帝王アラタの再転生

たまゆき

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1章

ジパング

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目を覚ます
周りを見渡し、愕然とする

「これは…まさか転生…?」

慌てて前の世界で1番使ったと言っても過言では無い言葉を唱える

「ステータスオープン」
自分のステータスが目の前にあらわれる

小佐々 新  レベル999
HP 536500/956500
MP 936500/1553000

スキル 
救世帝きゅうせいてい覇気はき
          魔力解放まりょくかいほう
          剣聖けんせい
          異界召喚いかいしょうかん
                 ▽▽▽

見覚えのあるステータス画面、スキルは膨大な為、いつも通り1部しか表示されてないが異界召喚?見知らぬスキルが増えている。

新しいスキルは気になるが、それよりもまずはHP、MPが減っている事が目につく。
こころなしか筋力も落ちている気がする。
だがレベルは変わらずスキルも、新しく増えた事以外は変わりがない事に安堵する。
ホッと胸を撫で下ろしつつ、見知らぬ事が起こると、まずは自分のステータスを確認するという転生後に身についた癖に、少し苦笑がでる

周りを見渡すと石づくりの壁や床が見える。
そのちょうど真ん中に台のような長方形の石があり、そこに自分がいる。

タタタッ

その時、壁の間にある人が出入りできそうな長方形の切れ目へと、近付く足跡が聞こえた

何が起きてもいいように魔力を練る。

願わくばこの世界が自分のスキルや能力が通用する世界でありますように。
心の中で祈りつつ、警戒しながら足跡の主を待つ

「あっ!やっぱり!!久しぶりに英雄の間に人がいる!!」

アラタは警戒心もなくこちらを覗き込む少女を見る。
歳の頃は15、6か黒い髪を肩あたりで揃え、整った顔立ちをしている。
悪意の無い幼い顔に意表をつかれたが
警戒心は解かず、状況を把握しようとアラタは言葉を発した。

「こんにちは、お嬢さん。ここはどこかね?気付いたらここに居てのう。差し支えなければ教えて貰えるかな?」

少女は任せて!と言わんばかりに口を開く

「こんにちは、英雄様!ここはジパングだよ。
あなたどこかから来たんだよね?ここは日本人
が送られてくる所よ。」

まさかの懐かしい響きに驚愕する

「日本…日本人じゃと…!?まさか戻ってきたのか!?」

思い出が溢れ歓喜に震える、そうか!転生の人生を全うすると日本へ戻れるのか!

「ん~、喜ばせてごめんね。正確に言うと日本人が集まるってだけで、この国も日本じゃないんだ。あなた死んだと思ったり大怪我しなかった?
そういう日本人たちがここの聖天堂せいてんどうって建物にいきなりあらわれるの。時代とかはバラバラだし、来ない人もいるけど。
だから何でそうなるのか良く分かんないのよ。 」
「それより何でそんな年寄りみたいな話し方なのさ。」

日本人がいるが日本では無い…?

それと少女が言った年寄りみたいな話し方という言葉に、改めて自分の手や身体を見る。

そこには目を閉じる間際までのしわでおおわれ、水分の感じられない肌ではなく、まるで異世界で、勇者となり魔王と戦っていた時代の若々しい肢体があった。

「これは…驚いたのぅ。 まさか若返るとは。
HPやMPが減ってるのもそのせいかのう。
やはりここは異世界なのか?せっかくあの世にいけると思ったんじゃが…
まあ、また見知らぬ所に転生された、としても日本人がいるってだけで嬉しいものよな。」

少女は不思議そうな顔で話しを続ける

「まあ異世界って言ったら異世界だよね。
そういえば英雄の中には若い身体で送られてくる者もいるって聞いた事あるなぁ。
その喋り方は違和感しかないけど、ゆっくり慣れていったらいいよ。
ところであなたは何の英雄??英雄の間から現れたって事は有名な人?」

「日本では、なんの英雄でも有名でも無いんじゃよ。しいて言うなら魔王を倒した勇者かのう。」

アラタの答えに少女は驚き、声を小さくする手振りをしてヒソヒソとささやく

「魔王を倒したとか冗談でも言ったらダメだよ。今のジパングを支配してるのは3ヶ月前にここに現れた魔王なんだから。」

驚いたアラタが聞き返す

「なんと!わしが倒した魔王がここで王になっとるのか!?それともベルゼか?あやつらは魔族で日本人じゃないはずだぞ!」

少女はため息をつきながら答える

「あなたが言ってる魔王が何処の誰かはちょっと分からないけど、今のジパングの支配者は【魔王】織田信長おだのぶなが様よ。ジパングを守る為にアレキサンダー軍と戦ってくれてるよ。」
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