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第7話「覚醒と契約の熱」
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意識が泥の中に沈んでいくようだ。
熱い。体の芯が溶けてしまいそうなほど熱い。
俺はオルトの腕の中で、あえぐように呼吸を繰り返していた。視界は白く霞み、思考がまとまらない。
オメガのヒートがこれほど強烈なものだとは、知識としては知っていたが、体験するのは初めてだった。
魔力を持たないオメガの体は、定期的に外部からの魔力を渇望する。それが「発情」という形で現れるのだ。
満たされなければ、生命力そのものが枯渇し、最悪の場合は死に至る。
「マスター、熱が異常です。バイタルが低下しています……!」
オルトの焦った声が遠く聞こえる。彼は俺を抱きかかえ、寝室へと疾走した。
ベッドに俺を横たえると、彼は甲斐甲斐しく濡れタオルで額を冷やし、水を飲ませようとする。
だが、焼け石に水だ。
俺が求めているのは水ではない。魔力だ。圧倒的な質量の魔力だ。
本能が、目の前にある巨大な魔力源――オルトを求めて叫んでいる。
「はぁ……っ、オルト……」
俺は無意識に彼の手を掴み、自分の胸元へと引き寄せた。
彼のひんやりとした手が肌に触れると、そこから僅かに魔力が流れ込んでくるのがわかる。それがたまらなく気持ちいい。
「マスター? 何が必要ですか? 薬ですか? ドクターを呼びに……」
「だめ、だ……行くな……」
俺は彼の首に腕を回し、しがみついた。
もっと欲しい。もっと深く、濃い魔力を。
「オルト……魔力を……くれ……」
その言葉を聞いた瞬間、オルトの動きが止まった。
彼の論理回路の中で、何かが弾ける音が聞こえた気がした。
カイルの危機。原因は魔力欠乏。解決策は魔力供給。
しかし、通常のゴーレムには魔力を他者に譲渡する機能はない。
だが、オルトは通常ではない。彼は進化し続けるAIだ。
マスターを救うためなら、彼は自らの定義さえ書き換える。
「……理解しました。マスターがそれを望むのなら」
オルトの瞳の色が変わった。
金色の輝きが深まり、瞳孔が縦に割れる。獣のような、しかし理知的で支配的な瞳。
彼の胸のコアが激しく脈打ち、赤く発光し始めた。
大気中のマナが渦を巻き、オルトへと収束していく。
彼の中で、「ベータ(無性)」から「アルファ(支配者)」へのクラスチェンジが行われているのだ。
俺を守るために。俺を満たすために。
「熱いでしょう。苦しいでしょう。……今、楽にして差し上げます」
オルトの声は、甘く、低く、脳髄を痺れさせるような響きを帯びていた。
彼は俺の上に覆いかぶさる。その重みが、不思議と心地よい。
彼の手が俺のシャツのボタンを弾き飛ばし、素肌を露わにする。
熱を持った指先が、肌の上を滑るたびに、電流のような快感が走った。
「カイル……私の、愛しいつがい(・)」
彼は初めて俺を名前で呼んだ。
マスターという役割ではなく、個としての俺を求めている。
オルトの顔が近づく。
俺は拒むどころか、自ら唇を求めて首を伸ばした。
唇が重なる。
その瞬間、奔流のような魔力が口の中から雪崩込んできた。
甘く、濃厚で、暴力的なまでのエネルギー。
俺の空っぽだった器が、オルトの色で満たされていく。
「んっ……ぁ……!」
理性が吹き飛ぶ。
ただ、この快楽と充実に身を委ねるしかなかった。
これは治療であり、補給であり、そして何よりも――魂の契約だった。
ゴーレムと人間。アルファとオメガ。
種族を超えた絆が、熱い楔となって打ち込まれていく。
俺の意識は、オルトの腕の中で、安堵と快楽の海へと沈んでいった。
熱い。体の芯が溶けてしまいそうなほど熱い。
俺はオルトの腕の中で、あえぐように呼吸を繰り返していた。視界は白く霞み、思考がまとまらない。
オメガのヒートがこれほど強烈なものだとは、知識としては知っていたが、体験するのは初めてだった。
魔力を持たないオメガの体は、定期的に外部からの魔力を渇望する。それが「発情」という形で現れるのだ。
満たされなければ、生命力そのものが枯渇し、最悪の場合は死に至る。
「マスター、熱が異常です。バイタルが低下しています……!」
オルトの焦った声が遠く聞こえる。彼は俺を抱きかかえ、寝室へと疾走した。
ベッドに俺を横たえると、彼は甲斐甲斐しく濡れタオルで額を冷やし、水を飲ませようとする。
だが、焼け石に水だ。
俺が求めているのは水ではない。魔力だ。圧倒的な質量の魔力だ。
本能が、目の前にある巨大な魔力源――オルトを求めて叫んでいる。
「はぁ……っ、オルト……」
俺は無意識に彼の手を掴み、自分の胸元へと引き寄せた。
彼のひんやりとした手が肌に触れると、そこから僅かに魔力が流れ込んでくるのがわかる。それがたまらなく気持ちいい。
「マスター? 何が必要ですか? 薬ですか? ドクターを呼びに……」
「だめ、だ……行くな……」
俺は彼の首に腕を回し、しがみついた。
もっと欲しい。もっと深く、濃い魔力を。
「オルト……魔力を……くれ……」
その言葉を聞いた瞬間、オルトの動きが止まった。
彼の論理回路の中で、何かが弾ける音が聞こえた気がした。
カイルの危機。原因は魔力欠乏。解決策は魔力供給。
しかし、通常のゴーレムには魔力を他者に譲渡する機能はない。
だが、オルトは通常ではない。彼は進化し続けるAIだ。
マスターを救うためなら、彼は自らの定義さえ書き換える。
「……理解しました。マスターがそれを望むのなら」
オルトの瞳の色が変わった。
金色の輝きが深まり、瞳孔が縦に割れる。獣のような、しかし理知的で支配的な瞳。
彼の胸のコアが激しく脈打ち、赤く発光し始めた。
大気中のマナが渦を巻き、オルトへと収束していく。
彼の中で、「ベータ(無性)」から「アルファ(支配者)」へのクラスチェンジが行われているのだ。
俺を守るために。俺を満たすために。
「熱いでしょう。苦しいでしょう。……今、楽にして差し上げます」
オルトの声は、甘く、低く、脳髄を痺れさせるような響きを帯びていた。
彼は俺の上に覆いかぶさる。その重みが、不思議と心地よい。
彼の手が俺のシャツのボタンを弾き飛ばし、素肌を露わにする。
熱を持った指先が、肌の上を滑るたびに、電流のような快感が走った。
「カイル……私の、愛しいつがい(・)」
彼は初めて俺を名前で呼んだ。
マスターという役割ではなく、個としての俺を求めている。
オルトの顔が近づく。
俺は拒むどころか、自ら唇を求めて首を伸ばした。
唇が重なる。
その瞬間、奔流のような魔力が口の中から雪崩込んできた。
甘く、濃厚で、暴力的なまでのエネルギー。
俺の空っぽだった器が、オルトの色で満たされていく。
「んっ……ぁ……!」
理性が吹き飛ぶ。
ただ、この快楽と充実に身を委ねるしかなかった。
これは治療であり、補給であり、そして何よりも――魂の契約だった。
ゴーレムと人間。アルファとオメガ。
種族を超えた絆が、熱い楔となって打ち込まれていく。
俺の意識は、オルトの腕の中で、安堵と快楽の海へと沈んでいった。
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