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第1話「肉の日の路地裏と、運命の匂い」
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石畳を叩く雨音が、空腹の腹の虫と合奏しているようだった。
王都の下町、その一角にある大衆食堂の裏手は、いつも生ゴミと油の腐った臭いが充満している。
けれど、今日の僕はそんな悪臭など気にならなかった。
なぜなら今日は二十九日。
この国では月に一度、狩猟の神に感謝を捧げる「肉の日」だからだ。
といっても、僕のような店の下働きには、感謝祭の恩恵など回ってこない。店主のガストンはケチで有名だし、厨房のシェフたちは僕をただの雑用係としか見ていない。
「おいノア! まだ皿洗いが終わらねえのか!」
「す、すみません! すぐ終わらせます!」
怒号が飛び交う厨房の裏口で、僕は冷たい井戸水に手を浸していた。指先はすでにかじかんで感覚がなくなりかけている。それでも僕は、こっそりと隠し持っていた包みを懐で確かめて、小さく笑みをこぼした。
今日の昼間、市場への買い出しを手伝わされたときのことだ。肉屋の親父さんが「売り物にならないクズ肉だから」と、骨周りの肉をこっそり分けてくれたのだ。
筋ばかりで硬く、貴族が見れば顔をしかめるような部位だろう。
でも、僕にはわかる。
これは、最高のごちそうになる。
ようやく仕事が終わり、シェフたちが酒場へと繰り出した深夜。僕は誰もいない厨房へ戻ることはせず、店の裏にある小さな焚き火場へと向かった。
本当は厨房を使いたいけれど、見つかったら「泥棒」扱いされてひどい目に遭う。以前、余ったスープを飲もうとしただけで、ガストンに蹴り飛ばされたことがあるのだ。
雨避けのボロ布を木枠にかけただけの簡易な隠れ家。そこで僕は、大切にしていた小さな鉄板を熾火(おきび)の上に置いた。
「……よし」
懐から取り出したのは、赤黒い塊肉。
下処理は昼間のうちに済ませてある。硬い筋には細かく切り込みを入れ、潰した木の実と香草を揉み込んでおいた。こうすることで、肉の臭みが消え、驚くほど柔らかくなる。
鉄板が熱せられ、雨の湿気の中にじゅわっと微かな音が響いた。
脂身を先に溶かし、そこへ肉を滑らせる。
ジューッ!
食欲を刺激する激しい音と共に、一気に白い煙が立ち上った。
香ばしい匂い。脂の甘みと、肉が焼ける野性的な香り。
僕の鼻腔をくすぐるそれは、どんな高級な香水よりも魅力的だ。
この世界には、生まれつきの性別とは別に、アルファ、ベータ、オメガという三つの属性がある。僕は最も弱いとされるオメガだ。発情期という厄介な体質があるせいで、まともな職には就けず、こうして身分を隠して働くしかない。
でも、料理をしている時だけは、自分が何者かを忘れられる。
「いい色だ……」
表面はカリッと狐色に、中はしっとりとロゼ色に。火の通り加減を指先で確かめながら、僕は最後の仕上げにかかった。
取り出したのは、これも廃棄予定だった果実の皮を煮詰めて作った特製ソース。酸味と甘味が凝縮された黒い液体を、熱々の肉にかける。
ジュワワワーッ!
蒸気と共に爆発的な香りが路地裏に広がった。
たまらない。唾液が口の中に溢れてくる。
誰にも邪魔されない、僕だけの肉の宴。
木の枝を削った即席のフォークで、熱々の肉を突き刺し、口へ運ぼうとしたその時だった。
「……いい匂いだ」
暗闇の中から、低く、地を這うような声が響いた。
僕は驚いて飛び上がり、せっかくの肉を落としそうになる。
「だ、誰!?」
雨音にかき消されるようにして立っていたのは、一人の男だった。
背が高い。見上げるほどの大男だ。
上質な外套を頭から被っているが、その濡れた布越しにも、鍛え抜かれた肉体の厚みが伝わってくる。
男はふらりと足を踏み出し、焚き火の明かりの中にその顔を晒した。
息をのむような美貌だった。
夜の闇を溶かしたような黒髪に、凍てつく湖のようなアイスブルーの瞳。整いすぎた顔立ちは彫刻のようだが、その顔色はひどく悪い。まるで何日も食事をしていない病人のように蒼白だ。
そして何より、僕を怯えさせたのは、彼が放つ圧倒的な気配だった。
アルファだ。それも、とびきり強大な。
本能が警鐘を鳴らす。逃げろ、と。
けれど、男の視線は僕ではなく、僕の手元にある鉄板に釘付けになっていた。
「それを……食わせろ」
命令口調だったが、その声には切実な響きがあった。
「え?」
「金なら払う。いくらでも出す。だから、それを寄越せ」
男は震える手で懐を探ろうとするが、力が入らないのか、そのまま膝から崩れ落ちそうになった。
僕は咄嗟に駆け寄り、その体を支える。
重い。岩のような重量感だ。それに、体温が氷のように冷たい。
「大丈夫ですか!?」
「……腹が、減った」
男はうわごとのようにつぶやいた。
「何も……味がしないんだ。何を食べても、砂を噛んでいるようで……吐き気がする。だが、この匂いだけは……」
彼の瞳が、飢えた獣のようにギラリと光り、鉄板の上の肉を捉えている。
普通の空腹ではない。もっと深刻な、生命の危機に関わるような飢餓感。
僕は迷った。これは僕のなけなしのごちそうだ。これを逃せば、次の肉の日まで肉なんて食べられないかもしれない。
でも、目の前の男は死にそうだった。
それに、料理人として――たとえ見習い以下の雑用係だとしても――お腹を空かせている人を放っておくなんてできない。
「……どうぞ」
僕は彼を焚き火のそばの乾いた場所に座らせ、鉄板ごと差し出した。
「ただのクズ肉のステーキですけど、毒見は僕がしましたから」
男は疑う様子もなく、僕の手からフォーク代わりの枝を奪い取るように受け取った。
そして、まだ湯気を立てている肉塊にかぶりつく。
熱くないのだろうか。心配になるほどの勢いだった。
咀嚼する音が、雨音の合間に響く。
一口、また一口。
男の動きが止まった。
まさか、不味かったのだろうか。筋が硬すぎたか? ソースが濃すぎたか?
不安になって顔を覗き込むと、男は目を見開き、信じられないものを見るような表情で肉を見つめていた。
「……味が、する」
震える声だった。
「肉の、味がする……脂が甘い。血が熱い。スパイスが……舌を刺す」
彼はまるで、生まれて初めて食事をした人間のように、感動に打ち震えていた。
そして次の瞬間、猛烈な勢いで残りの肉を平らげ始めた。
野性的で、それでいてどこか品のある食べ方だった。鉄板に残ったソースまで、彼は指で拭って舐めとった。
すべてを食べ終えたとき、男の顔には先程までの死相はなく、代わりに薔薇色の血色が戻っていた。
彼は深く息を吐き、ゆっくりと僕の方を向いた。
その瞳に宿るのは、先程までの虚ろな光ではない。
獲物を見定めた捕食者の、鋭く強烈な光だ。
「……名は?」
「え、あ、ノアです」
「ノア」
彼が僕の名前を呼んだ瞬間、背筋にゾクゾクとした痺れが走った。
なんだろう、この感覚は。
「美味かった。俺の人生で、これほど美味いものを食べたのは初めてだ」
男は立ち上がり、僕を見下ろした。
その威圧感に、僕は思わず後ずさる。
「お前を雇う」
「は?」
「俺の専属になれ。衣食住、全て保証する。給金は言い値でいい」
唐突な申し出に、僕は口をパクパクとさせた。
専属? 僕を?
「あの、僕はただの皿洗いで、ここの店員ですらないというか、勝手に裏で焼いてただけで……」
「関係ない。俺が求めているのは、この料理を作った人間だ」
男――まだ名前も知らない彼は、僕の手首を強く掴んだ。
熱い。さっきまで氷のようだった手が、今は燃えるように熱い。
「拒否権はないと思え」
その強引な瞳の奥に、怪しげな熱が揺らめいていることに、僕はまだ気づいていなかった。
雨はいつの間にか止み、雲の切れ間から満月が顔を覗かせていた。
それはまるで、僕の運命が大きく変わり始めたことを告げる合図のようだった。
王都の下町、その一角にある大衆食堂の裏手は、いつも生ゴミと油の腐った臭いが充満している。
けれど、今日の僕はそんな悪臭など気にならなかった。
なぜなら今日は二十九日。
この国では月に一度、狩猟の神に感謝を捧げる「肉の日」だからだ。
といっても、僕のような店の下働きには、感謝祭の恩恵など回ってこない。店主のガストンはケチで有名だし、厨房のシェフたちは僕をただの雑用係としか見ていない。
「おいノア! まだ皿洗いが終わらねえのか!」
「す、すみません! すぐ終わらせます!」
怒号が飛び交う厨房の裏口で、僕は冷たい井戸水に手を浸していた。指先はすでにかじかんで感覚がなくなりかけている。それでも僕は、こっそりと隠し持っていた包みを懐で確かめて、小さく笑みをこぼした。
今日の昼間、市場への買い出しを手伝わされたときのことだ。肉屋の親父さんが「売り物にならないクズ肉だから」と、骨周りの肉をこっそり分けてくれたのだ。
筋ばかりで硬く、貴族が見れば顔をしかめるような部位だろう。
でも、僕にはわかる。
これは、最高のごちそうになる。
ようやく仕事が終わり、シェフたちが酒場へと繰り出した深夜。僕は誰もいない厨房へ戻ることはせず、店の裏にある小さな焚き火場へと向かった。
本当は厨房を使いたいけれど、見つかったら「泥棒」扱いされてひどい目に遭う。以前、余ったスープを飲もうとしただけで、ガストンに蹴り飛ばされたことがあるのだ。
雨避けのボロ布を木枠にかけただけの簡易な隠れ家。そこで僕は、大切にしていた小さな鉄板を熾火(おきび)の上に置いた。
「……よし」
懐から取り出したのは、赤黒い塊肉。
下処理は昼間のうちに済ませてある。硬い筋には細かく切り込みを入れ、潰した木の実と香草を揉み込んでおいた。こうすることで、肉の臭みが消え、驚くほど柔らかくなる。
鉄板が熱せられ、雨の湿気の中にじゅわっと微かな音が響いた。
脂身を先に溶かし、そこへ肉を滑らせる。
ジューッ!
食欲を刺激する激しい音と共に、一気に白い煙が立ち上った。
香ばしい匂い。脂の甘みと、肉が焼ける野性的な香り。
僕の鼻腔をくすぐるそれは、どんな高級な香水よりも魅力的だ。
この世界には、生まれつきの性別とは別に、アルファ、ベータ、オメガという三つの属性がある。僕は最も弱いとされるオメガだ。発情期という厄介な体質があるせいで、まともな職には就けず、こうして身分を隠して働くしかない。
でも、料理をしている時だけは、自分が何者かを忘れられる。
「いい色だ……」
表面はカリッと狐色に、中はしっとりとロゼ色に。火の通り加減を指先で確かめながら、僕は最後の仕上げにかかった。
取り出したのは、これも廃棄予定だった果実の皮を煮詰めて作った特製ソース。酸味と甘味が凝縮された黒い液体を、熱々の肉にかける。
ジュワワワーッ!
蒸気と共に爆発的な香りが路地裏に広がった。
たまらない。唾液が口の中に溢れてくる。
誰にも邪魔されない、僕だけの肉の宴。
木の枝を削った即席のフォークで、熱々の肉を突き刺し、口へ運ぼうとしたその時だった。
「……いい匂いだ」
暗闇の中から、低く、地を這うような声が響いた。
僕は驚いて飛び上がり、せっかくの肉を落としそうになる。
「だ、誰!?」
雨音にかき消されるようにして立っていたのは、一人の男だった。
背が高い。見上げるほどの大男だ。
上質な外套を頭から被っているが、その濡れた布越しにも、鍛え抜かれた肉体の厚みが伝わってくる。
男はふらりと足を踏み出し、焚き火の明かりの中にその顔を晒した。
息をのむような美貌だった。
夜の闇を溶かしたような黒髪に、凍てつく湖のようなアイスブルーの瞳。整いすぎた顔立ちは彫刻のようだが、その顔色はひどく悪い。まるで何日も食事をしていない病人のように蒼白だ。
そして何より、僕を怯えさせたのは、彼が放つ圧倒的な気配だった。
アルファだ。それも、とびきり強大な。
本能が警鐘を鳴らす。逃げろ、と。
けれど、男の視線は僕ではなく、僕の手元にある鉄板に釘付けになっていた。
「それを……食わせろ」
命令口調だったが、その声には切実な響きがあった。
「え?」
「金なら払う。いくらでも出す。だから、それを寄越せ」
男は震える手で懐を探ろうとするが、力が入らないのか、そのまま膝から崩れ落ちそうになった。
僕は咄嗟に駆け寄り、その体を支える。
重い。岩のような重量感だ。それに、体温が氷のように冷たい。
「大丈夫ですか!?」
「……腹が、減った」
男はうわごとのようにつぶやいた。
「何も……味がしないんだ。何を食べても、砂を噛んでいるようで……吐き気がする。だが、この匂いだけは……」
彼の瞳が、飢えた獣のようにギラリと光り、鉄板の上の肉を捉えている。
普通の空腹ではない。もっと深刻な、生命の危機に関わるような飢餓感。
僕は迷った。これは僕のなけなしのごちそうだ。これを逃せば、次の肉の日まで肉なんて食べられないかもしれない。
でも、目の前の男は死にそうだった。
それに、料理人として――たとえ見習い以下の雑用係だとしても――お腹を空かせている人を放っておくなんてできない。
「……どうぞ」
僕は彼を焚き火のそばの乾いた場所に座らせ、鉄板ごと差し出した。
「ただのクズ肉のステーキですけど、毒見は僕がしましたから」
男は疑う様子もなく、僕の手からフォーク代わりの枝を奪い取るように受け取った。
そして、まだ湯気を立てている肉塊にかぶりつく。
熱くないのだろうか。心配になるほどの勢いだった。
咀嚼する音が、雨音の合間に響く。
一口、また一口。
男の動きが止まった。
まさか、不味かったのだろうか。筋が硬すぎたか? ソースが濃すぎたか?
不安になって顔を覗き込むと、男は目を見開き、信じられないものを見るような表情で肉を見つめていた。
「……味が、する」
震える声だった。
「肉の、味がする……脂が甘い。血が熱い。スパイスが……舌を刺す」
彼はまるで、生まれて初めて食事をした人間のように、感動に打ち震えていた。
そして次の瞬間、猛烈な勢いで残りの肉を平らげ始めた。
野性的で、それでいてどこか品のある食べ方だった。鉄板に残ったソースまで、彼は指で拭って舐めとった。
すべてを食べ終えたとき、男の顔には先程までの死相はなく、代わりに薔薇色の血色が戻っていた。
彼は深く息を吐き、ゆっくりと僕の方を向いた。
その瞳に宿るのは、先程までの虚ろな光ではない。
獲物を見定めた捕食者の、鋭く強烈な光だ。
「……名は?」
「え、あ、ノアです」
「ノア」
彼が僕の名前を呼んだ瞬間、背筋にゾクゾクとした痺れが走った。
なんだろう、この感覚は。
「美味かった。俺の人生で、これほど美味いものを食べたのは初めてだ」
男は立ち上がり、僕を見下ろした。
その威圧感に、僕は思わず後ずさる。
「お前を雇う」
「は?」
「俺の専属になれ。衣食住、全て保証する。給金は言い値でいい」
唐突な申し出に、僕は口をパクパクとさせた。
専属? 僕を?
「あの、僕はただの皿洗いで、ここの店員ですらないというか、勝手に裏で焼いてただけで……」
「関係ない。俺が求めているのは、この料理を作った人間だ」
男――まだ名前も知らない彼は、僕の手首を強く掴んだ。
熱い。さっきまで氷のようだった手が、今は燃えるように熱い。
「拒否権はないと思え」
その強引な瞳の奥に、怪しげな熱が揺らめいていることに、僕はまだ気づいていなかった。
雨はいつの間にか止み、雲の切れ間から満月が顔を覗かせていた。
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