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第1殿 男の腹に新たな命
第15洞 試練は越えるもの
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森の入口で待ち受ける俺たちへ最初に襲撃をかけたのは光速虫だった。
「へっへん! その程度じゃ無駄無駄!」
素早い動きが特徴の巨大な甲虫は、しかし空中に張り巡らされた電磁バリアによって撃ち落とされた。上位魔術師の紡いだ魔法が敵の先制攻撃を防いだのだ。
しかし相手は止まらない。次に巨大な牢獄蛇を掴んだ人頭鳥が空から蛇を落としてくる。引っ切り無しに落とされる敵が着地後も這って襲いかかるので質が悪い。
「陣形を張れ! 地面と空をそれぞれ担当したもので組を作れ!」
陣頭指揮は教授ではない人が執っているのか、少し遠くから指示が飛ぶ。とりあえず俺は降ってきた蛇の口にそっと爆発魔法になる前のカタマリを投げ込んでいく。
「よしよし、飲み込め~」
それらがある程度内臓の奥へ入り込んだ時点で「着火」する。
「『爆破』!」
視界の外で五つほど爆発が起きる。だがそのうち一体は致命に至らず、他のメンバーへ?
襲いかかる。
「すいません、任せます!」
俺は構わず前進する。背後にはまだ壁役が数人いるはずなので、打ち漏らすことはないはずだ。
「いい動きするじゃん!」
ちょうど背後にはケミーさんがいたようで、水風船が割れるような音が響いた。
しかしさすがに数で優位を取られており、少しずつ前線は下がっていく。
「よし、下がれ! 森をうまく使え!」
合図を聞いた俺たちは一気になだれ込まれないよう慎重に後退する。しかし蛇に紛れて時々石蜥蜴が混じってくると、噛まれないように逃げ回ることを余儀なくされた。あの牙には毒があって、徐々に細胞が壊死するからだ。
蛇の雨が収まると、今度は人頭鳥自身がその鍵爪を振り下ろしてきた。既に戦場が森の中になっているのでさほどの脅威ではない。
「お、引っかかったな」
あらかじめ木と木の間に仕掛けられていた黒糸の罠に人頭鳥が引っかかた。そこへ素早く近づいて宙吊りになった個体にそっと刃を当てていく。
俺は罠の下を目立つように抜ければいい。
「若いの、目がいいな」
「どもっす。学園で色々教わりましたんで」
「ほほう、あんなのでも後進の育成に役立つとは。また寄付金願いが来そうじゃわい」
魔法さばきの素晴らしい魔導師のお爺さんが自慢の杖を振るいつつ悪態をつく。
学園ができる前からの探索者だろうか。だとしたら二桁で足らない年齢のはずだが。
みし…… みしし……
「な、何の音だ!?」
一際大きな怒号と木々の軋む音、そして何かの爆発音が森を支配する。
在来の鳥たちが異変を察して散り散りに飛び去り、ただ事ではない状況を察する。
「吾氏が見てくる。ディグラッド君は神殿の入り口まで下がってるんだ」
「わ、わかりました」
向かう途中から背後で悲鳴が上がる。討伐部隊の中にはかなりの回復魔導師もいたはずだから死ぬことはないだろうけど、人の悲鳴は心に悪い。
入口に戻る間も森から木々の倒れる音が止まない。若干速度は落ちてるものの、あの精鋭たちが倒せない相手とは一体何なのか。
「……ゼツリンに話ができればよかったのに」
『呼んだかい?』
「んひぃ!?」
『ひどいなぁ。会いたい、って言ってたろ?』
「言ってねぇよ! ていうか、なんでここにいるんだよ!?」
自称『迷宮喰らい』の迷宮核「ゼツリン(名付けたのは俺)」が、遠く離れたこの場所に何故か来ている。
『つれないなぁ、あんなに愛し合った仲じゃないか』
「お前が勝手に俺のマナを喰っただけだろ!」
『ぼくらのなかでは、それはもうセックスだよ?』
やめてくれ、初体験が人外とか……
いや、腹の中身を考えたら俺が人の理を超えてるわ。
「その辺にしてくれ、頭がおかしくなる」
『なんでさ? 生きるうえで大事なことだろ?』
「俺は人として社会に生きていたんだよ。今ここにいる理由もそうだ」
『それはぼくもさ。他の迷宮たちも〝あれは何かがおかしい〟って言っててね』
……ん?
「あの『迷宮喰らい』は、お前たちにとっても異常事態なのか?」
『そういうわけだから、ちょっとお邪魔するよ』
ゼツリンは俺の返事を待つことなくマナの粒子に変化し、《《俺の中に挿入ってくる》》。
「おぉおおおぉぉい!!」
『あぁ…… この温かさ、この肉の締まり。あの時のままだね』
「何考えてんだ! 出ろ!」
『大丈夫だよ。君のマナを食べたりしないし、ここの子も手はつけないよ』
「だったら――」
『共喰うのさ』
一瞬血の気が引く。
『他の核から話を聞いてね。恐らくぼくが喰うのが一番早い』
「な、んだって?」
『ほらほら、あいつが振り切ってもうすぐ来るよ』
会話で意識がなかったが、もう轟音はすぐそこまで来ていた。
『きみは出来るだけ近づいてくれればいいよ。後はぼくが齧っていくから』
森の切れ目、木と木の間に大きな影が見えてきた。
「ぐううおおおあああぁぁぁぁーーーーーー!!」
お互いを隔てる最後の大木が地面に横たわると、教授の見せた目撃情報のそれより恐ろしい怪物が現れた。
「な、なんだあれ……」
『化け物さ』
「そ、そうじゃなくて」
『ま、〝天然じゃない〟のは間違いないね』
生で見る怪物は、確かに妙な体をしている。事前に教授から目撃情報の資料を見せてもらってなければ……
「ちょっと待て、なんか微妙に違うぞ」
見せてもらった資料の特徴に加えて針のように鋭く長い体毛が全身から生え、腕には無数の突起物が増えている。さらに下半身は鳥類の足がまるで蜘蛛の足のように四方八方から伸びていた。そのうちの何本かは途中から無い。血とも体液とも言えない何かがそこから溢れている。
『ははあ、あいつ他の迷宮をつまみ食いしたな』
「は、はは……」
背後には神殿の入り口。返り血も浴びた怪物は肩で息をしつつもまっすぐ俺の奥を見据えている。
『怖かったら目をつぶってろ。ぼくがなんとかする』
「言ってろ!」
「グオ、グオオォォ!!」
身をかがめて突進してくる怪物を大回りしながら避ける。ただし、その足の一つにメニトラップ社からもらったお試し罠「ねばねばトリモチ」を投げつける。
それが見事に他の足を巻き込んで転倒する。
「グ、ア、アァァア!」
「げっ、マジか」
足元の不自由を嫌ったか、そいつは無理やり足を引きちぎって食べ始めた。
『ワイルドだな~ 理にかなってて感心するよ』
「んな場合か!」
だが、その直後引きちぎった傷跡も先ほどまであったダメージもボコボコと泡が覆ったかと思うとすぐに塞がった。
「……迷宮喰らいは不死身か?」
『冗談じゃないよ。燃費が悪くてすぐ腹が空くんだ』
「ディグラッド君!」
「無事か少年!?」
手間取っていると教授と紫のおっさんが追い付いた。
「な、なんだありゃ!? 資料と違うじゃねーか!」
「他の迷宮を食べてきたな、通りで到着が遅いわけだ」
俺たちは一か所に集まり迎撃態勢を整える。
「グ、グゴゴ、アァァ……」
「ど、どうした!?」
突然怪物は自分の胸をまさぐり、あろうことかその爪で胸をかきむしりだした。
「な、何してるんだ!?」
「おい、ゼツリン! あれは何をしようとしてるんだ!」
『知らないよ、他人の性癖なんか』
「んなこと聞いてねぇよ!」
怪物から溢れる血液が地面を覆う。そこへぼたりと人の頭くらいの大きな塊が転がり落ちた。
『気を付けて』
「へ?」
気が付くと地面に散らばった血液が消失している。
「くそ、援軍でも呼んだんじゃないか?」
「……かもしれん。微かに地響きが聞こえるな。気を付けるんだ」
小さな地鳴りが徐々に大きくなり、しかし一瞬止まる。
その時、怪物の足元から巨大な腕が膨れ上がって飛び出した。
「う、わぁああ!?」
腕は肩に、上半身に、下半身と足になり、地面に転がる塊を拾い上げて胸にねじ込むと巨大な土人形が誕生した。
『へぇ、元はモンスター生成ダンジョンだったのかもね』
「恐らく血液を媒介にしている。やつが地面に落としたのは核の一部か」
「冷静に語ってる場合じゃないでしょ教授ゥー!!」
そう叫んでいるうちに土人形はその巨躯から想像もできない速度で距離を詰めてきた。
「危ない!」
ソランさんが素早く正面にまわって自慢のショートソードを魔法で操り刃の盾を形成する。
「ば、そいつ相手に通用するか!」
教授が珍しく大声で叫ぶが、それより先に人形の拳が剣を受けつつソランさんを殴り飛ばす。
「ぐはぁあぁうっ!?」
自分が展開した盾ごとソランさんは吹っ飛んでいく。
それを見ていた怪物は何かに満足して足早に神殿の入口へと走り出した。
「まずい、ディグラッド君! ここは吾氏が何とかするからやつを追いかけてくれ!」
「は、はい!」
周囲はまだモンスターが暴れている。ギルドの精鋭が食い止めてる間になんとかあの怪物を止めなければ。
『さ、行くよ』
コイツが一緒なのが微妙にイヤだけど。
神殿に足を踏み入れると、突然空気が変わった。
外の戦闘が嘘のように聞こえなくなり、別の世界に来たかのような感覚に陥ったのだ。
『何度も人が入ったにも関わらず、まるで処女のような清らかさだ』
「ちょっと黙ってろ」
無限通路もあったことだし、一応用心しながら進んでいく。
「う、わあ……」
最初に飛び込んできたのは奇妙な石像が立ち並ぶ広間だ。
石像は甲冑を着こんだ人の形をしていて、剣をそれぞれの正面に構えている。
『おや、あの化け物がつけた血の足跡が残ってるよ』
「……本当だ」
ちょっと癪だが、最短距離を歩けるなら……
『あぶない!』
突然体を後ろに引っ張られて尻餅をつく。
「なにを――!」
しかし先ほどまで俺がいた場所を、石像の構えた剣が貫く。
「……おぅ、助かったわ」
『どうやら正解の足跡じゃなくて、無理やり通った血の跡だったみたいだね』
「っぶねぇな。痛みを気にしないやつ特有の攻略法か」
よく見ると石像はそれぞれが違う方を向いている。
『彼らの正面に立つと襲ってくるのかな? 面白い罠だね』
「試練の神殿とはよく言ったもんだ」
全体を俯瞰してみればそこまで難しいものじゃない。さっさと石像の間をクリアすると、今度は煙で足元が見えない部屋に来た。
『今度はさっきみたいなズルはできそうにないね』
「よく見ると上も煙で覆われてるのか…… で、出口は正面と」
とりあえずまっすぐ進むと突然体が浮き上がり、部屋の入り口に戻される。
「っと! なんだこれ」
『上下の無限ループだね。正しい道順を行けば向こうに行ける』
思わずゴーグルの認識入れ替えを行うが、どうも普通に見えてる煙のようだ。
「……そうだ! ゼツリン」
『なに?』
「煙、喰ってくんね?」
『……きみの発想、嫌いじゃないよ』
ゼツリンは俺をしゃがむように促すと、ものすごい勢いで煙を吸い込み始めた。
『んー、あまりおいしくないな。迷宮産の物質とはいえそこまで濃度はないみたい』
「でも正解の道は見えたぜ」
無限落とし穴の部屋を超えると、ようやく無限ループの通路に来た。
「よーし、ここまで来れば」
『いや、ここも結構曲者だよ? さっきと同じようなループ構造がね』
「うん大丈夫、ここには来たことあるから」
『え』
ゼツリンの心配をよそに、俺は正解の隠し通路を発見する。
ここまで来ればほぼ一本道だ。
『……戦闘してる音が聞こえる』
「ミルさんが戦ってるんだと思う」
『ミル? 誰それ』
「俺の後輩」
『交配相手か。大事にしろよ』
「……はいはい」
声は幼いのにおっさんみたいな言い方がいちいちイライラする。
ともあれ、ここまで奴と会わなかったということは、核の間に行ってしまったということだ。
「……次が最後の部屋だ」
足が自然と速くなる。と同時に奥から激しい戦闘のやり取りが響いてきた。
「きゃああぁぁぁっ!!!」
「ミルさんっ!」
俺が部屋に入ると、彼女は怪物の一撃を受けて吹っ飛んでいた。よく見ると相手の方も相当の傷を負っているようだが、入ってきた俺を見ても特に変化はないところを見るとまだ余裕がありそうだ。
「グル、ガアアァァァッッッ!!」
『両手をアイツに向けろ』
「え、こうか?」
俺は言われるままに手のひらを怪物に向ける。それを挑発ととったのか、怪物は少し距離をあけ、助走を付けて爪を構え、大きく殴りかかってきた。
『ああ、いいね。きみの核。今まで多くの魔力を齧ってきたみたいだな? 少し余計なものも混じってるが…… どぉれ』
体の中をマナが這いずる。背筋がおぞけて足に力が入らなくなるが、すぐ後ろにミルさんがいるのを思い出してなんとか耐える。
『い た だ き ま す』
ざり、という感覚を腕が拾った。
続いて禍々しい液体のようなものが体を巡る。そんな感触から気をそらそうと怪物を見ると、相手の腕が肩ごと消えていた。
「!?」
「ガァ、グッ!??」
怪物は勇み足を止めて後ずさる。
『あー、マズイ。やっぱり純度の低い核の魔力は濁って澱んで舌触りが最悪だ』
しかも今度は先ほどと違ってすぐに治らない。
「ゼツリン、もう一度だ!」
『悪いけどさっきみたいにはもういかないよ。ぼくにも限界がある』
「おい! 無責任だぞ!」
『ははは。それはきみたち人間にそのまま返すよ』
「!?」
『まあ、つまみ食いぐらいは続けてあげるから。今のきみなら大丈夫だよ』
「くそ…… ミルさん、動ける!?」
「……が」
「え、ミルさ――」
こつん、と足元に違和感。床を見ると、何かが散らばっている。
「これ、髪飾りじゃ……」
ミルさんが頭につけていた、髪留め飾りだ。
左右についていたうちのひとつだろうか。楕円の先端部に赤いマークのついた髪停めは、落ちた衝撃で欠けていた。
「よくも――」
彼女がポツリと呟くと、髪飾りからとてつもないマナが溢れ出した。
「ママにもらった髪飾りを、よくも――!!」
「へっへん! その程度じゃ無駄無駄!」
素早い動きが特徴の巨大な甲虫は、しかし空中に張り巡らされた電磁バリアによって撃ち落とされた。上位魔術師の紡いだ魔法が敵の先制攻撃を防いだのだ。
しかし相手は止まらない。次に巨大な牢獄蛇を掴んだ人頭鳥が空から蛇を落としてくる。引っ切り無しに落とされる敵が着地後も這って襲いかかるので質が悪い。
「陣形を張れ! 地面と空をそれぞれ担当したもので組を作れ!」
陣頭指揮は教授ではない人が執っているのか、少し遠くから指示が飛ぶ。とりあえず俺は降ってきた蛇の口にそっと爆発魔法になる前のカタマリを投げ込んでいく。
「よしよし、飲み込め~」
それらがある程度内臓の奥へ入り込んだ時点で「着火」する。
「『爆破』!」
視界の外で五つほど爆発が起きる。だがそのうち一体は致命に至らず、他のメンバーへ?
襲いかかる。
「すいません、任せます!」
俺は構わず前進する。背後にはまだ壁役が数人いるはずなので、打ち漏らすことはないはずだ。
「いい動きするじゃん!」
ちょうど背後にはケミーさんがいたようで、水風船が割れるような音が響いた。
しかしさすがに数で優位を取られており、少しずつ前線は下がっていく。
「よし、下がれ! 森をうまく使え!」
合図を聞いた俺たちは一気になだれ込まれないよう慎重に後退する。しかし蛇に紛れて時々石蜥蜴が混じってくると、噛まれないように逃げ回ることを余儀なくされた。あの牙には毒があって、徐々に細胞が壊死するからだ。
蛇の雨が収まると、今度は人頭鳥自身がその鍵爪を振り下ろしてきた。既に戦場が森の中になっているのでさほどの脅威ではない。
「お、引っかかったな」
あらかじめ木と木の間に仕掛けられていた黒糸の罠に人頭鳥が引っかかた。そこへ素早く近づいて宙吊りになった個体にそっと刃を当てていく。
俺は罠の下を目立つように抜ければいい。
「若いの、目がいいな」
「どもっす。学園で色々教わりましたんで」
「ほほう、あんなのでも後進の育成に役立つとは。また寄付金願いが来そうじゃわい」
魔法さばきの素晴らしい魔導師のお爺さんが自慢の杖を振るいつつ悪態をつく。
学園ができる前からの探索者だろうか。だとしたら二桁で足らない年齢のはずだが。
みし…… みしし……
「な、何の音だ!?」
一際大きな怒号と木々の軋む音、そして何かの爆発音が森を支配する。
在来の鳥たちが異変を察して散り散りに飛び去り、ただ事ではない状況を察する。
「吾氏が見てくる。ディグラッド君は神殿の入り口まで下がってるんだ」
「わ、わかりました」
向かう途中から背後で悲鳴が上がる。討伐部隊の中にはかなりの回復魔導師もいたはずだから死ぬことはないだろうけど、人の悲鳴は心に悪い。
入口に戻る間も森から木々の倒れる音が止まない。若干速度は落ちてるものの、あの精鋭たちが倒せない相手とは一体何なのか。
「……ゼツリンに話ができればよかったのに」
『呼んだかい?』
「んひぃ!?」
『ひどいなぁ。会いたい、って言ってたろ?』
「言ってねぇよ! ていうか、なんでここにいるんだよ!?」
自称『迷宮喰らい』の迷宮核「ゼツリン(名付けたのは俺)」が、遠く離れたこの場所に何故か来ている。
『つれないなぁ、あんなに愛し合った仲じゃないか』
「お前が勝手に俺のマナを喰っただけだろ!」
『ぼくらのなかでは、それはもうセックスだよ?』
やめてくれ、初体験が人外とか……
いや、腹の中身を考えたら俺が人の理を超えてるわ。
「その辺にしてくれ、頭がおかしくなる」
『なんでさ? 生きるうえで大事なことだろ?』
「俺は人として社会に生きていたんだよ。今ここにいる理由もそうだ」
『それはぼくもさ。他の迷宮たちも〝あれは何かがおかしい〟って言っててね』
……ん?
「あの『迷宮喰らい』は、お前たちにとっても異常事態なのか?」
『そういうわけだから、ちょっとお邪魔するよ』
ゼツリンは俺の返事を待つことなくマナの粒子に変化し、《《俺の中に挿入ってくる》》。
「おぉおおおぉぉい!!」
『あぁ…… この温かさ、この肉の締まり。あの時のままだね』
「何考えてんだ! 出ろ!」
『大丈夫だよ。君のマナを食べたりしないし、ここの子も手はつけないよ』
「だったら――」
『共喰うのさ』
一瞬血の気が引く。
『他の核から話を聞いてね。恐らくぼくが喰うのが一番早い』
「な、んだって?」
『ほらほら、あいつが振り切ってもうすぐ来るよ』
会話で意識がなかったが、もう轟音はすぐそこまで来ていた。
『きみは出来るだけ近づいてくれればいいよ。後はぼくが齧っていくから』
森の切れ目、木と木の間に大きな影が見えてきた。
「ぐううおおおあああぁぁぁぁーーーーーー!!」
お互いを隔てる最後の大木が地面に横たわると、教授の見せた目撃情報のそれより恐ろしい怪物が現れた。
「な、なんだあれ……」
『化け物さ』
「そ、そうじゃなくて」
『ま、〝天然じゃない〟のは間違いないね』
生で見る怪物は、確かに妙な体をしている。事前に教授から目撃情報の資料を見せてもらってなければ……
「ちょっと待て、なんか微妙に違うぞ」
見せてもらった資料の特徴に加えて針のように鋭く長い体毛が全身から生え、腕には無数の突起物が増えている。さらに下半身は鳥類の足がまるで蜘蛛の足のように四方八方から伸びていた。そのうちの何本かは途中から無い。血とも体液とも言えない何かがそこから溢れている。
『ははあ、あいつ他の迷宮をつまみ食いしたな』
「は、はは……」
背後には神殿の入り口。返り血も浴びた怪物は肩で息をしつつもまっすぐ俺の奥を見据えている。
『怖かったら目をつぶってろ。ぼくがなんとかする』
「言ってろ!」
「グオ、グオオォォ!!」
身をかがめて突進してくる怪物を大回りしながら避ける。ただし、その足の一つにメニトラップ社からもらったお試し罠「ねばねばトリモチ」を投げつける。
それが見事に他の足を巻き込んで転倒する。
「グ、ア、アァァア!」
「げっ、マジか」
足元の不自由を嫌ったか、そいつは無理やり足を引きちぎって食べ始めた。
『ワイルドだな~ 理にかなってて感心するよ』
「んな場合か!」
だが、その直後引きちぎった傷跡も先ほどまであったダメージもボコボコと泡が覆ったかと思うとすぐに塞がった。
「……迷宮喰らいは不死身か?」
『冗談じゃないよ。燃費が悪くてすぐ腹が空くんだ』
「ディグラッド君!」
「無事か少年!?」
手間取っていると教授と紫のおっさんが追い付いた。
「な、なんだありゃ!? 資料と違うじゃねーか!」
「他の迷宮を食べてきたな、通りで到着が遅いわけだ」
俺たちは一か所に集まり迎撃態勢を整える。
「グ、グゴゴ、アァァ……」
「ど、どうした!?」
突然怪物は自分の胸をまさぐり、あろうことかその爪で胸をかきむしりだした。
「な、何してるんだ!?」
「おい、ゼツリン! あれは何をしようとしてるんだ!」
『知らないよ、他人の性癖なんか』
「んなこと聞いてねぇよ!」
怪物から溢れる血液が地面を覆う。そこへぼたりと人の頭くらいの大きな塊が転がり落ちた。
『気を付けて』
「へ?」
気が付くと地面に散らばった血液が消失している。
「くそ、援軍でも呼んだんじゃないか?」
「……かもしれん。微かに地響きが聞こえるな。気を付けるんだ」
小さな地鳴りが徐々に大きくなり、しかし一瞬止まる。
その時、怪物の足元から巨大な腕が膨れ上がって飛び出した。
「う、わぁああ!?」
腕は肩に、上半身に、下半身と足になり、地面に転がる塊を拾い上げて胸にねじ込むと巨大な土人形が誕生した。
『へぇ、元はモンスター生成ダンジョンだったのかもね』
「恐らく血液を媒介にしている。やつが地面に落としたのは核の一部か」
「冷静に語ってる場合じゃないでしょ教授ゥー!!」
そう叫んでいるうちに土人形はその巨躯から想像もできない速度で距離を詰めてきた。
「危ない!」
ソランさんが素早く正面にまわって自慢のショートソードを魔法で操り刃の盾を形成する。
「ば、そいつ相手に通用するか!」
教授が珍しく大声で叫ぶが、それより先に人形の拳が剣を受けつつソランさんを殴り飛ばす。
「ぐはぁあぁうっ!?」
自分が展開した盾ごとソランさんは吹っ飛んでいく。
それを見ていた怪物は何かに満足して足早に神殿の入口へと走り出した。
「まずい、ディグラッド君! ここは吾氏が何とかするからやつを追いかけてくれ!」
「は、はい!」
周囲はまだモンスターが暴れている。ギルドの精鋭が食い止めてる間になんとかあの怪物を止めなければ。
『さ、行くよ』
コイツが一緒なのが微妙にイヤだけど。
神殿に足を踏み入れると、突然空気が変わった。
外の戦闘が嘘のように聞こえなくなり、別の世界に来たかのような感覚に陥ったのだ。
『何度も人が入ったにも関わらず、まるで処女のような清らかさだ』
「ちょっと黙ってろ」
無限通路もあったことだし、一応用心しながら進んでいく。
「う、わあ……」
最初に飛び込んできたのは奇妙な石像が立ち並ぶ広間だ。
石像は甲冑を着こんだ人の形をしていて、剣をそれぞれの正面に構えている。
『おや、あの化け物がつけた血の足跡が残ってるよ』
「……本当だ」
ちょっと癪だが、最短距離を歩けるなら……
『あぶない!』
突然体を後ろに引っ張られて尻餅をつく。
「なにを――!」
しかし先ほどまで俺がいた場所を、石像の構えた剣が貫く。
「……おぅ、助かったわ」
『どうやら正解の足跡じゃなくて、無理やり通った血の跡だったみたいだね』
「っぶねぇな。痛みを気にしないやつ特有の攻略法か」
よく見ると石像はそれぞれが違う方を向いている。
『彼らの正面に立つと襲ってくるのかな? 面白い罠だね』
「試練の神殿とはよく言ったもんだ」
全体を俯瞰してみればそこまで難しいものじゃない。さっさと石像の間をクリアすると、今度は煙で足元が見えない部屋に来た。
『今度はさっきみたいなズルはできそうにないね』
「よく見ると上も煙で覆われてるのか…… で、出口は正面と」
とりあえずまっすぐ進むと突然体が浮き上がり、部屋の入り口に戻される。
「っと! なんだこれ」
『上下の無限ループだね。正しい道順を行けば向こうに行ける』
思わずゴーグルの認識入れ替えを行うが、どうも普通に見えてる煙のようだ。
「……そうだ! ゼツリン」
『なに?』
「煙、喰ってくんね?」
『……きみの発想、嫌いじゃないよ』
ゼツリンは俺をしゃがむように促すと、ものすごい勢いで煙を吸い込み始めた。
『んー、あまりおいしくないな。迷宮産の物質とはいえそこまで濃度はないみたい』
「でも正解の道は見えたぜ」
無限落とし穴の部屋を超えると、ようやく無限ループの通路に来た。
「よーし、ここまで来れば」
『いや、ここも結構曲者だよ? さっきと同じようなループ構造がね』
「うん大丈夫、ここには来たことあるから」
『え』
ゼツリンの心配をよそに、俺は正解の隠し通路を発見する。
ここまで来ればほぼ一本道だ。
『……戦闘してる音が聞こえる』
「ミルさんが戦ってるんだと思う」
『ミル? 誰それ』
「俺の後輩」
『交配相手か。大事にしろよ』
「……はいはい」
声は幼いのにおっさんみたいな言い方がいちいちイライラする。
ともあれ、ここまで奴と会わなかったということは、核の間に行ってしまったということだ。
「……次が最後の部屋だ」
足が自然と速くなる。と同時に奥から激しい戦闘のやり取りが響いてきた。
「きゃああぁぁぁっ!!!」
「ミルさんっ!」
俺が部屋に入ると、彼女は怪物の一撃を受けて吹っ飛んでいた。よく見ると相手の方も相当の傷を負っているようだが、入ってきた俺を見ても特に変化はないところを見るとまだ余裕がありそうだ。
「グル、ガアアァァァッッッ!!」
『両手をアイツに向けろ』
「え、こうか?」
俺は言われるままに手のひらを怪物に向ける。それを挑発ととったのか、怪物は少し距離をあけ、助走を付けて爪を構え、大きく殴りかかってきた。
『ああ、いいね。きみの核。今まで多くの魔力を齧ってきたみたいだな? 少し余計なものも混じってるが…… どぉれ』
体の中をマナが這いずる。背筋がおぞけて足に力が入らなくなるが、すぐ後ろにミルさんがいるのを思い出してなんとか耐える。
『い た だ き ま す』
ざり、という感覚を腕が拾った。
続いて禍々しい液体のようなものが体を巡る。そんな感触から気をそらそうと怪物を見ると、相手の腕が肩ごと消えていた。
「!?」
「ガァ、グッ!??」
怪物は勇み足を止めて後ずさる。
『あー、マズイ。やっぱり純度の低い核の魔力は濁って澱んで舌触りが最悪だ』
しかも今度は先ほどと違ってすぐに治らない。
「ゼツリン、もう一度だ!」
『悪いけどさっきみたいにはもういかないよ。ぼくにも限界がある』
「おい! 無責任だぞ!」
『ははは。それはきみたち人間にそのまま返すよ』
「!?」
『まあ、つまみ食いぐらいは続けてあげるから。今のきみなら大丈夫だよ』
「くそ…… ミルさん、動ける!?」
「……が」
「え、ミルさ――」
こつん、と足元に違和感。床を見ると、何かが散らばっている。
「これ、髪飾りじゃ……」
ミルさんが頭につけていた、髪留め飾りだ。
左右についていたうちのひとつだろうか。楕円の先端部に赤いマークのついた髪停めは、落ちた衝撃で欠けていた。
「よくも――」
彼女がポツリと呟くと、髪飾りからとてつもないマナが溢れ出した。
「ママにもらった髪飾りを、よくも――!!」
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