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第一章 催眠の愛
7話 ①アルシアさんとの日常
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7話 ①アルシアさんとの日常
私がアーロンさんによってアジトを離れ七ヶ月が過ぎた。
長期任務は終わっている。
アーロンさんにマスター達の事が心配になって聞いた事がある。
皆さん無事で普通に生活を送っていると言う。
つまり、私は要らないと言われたも同然だ。だって…、マスター達は探しに来てはくれない。
私はただのおもちゃだったから、居なくなったのなら要らなくなったのだろう。
フェル様もエイン様もきっと同様なのだろう。
もう、忘れて生きていくしかない。
自分を言い聞かせるとアーロンの家である準備に取り掛かった。
私はこの村にも慣れてきた。
アルシアさんの家に住まわせて貰い夫婦の様な生活をしている。
もちろんアーロンさんもいるけれど、ふらりと何処かに行っては帰って来る。
多分、冒険者らしいからクエストにでも行っているのだろう。
荷物を持ってアーロンさんの家を出て歩いていると村人に出会った。
「あら、ナナちゃん。今日はアルシア先生の所に行くのかい?」
『はい、アルシアさんにお弁当を届けに行こうと思いました』
「そうかい、毎日お弁当を届けてるなんてもう夫婦みたいだね。…ねぇ、もう夜の営みはもうしたのかい?」
『えっと…』
私が顔を赤らめていると村人さんは大笑いをして私を見る。
「ウブだねナナちゃん。こんな可愛い奥さんを貰えるなんてアルシア先生は幸せ者だよ」
夫婦…。
アルシアさんと私はよくそう言われる事が多い。
確かに告白もされたし、一緒に住んでいるし夫婦と言えばそう思われても仕方ない。
でも、私はまだマスター達が忘れられないんです。
御免なさい、私は優しいアルシアさんに利用てるただの寄生虫なんです。
自分が嫌いになりそうになりながら村人さんと話をした後もやもやした気持ちのままアルシアさんの所に向かった。
◯◯◯◯
歩いて5分程で目的地に到着した。
アルシアさんが子供達に勉強を教えている所。
つまりは学校みたいな所だ。
木で出来た小さな学校の窓から私は覗くと10人程の年齢もバラバラな子供達が必死で勉強をしていている。
アルシアさんは優しい声で子供達に教えていた。
やっぱりマスターに似ている。
そして、格好良い…。
思わず見惚れていると一人の生徒が私に気づいた。
「先生~!!奥さんが来ているよ!!」
「ぶっ!!お、奥さん…。もしかしてナナさんですか?」
全生徒に注目され戸惑っているとアルシアさんが私に笑顔で手招きをしてくれた。
私は注目されてたり、奥さんと言われた事が恥ずかしくて顔を赤らめ一瞬固まる。
それでも子供達は「早く早く」と私を呼ぶ為勇気を出してドアを開けて学校に入った。
毎回このやりとりをしているが中々慣れない。
だって恥ずかしいものは恥ずかしんだもんっ!
中に入ると子供達が私の側に集まって来た。
「ねぇねぇ、先生の奥さん!今日の昼ごはんは何??」
『えっとサンドイッチだよ。皆の分も作って来たの』
「「「「やったぁ」」」」
「ナナさん毎回すいません。良いんですか?」
『ええ、それにご飯を作っただですし、材料代はアルシアさんが払っているからむしろ勝手な事をして申し訳ないです』
「いえいえ、こんな風に使っていただけるなら俺も嬉しいです。じゃあ授業は一度止めて皆ご飯にしよう。手を洗ってからサンドイッチを食べるんだよ」
「「「「はーい」」」」
子供達はあっと言う間に教室から出てしまい私とアルシアさんだけになった。
ま、まずい…。
アルシアさんは何故か私に一目惚れをしているらしく、二人きりになると所かまず愛の告白をしていくる。
「ナナさん…」
…来た!!
「今日も天使の様に素敵なナナさん。どうか私の奥さんになって下さい」
『えっと、その、御免なさい』
「そうですか、今日振られても明日は分かりませんからまた告白しますね」
アルシアさんは決して無理矢理私を自分のものにしようとはしない。
ただ、毎日愛の告白をしてくれる。
それが嬉しい反面私はマスター達の事をまだ忘れられないでいる。
でも、マスター達に会ったとしても、私はどうしたいのか分からない。
マスター達に会いたいのにけど、…もし会えたても催眠が解けた私面白くも何ともないただのおもちゃ。
きっと要らないと言われるだろう。
それに、アルシアさんの事も少しずつ好きになってきているのにマスター達の事も忘れられない。
私はそんな思いに毎日ジレンマを抱えて居た。
私がアーロンさんによってアジトを離れ七ヶ月が過ぎた。
長期任務は終わっている。
アーロンさんにマスター達の事が心配になって聞いた事がある。
皆さん無事で普通に生活を送っていると言う。
つまり、私は要らないと言われたも同然だ。だって…、マスター達は探しに来てはくれない。
私はただのおもちゃだったから、居なくなったのなら要らなくなったのだろう。
フェル様もエイン様もきっと同様なのだろう。
もう、忘れて生きていくしかない。
自分を言い聞かせるとアーロンの家である準備に取り掛かった。
私はこの村にも慣れてきた。
アルシアさんの家に住まわせて貰い夫婦の様な生活をしている。
もちろんアーロンさんもいるけれど、ふらりと何処かに行っては帰って来る。
多分、冒険者らしいからクエストにでも行っているのだろう。
荷物を持ってアーロンさんの家を出て歩いていると村人に出会った。
「あら、ナナちゃん。今日はアルシア先生の所に行くのかい?」
『はい、アルシアさんにお弁当を届けに行こうと思いました』
「そうかい、毎日お弁当を届けてるなんてもう夫婦みたいだね。…ねぇ、もう夜の営みはもうしたのかい?」
『えっと…』
私が顔を赤らめていると村人さんは大笑いをして私を見る。
「ウブだねナナちゃん。こんな可愛い奥さんを貰えるなんてアルシア先生は幸せ者だよ」
夫婦…。
アルシアさんと私はよくそう言われる事が多い。
確かに告白もされたし、一緒に住んでいるし夫婦と言えばそう思われても仕方ない。
でも、私はまだマスター達が忘れられないんです。
御免なさい、私は優しいアルシアさんに利用てるただの寄生虫なんです。
自分が嫌いになりそうになりながら村人さんと話をした後もやもやした気持ちのままアルシアさんの所に向かった。
◯◯◯◯
歩いて5分程で目的地に到着した。
アルシアさんが子供達に勉強を教えている所。
つまりは学校みたいな所だ。
木で出来た小さな学校の窓から私は覗くと10人程の年齢もバラバラな子供達が必死で勉強をしていている。
アルシアさんは優しい声で子供達に教えていた。
やっぱりマスターに似ている。
そして、格好良い…。
思わず見惚れていると一人の生徒が私に気づいた。
「先生~!!奥さんが来ているよ!!」
「ぶっ!!お、奥さん…。もしかしてナナさんですか?」
全生徒に注目され戸惑っているとアルシアさんが私に笑顔で手招きをしてくれた。
私は注目されてたり、奥さんと言われた事が恥ずかしくて顔を赤らめ一瞬固まる。
それでも子供達は「早く早く」と私を呼ぶ為勇気を出してドアを開けて学校に入った。
毎回このやりとりをしているが中々慣れない。
だって恥ずかしいものは恥ずかしんだもんっ!
中に入ると子供達が私の側に集まって来た。
「ねぇねぇ、先生の奥さん!今日の昼ごはんは何??」
『えっとサンドイッチだよ。皆の分も作って来たの』
「「「「やったぁ」」」」
「ナナさん毎回すいません。良いんですか?」
『ええ、それにご飯を作っただですし、材料代はアルシアさんが払っているからむしろ勝手な事をして申し訳ないです』
「いえいえ、こんな風に使っていただけるなら俺も嬉しいです。じゃあ授業は一度止めて皆ご飯にしよう。手を洗ってからサンドイッチを食べるんだよ」
「「「「はーい」」」」
子供達はあっと言う間に教室から出てしまい私とアルシアさんだけになった。
ま、まずい…。
アルシアさんは何故か私に一目惚れをしているらしく、二人きりになると所かまず愛の告白をしていくる。
「ナナさん…」
…来た!!
「今日も天使の様に素敵なナナさん。どうか私の奥さんになって下さい」
『えっと、その、御免なさい』
「そうですか、今日振られても明日は分かりませんからまた告白しますね」
アルシアさんは決して無理矢理私を自分のものにしようとはしない。
ただ、毎日愛の告白をしてくれる。
それが嬉しい反面私はマスター達の事をまだ忘れられないでいる。
でも、マスター達に会ったとしても、私はどうしたいのか分からない。
マスター達に会いたいのにけど、…もし会えたても催眠が解けた私面白くも何ともないただのおもちゃ。
きっと要らないと言われるだろう。
それに、アルシアさんの事も少しずつ好きになってきているのにマスター達の事も忘れられない。
私はそんな思いに毎日ジレンマを抱えて居た。
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