最強のオメガ勇者ですが、規格外のアルファ魔王に捕まって極上の溺愛魔力供給を受けています。〜絶対に屈しないはずが〜

水凪しおん

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第20話「そして、伝説へ」

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 結婚式から数ヶ月。
 魔界は劇的な変化を遂げていた。
 人間界からの技術提供により、土壌汚染の浄化が進み、荒れ地だった場所には緑が芽吹き始めていた。
 食料問題も解決しつつあり、魔族たちの表情には余裕と笑顔が戻っていた。
 魔王城の庭園。
 レオはベンチに座り、お腹をさすっていた。
 まだ目立たないが、そこには新しい命が宿っている。

 「動いたか?」

 執務を早めに切り上げたベリアルがやってきて、レオの隣に座った。

 「まだだよ。気が早すぎる」

 「そうか。だが、余にはわかる。こいつは将来、大物になるぞ。何せ、最強の魔王と最強の勇者の子だ」

 ベリアルは愛おしげにレオの腹に耳を当てた。
 その姿は、かつて戦場で恐れられた魔王とは思えないほど、ただの親馬鹿な父親だった。

 「男の子かな、女の子かな」

 「どちらでもいい。お前に似て気が強く、余に似て美しければな」

 「逆だろ。お前に似て頑固で、俺に似て……あー、なんだ?」

 「可愛ければ、だ」

 「……ふん」

 レオは照れ隠しにベリアルの角をペチリと叩いた。
 平和だ。
 戦いのない日々が、これほど退屈で、これほど幸せだなんて知らなかった。

 「なぁ、ベリアル」

 「ん?」

 「俺たち、歴史の教科書にどう書かれるんだろうな」

 「『世界を救った最強の夫婦』か、あるいは『種族を超えた愛の奇跡』か……まあ、ロクでもない武勇伝として語り継がれるだろう」

 「違いない」

 二人は顔を見合わせて笑った。
 伝説なんてどうでもいい。
 ただ、こうして隣にいられる今があれば、それで十分だ。

 「愛してるぞ、レオ」

 「ああ。俺もだ、ベリアル」

 西日が差し込み、二人の影を長く伸ばす。
 その影は一つに溶け合い、どこまでも続いていくように見えた。
 勇者と魔王の物語は、ここでひとつの結末を迎える。
 だが、彼らの家族としての新しい冒険は、まだ始まったばかりなのだ。
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