33 / 42
第2章 学園下克上編
30. Dクラスの自己紹介~クラスメイトを鍛えたらいずれ最強チームになれる件~
しおりを挟む
その後、入学式は滞りなく進み最後に国王の挨拶があった。新入生を鼓舞するような挨拶があり、そして最後に此方を見てフっと笑っていた。ピンポイントでこちらを見ていたが……
『今年はかなり優秀な生徒が多数在籍しており、教師陣は大変だろうと思うが頑張って欲しい。そして同級生同士、それぞれ切磋琢磨をして上級生や階級を吹き飛ばす程の勢いで、皆が大きく成長してくれる事を切に願っている』
ちょっと待て、最後の挨拶って…まさか女帝に啖呵を切った出来事を主体としてないか??
それと別に誰かからの視線を感じる…―――
「「!」」
クレアだ。目線だけだが、こちらを見ていた。
こっちが気づけば、向こうは静かに目線を正面に向き直す。先程の父親の挨拶に自分の話題を上がった事にちょっと不満げになっているというところか?
入学式が無事終了し、新入生は各々に決められた教室へと向かう。
この学園のクラスはA・B・C・Dの4クラスがある。AとDクラスだけが10名程度の少人数クラスになっている。
BとCはそれぞれ倍の20名以上が在籍しており、ここでの成績によってAへ昇格、あり得ないかもしれないが下手をするとDクラスへ降格という場合があるらしい。
入試の成績がそのままクラスになっているのだが、毎年学年が上がる毎にクラス編成があるので、入学した時はDクラスでも卒業する時にはAクラスになっていたなんて事は稀にあるらしい。しかし国王の話では、それは十数年前の話だ。今は兎に角、下剋上を達成させるよう家族の顔に泥を塗らない様に頑張らないと。まあ今日の予定は、各自の教室に行って自己紹介等の簡単なホームルームをして今日は解散するだけだが。
「ここが俺達のクラスか…」
「らしいな」
立札に書かれている【1-D】の文字、ここが1年目の俺達Dクラスの教室、学び舎である。
落ちこぼれクラスという事で何かしら贔屓されることがあるんじゃないかと思っていたが杞憂だったようだ。外見も内装も、他のクラスと同じで差異はない。汚れやひび割れは一切見当たらない。
「失礼しまーす」
俺はそそくさと教室の横にドアを開ける。
「「「……」」」
俺とタケシが教室に入ると、ほぼ全員が一斉に俺達に目線をやった。
この教室にいるのは、俺達を含め男子5人と女子4人…5:4といい感じの男女比であった。教室自体は内装は広々としており、椅子は一人ずつ、机は共有して使用するのであろう上下2段に設けた長い机であった。前世とは違う景色である為、内心驚いている。
「あっ、もしかして貴方?合格発表で女帝様に喧嘩売った人?」
そう声を掛けられた、この席にいるという事は同じクラスで間違いない。
「あぁそうだ」
「あたしはマリー。マリー・サンフラワーだよ。よろしくねオルタ・クリムゾン君」
「あぁよろしく、って俺の名前を知ってるのか?」
「そりゃ女帝様に口出ししたんだもん。この教室、ってか学園中で噂になってるよ?」
マジか…。
アウェイクスピリットオンラインで主要人物であったことは自覚していたが、あの出来事は生徒・教師陣問わず既に学園で持ち切りとなっていた。いくら上級生でも口出しできない王族に、同年代の1年が啖呵を切った。そりゃ噂にならない方がおかしいか。マリーの話に、他の人も相槌をうってくる。
「恐れ知らずなの君?」
「でもあの宣言凄かった…」
「ってか掲示板マジで破壊したのな」
「かなり良い音をしていたでごわす」
ごわす!?誰だ!この教室に力士の弟子でもいるのか!?
「早速有名人になってしもうたな?」
「他人事みたいにいうな…って凄いなこの机。親父の執務机みたいだ」
「平民の俺はこんな立派な机見たことないで。椅子も凄いし…どんだけ金掛けてるんや?ここに居るだけで緊張で疲れそうなんやが…」
「所詮只の設備なんだ、その内慣れるさ」
「そこ!設備に感心してないで早く座りなさい。黒板に各自の座席が貼り出しているので、その席に着いてください」
っと、入学試験の時に担当をしていた女性教師が皆に着席を促した。俺の席は……どうやら一番右の窓側の席だ。良かった日向ぼっこが出来そうな席で。教卓の目の前とか特等席なんか嫌いだったしね。
全生徒が席に着くと、教卓に女性教師が着く。
「では改めてまして、高等魔術学園入学おめでとうございます。私は、このDクラスを担任する事になりました"エマ・ベイカー"と言います。本日のこの後の予定は、お互いの自己紹介をして明日以降の予定を伝えて終了となります。私もこの高等魔術学園の卒業生で、教師になって4年になります。皆さんから見るとまだ先輩として見られるかもしれないけど、貴方たちを精一杯サポートしていくので宜しくね………ふぅ」
ん?最後になんかため息が漏れていたようだなこの女性教師…まさかやる気ないのだろうか?貧乏クラスに当てられたと落胆しているのか?ここはAクラスよりも優秀な生徒が揃っていると聞いてるぞ。その事実を知るのは俺とタケシだけだが…
「では次は貴方たち、それでは個別に自己紹介をお願いします。それじゃ……廊下側の子からお願いできますか?」
廊下側から順番……という事は、この流れだと最後じゃないか。うわ、こういうのは最初ら辺で済ましたかったけど。廊下側はタケシが一番手だった。
「はい。初めまして、ワイの名前はタケシ・オードナーや。元からこの喋り方やけど、最期まで貫き通していくんで堪忍な。平民出身やけど、魔術適性は土属性や。貴族様に比べたら貧乏やが、中等魔術学園でもの凄く勉強してその分ガッツは誰にも負けへんと自負しとる。あっそれと、家は近々鍛冶屋を経営する予定なんで、武器とか刃物が欲しい奴は遠慮なく言ってくれ。サービスしとくで?」
一番手のタケシから、これまたフランクな自己紹介が飛び出してきた。うん、場の緊張感をほぐすには文句の付け所がない。というか、鍛冶屋を経営することになるのか。もし魔物との戦闘が激化して来たら頼りになりそうだ。
「では次、マリーさん」
「はい。初めまして、マリー・サンフラワーです。このまま女学院に入学するかと思いましたが、必死の勉強で魔術を扱うことが出来ました!魔術適性は風属性で、実家は花屋を含む植物を扱っていて時々家業を手伝っています。これからみんなとは気軽に接してくれると嬉しいので、どうか宜しくお願いします!」
次にマリーさんの自己紹介が終わる。ほぉ…花とか含む植物を愛している女性か。もしかして、薬学の知識とか学べば大出世できるんじゃないか?それだけでなく茶葉とか、植物を利用したグッズとかこちらの知識を教えば…とんでもない人になりそうだな。
「では次、ソーマ君」
「はい。自分はソーマ=フォン=シュナイダーという。シュナイダー家の次男で、家は診療所を経営している。家族と同じく医学の道を行くかと思ったが…魔術の才もあるという事で、高等魔術学園に入学する決意をした。魔術適性は水属性で、もし怪我や病気で悩んでいることが遠慮なく是非相談してほしい。宜しく頼む」
次の奴も凄い、まさか医学関係の人間だったとは…。
俺以外の何人かも驚きの顔を見せている。シュナイダー診察所といえば、誰もが一度は利用したことがある診療所。マリーと同じく薬学の知識を教えれば凄い事になるだろうし、何より戦闘での衛生兵ポジションには最適の人材だ。
「次、ソフィアさん」
「はい。初めまして、ソフィア・ルーナと申します。平民出身ですが、頑張って魔術の勉強をして入学することが出来ました。魔術適性は火属性で、燃やす事であればお任せください♪実家は食堂を経営してるので、料理も得意です。魔術に関して不安なところを教えてくれれば幸いです。どうか、宜しくお願い致します」
次のソフィアさんも、これまた個性的な人だな…。火属性が得意で燃やすことが得意と言っていたが…加減を間違いすぎて味方に被害が出ない事を祈りたい。食堂を経営してるから、後で寄ろうかな。というか、階級問わずコネ持ってる奴多くね?普通のヤツいねーの?
「次、トーマス君」
「っすー。えーとトーマス・カルナっす。ここまで凄い人がこのクラスに居ると思ったすけど、フレンドリーで良かったっす。家は普通の平民で、おふくろは民宿をやってます。場所貸しとかなら得意で、パーティとかやるんなら任せてくださいっス。魔術適性は火属性、宜しくお願いするっス」
こりゃまたフランクな、灰色の髪をしたチャラ男っぽいやつもいるんだな…。
前世だとこういうのは苦手だったけど…でも同じ男で初対面だし、今世はこういう奴と友達になるも悪くないかもしれないな。
「次、リリーさん」
「はい。リリー=フォン=ミラーと言います。父は帝国軍魔術師、母は専業主婦です。風属性の魔術が大好きで入学しました、よろしくお願いします。」
今までに一番短い挨拶。口数が少なく寡黙な子かな?身長は男子と同じくらいの高身長で、黒髪に眼鏡といかにも文学系女子だ。今時の話題より三度の飯より魔術の方が好きなんだろう。
「次、アルバート君」
「はい、自分はアルバート=フォン=ウィリアムと言います。家はみんな騎士の家系で、騎士養成学校に行ったんだけど、男だらけでむさ苦しいあそこには行きたくなかったのでこちらに来ました。魔術適性は火属性です。これからみんな宜しくね」
白髪で背が高く、細身のイケメンだ。どうやら騎士の家系だったらしい。確かに騎士学校は男子校のような所だったから行きたくない気持ちはわかる。
「では次、カイン=フォン=ライト」
「押忍」
いた!こいつだ、ごわすと言ってた力士見習い!貴族で軽そうな名前に対して、このクラスの中で一番の体格の持ち主だし!もっと重々しい名前で呼ばれてもおかしくないわ。
「某、カイン=フォン=ライトと申すでごわす。アルバート殿と同じく騎士の家系で、ブルーローズ王家の護衛を長年勤めているでごわす。女帝様が魔術学園にに進学される為、某も一緒に受験したのでごわす。主に土属性の魔術を使うのでごわすが、魔術全般苦手であったが故に入学に苦労し申した。それでも何とか受験に合格し皆と机を並べることが出来たのは幸い。これからも精進致す故、皆様宜しくお頼み申すでごわす」
一番インパクトのある自己紹介だった。それにしても魔法使いに見えないが、まさかあの女帝の側近だったとは。まさか他のクラスでもそういうやついるのか?むしろ騎士養成士官学院の生徒と言った方がしっくり来る。本人も魔法が苦手って言ってたし、これは育成しがいがありそうだな。
「では次に、メリューさん」
「はい」
「!」
俺の隣に座っていた女性の自己紹介が始まる。なんだろう…アルナ並みの優しさと暖かさを感じたような…
「皆さん、初めまして。メリュー=フォン=ジーヌといいます。ジーヌ家の一人娘で、両親はどちらもエバーライフ商会に勤めています。魔術適性は水属性ですが、どちらかというなら付与魔術が得意です。みんなをサポートできるようついていきますので、よろしくお願いします」
なんと!まさかエバーライフ商会で働いていたのか!?そういや幹部候補にそういう名前がいたような…こりゃクラスメイトというより親戚に近い存在かもしれないぞ。
「それでは最後に…オルタ・クリムゾン君」
「は、はい!」
いよいよ俺の出番がやってきた。
女帝に楯突いた男の自己紹介がどんなものか、クラスメイト全員の視線が俺に向く。
「初めまして、オルタ・クリムゾンといいます。既にみんなも知ってる通り、女帝に楯突いたが…あの発言は後悔してないと思っている。2年前にこのブルーローズ帝国に来て、現在はエバーライフ家の養子として世話になっている身だ。一番の長所は…魔術適性が全属性あって体術なら誰にも負けない自信がある。まだ世間に疎い部分があるかもしれないが、これからあのAクラスとかいうふざけた連中を思い知らせる程頑張っていこうと思っているので、宜しく頼む…!」
『今年はかなり優秀な生徒が多数在籍しており、教師陣は大変だろうと思うが頑張って欲しい。そして同級生同士、それぞれ切磋琢磨をして上級生や階級を吹き飛ばす程の勢いで、皆が大きく成長してくれる事を切に願っている』
ちょっと待て、最後の挨拶って…まさか女帝に啖呵を切った出来事を主体としてないか??
それと別に誰かからの視線を感じる…―――
「「!」」
クレアだ。目線だけだが、こちらを見ていた。
こっちが気づけば、向こうは静かに目線を正面に向き直す。先程の父親の挨拶に自分の話題を上がった事にちょっと不満げになっているというところか?
入学式が無事終了し、新入生は各々に決められた教室へと向かう。
この学園のクラスはA・B・C・Dの4クラスがある。AとDクラスだけが10名程度の少人数クラスになっている。
BとCはそれぞれ倍の20名以上が在籍しており、ここでの成績によってAへ昇格、あり得ないかもしれないが下手をするとDクラスへ降格という場合があるらしい。
入試の成績がそのままクラスになっているのだが、毎年学年が上がる毎にクラス編成があるので、入学した時はDクラスでも卒業する時にはAクラスになっていたなんて事は稀にあるらしい。しかし国王の話では、それは十数年前の話だ。今は兎に角、下剋上を達成させるよう家族の顔に泥を塗らない様に頑張らないと。まあ今日の予定は、各自の教室に行って自己紹介等の簡単なホームルームをして今日は解散するだけだが。
「ここが俺達のクラスか…」
「らしいな」
立札に書かれている【1-D】の文字、ここが1年目の俺達Dクラスの教室、学び舎である。
落ちこぼれクラスという事で何かしら贔屓されることがあるんじゃないかと思っていたが杞憂だったようだ。外見も内装も、他のクラスと同じで差異はない。汚れやひび割れは一切見当たらない。
「失礼しまーす」
俺はそそくさと教室の横にドアを開ける。
「「「……」」」
俺とタケシが教室に入ると、ほぼ全員が一斉に俺達に目線をやった。
この教室にいるのは、俺達を含め男子5人と女子4人…5:4といい感じの男女比であった。教室自体は内装は広々としており、椅子は一人ずつ、机は共有して使用するのであろう上下2段に設けた長い机であった。前世とは違う景色である為、内心驚いている。
「あっ、もしかして貴方?合格発表で女帝様に喧嘩売った人?」
そう声を掛けられた、この席にいるという事は同じクラスで間違いない。
「あぁそうだ」
「あたしはマリー。マリー・サンフラワーだよ。よろしくねオルタ・クリムゾン君」
「あぁよろしく、って俺の名前を知ってるのか?」
「そりゃ女帝様に口出ししたんだもん。この教室、ってか学園中で噂になってるよ?」
マジか…。
アウェイクスピリットオンラインで主要人物であったことは自覚していたが、あの出来事は生徒・教師陣問わず既に学園で持ち切りとなっていた。いくら上級生でも口出しできない王族に、同年代の1年が啖呵を切った。そりゃ噂にならない方がおかしいか。マリーの話に、他の人も相槌をうってくる。
「恐れ知らずなの君?」
「でもあの宣言凄かった…」
「ってか掲示板マジで破壊したのな」
「かなり良い音をしていたでごわす」
ごわす!?誰だ!この教室に力士の弟子でもいるのか!?
「早速有名人になってしもうたな?」
「他人事みたいにいうな…って凄いなこの机。親父の執務机みたいだ」
「平民の俺はこんな立派な机見たことないで。椅子も凄いし…どんだけ金掛けてるんや?ここに居るだけで緊張で疲れそうなんやが…」
「所詮只の設備なんだ、その内慣れるさ」
「そこ!設備に感心してないで早く座りなさい。黒板に各自の座席が貼り出しているので、その席に着いてください」
っと、入学試験の時に担当をしていた女性教師が皆に着席を促した。俺の席は……どうやら一番右の窓側の席だ。良かった日向ぼっこが出来そうな席で。教卓の目の前とか特等席なんか嫌いだったしね。
全生徒が席に着くと、教卓に女性教師が着く。
「では改めてまして、高等魔術学園入学おめでとうございます。私は、このDクラスを担任する事になりました"エマ・ベイカー"と言います。本日のこの後の予定は、お互いの自己紹介をして明日以降の予定を伝えて終了となります。私もこの高等魔術学園の卒業生で、教師になって4年になります。皆さんから見るとまだ先輩として見られるかもしれないけど、貴方たちを精一杯サポートしていくので宜しくね………ふぅ」
ん?最後になんかため息が漏れていたようだなこの女性教師…まさかやる気ないのだろうか?貧乏クラスに当てられたと落胆しているのか?ここはAクラスよりも優秀な生徒が揃っていると聞いてるぞ。その事実を知るのは俺とタケシだけだが…
「では次は貴方たち、それでは個別に自己紹介をお願いします。それじゃ……廊下側の子からお願いできますか?」
廊下側から順番……という事は、この流れだと最後じゃないか。うわ、こういうのは最初ら辺で済ましたかったけど。廊下側はタケシが一番手だった。
「はい。初めまして、ワイの名前はタケシ・オードナーや。元からこの喋り方やけど、最期まで貫き通していくんで堪忍な。平民出身やけど、魔術適性は土属性や。貴族様に比べたら貧乏やが、中等魔術学園でもの凄く勉強してその分ガッツは誰にも負けへんと自負しとる。あっそれと、家は近々鍛冶屋を経営する予定なんで、武器とか刃物が欲しい奴は遠慮なく言ってくれ。サービスしとくで?」
一番手のタケシから、これまたフランクな自己紹介が飛び出してきた。うん、場の緊張感をほぐすには文句の付け所がない。というか、鍛冶屋を経営することになるのか。もし魔物との戦闘が激化して来たら頼りになりそうだ。
「では次、マリーさん」
「はい。初めまして、マリー・サンフラワーです。このまま女学院に入学するかと思いましたが、必死の勉強で魔術を扱うことが出来ました!魔術適性は風属性で、実家は花屋を含む植物を扱っていて時々家業を手伝っています。これからみんなとは気軽に接してくれると嬉しいので、どうか宜しくお願いします!」
次にマリーさんの自己紹介が終わる。ほぉ…花とか含む植物を愛している女性か。もしかして、薬学の知識とか学べば大出世できるんじゃないか?それだけでなく茶葉とか、植物を利用したグッズとかこちらの知識を教えば…とんでもない人になりそうだな。
「では次、ソーマ君」
「はい。自分はソーマ=フォン=シュナイダーという。シュナイダー家の次男で、家は診療所を経営している。家族と同じく医学の道を行くかと思ったが…魔術の才もあるという事で、高等魔術学園に入学する決意をした。魔術適性は水属性で、もし怪我や病気で悩んでいることが遠慮なく是非相談してほしい。宜しく頼む」
次の奴も凄い、まさか医学関係の人間だったとは…。
俺以外の何人かも驚きの顔を見せている。シュナイダー診察所といえば、誰もが一度は利用したことがある診療所。マリーと同じく薬学の知識を教えれば凄い事になるだろうし、何より戦闘での衛生兵ポジションには最適の人材だ。
「次、ソフィアさん」
「はい。初めまして、ソフィア・ルーナと申します。平民出身ですが、頑張って魔術の勉強をして入学することが出来ました。魔術適性は火属性で、燃やす事であればお任せください♪実家は食堂を経営してるので、料理も得意です。魔術に関して不安なところを教えてくれれば幸いです。どうか、宜しくお願い致します」
次のソフィアさんも、これまた個性的な人だな…。火属性が得意で燃やすことが得意と言っていたが…加減を間違いすぎて味方に被害が出ない事を祈りたい。食堂を経営してるから、後で寄ろうかな。というか、階級問わずコネ持ってる奴多くね?普通のヤツいねーの?
「次、トーマス君」
「っすー。えーとトーマス・カルナっす。ここまで凄い人がこのクラスに居ると思ったすけど、フレンドリーで良かったっす。家は普通の平民で、おふくろは民宿をやってます。場所貸しとかなら得意で、パーティとかやるんなら任せてくださいっス。魔術適性は火属性、宜しくお願いするっス」
こりゃまたフランクな、灰色の髪をしたチャラ男っぽいやつもいるんだな…。
前世だとこういうのは苦手だったけど…でも同じ男で初対面だし、今世はこういう奴と友達になるも悪くないかもしれないな。
「次、リリーさん」
「はい。リリー=フォン=ミラーと言います。父は帝国軍魔術師、母は専業主婦です。風属性の魔術が大好きで入学しました、よろしくお願いします。」
今までに一番短い挨拶。口数が少なく寡黙な子かな?身長は男子と同じくらいの高身長で、黒髪に眼鏡といかにも文学系女子だ。今時の話題より三度の飯より魔術の方が好きなんだろう。
「次、アルバート君」
「はい、自分はアルバート=フォン=ウィリアムと言います。家はみんな騎士の家系で、騎士養成学校に行ったんだけど、男だらけでむさ苦しいあそこには行きたくなかったのでこちらに来ました。魔術適性は火属性です。これからみんな宜しくね」
白髪で背が高く、細身のイケメンだ。どうやら騎士の家系だったらしい。確かに騎士学校は男子校のような所だったから行きたくない気持ちはわかる。
「では次、カイン=フォン=ライト」
「押忍」
いた!こいつだ、ごわすと言ってた力士見習い!貴族で軽そうな名前に対して、このクラスの中で一番の体格の持ち主だし!もっと重々しい名前で呼ばれてもおかしくないわ。
「某、カイン=フォン=ライトと申すでごわす。アルバート殿と同じく騎士の家系で、ブルーローズ王家の護衛を長年勤めているでごわす。女帝様が魔術学園にに進学される為、某も一緒に受験したのでごわす。主に土属性の魔術を使うのでごわすが、魔術全般苦手であったが故に入学に苦労し申した。それでも何とか受験に合格し皆と机を並べることが出来たのは幸い。これからも精進致す故、皆様宜しくお頼み申すでごわす」
一番インパクトのある自己紹介だった。それにしても魔法使いに見えないが、まさかあの女帝の側近だったとは。まさか他のクラスでもそういうやついるのか?むしろ騎士養成士官学院の生徒と言った方がしっくり来る。本人も魔法が苦手って言ってたし、これは育成しがいがありそうだな。
「では次に、メリューさん」
「はい」
「!」
俺の隣に座っていた女性の自己紹介が始まる。なんだろう…アルナ並みの優しさと暖かさを感じたような…
「皆さん、初めまして。メリュー=フォン=ジーヌといいます。ジーヌ家の一人娘で、両親はどちらもエバーライフ商会に勤めています。魔術適性は水属性ですが、どちらかというなら付与魔術が得意です。みんなをサポートできるようついていきますので、よろしくお願いします」
なんと!まさかエバーライフ商会で働いていたのか!?そういや幹部候補にそういう名前がいたような…こりゃクラスメイトというより親戚に近い存在かもしれないぞ。
「それでは最後に…オルタ・クリムゾン君」
「は、はい!」
いよいよ俺の出番がやってきた。
女帝に楯突いた男の自己紹介がどんなものか、クラスメイト全員の視線が俺に向く。
「初めまして、オルタ・クリムゾンといいます。既にみんなも知ってる通り、女帝に楯突いたが…あの発言は後悔してないと思っている。2年前にこのブルーローズ帝国に来て、現在はエバーライフ家の養子として世話になっている身だ。一番の長所は…魔術適性が全属性あって体術なら誰にも負けない自信がある。まだ世間に疎い部分があるかもしれないが、これからあのAクラスとかいうふざけた連中を思い知らせる程頑張っていこうと思っているので、宜しく頼む…!」
0
あなたにおすすめの小説
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
SSSレア・スライムに転生した魚屋さん ~戦うつもりはないけど、どんどん強くなる~
草笛あたる(乱暴)
ファンタジー
転生したらスライムの突然変異だった。
レアらしくて、成長が異常に早いよ。
せっかくだから、自分の特技を活かして、日本の魚屋技術を異世界に広めたいな。
出刃包丁がない世界だったので、スライムの体内で作ったら、名刀に仕上がっちゃった。
『異世界ごはん、はじめました!』 ~料理研究家は転生先でも胃袋から世界を救う~
チャチャ
ファンタジー
味のない異世界に転生したのは、料理研究家の 私!?
魔法効果つきの“ごはん”で人を癒やし、王子を 虜に、ついには王宮キッチンまで!
心と身体を温める“スキル付き料理が、世界を 変えていく--
美味しい笑顔があふれる、異世界グルメファン タジー!
【完結】小さな元大賢者の幸せ騎士団大作戦〜ひとりは寂しいからみんなで幸せ目指します〜
るあか
ファンタジー
僕はフィル・ガーネット5歳。田舎のガーネット領の領主の息子だ。
でも、ただの5歳児ではない。前世は別の世界で“大賢者”という称号を持つ大魔道士。そのまた前世は日本という島国で“独身貴族”の称号を持つ者だった。
どちらも決して不自由な生活ではなかったのだが、特に大賢者はその力が強すぎたために側に寄る者は誰もおらず、寂しく孤独死をした。
そんな僕はメイドのレベッカと近所の森を散歩中に“根無し草の鬼族のおじさん”を拾う。彼との出会いをきっかけに、ガーネット領にはなかった“騎士団”の結成を目指す事に。
家族や領民のみんなで幸せになる事を夢見て、元大賢者の5歳の僕の幸せ騎士団大作戦が幕を開ける。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~
空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。
もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。
【お知らせ】6/22 完結しました!
前世で薬漬けだったおっさん、エルフに転生して自由を得る
がい
ファンタジー
ある日突然世界的に流行した病気。
その治療薬『メシア』の副作用により薬漬けになってしまった森野宏人(35)は、療養として母方の祖父の家で暮らしいた。
爺ちゃんと山に狩りの手伝いに行く事が楽しみになった宏人だったが、田舎のコミュニティは狭く、宏人の良くない噂が広まってしまった。
爺ちゃんとの狩りに行けなくなった宏人は、勢いでピルケースに入っているメシアを全て口に放り込み、そのまま意識を失ってしまう。
『私の名前は女神メシア。貴方には二つ選択肢がございます。』
人として輪廻の輪に戻るか、別の世界に行くか悩む宏人だったが、女神様にエルフになれると言われ、新たな人生、いや、エルフ生を楽しむ事を決める宏人。
『せっかくエルフになれたんだ!自由に冒険や旅を楽しむぞ!』
諸事情により不定期更新になります。
完結まで頑張る!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる