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第19話「誓いのキスと宣戦布告」
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大聖堂には、魔界中の有力者だけでなく、人間界からの使節団も参列していた。
かつて戦場で殺し合った者たちが、今は同じ屋根の下で、二人の門出を祝うために集まっている。
パイプオルガンの荘厳な音色が響く中、扉が開いた。
純白のドレスを纏ったレオが現れると、参列者たちからどよめきと溜息が漏れた。
「あれが勇者か……。まるで男神のように美しい……」
参列者たちの間から、感嘆の声がさざ波のように広がっていく。
レオは顔を真っ赤にしながらも、胸を張ってバージンロードを進んだ。
勇者としてのプライドが、ここで恥ずかしがって縮こまることを許さなかったのだ。
祭壇の前で待つベリアルは、漆黒のタキシードに身を包んでいた。
その巨躯は圧倒的だが、今日ばかりはその瞳に宿る優しさが際立っている。
レオがベリアルの前に立つと、その身長差が改めて浮き彫りになる。
ベリアルが屈み込み、レオの手を取った。
「美しいぞ、レオ。余の宝物だ」
「……お前もな。馬子にも衣装だ」
軽口を叩き合うが、互いの手は汗ばむほど強く握り合っている。
神父役の老竜が、厳かに宣言する。
「汝、魔王ベリアル。健やかなる時も、病める時も、この者を愛し、守り抜くことを誓うか?」
「誓う。我が命、我が魂の全てを懸けて」
迷いのない力強い声。
「汝、勇者レオ。富める時も、貧しき時も、この者を愛し、共に歩むことを誓うか?」
レオはベリアルの瞳を見つめ返した。
そこには、自分を映す鏡のような真紅の瞳がある。
「誓う。……たとえ世界中を敵に回しても、俺はお前の味方だ」
「では、誓いの口づけを」
ベリアルがベールを持ち上げ、レオの顔を両手で包み込んだ。
そして、触れるだけの優しいキス……かと思いきや、そのまま深く、濃厚な口づけへと変わる。
「んっ……」
大衆の面前でのディープキスに、会場からは歓声と口笛が上がる。
長い長いキスの後、ベリアルは満足げに唇を離した。
「これで、お前は名実ともに余のものだ」
そして、参列者たちに向き直り、高らかに宣言した。
「聞け、愚かなる者どもよ。そして賢き者どもよ。今日、この日をもって、魔王と勇者は一つとなった。これより我らが築くのは、争いのない、愛と欲望に満ちた新世界だ。異論のある者は前に出ろ。我ら愛の力でねじ伏せてくれるわ」
「だから。そういう恥ずかしいセリフはやめろって」
レオが抗議しながらベリアルの脇腹を肘打ちする。
「ぐっ……手厳しい花嫁だ」
その漫才のようなやり取りに、会場は爆笑の渦に包まれた。
空から花びらが降り注ぎ、祝福の鐘が鳴り響く。
世界で一番強くて、世界で一番バカップルな夫婦の誕生だった。
かつて戦場で殺し合った者たちが、今は同じ屋根の下で、二人の門出を祝うために集まっている。
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参列者たちの間から、感嘆の声がさざ波のように広がっていく。
レオは顔を真っ赤にしながらも、胸を張ってバージンロードを進んだ。
勇者としてのプライドが、ここで恥ずかしがって縮こまることを許さなかったのだ。
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ベリアルが屈み込み、レオの手を取った。
「美しいぞ、レオ。余の宝物だ」
「……お前もな。馬子にも衣装だ」
軽口を叩き合うが、互いの手は汗ばむほど強く握り合っている。
神父役の老竜が、厳かに宣言する。
「汝、魔王ベリアル。健やかなる時も、病める時も、この者を愛し、守り抜くことを誓うか?」
「誓う。我が命、我が魂の全てを懸けて」
迷いのない力強い声。
「汝、勇者レオ。富める時も、貧しき時も、この者を愛し、共に歩むことを誓うか?」
レオはベリアルの瞳を見つめ返した。
そこには、自分を映す鏡のような真紅の瞳がある。
「誓う。……たとえ世界中を敵に回しても、俺はお前の味方だ」
「では、誓いの口づけを」
ベリアルがベールを持ち上げ、レオの顔を両手で包み込んだ。
そして、触れるだけの優しいキス……かと思いきや、そのまま深く、濃厚な口づけへと変わる。
「んっ……」
大衆の面前でのディープキスに、会場からは歓声と口笛が上がる。
長い長いキスの後、ベリアルは満足げに唇を離した。
「これで、お前は名実ともに余のものだ」
そして、参列者たちに向き直り、高らかに宣言した。
「聞け、愚かなる者どもよ。そして賢き者どもよ。今日、この日をもって、魔王と勇者は一つとなった。これより我らが築くのは、争いのない、愛と欲望に満ちた新世界だ。異論のある者は前に出ろ。我ら愛の力でねじ伏せてくれるわ」
「だから。そういう恥ずかしいセリフはやめろって」
レオが抗議しながらベリアルの脇腹を肘打ちする。
「ぐっ……手厳しい花嫁だ」
その漫才のようなやり取りに、会場は爆笑の渦に包まれた。
空から花びらが降り注ぎ、祝福の鐘が鳴り響く。
世界で一番強くて、世界で一番バカップルな夫婦の誕生だった。
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