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第16話「夜明けの誓い、重なる運命」
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夜の闇が、僕たち二人を優しく包み込んでいた。
蓮の腕の中で、僕は初めて心からの安らぎを感じていた。あれほど僕を苦しめていた熱は嘘のように穏やかになり、代わりに満ち足りたような幸福な倦怠感が全身を支配している。
僕の首筋には、蓮がつけた「番の証」が確かな熱を持って、彼の存在を主張していた。もう僕たちは、離れることのできない運命の番になったのだ。
隣で眠る蓮の、穏やかな寝顔を見つめる。
長い睫毛が、白い頬に影を落としている。その寝顔は記憶を失っていた頃の、無邪気な彼を思い出させた。
僕はそっと彼のプラチナブロンドの髪に指を絡める。絹のように、滑らかな感触。
本当に、夢のようだ。
僕がずっと憧れてきた人が、今、僕の腕の中にいる。僕だけの、ものになってくれた。
じわり、と目の奥が熱くなる。
嬉しさと安堵、そして少しの不安。様々な感情が入り混じって、涙がこぼれ落ちた。
その時、閉じていたはずの蓮の瞼がゆっくりと開かれた。
澄んだ青い瞳が、まっすぐに僕を捉える。
「…湊? どうして、泣いてるんだ」
掠れた、優しい声。
「う、ううん…。何でもない。嬉しくて…」
僕は慌てて涙を拭った。
蓮は僕の体を、さらに強く抱きしめた。
「俺も、嬉しいよ。夢みたいだ。やっと、お前が俺のものになってくれた」
彼はそう言って、僕の額に優しいキスを落とした。
「…ごめん。俺、ひどいこと、たくさん言った」
「ううん。僕の方こそ、ごめん。ずっと、嘘をついてて」
「もう、いいんだ」
蓮は僕の髪を、労わるように撫でた。
「お前が俺から離れていって、本当に生きた心地がしなかった。お前がいない部屋はただがらんとしてて、寒くて…。もう二度と、お前を一人にはしない」
彼の声は、真剣だった。
その言葉に、僕は心の底から救われたような気持ちになった。
僕たちはそれから、夜が明けるまでたくさんのことを話した。
蓮が大学で僕を初めて見つけた時のこと。僕が彼が憧れだったこと。記憶を失っていた時の、幸せだった日々のこと。そして、すれ違ってしまったお互いの本当の気持ち。
すべての誤解が、雪が溶けるように消えていった。
僕がオメガであることを隠していたのは、彼を想うが故だったこと。
彼が僕に冷たく当たったのは、僕に裏切られたという悲しみと、それでも僕を諦めきれないという強い愛情の裏返しだったこと。
僕たちは、ずっと同じ気持ちでいたのだ。
ただ、少しだけ臆病で、不器用だっただけ。
「なあ、湊」
東の空が白み始めてきた頃。
蓮が、改まったように僕の名前を呼んだ。
「俺と、もう一度、やり直してくれないか。恋人ごっこ、じゃなくて。本当の、恋人として」
彼は僕の手を取り、その甲に誓うようにキスをした。
僕は涙で濡れた顔のまま、精一杯の笑顔でうなずいた。
「…はい」
その一言を言うだけで、胸がいっぱいになった。
夜明けの光が、窓から差し込んでくる。
それは僕たちの、新しい始まりを祝福してくれているかのようだった。
もう、僕の世界は灰色じゃない。
蓮という鮮やかな色彩が、僕の世界をどこまでも明るく照らしてくれている。
重なった運命は、もう二度と離れることはない。
僕は彼の腕の中で幸せを噛み締めながら、ゆっくりと目を閉じた。
長い、長い夜が、ようやく明けたのだ。
蓮の腕の中で、僕は初めて心からの安らぎを感じていた。あれほど僕を苦しめていた熱は嘘のように穏やかになり、代わりに満ち足りたような幸福な倦怠感が全身を支配している。
僕の首筋には、蓮がつけた「番の証」が確かな熱を持って、彼の存在を主張していた。もう僕たちは、離れることのできない運命の番になったのだ。
隣で眠る蓮の、穏やかな寝顔を見つめる。
長い睫毛が、白い頬に影を落としている。その寝顔は記憶を失っていた頃の、無邪気な彼を思い出させた。
僕はそっと彼のプラチナブロンドの髪に指を絡める。絹のように、滑らかな感触。
本当に、夢のようだ。
僕がずっと憧れてきた人が、今、僕の腕の中にいる。僕だけの、ものになってくれた。
じわり、と目の奥が熱くなる。
嬉しさと安堵、そして少しの不安。様々な感情が入り混じって、涙がこぼれ落ちた。
その時、閉じていたはずの蓮の瞼がゆっくりと開かれた。
澄んだ青い瞳が、まっすぐに僕を捉える。
「…湊? どうして、泣いてるんだ」
掠れた、優しい声。
「う、ううん…。何でもない。嬉しくて…」
僕は慌てて涙を拭った。
蓮は僕の体を、さらに強く抱きしめた。
「俺も、嬉しいよ。夢みたいだ。やっと、お前が俺のものになってくれた」
彼はそう言って、僕の額に優しいキスを落とした。
「…ごめん。俺、ひどいこと、たくさん言った」
「ううん。僕の方こそ、ごめん。ずっと、嘘をついてて」
「もう、いいんだ」
蓮は僕の髪を、労わるように撫でた。
「お前が俺から離れていって、本当に生きた心地がしなかった。お前がいない部屋はただがらんとしてて、寒くて…。もう二度と、お前を一人にはしない」
彼の声は、真剣だった。
その言葉に、僕は心の底から救われたような気持ちになった。
僕たちはそれから、夜が明けるまでたくさんのことを話した。
蓮が大学で僕を初めて見つけた時のこと。僕が彼が憧れだったこと。記憶を失っていた時の、幸せだった日々のこと。そして、すれ違ってしまったお互いの本当の気持ち。
すべての誤解が、雪が溶けるように消えていった。
僕がオメガであることを隠していたのは、彼を想うが故だったこと。
彼が僕に冷たく当たったのは、僕に裏切られたという悲しみと、それでも僕を諦めきれないという強い愛情の裏返しだったこと。
僕たちは、ずっと同じ気持ちでいたのだ。
ただ、少しだけ臆病で、不器用だっただけ。
「なあ、湊」
東の空が白み始めてきた頃。
蓮が、改まったように僕の名前を呼んだ。
「俺と、もう一度、やり直してくれないか。恋人ごっこ、じゃなくて。本当の、恋人として」
彼は僕の手を取り、その甲に誓うようにキスをした。
僕は涙で濡れた顔のまま、精一杯の笑顔でうなずいた。
「…はい」
その一言を言うだけで、胸がいっぱいになった。
夜明けの光が、窓から差し込んでくる。
それは僕たちの、新しい始まりを祝福してくれているかのようだった。
もう、僕の世界は灰色じゃない。
蓮という鮮やかな色彩が、僕の世界をどこまでも明るく照らしてくれている。
重なった運命は、もう二度と離れることはない。
僕は彼の腕の中で幸せを噛み締めながら、ゆっくりと目を閉じた。
長い、長い夜が、ようやく明けたのだ。
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