5 / 25
第4話「魔力の奔流」
しおりを挟む
「んっ……あ……っ」
レオの口から、意志に反した甘い声が漏れる。
ベリアルの手は、武骨で大きいにもかかわらず、驚くほど繊細にレオの身体を愛撫していた。
硬いタコのある指先が背骨をなぞるたびに、そこから熱い痺れが放射状に広がる。
魔王の体温は人間よりも遥かに高い。まるで燃える炭を肌に押し付けられているようだ。だが、ヒートで火照ったレオの身体には、その熱が心地よかった。
「どうだ? 余の魔力が流れ込んでくるのがわかるか」
耳元で囁かれる声と共に、首筋を甘噛みされる。
「う、あ……熱い……」
首輪の隙間から、ドクドクと何かが流れ込んでくる感覚がある。
それはベリアルの魔力だ。
暗く、重く、けれど底知れぬ力強さを持ったエネルギーが、レオの血管を通って全身に行き渡る。
これまで敵対していたはずの魔力が、今は乾いたスポンジに水が染み込むように、レオの細胞一つ一つに馴染んでいく。
それは暴力的な侵入ではなく、欠けていたパズルのピースが埋まるような、奇妙な充足感だった。
「いい反応だ。やはりお前の身体は、余を受け入れるようにできている」
ベリアルはレオの両手を片手で頭上に固定し、空いた手でレオの鍛え上げられた腹筋を愛でるように撫でた。
その手があまりに大きいため、レオの胴体全体が包み込まれてしまう。
視覚的なサイズ差が、レオに自身の無力さと、庇護されているという倒錯した安心感を植え付ける。
「くっ……変なこと、言うな……」
レオは顔を背け、必死に理性を保とうとする。
だが、身体は正直だ。
ベリアルの魔力が満ちるにつれて、ヒート特有の苦しみ、焼けるような渇きや痛みが引いていき、代わりに溶けるような快楽が押し寄せてくる。
「素直になれ。お前の魂も、魔力を欲している」
ベリアルがレオの太腿に手をかける。
「……っ」
ビクリと身体が跳ねる。
そこは戦士として鍛えてきた場所だ。誰にも触れさせなかった聖域。
だが、魔王の手は容赦なく、そして愛おしげにその内側へと侵入してくる。
「魔力を循環させるには、粘膜同士の接触が最も効率が良い。……わかるな?」
「ま、待て……。心の準備が……」
「待たない。お前が魅力的すぎるからだ」
ベリアルはレオの唇を奪った。
言葉を封じられ、濃厚な口づけに翻弄される。
魔王の舌が入り込み、レオの舌を絡め取る。その瞬間、口内から爆発的な魔力の逆流が起きた。
レオの聖なる魔力が吸い出され、代わりにベリアルの魔力が注ぎ込まれる。
光と闇のエネルギーが体内でスパークし、目の前が真っ白になるほどの衝撃が走る。
唇が離れた瞬間、レオの口から声にならない喘ぎが漏れた。
酸素が足りない。頭がくらくらする。
これが、魔力の循環。
ただの性行為ではない。魂のレベルで互いを食らい合い、与え合う行為。
「はっ、ぁ……なんだ、これ……すごい……力が……」
「そうだ。もっと混ざり合え。余の全てをお前に注ぎ込んでやる」
ベリアルはレオの腰を掴み、自身の剛直をあてがった。
そのあまりの大きさに、レオは本能的な恐怖で身体を強張らせる。
「む、無理だ……そんなの、入るわけ……」
「入る。お前はオメガだ。番を受け入れるための柔軟性を持っている。それに……余が痛くすると思うか?」
ベリアルはレオの涙を指先で拭い、優しく微笑んだ。
その笑顔には、王としての余裕と、一人の雄としての慈愛が満ちていた。
「力を抜け。余に委ねろ」
「ベリ、アル……」
名前を呼ぶと、ベリアルは嬉しそうに目を細めた。
ゆっくりと、慎重に。
魔王がレオの中へと侵入を果たす。
裂けるような痛みはなかった。たっぷりと与えられた魔力が潤滑油となり、レオの身体を内側から広げていく。
それでも、圧倒的な質量による圧迫感は凄まじい。
身体が内側から書き換えられていくような感覚。
未知の感覚と許容量を超えた快楽に、レオは弓なりになって絶叫した。
それは苦痛の悲鳴ではなく、ただ純粋な衝撃への叫びだった。
「いい声だ、レオ。もっと聞かせろ」
ベリアルが動き出す。
揺れる世界。
軋むベッド。
混ざり合う汗と魔力。
いつしかレオは、敵であるはずの魔王の背中に爪を立て、夢中でその名前を呼んでいた。
理性など、とうの昔に吹き飛んでいた。
そこにあるのは、ただひたすらに求め合い、補完し合う二つの魂だけだった。
レオの口から、意志に反した甘い声が漏れる。
ベリアルの手は、武骨で大きいにもかかわらず、驚くほど繊細にレオの身体を愛撫していた。
硬いタコのある指先が背骨をなぞるたびに、そこから熱い痺れが放射状に広がる。
魔王の体温は人間よりも遥かに高い。まるで燃える炭を肌に押し付けられているようだ。だが、ヒートで火照ったレオの身体には、その熱が心地よかった。
「どうだ? 余の魔力が流れ込んでくるのがわかるか」
耳元で囁かれる声と共に、首筋を甘噛みされる。
「う、あ……熱い……」
首輪の隙間から、ドクドクと何かが流れ込んでくる感覚がある。
それはベリアルの魔力だ。
暗く、重く、けれど底知れぬ力強さを持ったエネルギーが、レオの血管を通って全身に行き渡る。
これまで敵対していたはずの魔力が、今は乾いたスポンジに水が染み込むように、レオの細胞一つ一つに馴染んでいく。
それは暴力的な侵入ではなく、欠けていたパズルのピースが埋まるような、奇妙な充足感だった。
「いい反応だ。やはりお前の身体は、余を受け入れるようにできている」
ベリアルはレオの両手を片手で頭上に固定し、空いた手でレオの鍛え上げられた腹筋を愛でるように撫でた。
その手があまりに大きいため、レオの胴体全体が包み込まれてしまう。
視覚的なサイズ差が、レオに自身の無力さと、庇護されているという倒錯した安心感を植え付ける。
「くっ……変なこと、言うな……」
レオは顔を背け、必死に理性を保とうとする。
だが、身体は正直だ。
ベリアルの魔力が満ちるにつれて、ヒート特有の苦しみ、焼けるような渇きや痛みが引いていき、代わりに溶けるような快楽が押し寄せてくる。
「素直になれ。お前の魂も、魔力を欲している」
ベリアルがレオの太腿に手をかける。
「……っ」
ビクリと身体が跳ねる。
そこは戦士として鍛えてきた場所だ。誰にも触れさせなかった聖域。
だが、魔王の手は容赦なく、そして愛おしげにその内側へと侵入してくる。
「魔力を循環させるには、粘膜同士の接触が最も効率が良い。……わかるな?」
「ま、待て……。心の準備が……」
「待たない。お前が魅力的すぎるからだ」
ベリアルはレオの唇を奪った。
言葉を封じられ、濃厚な口づけに翻弄される。
魔王の舌が入り込み、レオの舌を絡め取る。その瞬間、口内から爆発的な魔力の逆流が起きた。
レオの聖なる魔力が吸い出され、代わりにベリアルの魔力が注ぎ込まれる。
光と闇のエネルギーが体内でスパークし、目の前が真っ白になるほどの衝撃が走る。
唇が離れた瞬間、レオの口から声にならない喘ぎが漏れた。
酸素が足りない。頭がくらくらする。
これが、魔力の循環。
ただの性行為ではない。魂のレベルで互いを食らい合い、与え合う行為。
「はっ、ぁ……なんだ、これ……すごい……力が……」
「そうだ。もっと混ざり合え。余の全てをお前に注ぎ込んでやる」
ベリアルはレオの腰を掴み、自身の剛直をあてがった。
そのあまりの大きさに、レオは本能的な恐怖で身体を強張らせる。
「む、無理だ……そんなの、入るわけ……」
「入る。お前はオメガだ。番を受け入れるための柔軟性を持っている。それに……余が痛くすると思うか?」
ベリアルはレオの涙を指先で拭い、優しく微笑んだ。
その笑顔には、王としての余裕と、一人の雄としての慈愛が満ちていた。
「力を抜け。余に委ねろ」
「ベリ、アル……」
名前を呼ぶと、ベリアルは嬉しそうに目を細めた。
ゆっくりと、慎重に。
魔王がレオの中へと侵入を果たす。
裂けるような痛みはなかった。たっぷりと与えられた魔力が潤滑油となり、レオの身体を内側から広げていく。
それでも、圧倒的な質量による圧迫感は凄まじい。
身体が内側から書き換えられていくような感覚。
未知の感覚と許容量を超えた快楽に、レオは弓なりになって絶叫した。
それは苦痛の悲鳴ではなく、ただ純粋な衝撃への叫びだった。
「いい声だ、レオ。もっと聞かせろ」
ベリアルが動き出す。
揺れる世界。
軋むベッド。
混ざり合う汗と魔力。
いつしかレオは、敵であるはずの魔王の背中に爪を立て、夢中でその名前を呼んでいた。
理性など、とうの昔に吹き飛んでいた。
そこにあるのは、ただひたすらに求め合い、補完し合う二つの魂だけだった。
1
あなたにおすすめの小説
余命半年の俺を、手酷く振ったはずの元カレ二人が手を組んで逃がしてくれません
ユッキー
BL
半年以内に俺は一人寂しく死ぬ。そんな未来を視た。きっと誰も悲しむ人は居ないだろう。そう思っていたから何も怖くなかった。なのにそんな俺の元に過去手酷く振り、今では世界的スターとなった元カレ二人がやってきた。彼らは全てを知っていた。俺がどうして彼らを振ったのか、そして俺の余命も。
全てを諦めた主人公と、主人公を諦めきれないイケメンサッカー選手とシンガーソングライターの再会が導く未来は?
冷酷なアルファ(氷の将軍)に嫁いだオメガ、実はめちゃくちゃ愛されていた。
水凪しおん
BL
これは、愛を知らなかった二人が、本当の愛を見つけるまでの物語。
国のための「生贄」として、敵国の将軍に嫁いだオメガの王子、ユアン。
彼を待っていたのは、「氷の将軍」と恐れられるアルファ、クロヴィスとの心ない日々だった。
世継ぎを産むための「道具」として扱われ、絶望に暮れるユアン。
しかし、冷たい仮面の下に隠された、不器用な優しさと孤独な瞳。
孤独な夜にかけられた一枚の外套が、凍てついた心を少しずつ溶かし始める。
これは、政略結婚という偽りから始まった、運命の恋。
帝国に渦巻く陰謀に立ち向かう中で、二人は互いを守り、支え合う「共犯者」となる。
偽りの夫婦が、唯一無二の「番」になるまでの軌跡を、どうぞ見届けてください。
番に見つからない街で、子供を育てている
はちも
BL
目を覚ますと、腕の中には赤ん坊がいた。
異世界の青年ロアンとして目覚めた「俺」は、希少な男性オメガであり、子を産んだ母親だった。
現世の記憶は失われているが、
この子を守らなければならない、という想いだけははっきりと残っている。
街の人々に助けられ、魔石への魔力注入で生計を立てながら、
ロアンと息子カイルは、番のいない街で慎ましく暮らしていく。
だが、行方不明の番を探す噂が、静かに近づいていた。
再会は望まない。
今はただ、この子との生活を守りたい。
これは、番から逃げたオメガが、
選び直すまでの物語。
*本編完結しました
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
「大人扱いしていい?」〜純情当主、執務室で策士な従兄の『相性確認』にハメられる〜
中山(ほ)
BL
「ルイン、少し口開けてみて」
仕事終わりの静かな執務室。
差し入れの食事と、ポーションの瓶。
信頼していた従兄のトロンに誘われるまま、
ルインは「大人の相性確認」を始めることになる。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう
水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」
辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。
ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。
「お前のその特異な力を、帝国のために使え」
強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。
しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。
運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。
偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる