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第10話「運命より確かなもの」
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暁光団壊滅と、宰相の裏切りという衝撃的な事件は、帝都を駆け巡り、数日のうちに解決へと向かった。宰相の失脚により、宮廷内の権力構造は一新され、腐敗した貴族たちは一掃された。帝国は、まさに新しい時代を迎えようとしていた。
そして、この事件の最大の功労者であるミカエルの処遇は、帝国中の注目の的となった。
彼は現皇帝陛下に直接謁見を許され、その功績と、そして彼の出自の全てが、公式に認められることとなった。
「そなたの父、先帝も、きっとお喜びだろう。これからは、朕の弟として、この帝国を支えてほしい」
現皇帝は、腹違いの弟の存在を心から歓迎し、ミカエルは皇位継承権を持つ皇族として、正式に迎え入れられることになった。
情報部には、ミカエルの後任として、信頼できる新しい部長が就任した。ミカエル自身は、皇帝の最も信頼する側近として、帝国の中枢で辣腕を振るうことになった。
彼の隣には、もちろん、リオンの姿があった。
二人の関係は、もはや情報部の誰もが知る公然の事実となっていた。いや、帝国中の誰もが知る、世紀のロマンスとして、伝説として語り継がれるほどだった。
事件から数ヶ月が過ぎた、ある穏やかな夜。
ミカエルはリオンを、王宮のバルコニーへと誘った。眼下には、宝石をちりばめたような帝都の夜景が広がり、空には満天の星が輝いている。
「綺麗だね……」
リオンがうっとりと夜景に見とれていると、ミカエルは彼の後ろから、そっとその身体を抱きしめた。
「リオン」
いつになく真剣な声で名を呼ばれ、リオンは少しだけ身構える。ミカエルは、リオンの左手をとり、その薬指に、静かに小さな箱から取り出した指輪をはめた。
星の光を受けて、ささやかながらも気品のある輝きを放つ、プラチナのリング。
「……これは?」
「誓いだ」
ミカエルは、リオンの耳元で、ささやくように言った。
「運命が君を私の元へ導いたのか、それとも、私がただ、君という人間に惹かれたのか。もはや、そんなことはどうでもいい。ただ一つ確かなことは、私は、この先の人生を、君なしで生きることはできない、ということだ」
ミカエルは、リオンの身体を自分の方へと向かせると、その両手を取った。
「リオン。私と、正式な番になってほしい。生涯をかけて、君を愛し、君を守り抜くと誓う。私の全てを、君に捧げたい」
それは、あまりにも真摯で、心のこもったプロポーズだった。
リオンの瞳から、一筋の涙がこぼれ落ちる。それは、悲しみの涙ではない。喜びと、幸福に満ちた、温かい涙だった。
この一年、彼との出会いから、本当に色々なことがあった。
冷たい仕打ちに心を痛めた日々。
突然の豹変に戸惑った日々。
帝国の闇に立ち向かった、恐ろしくも、かけがえのない日々。
その全てが、今この瞬間のためにあったのだと思えた。
運命なんて信じないと、かつて彼に言った。
だが、運命があるのだとしたら、それは何て素晴らしいのだろう。
いや、たとえ運命などなくても、自分は、この人を選んだのだ。
「……はい」
リオンは、涙で濡れた顔を、最高の笑顔で輝かせた。
「喜んで。僕も、あなたを愛しています、ミカエル」
愛しい名前を、初めて呼んだ。
ミカエルは、一瞬、驚いたように目を見開いた後、至上の愛しさが込み上げてくるといった表情で、リオンを強く抱きしめた。
「ああ、愛している、リオン。誰よりも、何よりも」
唇が、そっと重ね合わされる。
帝都の夜景と、満天の星空だけが、永遠の愛を誓う二人を、静かに祝福していた。
運命よりも、もっと確かなものが、今、ここにある。それは、互いを信じ、愛し、共に未来を歩んでいくという、揺るぎない決意だった。
鋼鉄の心を持っていたアルファと、ガラスの心を持っていたオメガ。
二つの心は、今や完全に溶け合い、何よりも強く、そして美しい、一つの愛の結晶となった。
そして、この事件の最大の功労者であるミカエルの処遇は、帝国中の注目の的となった。
彼は現皇帝陛下に直接謁見を許され、その功績と、そして彼の出自の全てが、公式に認められることとなった。
「そなたの父、先帝も、きっとお喜びだろう。これからは、朕の弟として、この帝国を支えてほしい」
現皇帝は、腹違いの弟の存在を心から歓迎し、ミカエルは皇位継承権を持つ皇族として、正式に迎え入れられることになった。
情報部には、ミカエルの後任として、信頼できる新しい部長が就任した。ミカエル自身は、皇帝の最も信頼する側近として、帝国の中枢で辣腕を振るうことになった。
彼の隣には、もちろん、リオンの姿があった。
二人の関係は、もはや情報部の誰もが知る公然の事実となっていた。いや、帝国中の誰もが知る、世紀のロマンスとして、伝説として語り継がれるほどだった。
事件から数ヶ月が過ぎた、ある穏やかな夜。
ミカエルはリオンを、王宮のバルコニーへと誘った。眼下には、宝石をちりばめたような帝都の夜景が広がり、空には満天の星が輝いている。
「綺麗だね……」
リオンがうっとりと夜景に見とれていると、ミカエルは彼の後ろから、そっとその身体を抱きしめた。
「リオン」
いつになく真剣な声で名を呼ばれ、リオンは少しだけ身構える。ミカエルは、リオンの左手をとり、その薬指に、静かに小さな箱から取り出した指輪をはめた。
星の光を受けて、ささやかながらも気品のある輝きを放つ、プラチナのリング。
「……これは?」
「誓いだ」
ミカエルは、リオンの耳元で、ささやくように言った。
「運命が君を私の元へ導いたのか、それとも、私がただ、君という人間に惹かれたのか。もはや、そんなことはどうでもいい。ただ一つ確かなことは、私は、この先の人生を、君なしで生きることはできない、ということだ」
ミカエルは、リオンの身体を自分の方へと向かせると、その両手を取った。
「リオン。私と、正式な番になってほしい。生涯をかけて、君を愛し、君を守り抜くと誓う。私の全てを、君に捧げたい」
それは、あまりにも真摯で、心のこもったプロポーズだった。
リオンの瞳から、一筋の涙がこぼれ落ちる。それは、悲しみの涙ではない。喜びと、幸福に満ちた、温かい涙だった。
この一年、彼との出会いから、本当に色々なことがあった。
冷たい仕打ちに心を痛めた日々。
突然の豹変に戸惑った日々。
帝国の闇に立ち向かった、恐ろしくも、かけがえのない日々。
その全てが、今この瞬間のためにあったのだと思えた。
運命なんて信じないと、かつて彼に言った。
だが、運命があるのだとしたら、それは何て素晴らしいのだろう。
いや、たとえ運命などなくても、自分は、この人を選んだのだ。
「……はい」
リオンは、涙で濡れた顔を、最高の笑顔で輝かせた。
「喜んで。僕も、あなたを愛しています、ミカエル」
愛しい名前を、初めて呼んだ。
ミカエルは、一瞬、驚いたように目を見開いた後、至上の愛しさが込み上げてくるといった表情で、リオンを強く抱きしめた。
「ああ、愛している、リオン。誰よりも、何よりも」
唇が、そっと重ね合わされる。
帝都の夜景と、満天の星空だけが、永遠の愛を誓う二人を、静かに祝福していた。
運命よりも、もっと確かなものが、今、ここにある。それは、互いを信じ、愛し、共に未来を歩んでいくという、揺るぎない決意だった。
鋼鉄の心を持っていたアルファと、ガラスの心を持っていたオメガ。
二つの心は、今や完全に溶け合い、何よりも強く、そして美しい、一つの愛の結晶となった。
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