R18 はるかかなた〜催眠の愛〜

冬愛Labo

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第一章 催眠の愛

7話 ②アルシアさんとの日常

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私がマスターやエイン様、フェル様の元から離れて十ヶ月が経った。
アーロンさんの言う通り代替えがきく私は必要なかったのか、マスター、フェル様、エイン様に会う事も無く時が過ぎていった。
そして私の前には花束を差し出してるアルシアさんがいる。
出会ったその日から毎日毎日飽きる事も無く私に告白をしてくれる。
断っても断っても諦めず、何度も何度も妻にしたいと告白をしてくれるアルシアさん。
村人が彼を慕っており、子供達には教師として文字を教え、大人達には困っている事を手伝う等非の打ち所がない程完璧な人だった。
私は側にいて告白をされて毎日甘い囁きをされ、心が揺らいだ。
もう、マスター達とは会えない。
契約の魔法も切れている。
私はただの代替え品。
ただのおもちゃ。
それより、ここでアルシアさんと静かに暮らすのも悪くない。
彼となら家族になってお互いを大事にしてやっていけるかもしれない。
そう思った私はアルシアさんに笑顔を向けて花束を受け取った。

「え…?ナナさん??」

『アルシアさん、本当の私の名前は倉橋由里香と言います。名前がユリカです。どうかこれからは貴方の恋人としてユリカと呼んでくれますか?』

「っ!!ほ、本当に俺と付き合って貰えるんですか?結婚前提で?本当に?」

『はい、貴方の人柄に惚れました。どうか私なんかでよければ貰って下さい』

「…こんな…こんな幸せな日が来るなんて…。…こんな天使の様なユリカさんと付き合う事が出来るなんて…」

『ふふ、アルシアさん大袈裟ですよ。私は天使なんて綺麗なものではありません。汚れたものですよ』

「いえ、貴方は俺にとって希望の光なんです。ずっと一人で生きて行くと思っていた俺が…、生涯の伴侶を見つける事が出来るとは…。本当に有難う」

私が微笑むと拍手が湧き上がる。
周りを見ると村人やアーロンさんが祝福の拍手を送っていた。

「ナナちゃんの事を心配していたけど、これで安心だね。やっとアルシアと付き合う事になるなんてめでたいな~」

『アーロンさんも有難うございます。アルシアさん、泣かないで下さい。そんなに喜んでもらったら私も嬉しいです』

私が伝えるとアルシアさんに抱きしめられた。
湧き上がる嬉しい気持ちを抑え切れず私も抱きしめた。

「あはは、今日はついに初夜かな~。アルシアとナナちゃんの子供が出来ちゃったりしてね」

『「アーロンさんっ!!」』

私達が顔を真っ赤になってアーロンさんに言うと笑いながらボソリと呟く。

「これで、俺も安心して旅立ちが出来るかな。あ~、その前にあいつらをなんとかしとかないとな…」

『あいつら??』

「ナナちゃんは気にしなくて大丈夫だよ。それよりアルシアと末長く仲良く暮らしてね」

『…有難うございます』

私がお礼を言うとアーロンさんは何処かに行ってしまった。


◯◯◯◯


夜になり私はご飯を食べた後お風呂に入った後寝室に向かった。
そこにはアルシアさんが本を読みながらベッドに座っていた。
そして私に気がつくと、本を閉じて手招きをしてくれる。

「ユリカさん、こっちにどうぞ」

『えっと、お邪魔します』

私はアルシアさんの横に座るとドキドキしながら俯いた。

「ユリカさん、今日は告白を受けてくれて有難うございまいた」

『えっと、寧ろ今まで待たせてしまってすいません。私なんかで良いんですか?その、私処女じゃないんです。すごいアバズレ女なんです。それでも良いんですか?』

「どんなユリカさんでも構いませんよ。今のユリカさんは過去があってのユリカさんでしょ?俺はユリカさんを愛しています。どんなユリカさんでも拒絶するなんてありませんよ」

『えっと、どうしてそんなに私を愛して下さるのですか?一目惚れだからと言っても、その妻にしたいとは思わないと思います』

「そうですね、本当は昔ユリカさんに会っていました。だから名前も知っていました。神の悪戯で子供頃異世界に飛ばされた事があったんです。その時は人間ではなく犬としてユリカさんに出会いました。ユリカさんは俺を拾って下さって、その後世話をして下さったんです。けれど、神の悪戯でまた元の世界に戻されてしまいました。あれ以来貴方に俺はずっと恋をしていたんです。だからこの想いは軽いものでは無いんですよ。寧ろ重いくらいです。こんな理由を知って気持ち悪く思いましたか?」

『いえ、いいえっ!!私は寧ろアルシアさんをもっと好きになりました。だから私でよければこんな私でよければ貰って下さい』

「そうですか、では…身体を重ねても良いですか?嫌なら何年でも待ちます」

『…いえ、今が良いです。アリシアさんと今一つになりたいです』

私は胸が熱くなり泣きながらアルシアさんに伝えると頬に手を置いて摩りながら涙を舌で舐めてくれた。

「気持ち悪かったですか?」

『いいえ、そんな事なかったです』

「そうですか。ではユリカさんを俺に下さい」

『はい…アルシアさんっ!!』

アルシアさんは微笑んで私の服に手をかけた。
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