礼は弾む」
今度はこちらが驚く。そういえば、黒竜族が住んでいる山岳地帯ってそこまで自然が無かったんだよな。とても茶葉が育てられる立地とは言えないし、平地で育てられている茶葉が珍しいらしい。
そして、こちらが育てる予定だった2kgの麦袋に入った"茶葉"を手渡すと、お礼としてなんと小袋沢山に詰まれた火山地帯でしか入手が困難な、宝石のルビーを貰った。レインボーオーブ程ではないが、かなり高価なお礼だ。
「それでは、次に会う時間などについてはこの小屋を駐屯所として利用しても良いのか?」
「構いません、貴方がたとは良い信頼関係で結びたいと思っております」
これは、父上に報告したら喜んでくれるかもしれない!
エバーライフ商会に新たなビジネスが誕生できるかも!あっそれと…
「あの…この武器なんですが…」
俺はそう言って、あの亡くなった黒竜の魂が変化した武器を渡そうとする。一応遺品として返すべきなのではと思ったが…
「いや、それは君が使ってくれ。息子もそう願っておるだろう。それでは、是非当主に連絡をしてくれ」
満月を背に、4頭の黒竜が飛び去って行くのを見送ったのであった。
緑茶パワーのおかげで警戒心を解くことに成功し、改めて黒竜族の暴走について問う俺。
それは当然、知識を出来るだけ修正していくためだ。これでも"アウェイクスピリットオンライン"内のバトルについては裏の裏まで調べ尽くしている。今回はモンスターの暴走という、ピンポイントな状況。
しかし、アールさんから予想にしない言葉が飛び出る。
「…残念ながら、こちらも全く分からないのだ」
「…へっ?」
俺は間抜けな声を上げてしまった。
黒竜族の長が…分からない?そんな馬鹿な!と心の中で驚く。
「これでも、状態異常の魔術に関しては詳しいつもりだった。状況から見るに、暴走する瘴気が関係していると見えた。しかし、いくら解呪の魔術を放っても効果が無かった。こんな事は初めてだ…」
確かに、ゲームをやり込んだ俺から見てもあの瘴気は初めて見た。
あれは俺でも知らないこの世界特有の状態異常か?闇属性の魔術とかが加わっているのだろうか?だが、一目見た時から悪寒が走ったのは間違いない。魔族領よりも深い闇から生み出された魔術と言われてもおかしくなかった。
「それから里で暴れる兄を治めようと、黒竜族総出で止めに入った。しかし暴走は止まらず、それどころか私までも襲ってきて……」
「それで、里に被害が出ないよう囮を買って出たと…」
そして、俺達が介入した現在に至る。
暴走した対象を里から離したのは好判断だ。黒竜族が住むところはマグマがある山岳地帯。何かの弾みで活火山に影響されてしまっては、被害が尋常でなくなる。
「何はともあれ、我が息子の介錯に感謝している。君のような勇気と実力を兼ね備えた人間は初めてだ。もし良ければ、我が里に案内したい」
おおっと!ここで長から直々のご案内が来た!
ブルーローズ帝国以外の街って、この数年間何処にも行ってないんだよねー!
「兄様、いくら長からのご案内とはいえいきなり行ったら失礼に当たりますよ!?それに…」
ここでアルナから待ったをかける。何故だ!と問う代わりに、彼女は窓の外を指さした。
「……………あっ」
窓の外は…真っ暗な闇に包まれていた。
しまった!黒竜族と話しているうちにすっかり夜になってしまっていた!!
うわぁどうしよどうしよ!門限を完全に過ぎているよ!これは問答無用で説教コースだわ!
「やっべぇ!もう無理かもしれないけど、早く屋敷に戻らないと…!」
「全く気がつかなかった…」
俺もアルナも茫然としていた。その時、シュヴァルツ親子が不思議そうな顔で天井を見つめていた。
「これは…なんなのだ?」
それは、部屋に吊るしてあった"結界魔術"だ。それは辺りが真っ暗だというのに、まるでログハウスの中だけが昼間と変わらない明るさを保っているように見えた。結界の中には、バチバチと閃光のような何かが蠢いている。
「オルタ、これって何なの?これが明かりの正体なの?」
「あぁ、それは電気…つっても分かんないか。"雷"ですよ、"雷"」
「「はぁあああ!?!?」」
ここでシュヴァルツ親子がまたもや驚愕する。
そう…先程からログハウスの部屋を明るくしているのは天井に吊るしてあった、雷そのものを封印した結界であった。信じられないだろ?ところがそうでもなかったんだ。
雷が鳴り響いている大嵐の中、勇気をもって避雷針として長い鉄の棒を結界魔術にくっつけて実験したんだよね。するとあらやだ不思議、見事避雷針に落ちた"雷"自体がそのまま結界に封じれたんだよね。しかも俺の結界には自然を長期保存できる力があるのか、数ヶ月ごとに威力が落ちてきて1年程保つことが出来たほどだ。
この研究成果に、初めて会ったエバーライフ夫妻に説明すると度肝を抜かれた。
自然現象を長期に亘って封印する結界なんて聞いたことがない、しかも人の目では早すぎて見えない雷の力をだ。
まぁ早い話…人体にも知らずに電気が帯電してて、それは寒い日に鉄に触れたらビリっと反応する静電気の原理を説明したいが、このファンタジーな世界に原子とか科学的な根拠や思想がないのだから意味がない。
「君は一体何者なのだ?」と再度質問をされるが、結界魔術が使えるただのしがない男ですよと苦笑いを返す。
「それと…このお茶美味しいかったわ。茶葉とか今ある?」
「えっ、あるけど…?」
「それ、全部頂戴?」
「「えぇえええええ!?」」
「勿論、礼は弾む」
今度はこちらが驚く。そういえば、黒竜族が住んでいる山岳地帯ってそこまで自然が無かったんだよな。とても茶葉が育てられる立地とは言えないし、平地で育てられている茶葉が珍しいらしい。
そして、こちらが育てる予定だった2kgの麦袋に入った"茶葉"を手渡すと、お礼としてなんと小袋沢山に詰まれた火山地帯でしか入手が困難な、宝石のルビーを貰った。レインボーオーブ程ではないが、かなり高価なお礼だ。
「それでは、次に会う時間などについてはこの小屋を駐屯所として利用しても良いのか?」
「構いません、貴方がたとは良い信頼関係で結びたいと思っております」
これは、父上に報告したら喜んでくれるかもしれない!
エバーライフ商会に新たなビジネスが誕生できるかも!あっそれと…
「あの…この武器なんですが…」
俺はそう言って、あの亡くなった黒竜の魂が変化した武器を渡そうとする。一応遺品として返すべきなのではと思ったが…
「いや、それは君が使ってくれ。息子もそう願っておるだろう。それでは、是非当主に連絡をしてくれ」
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