聖女の攻防

双葉

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十六話

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もうすぐ魔王が復活するらしい
両親の事を考えてイヤイヤながら聖女らしい事を頑張った
そのご褒美か、最後の別れにか一度両親に会うことが出来た
時間は一時間も無かった気がする
学校の帰りにちょっと寄った感じだ
場所もわからない
ただ、一目見ただけで涙がでて三人で泣きながら抱き合った感動の再会だった
泣きながら話した
「リリィ、リリィ。心配したんだよ。いきなりここに連れてこられるし、リリィの事を聞いても「大丈夫」しか教えてくれないし。ここから出られないし、逃げればリリィに何か、、、」
やはり両親も生活になじめていなかった
と言うより、監禁されているに近かったようだ
話を聞けば、いきなり兵が現れてわからぬままにここに連れて来られたらしい
衣食住は保障されたが欲しい物があっても外に出られず、仕事で日課のパンを作ることも出来ない
私の様に常に監視されていたらしい
両親には謝る事しか出来ない
「お父さん、お母さん、こんな事になってしまってごめんなさい。本当にごめんなさい。二年、二年我慢してくれたらまた一緒に暮らせる筈だから、お願い」
泣きながら頼んだ
二年とは、シルビアが卒業と言っていたはずと導き出した答え
シルビアの考え通りなら卒業あたりで破棄騒動が起こるはず
予定もないがあったとした場合、あの馬鹿でも魔王が復活しているのにそんな騒動は起こさないと予想した
そこをクリアすれば、夢の神託(作り話)で一緒に暮らせるはずなのだ
「二、二年?」
「そう、二年たったら一緒に暮らせるはずなの。また私頑張るから。お父さんも、腕鈍らせないでね」
両親は解ったのか解っていないのかもわからないが「うん、うん」と泣きながら頷いてくれている
まだこれから積もる話がたくさんあるのに声をかけられる
「聖女様、そろそろお戻りの時間にございます」
「今日だけお願い出来ませんか」
「私では決めかねますので」
兵が近づいてきて腕を引っ張る
力に負けて立ち上がってしまったので諦める
これ以上反抗して不利になってしまうのも怖い
「わかりました。すみませんが1分だけ別れの時間をください」
兵も離してくれる
「お父さん、お母さん、いってきます。私、頑張るね」
もう一度三人で強く抱き合ってから離れる
「二人の娘なんだから、大丈夫。私は、心配するだけ損ってくらい強いんだから」
ニコッと笑ってからドアに向かう
「早く帰れ」と言われている様に、ドアの前に着く前にドアが開かれる
外に出るとすぐに閉められてしまった
馬車に乗る前にもう一度出てきたドアをみてから一人頷いてから馬車に乗り込んだ
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