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十七話
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シルビアの策略で聖女になってしまったが、うまくいき過ぎて割と早くに魔王に勝利した
本人のために名前を伏せておくが未来の国母たる令嬢の荷物からの情報に序盤に被害にあう名があったおかげか、公爵領を全部まわれた事が大きかったか
訓練された数人が顔色の良くない者を嬲っている様に見えたほどだ
情報通りなら、力が一割程度しか復活していなかったらしい
おかげで様子見の一年で任期を終えて自由になる
少し予定よりズレてしまったが軌道修正をして成功したから
馬鹿にそれとなく日記はノートに書いていると伝えていたおかげで、シルビアが書いた妄想日記は役に立たなくなった
妄想日記の存在は明るみになったが役には立たなかった
拾った人間が良かった
心配しながら持ってきてくれたのだ
そこで『シルビア様に嫉妬して貶める誰かの存在が』『こんなのがあったらシルビア様が、、、』と大々的なパニックを起こした私がまじまじと筆跡を見られる前に燃やしてしまった
人間、パニックになったら訳のわからない事するし、仕方ない
任期もあと数ヶ月
約束通り二年で家族も家に戻り、私も寝るだけだが毎日帰る事が許された
希望するならと話はあったが、両親も解放されたのに受ける訳がない
聖女の間はシルビアと同じでトイレ以外は常に監視がついている
朝家を出れば未だについて来るし、食事をしていても後ろから見てくる
食事の味もあまりわからないまま
そのシルビアももうすぐ、私が聖女の任期を終える少し前に殿下と結婚をする
私の頑張りのおかげで破棄騒動もなかった
殿下もシルビアも噂では『まぁ好きと言えば好きだけど、この人でなければ』までの感情は芽生えなかったらしいが、貴族としてそこそこの家庭を築けると判断された結婚
シルビアも破棄騒動がなかった事で諦めているが、まだ少し抵抗している
王妃教育を理由に少しでも遅らせるかあわよくば、みたいだが聖女の私が「二人の結婚を見たい」とお願いをした
聖女をやめれば参列出来ない、としおらしく頼んでみたら叶った
自分で自分を褒めてあげたい
さすが恋の導き手
結婚式を早める事が出来たおかげでこれが最後の茶会
事前に安全確認が行われてから開かれ、退出するまで見張りがつく
二人が席について紅茶が用意されてからメイドたちをさがらせる
"さがらせる"と言っても、少しの動作だけで気づいて近寄ってくる距離
普通に話せば内容も筒抜けだろう
当たり障りのない会話をする
「殿下とご結婚おめでとうございます。シルビア様が殿下とのご結婚を悩まれていると知って私も悩みましたが、結果オーライですね。私も聖女の任期が済んだらアルトと結婚するんです。あ、アルトって父の弟子なんです。父は『一代で店畳んでも』って言ってたんですが、意気投合しちゃってと言いますか、なんと言うか。変わらず四人でパン屋をする事になりました」
「そう、あなたもおめでとう」
私は国に雇われた聖女
心まで聖女ではない
「シルビア様は王太子妃、未来の王妃様。私とこうするのも最後になってしまいますね」
「それは寂しいわね。私の権限で会いにくる事を許してもいいわよ」
少しでも気が抜ける人間を手放したくないらしい
シルビアにだけ聞こえる程度に声を抑える
「シルビア様。勝ったのは私ですが、好敵手として認めています。好敵手と認めたものの罵り嘆く姿は辛いのです。最初の約束通り会わない方が互いのためです。それにシルビア様と違い、買い物や、料理なんかも自分でしないといけませんので忙しく。家族のために腕を磨きます」
シルビアが一瞬「え?」となり、手を伸ばしてきた
遠くにいたメイドからは、呼ぶ為の合図に見えたのだろうか、寄ってくる
「いかがなさいましたか?」
シルビアの代わりにメイドにこたえる
「シルビア様にメイドに囲まれた生活が羨ましいとお伝えしておりましたの。もうすぐ私は市井に戻りお世話くださる方や見守って頂ける方がいなくなります。シルビア様はお優しい方ですから私の話に耳を傾けてくださり、お礼が言いたくなったのだと思います。ねシルビア様」
「ええ。メアリー、いつもありがとう。他のみんなにも伝えて」
「勿体ないお言葉です。彼方におりますので、何がありましたらお呼びください」
一礼して元の場所に戻る
「ちょっとの仕草も見てるなんて流石ですね」
何げない風に言ったはずが、シルビアはなぜか此方を睨むが気にしない
「流石シルビア様、慣れていらっしゃいます。私は慣れなかったので精神的にまいりかけましたが、もう少しで開放です。もう少し頑張ります」
言っている意味がわかったらしい
「悪魔」
「酷いですね。私だって未来の王太子妃殿下が姑息な事をしなければお助け致しました」
シルビアが睨んでくる
「お互い、暫くは忙しいと思います。ですが、今までとそんなにかわりませんから大丈夫ですよ」
茶を飲みきり椅子から立ち上がる
「今日までありがとうございまさした。もうこのようにお話をさせていただく事は叶いませんでしょうが、元気にお過ごしください。もし私を見かけてもお声掛けは結構ですから」
私は王都を出るし、シルビアは王都の下町にすらなかなか来れなくなるので余程の事がない限り二度と顔を見ることすらないだろ
「それでは、ご機嫌よう」
最後は聖女として未来の王妃に挨拶をして去っていく
シルビアもとめない
私は未練もないので振り向く事なくさっていく
「我ながら言い去り方だったわ」
それから約半月後に予定通り二人の結婚式が行われ、シルビアは王宮に姿を消していった
茶会から一年
シルビアは王妃としていつもニコニコと頑張ってるみたいだ
ただ、その笑顔の中に疲れが見えると商人から聞いた
他人に疲れを気づかれるなんてまだまだね
精神的な疲れもあるのかもしれないが、私に牽制(の演技)をかけたくらいだから殿下と2人で頑張れるでしょう
「それにしても、思い出しても素晴らしい結婚式だったわ。シルビア様も王太子妃として頑張られているみたいだし、実は私って国を救うレベルの功績だったのかもしれないわね」
私はと言うと、両親が王都の店を畳んだのについて行きすぐに結婚
まだ聖女をしている時にあの馬鹿からせしめた資金を元に新しいパン屋を建てた
予定通り四人で、母の生まれた村の隣村でパン屋をしている
「さあ、今日も頑張らないと」
おわり
本人のために名前を伏せておくが未来の国母たる令嬢の荷物からの情報に序盤に被害にあう名があったおかげか、公爵領を全部まわれた事が大きかったか
訓練された数人が顔色の良くない者を嬲っている様に見えたほどだ
情報通りなら、力が一割程度しか復活していなかったらしい
おかげで様子見の一年で任期を終えて自由になる
少し予定よりズレてしまったが軌道修正をして成功したから
馬鹿にそれとなく日記はノートに書いていると伝えていたおかげで、シルビアが書いた妄想日記は役に立たなくなった
妄想日記の存在は明るみになったが役には立たなかった
拾った人間が良かった
心配しながら持ってきてくれたのだ
そこで『シルビア様に嫉妬して貶める誰かの存在が』『こんなのがあったらシルビア様が、、、』と大々的なパニックを起こした私がまじまじと筆跡を見られる前に燃やしてしまった
人間、パニックになったら訳のわからない事するし、仕方ない
任期もあと数ヶ月
約束通り二年で家族も家に戻り、私も寝るだけだが毎日帰る事が許された
希望するならと話はあったが、両親も解放されたのに受ける訳がない
聖女の間はシルビアと同じでトイレ以外は常に監視がついている
朝家を出れば未だについて来るし、食事をしていても後ろから見てくる
食事の味もあまりわからないまま
そのシルビアももうすぐ、私が聖女の任期を終える少し前に殿下と結婚をする
私の頑張りのおかげで破棄騒動もなかった
殿下もシルビアも噂では『まぁ好きと言えば好きだけど、この人でなければ』までの感情は芽生えなかったらしいが、貴族としてそこそこの家庭を築けると判断された結婚
シルビアも破棄騒動がなかった事で諦めているが、まだ少し抵抗している
王妃教育を理由に少しでも遅らせるかあわよくば、みたいだが聖女の私が「二人の結婚を見たい」とお願いをした
聖女をやめれば参列出来ない、としおらしく頼んでみたら叶った
自分で自分を褒めてあげたい
さすが恋の導き手
結婚式を早める事が出来たおかげでこれが最後の茶会
事前に安全確認が行われてから開かれ、退出するまで見張りがつく
二人が席について紅茶が用意されてからメイドたちをさがらせる
"さがらせる"と言っても、少しの動作だけで気づいて近寄ってくる距離
普通に話せば内容も筒抜けだろう
当たり障りのない会話をする
「殿下とご結婚おめでとうございます。シルビア様が殿下とのご結婚を悩まれていると知って私も悩みましたが、結果オーライですね。私も聖女の任期が済んだらアルトと結婚するんです。あ、アルトって父の弟子なんです。父は『一代で店畳んでも』って言ってたんですが、意気投合しちゃってと言いますか、なんと言うか。変わらず四人でパン屋をする事になりました」
「そう、あなたもおめでとう」
私は国に雇われた聖女
心まで聖女ではない
「シルビア様は王太子妃、未来の王妃様。私とこうするのも最後になってしまいますね」
「それは寂しいわね。私の権限で会いにくる事を許してもいいわよ」
少しでも気が抜ける人間を手放したくないらしい
シルビアにだけ聞こえる程度に声を抑える
「シルビア様。勝ったのは私ですが、好敵手として認めています。好敵手と認めたものの罵り嘆く姿は辛いのです。最初の約束通り会わない方が互いのためです。それにシルビア様と違い、買い物や、料理なんかも自分でしないといけませんので忙しく。家族のために腕を磨きます」
シルビアが一瞬「え?」となり、手を伸ばしてきた
遠くにいたメイドからは、呼ぶ為の合図に見えたのだろうか、寄ってくる
「いかがなさいましたか?」
シルビアの代わりにメイドにこたえる
「シルビア様にメイドに囲まれた生活が羨ましいとお伝えしておりましたの。もうすぐ私は市井に戻りお世話くださる方や見守って頂ける方がいなくなります。シルビア様はお優しい方ですから私の話に耳を傾けてくださり、お礼が言いたくなったのだと思います。ねシルビア様」
「ええ。メアリー、いつもありがとう。他のみんなにも伝えて」
「勿体ないお言葉です。彼方におりますので、何がありましたらお呼びください」
一礼して元の場所に戻る
「ちょっとの仕草も見てるなんて流石ですね」
何げない風に言ったはずが、シルビアはなぜか此方を睨むが気にしない
「流石シルビア様、慣れていらっしゃいます。私は慣れなかったので精神的にまいりかけましたが、もう少しで開放です。もう少し頑張ります」
言っている意味がわかったらしい
「悪魔」
「酷いですね。私だって未来の王太子妃殿下が姑息な事をしなければお助け致しました」
シルビアが睨んでくる
「お互い、暫くは忙しいと思います。ですが、今までとそんなにかわりませんから大丈夫ですよ」
茶を飲みきり椅子から立ち上がる
「今日までありがとうございまさした。もうこのようにお話をさせていただく事は叶いませんでしょうが、元気にお過ごしください。もし私を見かけてもお声掛けは結構ですから」
私は王都を出るし、シルビアは王都の下町にすらなかなか来れなくなるので余程の事がない限り二度と顔を見ることすらないだろ
「それでは、ご機嫌よう」
最後は聖女として未来の王妃に挨拶をして去っていく
シルビアもとめない
私は未練もないので振り向く事なくさっていく
「我ながら言い去り方だったわ」
それから約半月後に予定通り二人の結婚式が行われ、シルビアは王宮に姿を消していった
茶会から一年
シルビアは王妃としていつもニコニコと頑張ってるみたいだ
ただ、その笑顔の中に疲れが見えると商人から聞いた
他人に疲れを気づかれるなんてまだまだね
精神的な疲れもあるのかもしれないが、私に牽制(の演技)をかけたくらいだから殿下と2人で頑張れるでしょう
「それにしても、思い出しても素晴らしい結婚式だったわ。シルビア様も王太子妃として頑張られているみたいだし、実は私って国を救うレベルの功績だったのかもしれないわね」
私はと言うと、両親が王都の店を畳んだのについて行きすぐに結婚
まだ聖女をしている時にあの馬鹿からせしめた資金を元に新しいパン屋を建てた
予定通り四人で、母の生まれた村の隣村でパン屋をしている
「さあ、今日も頑張らないと」
おわり
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