虐げられ追放された悪役令息Ω、実は氷の皇太子αの運命の番で、めちゃくちゃに溺愛されています

水凪しおん

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エピローグ「光溢れる未来」

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 結婚から五年後の、帝国の建国記念日。
 パレードが行われるバルコニーに、僕たち家族は立っていた。
 皇帝として、民に手を振るゼノン。穏やかで、威厳のあるその姿は、かつての『氷の皇太子』の面影を残しながらも、民を愛する優しい君主の顔をしていた。
 彼の隣には、皇后である僕。そして、僕たちの腕には、小さな皇子と皇女が抱かれている。
 四人で笑い合う僕たちの姿は、この国の平和と繁栄の象徴として、民衆の目に映っていた。

「エリオット」

 民衆の歓声の中、ゼノンが僕にだけ聞こえる声で、囁いた。

「幸せか?」
「はい。とても」

 僕は、心からの笑顔でうなずいた。
 悪役令息として、断罪されるだけの運命だったはずの僕。
 でも、今はどうだろう。
 愛する夫がいて、可愛い子供たちがいて、僕たちを慕ってくれる国民がいる。
 これ以上の幸せが、他にあるだろうか。

 バルコニーから下を見下ろすと、たくさんの人々が笑顔でこちらを見上げていた。
 その中には、騎士団長としてゼノンを支えるカイの姿も、引退して穏やかに暮らすルークの姿もある。
 僕たちを支えてくれた、たくさんの人々の顔が浮かんでくる。
 この幸せは、僕とゼノンだけのものではない。みんなでつかみ取った、大切な宝物だ。

 パレードが終わり、家族四人で温室を散歩する。
 息子のアスターが、僕の育てたハーブの名前を、一生懸命に覚えて言った。
 娘のリリアが、ゼノンの足元で、無邪気に花を追いかけている。
 そんな、ありふれた、けれどかけがえのない日常。

(転生してきて、本当に良かった)

 僕は、空を見上げ、心の中で、僕をこの世界に導いてくれた運命に感謝した。
 もし前世の記憶がなかったら、僕はゼノンと出会うこともなく、愛を知ることもなく、絶望の中で人生を終えていたかもしれない。
 辛いこともたくさんあった。でも、その全てを乗り越えたからこそ、今のこの光あふれる未来がある。

「愛しているよ、ゼノン」
「ああ、俺もだ。エリオット」

 僕たちは、子供たちを真ん中にして、優しくキスを交わした。
 太陽の光が、僕たち家族を、そしてこの国の輝かしい未来を、優しく照らし出していた。
 僕の物語は、最高のハッピーエンドを迎えたのだ。
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