【完結】無口な旦那様は妻が可愛くて仕方ない

ベル

文字の大きさ
8 / 23

旦那様の使用人達

初めまして、突然の乱入失礼致します。
自己紹介をしたいのですが、残念ながら私はメイドAというモブ中のモブ。


名乗る名前がないことをご了承ください。
できれば名前をつけてください。チャームポイントは明るい笑顔、そして前髪を留めるオレンジ色のヘアピンくらいでしょうか。


さて、冗談はさておき。


この状況どう致しましょうか。先程からあまりの甘い空気に使用人達はどう対応して良いか分からず、いつものにこやかな笑顔を浮かべ、耐えております。


ええ、毎朝儀式のように行われるこの行動です。


堅物で口数が少ない旦那様。突然婚約をされたかと思うと、すぐにご結婚されて連れてこられたのが奥様となったソフィア様。


それはそれは可愛らしい方で、側で見ていても旦那様が大好きなのが伝わってくるほど。


没落寸前のところを旦那様に見染められて結婚に至ったとの噂ですが、実際は旦那様が奥様のことを随分前から慕っていたということは使用人であれば誰もが周知の事実です。


旦那様は寡黙な方ですが、私たち使用人に対して威張ることもせず、不器用ながらに気を遣ってくださるお優しい方。


ただ、その寡黙さから御令嬢からは避けられていたことに使用人たちは胸が痛んでおりました。


そんな旦那様が結婚されると聞き、それはそれはみな嬉しく思っておりました。


いつものように旦那様をお見送りする時のこと。突然、旦那様が奥様の腕を取ったかと思うとキスをしたのです。


「!!???」


表情を崩すわけにはいきません。ですが、使用人達は全員動揺しておりました。


な、何が起こったんだ!??と


嬉し恥ずかしそうに頬を染め、微笑む奥様と顔を赤くしながらいってくる、と言い出かける旦那様。


とてつもなく甘い空気。


し、新婚さんだ...!!


まさか旦那様がこんな行動を私達の前で行うとは思わず、とても驚いたものです。ですが、慣れというのは怖いですね。


毎朝のように甘い空気を出されると、私たちもそれに慣れてきたのでしょう。生温かい微笑みを浮かべるようになりました。


あの寡黙で表情を崩さない旦那様が顔を赤くされている...あぁ、平和だな。


そして、今朝から何故か旦那様も奥様も様子がおかしかったのですが、夕食の際はなお変でした。


いや、変というより...


「ソ、ソフィア、今日はどんな一日だった?」


「ゆ、友人とお茶をして世間話を致しました。だ、旦那様はどうでしたか?」


「わ、私か?ふ、普通だ」


いやいや、普通ってなんだよ。
使用人の心の声が聞こえてくるようです。


ちらちらっとお互いの顔を見てはさらに顔を赤らめる。


むず痒くて仕方がない中で、私は表情を管理するのに必死でした。


他の使用人達もそうなのでしょう。初々しさ満載の夫婦は生温かい微笑みを浴びながら夕食を済ませるのでした。


あなたにおすすめの小説

【完結】「元カノが忘れられないんでしょう?」と身を引いた瞬間、爽やか彼氏の執着スイッチが入りました

恋せよ恋
恋愛
「元カノが忘れられないなら、私が身を引くわくべきよね」 交際一周年、愛するザックに告げた決別の言葉。 でも、彼は悲しむどころか、見たこともない 暗い瞳で私を追い詰めた。 「僕を捨てる? 逃げられると思っているの、アン」 私の知る爽やかな王子の仮面が剥がれ落ち、 隠されていた狂おしいほどの独占欲が牙を剥く。 🔶登場人物・設定は筆者の創作によるものです。 🔶不快に感じられる表現がありましたらお詫び申し上げます。 🔶誤字脱字・文の調整は、投稿後にも随時行います。 🔶今後もこの世界観で物語を続けてまいります。 🔶 『エール📣』『いいね❤️』励みになります!

悪役令嬢にされたので婚約破棄を受け入れたら、なぜか全員困っています

かきんとう
恋愛
 王城の大広間は、いつも以上に華やいでいた。  磨き上げられた床は燭台の光を反射し、色とりどりのドレスが揺れるたびに、まるで花畑が動いているかのように見える。貴族たちの笑い声、楽団の優雅な旋律、そして、ひそやかな噂話が、空気を満たしていた。  その中心に、私は立っていた。  ――今日、この瞬間のために。 「エレノア・フォン・リーベルト嬢」  高らかに呼ばれた私の名に、ざわめきがぴたりと止む。

冷酷騎士様の「愛さない」は一分も持たなかった件

りわ あすか
恋愛
「君を愛するつもりはない」 結婚初夜、帝国最強の冷酷騎士ヴォルフラム・ツヴァルト公爵はそう言い放った。 出来損ないと蔑まれ、姉の代わりの生贄として政略結婚に差し出されたリーリア・ミラベルにとって、それはむしろ救いだった。 愛を期待されないのなら、失望させることもない。 契約妻として静かに役目を果たそうとしたリーリアは、緩んだ軍服のボタンを自らの銀髪と微弱な強化魔法で直す。 ただ「役に立ちたい」という一心だった。 ――その瞬間。 冷酷騎士の情緒が崩壊した。 「君は、自分の価値を分かっていない」 開始一分で愛さない宣言は撤回。 無自覚に自己評価が低い妻に、激重独占欲を発症した最強騎士が爆誕する。 以後、 寝室は強制統合 常時抱っこ移動 一秒ごとに更新される溺愛 妻を傷つける者には容赦なし宣言 甘さ過多、独占欲過剰、愛情暴走中。 さらにはリーリアを取り戻そうとする実家の横槍まで入り――? 自己評価ゼロの健気令嬢と愛が一分も我慢できなかった最強騎士。 溺愛が止まらない、契約結婚から始まる甘すぎる逆転ラブコメ

〖完結〗愛しているから、あなたを愛していないフリをします。

藍川みいな
恋愛
ずっと大好きだった幼なじみの侯爵令息、ウォルシュ様。そんなウォルシュ様から、結婚をして欲しいと言われました。 但し、条件付きで。 「子を産めれば誰でもよかったのだが、やっぱり俺の事を分かってくれている君に頼みたい。愛のない結婚をしてくれ。」 彼は、私の気持ちを知りません。もしも、私が彼を愛している事を知られてしまったら捨てられてしまう。 だから、私は全力であなたを愛していないフリをします。 設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。 全7話で完結になります。

死ぬまでに叶えたい十の願い

木風
恋愛
「あなたを妻として、愛することはない。おそらく、生涯抱くこともないだろう」 三年間の白い結婚——捨て置かれた王太子妃エリアーナに、側妃が『死の呪い』をかけ余命一年を宣告する。 離縁を願うも拒否され、代わりに「死ぬまでに十の願いを叶えて」と契約する—— 二人きりの外出、星空、海…ささやかな願いが王太子の心をほどいていく。

【完結】離婚を切り出したら私に不干渉だったはずの夫が激甘に豹変しました

雨宮羽那
恋愛
 結婚して5年。リディアは悩んでいた。  夫のレナードが仕事で忙しく、夫婦らしいことが何一つないことに。  ある日「私、離婚しようと思うの」と義妹に相談すると、とある薬を渡される。  どうやらそれは、『ちょーっとだけ本音がでちゃう薬』のよう。  そうしてやってきた離婚の話を告げる場で、リディアはつい好奇心に負けて、夫へ薬を飲ませてしまう。  すると、あら不思議。  いつもは浮ついた言葉なんて口にしない夫が、とんでもなく甘い言葉を口にしはじめたのだ。 「どうか離婚だなんて言わないでください。私のスイートハニーは君だけなんです」 (誰ですかあなた) ◇◇◇◇ ※全3話。 ※コメディ重視のお話です。深く考えちゃダメです!少しでも笑っていただけますと幸いです(*_ _))*゜ ※AI不使用です。

【完結】救ってくれたのはあなたでした

ベル
恋愛
伯爵令嬢であるアリアは、父に告げられて女癖が悪いことで有名な侯爵家へと嫁ぐことになった。いわゆる政略結婚だ。 アリアの両親は愛らしい妹ばかりを可愛がり、アリアは除け者のように扱われていた。 ようやくこの家から解放されるのね。 良い噂は聞かない方だけれど、ここから出られるだけ感謝しなければ。 そして結婚式当日、そこで待っていたのは予想もしないお方だった。

婚約者が他の令嬢に微笑む時、私は惚れ薬を使った

葵 すみれ
恋愛
ポリーヌはある日、婚約者が見知らぬ令嬢と二人きりでいるところを見てしまう。 しかも、彼は見たことがないような微笑みを令嬢に向けていた。 いつも自分には冷たい彼の柔らかい態度に、ポリーヌは愕然とする。 そして、親が決めた婚約ではあったが、いつの間にか彼に恋心を抱いていたことに気づく。 落ち込むポリーヌに、妹がこれを使えと惚れ薬を渡してきた。 迷ったあげく、婚約者に惚れ薬を使うと、彼の態度は一転して溺愛してくるように。 偽りの愛とは知りながらも、ポリーヌは幸福に酔う。 しかし幸せの狭間で、惚れ薬で彼の心を縛っているのだと罪悪感を抱くポリーヌ。 悩んだ末に、惚れ薬の効果を打ち消す薬をもらうことを決意するが……。 ※小説家になろうにも掲載しています