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第4話「舞台に上がらないヒロイン」
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レオンハルトの異常な執着と監視の目に、俺はすっかり参ってしまっていた。
彼は本当に、宣言通り俺の行動の全てを把握しているようだった。
誰と話したか、どこへ行ったか、何をしていたか。
翌日には必ず、それとなく探りを入れてくる。
まるで、俺の生活全てが彼の掌の上で転がされているような気分だ。
そのせいで、俺は迂闊に誰とも親しくなれなくなった。
カルヴァンも、俺がレオンハルトにべったりとマークされていることに気づいたのか、最近は少し距離を置かれている気がする。
孤立無援。
まさに四面楚歌だ。
『こうなったら、最後の望みはヒロイン、リナ・ベルしかいない!』
レオンハルトの興味が俺に向いているのは、原作のシナリオがまだ本格的に始まっていないからだ。
彼とリナの恋愛イベントが進展すれば、きっと彼の関心もヒロインへと移っていくはず。
そうすれば、俺への執着も薄れるに違いない。
俺は授業の合間を縫って、リナの動向を探ることにした。
もちろん、直接接触するのは危険だ。
俺は悪役令息なのだから、ヒロインに近づけば、それだけで「何か企んでいる」と勘繰られかねない。
遠くから、彼女の様子を観察するだけだ。
リナは、ゲームのイメージ通り、健気で努力家な少女だった。
平民出身ということで、一部の貴族生徒から心ない言葉を浴びせられることもあったが、彼女は決してくじけなかった。
その姿に、クラスメイトの中にも彼女を応援する者たちが現れ始め、少しずつ学園に馴染んでいるようだった。
問題は、肝心の攻略対象であるレオンハルトが、彼女に全く関心を示さないことだ。
何度か、二人がすれ違う場面に遭遇したが、レオンハルトはリナのことなど視界にすら入っていないかのように、いつも素通りしてしまう。
『おかしい。原作なら、そろそろレオンハルトが彼女の魔力の特別さに気づく頃なのに』
ゲームでは、リナは隠しているが、実は非常に稀有な「聖癒」の魔力を持っており、その聖なる波動にレオンハルトの持つ強力すぎる竜の血脈が反応し、無意識に惹かれていく……という設定だった。
だが、今のレオンハルトは、リナが放つはずの聖なる波動に全く気づいている様子がない。
彼の意識は、常にただ一点――俺にだけ向けられている。
「……どうすればいいんだ」
昼休みの中庭。
俺は一人、ベンチに座ってため息をついた。
もういっそ、俺がキューピッド役でも買って出ようか?
『殿下、あそこに素晴らしい才能を持った平民の少女がいますよ』なんて。
いや、無理だ。
そんなことをすれば、レオンハルトに「なぜお前がそんな女のことを知っているんだ」と、さらに面倒な尋問をされるのがオチだろう。
考えがまとまらないまま、ぼんやりと噴水を眺めていると、聞き慣れた声が聞こえてきた。
「こんなところで一人か、エリアス」
最悪だ。
油断していた。
振り向くと、案の定レオンハルトがそこに立っていた。
彼は俺の隣にどかりと腰を下ろし、俺が読んでいた本を覗き込む。
「古代魔法語の文献か。相変わらず熱心だな」
「……殿下こそ、お昼休みはいつも図書室では?」
「今日は気分を変えてみた。それに、お前がここに一人でいるのが見えたからな」
遠くの回廊から、俺を見つけたということか。
鷹かお前は。
俺は当たり障りのない返事をしながら、内心で悪態をつく。
と、その時。
俺たちのいるベンチのすぐ近くを、リナが友人と二人で通りかかった。
チャンスだ!
これほど自然に、二人が接近する機会は滅多にない。
リナはレオンハルトの姿に気づき、びくりと肩を震わせた。
そして、頬を微かに赤らめ、緊張した面持ちでこちらを見ている。
そうだ、それでいい。
皇太子殿下にアピールするんだ!
俺は念を送るように、心の中でリナを応援する。
しかし、レオンハルトは、またしても彼女に何の反応も示さなかった。
それどころか、俺の肩に腕を回し、ぐいと引き寄せる。
「エリアス、顔色が悪いぞ。寝不足か?」
「え、あ、いえ、そんなことは……」
突然のことに動揺する俺の髪を、レオンハルトが慈しむように指で梳いた。
その仕草はひどく甘やかで、恋人にするそれと何ら変わりない。
周囲にいた生徒たちが、息を呑むのがわかった。
リナも、信じられないものを見るような目で、俺たちを凝視している。
やめろ。
こんな、衆人環視の中で。
俺は必死に身を捩って彼から離れようとするが、彼の腕は鉄のように固く、びくともしない。
「殿下、人前です!」
「構わん。お前が俺の番になることは、いずれ周知の事実となるのだから」
「つが、い……!?」
とんでもない言葉が飛び出してきて、俺は思考が停止した。
番?
オメガバースの世界において、その言葉がどれほど重い意味を持つか、こいつはわかっているのか。
アルファとオメガが魂レベルで結びつく、生涯でただ一人の相手。
それが「番」だ。
俺たちはまだ、ただの婚約者同士でしかない。
それに、俺はこいつの番になんて、死んでもなりたくない。
「何を、おっしゃって……」
「わからないか? 俺は、お前を愛しているんだ、エリアス」
レオンハルトは、うっとりとした表情で、俺の瞳をまっすぐに見つめて言った。
その声は、学園中に響き渡るのではないかと思うほど、はっきりと、そして甘く響いた。
周囲が完全に沈黙する。
遠くで、リナが顔を青ざめさせて立ち尽くしているのが見えた。
彼女の瞳には、絶望と、そして俺に対する明確な敵意の色が浮かんでいた。
『ああ、終わった』
俺は天を仰いだ。
ヒロインにレオンハルトを振り向かせるどころか、完全に敵認定されてしまった。
これでは、破滅フラグを回避するどころか、新たな、そしてより強力な破滅フラグを自分で打ち立ててしまったようなものではないか。
レオンハルトの腕の中で、俺は静かに絶望していた。
この男がいる限り、俺が望む平穏な日々は、永遠に訪れないのかもしれない。
彼は本当に、宣言通り俺の行動の全てを把握しているようだった。
誰と話したか、どこへ行ったか、何をしていたか。
翌日には必ず、それとなく探りを入れてくる。
まるで、俺の生活全てが彼の掌の上で転がされているような気分だ。
そのせいで、俺は迂闊に誰とも親しくなれなくなった。
カルヴァンも、俺がレオンハルトにべったりとマークされていることに気づいたのか、最近は少し距離を置かれている気がする。
孤立無援。
まさに四面楚歌だ。
『こうなったら、最後の望みはヒロイン、リナ・ベルしかいない!』
レオンハルトの興味が俺に向いているのは、原作のシナリオがまだ本格的に始まっていないからだ。
彼とリナの恋愛イベントが進展すれば、きっと彼の関心もヒロインへと移っていくはず。
そうすれば、俺への執着も薄れるに違いない。
俺は授業の合間を縫って、リナの動向を探ることにした。
もちろん、直接接触するのは危険だ。
俺は悪役令息なのだから、ヒロインに近づけば、それだけで「何か企んでいる」と勘繰られかねない。
遠くから、彼女の様子を観察するだけだ。
リナは、ゲームのイメージ通り、健気で努力家な少女だった。
平民出身ということで、一部の貴族生徒から心ない言葉を浴びせられることもあったが、彼女は決してくじけなかった。
その姿に、クラスメイトの中にも彼女を応援する者たちが現れ始め、少しずつ学園に馴染んでいるようだった。
問題は、肝心の攻略対象であるレオンハルトが、彼女に全く関心を示さないことだ。
何度か、二人がすれ違う場面に遭遇したが、レオンハルトはリナのことなど視界にすら入っていないかのように、いつも素通りしてしまう。
『おかしい。原作なら、そろそろレオンハルトが彼女の魔力の特別さに気づく頃なのに』
ゲームでは、リナは隠しているが、実は非常に稀有な「聖癒」の魔力を持っており、その聖なる波動にレオンハルトの持つ強力すぎる竜の血脈が反応し、無意識に惹かれていく……という設定だった。
だが、今のレオンハルトは、リナが放つはずの聖なる波動に全く気づいている様子がない。
彼の意識は、常にただ一点――俺にだけ向けられている。
「……どうすればいいんだ」
昼休みの中庭。
俺は一人、ベンチに座ってため息をついた。
もういっそ、俺がキューピッド役でも買って出ようか?
『殿下、あそこに素晴らしい才能を持った平民の少女がいますよ』なんて。
いや、無理だ。
そんなことをすれば、レオンハルトに「なぜお前がそんな女のことを知っているんだ」と、さらに面倒な尋問をされるのがオチだろう。
考えがまとまらないまま、ぼんやりと噴水を眺めていると、聞き慣れた声が聞こえてきた。
「こんなところで一人か、エリアス」
最悪だ。
油断していた。
振り向くと、案の定レオンハルトがそこに立っていた。
彼は俺の隣にどかりと腰を下ろし、俺が読んでいた本を覗き込む。
「古代魔法語の文献か。相変わらず熱心だな」
「……殿下こそ、お昼休みはいつも図書室では?」
「今日は気分を変えてみた。それに、お前がここに一人でいるのが見えたからな」
遠くの回廊から、俺を見つけたということか。
鷹かお前は。
俺は当たり障りのない返事をしながら、内心で悪態をつく。
と、その時。
俺たちのいるベンチのすぐ近くを、リナが友人と二人で通りかかった。
チャンスだ!
これほど自然に、二人が接近する機会は滅多にない。
リナはレオンハルトの姿に気づき、びくりと肩を震わせた。
そして、頬を微かに赤らめ、緊張した面持ちでこちらを見ている。
そうだ、それでいい。
皇太子殿下にアピールするんだ!
俺は念を送るように、心の中でリナを応援する。
しかし、レオンハルトは、またしても彼女に何の反応も示さなかった。
それどころか、俺の肩に腕を回し、ぐいと引き寄せる。
「エリアス、顔色が悪いぞ。寝不足か?」
「え、あ、いえ、そんなことは……」
突然のことに動揺する俺の髪を、レオンハルトが慈しむように指で梳いた。
その仕草はひどく甘やかで、恋人にするそれと何ら変わりない。
周囲にいた生徒たちが、息を呑むのがわかった。
リナも、信じられないものを見るような目で、俺たちを凝視している。
やめろ。
こんな、衆人環視の中で。
俺は必死に身を捩って彼から離れようとするが、彼の腕は鉄のように固く、びくともしない。
「殿下、人前です!」
「構わん。お前が俺の番になることは、いずれ周知の事実となるのだから」
「つが、い……!?」
とんでもない言葉が飛び出してきて、俺は思考が停止した。
番?
オメガバースの世界において、その言葉がどれほど重い意味を持つか、こいつはわかっているのか。
アルファとオメガが魂レベルで結びつく、生涯でただ一人の相手。
それが「番」だ。
俺たちはまだ、ただの婚約者同士でしかない。
それに、俺はこいつの番になんて、死んでもなりたくない。
「何を、おっしゃって……」
「わからないか? 俺は、お前を愛しているんだ、エリアス」
レオンハルトは、うっとりとした表情で、俺の瞳をまっすぐに見つめて言った。
その声は、学園中に響き渡るのではないかと思うほど、はっきりと、そして甘く響いた。
周囲が完全に沈黙する。
遠くで、リナが顔を青ざめさせて立ち尽くしているのが見えた。
彼女の瞳には、絶望と、そして俺に対する明確な敵意の色が浮かんでいた。
『ああ、終わった』
俺は天を仰いだ。
ヒロインにレオンハルトを振り向かせるどころか、完全に敵認定されてしまった。
これでは、破滅フラグを回避するどころか、新たな、そしてより強力な破滅フラグを自分で打ち立ててしまったようなものではないか。
レオンハルトの腕の中で、俺は静かに絶望していた。
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