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24 イルダの過去
しおりを挟むイルダさんの元に行くと異動をする。
私は数日部屋に閉じこもりっきり。
またあの生活が来るのかと思うと、少し緊張が走った。
『い、イルダさん』
「大丈夫、シル程酷くない。シルは俺以上に愛に飢えていた」
『えっと、どういう事ですか?』
「俺は外に出さない事はしない。人のいない場所なら連れて行ける」
『ほ、本当ですか!?』
『あぁ、ならっ!』
「けど、その前に話をしたい」
『お話しですか?』
「アリアは色々知りたいのだろ?シルからも聞いている」
『私、皆さんが自分の事を知っているのはシルさんの話で分かったんです。でも私には記憶がない。だから!』
イルダさんは立ち上がると本棚に行って一冊の本を持ってくる。
その本を広くとそこには私の小さな頃の写真が写っていた。
『わたし?』
「そうだ、俺の初恋の人」
『は、初恋って私です!?』
「あぁ」
『あの、どういう意味なんですか?それにこの写真』
この写真はあの人が持ってたはず。
なんでイルダさんが持っているの?
困惑する私にイルダさんは頭を撫でて話す。
「その前に俺の話がしたい」
『はい、お願いします』
「俺は元処刑人だった」
『…え?』
「この世界には恋人、妻を失った男性が時々狂う。龍人の中での言い伝えは瞳が変わるほどの相手は番(つがい)と言うらしい」
『番…』
よく小説に出てくる設定。
それがここでも有るという事。
つまり、瞳が変わるのは本能って事なんだ。
「俺は元処刑人として、狂った者の末路を何度も見てきた。毎日泣き叫び番を呼ぶ姿。正直可哀だと思った」
『…』
「だか、皆笑うんだ。最後になると大人しくなってやっと番の元に行けるって」
『…』
「だがそんな所に居たら頭もどうかなる。狂った者達の末路を見た俺は番など求めなかった」
『…じゃあなんで』
「アリアに会ったから」
イルダさんは写真を私に見せてにっこりと笑う。
「アリアに出会った。美味しそうにケーキを食べる笑顔に俺は救われた」
『ケーキ?』
「そう、甘いもの好きだっただろ?」
『今はケーキは得意じゃ有りません。良い思い出がないので』
「すまない」
『いえ、イルダさんの所為ではないので』
「…とにかく、俺は救われた。そこから、料理人を目指した」
『それで今の職業に居るんですね』
「あぁ」
『ふむふむ、納得しました』
私は頷いて言うとイルダさんのは少し辛い表情を浮かべる。
『どうしました?』
「アリア、無理しなくていい。むりに俺たちを受け入れなくてもいいんだ」
『え…』
イルダさんの言葉に私は戸惑いを覚えた。
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