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イヨンモール
第25話 みんなの御両親ってどんな人?
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…中野宅に到着。 奏太が乃愛をお姫様抱っこして部屋へ運ぶ…
ーーーこの話は奏太目線になりますーーー
3人とも、俺が急に乃愛をお姫様抱っこしたことに驚いたのは分かってる。
でも、こうするしかなかったんだ。
乃愛にお願いされた時点で、断るなんて選択肢は存在しえない。
おんぶの感触は既に知っている。
だが、もう一度やれば、背中の感触で俺の理性は飛び、ケダモノと化すだろう。
乃愛との接触を最大限減らしながら運ぶ方法
それは
お姫様抱っこだ。 たぶん。
最初に空から降ってくる乃愛をキャッチした時に、その感覚の爆発力は体験した。
でも、あれなら理性を失うまではならないはずだ。
それに今回は部屋まで運ぶだけ。一分もかからない。
って、思ったんだけど そう甘くないよね。
今回の乃愛は、起きてるんだもん。
まぁ起きてるだけなんだけど、全然違うわ、これ。
大きな違いが二つある。
まず、意識があること。そして、非常に温かいことだ。
一つ目の意識があること から詳しく見てみようか。
「無意識のヒトは重い」とよく言うが、確かにそうかもしれない。
今回の乃愛はジタバタしているが、綿のように軽く感じる。(少し盛った)
そして、ジタバタされると、両手に伝わる乃愛の体の感触が絶えず変化する。
持ち上げてから気づいたが、右手は裏もも、左腕は背中、左手は横乳に位置する。
それに、あまり体に近づけて抱くと乃愛の体の側面がガッツリ接触する。
…お姫様抱っこって 結構接触多いな。
だから体から離して、腕の力だけで支えているんだが、いくら軽いと言っても少々キツイ。
また、腕だけだから接地面が少なくて、手が体に食い込んでいる気がする。
感触がダイレクトに伝わる。
でも、近づけることはできない。
自慢じゃないが、俺の俺が元気になってしまったからだ。
バレたら引かれるに違いない。
もし引かれたら、絶対に精神がもたない。
筋トレだと思えばいいんだ。
そして、二つ目。 温かいこと。
前の乃愛は、どちらかというと冷たかった。
ひんやりとして、精巧な人形かとすら思った。
けど、今回のは活きがイイぞぉ。
めっちゃあったかい。
平熱高めかな? 子供みたいで可愛いな。
アレも温めて使う方が気持ちいっていうじゃん。
そんな感じだよ。 あったかいの、すげー良い。
しかも、あったかいんだけど、汗ばんでない。
サラッサラ。
それは、上は厚めのパーカーだからわからない。
けど、下が生脚だからね。
すごくね・・・ いい。
あっ、やましいことは考えてないぜ。 勘違いするなよ。
どちらにせよ、早く降ろすにこしたことはない。
コケるわけにはいかないので、全力の早歩きで階段へむかう。
そして、上がっていくのだが、揺れが激しかったんだろうな。
乃愛の手が首にまわり、体を引き寄せる。
俺の努力が・・・
おっぱいが軽くではあるが確実に俺の胸に接触している。
あぁぁー、だめだめだめだめ。
鎮まれ俺の俺。
もう少しだ。 ダッシュ!
着いた。
速く降ろさなければ。
「カナタ。 車にカギおいてきちゃった!」
いやいや乃愛さん、テヘッじゃないよ。
お兄さん、あと一往復はもたないよ。
「どこ? カバンの中? 取ってくるから。」 俺だけで行くべきだ。
「うん、いろはのカバンに入れてもらってる」 そういえば乃愛はまだカバン持ってないのか。
「OK。行ってくる」 乃愛を持っていた大きめのハンカチの上に立たせ、車へ向かう。
彩葉ちゃん(藤井さんって呼ぶけど、心の中では彩葉ちゃんって呼んでる)も気づいていたようで、
カギをもって、すぐそこまで来てくれていた。 優しいなぁ。
ちなみに、乃愛は乃愛ちゃんって呼んでみたら、気持ち悪いと言われてしまった。
あんなに、ショックを受けるとは思わなかった。
無意識に飛び降りそうになっていた。
乃愛が止めてくれなかったら逝ってた。
(ずっと慧って呼んでたから、ちゃん付けは違和感があるっていうだけだったそうだ)
「完全にカギのこと忘れてた。 ところで、なんでお姫様だっこなの?」
うん。やっぱり気になるよね。
「いやぁ、おんぶしたら理性が耐えれる気しやんかったからさ、はは」
なるほど、という顔になる彩葉ちゃん。 納得しちゃうんだ。
「じゃあ、カギありがとう。 戻るわ」 急いで、乃愛のところに向かう。
カギを渡して、一緒に中に入る。
相変わらず、シンプルな部屋だなぁ。
キッチンは調味料とかが色々あるけど、
他は、ベッド、机、TV、ゲーム機、小説の本棚、大小のサボテン20個…
・・・やっぱり、サボテン多いよな。
他がモノトーンでシンプルだから、すごい目立つ。
ウチワみたいなヤツとか丸いやつとか、棒みたいなヤツとか。
昔から好きなんだって。
充電器にささったままの乃愛のスマホを見てみる。
ラインの通知が100を超えている。
あいつら、あれだけ言ったのに…
昨日のことだ、家に帰ってスマホを見ると俺のラインの通知も100を超えていたのだ。
内容は、慧についてのコト。
男子からも女子からも大量にだ。
しかも、全部個人あてに。
まあ、自覚あるけど、慧と一番仲が良かったのは間違いなく俺だ。
こうなるのは当然と言えば当然だろう。
でも、グループ作れば良くない!?
ひとりずつ見るのめんどくさいんですけど。
他を出し抜こうとしてんの?
仕方なくひとりずつ確認すると、誰もまだ慧には直接ラインしていないらしい。
正解だ。
慧はいきなり馴れ馴れしくしてくる人が苦手だ。
それは流石にみんな中学から慧と一緒だから分かるだろう。
でも、俺がそれをきちんと言わないと、我慢できなくなって、連絡するヤツがでるかもしれない。
そこで、俺は「慧について」というグループを作り、慧の好みや苦手を本人が嫌がらない程度に伝えた。
俺が慧の非公認マネージャーになった感じだな。
その時、今まで慧とあまり話したことのない人は、連絡しないようにと言っておいたのだ。
慧の極少数の友人に、頻繁にラインするタイプのヤツは一人もいない。
ということはあの陽キャ達の仕業だと考えたのだ。
しかし、事実とは異なった。
クラスメートからのラインは慧の友人から数件のみで、通知の大半は慧のご両親からだった。
まあ、自分の息子が宇宙人に美少女にされて、心配?
というか興味の湧かない親はいないだろう。
内容は主に不在着信。
最初の方は10分おきに、それからは30分おきに着信が入っている。
一度も絶えずにだ。
ストーカーでもここまでしないよ。
これを見たら、普通は恐怖を感じるものだと思うが、乃愛はいつも通りだというお顔である。
これって普通?
ご両親いつ寝てるの?
12時間以上経ってるよ、全自動着信システムとかあるの?
乃愛がやれやれと電話をかける。 1コール目が終わる前に出た。
「ケーーイ!! 待ってたよぉーー!!」
超絶元気な声がここまで聞こえた。
お母さんかな。
「もうちょっと静かにしないと切るよ」
耳元で叫ばれ乃愛は少し怒っている。
ツンデレのツンモードみたい。
怒ってる乃愛も新鮮でかわいい。
「Desole Desole. それより元気してる?」
前半聞き取れなかった。
フランス語だろう。たぶん ごめん、ごめん だ。
その後も会話が続くが、乃愛もやっぱり元気すぎるのが苦手みたいだ。
(姉ちゃんの3倍は元気そうだもんな)
そして、
「えっ 代わるの? ちょっと待ってね」 何か指示があったようだ。
「カナタ お姉ちゃんに代わってって」
そうか、ホームステイしてることは知ってるんだもんな。
スマホを受け取り、車に戻ろうとする。
道中話しかけられた。
「もしかして奏太君?」
「あ、はい。 宮野奏太です」
「娘がお邪魔しちゃって ごめんねー」
「いえいえ、楽しんで過ごさせてもらってます」
今、すっごいナチュラルに娘って言ったな。
「奏太君は、乃愛の彼氏なの?」
「いーやいや、そんな僕なんかがおこがましいですよ! 慧の友達です」
「慧に友達!? 嘘!」
その反応は親としてどうかと思う。
「じゃあ、私より慧に好かれてるじゃん!」
「また、気が向いたらもらってあげてね」
「は、はい」
ん? 今 返事しちゃったけど、もらうって何? えっ、結婚!?
だめだ、これ以上この人と話すとパニックになりそう。
姉ちゃんに代わる。
姉ちゃんも、ありえないくらいの元気さに驚いた様子ながら、気が合うのか楽しそうに話している。
しばらくして
「えっ、そんな、悪いですよ。そんなにもらえません」
なんの話だろう。
でも、明らかに姉ちゃんが押されている。
「は、はい。じゃあ、頂きます。でも、帰国したら何かお礼させてくださいね」
「はい、では、失礼します。」 といって電話をきった。
あまり長電話すると嫌われるのと乃愛の声を聞けたからもういいらしい。
「「 なんの話(ですか)? 」」 彩葉ちゃん一緒に聞いてみる。
すると震えた声で
「もらっちゃった… 100万円。 生活費とか服とかに使ってって」
「・・・」 3人とも声が出ない。
今の瞬間に姉ちゃんの口座に振り込まれたらしい。
とりあえず、部屋に戻って乃愛にそれを伝えにいく。
すると、乃愛は用が済んだようで、玄関にいた。
その場で100万円をもらったことをを伝えると、一応驚いてはいた。
乃愛の手には通帳があった。
家に来たのは、スマホを取りにきたのと、サボテンの世話。
そして生活費を姉ちゃんに渡そうとしていたらしい。
その通帳にはいくら入っているのか非常に気になったが、100万円もらってしまったので、置いてこさせた。
また、お姫様抱っこして車に戻るのだが、なんか緊張して、俺の俺は静かなままでいてくれた。
「お姉ちゃん、ごめんねー。 ママ変な人だったでしょ。あんまり気にしないでね」
と乃愛は申し訳なさそうにしている。
「100万円…もらっちゃっ…たよ」 姉ちゃんの調子がおかしい
「ママは あげるって決めたら、絶対にあげるひとなの」
「それと、使い切った方がよろこぶから、今日いっぱい使おうね」
「なんか、すごいひとだね」 と上の空だが、中村さんとの待ち合わせがあるので車を出す。
道中、乃愛が積極的にしゃべってくれたおかげで、なんとか全員平常心を取り戻せた。
ーーーこの話は奏太目線になりますーーー
3人とも、俺が急に乃愛をお姫様抱っこしたことに驚いたのは分かってる。
でも、こうするしかなかったんだ。
乃愛にお願いされた時点で、断るなんて選択肢は存在しえない。
おんぶの感触は既に知っている。
だが、もう一度やれば、背中の感触で俺の理性は飛び、ケダモノと化すだろう。
乃愛との接触を最大限減らしながら運ぶ方法
それは
お姫様抱っこだ。 たぶん。
最初に空から降ってくる乃愛をキャッチした時に、その感覚の爆発力は体験した。
でも、あれなら理性を失うまではならないはずだ。
それに今回は部屋まで運ぶだけ。一分もかからない。
って、思ったんだけど そう甘くないよね。
今回の乃愛は、起きてるんだもん。
まぁ起きてるだけなんだけど、全然違うわ、これ。
大きな違いが二つある。
まず、意識があること。そして、非常に温かいことだ。
一つ目の意識があること から詳しく見てみようか。
「無意識のヒトは重い」とよく言うが、確かにそうかもしれない。
今回の乃愛はジタバタしているが、綿のように軽く感じる。(少し盛った)
そして、ジタバタされると、両手に伝わる乃愛の体の感触が絶えず変化する。
持ち上げてから気づいたが、右手は裏もも、左腕は背中、左手は横乳に位置する。
それに、あまり体に近づけて抱くと乃愛の体の側面がガッツリ接触する。
…お姫様抱っこって 結構接触多いな。
だから体から離して、腕の力だけで支えているんだが、いくら軽いと言っても少々キツイ。
また、腕だけだから接地面が少なくて、手が体に食い込んでいる気がする。
感触がダイレクトに伝わる。
でも、近づけることはできない。
自慢じゃないが、俺の俺が元気になってしまったからだ。
バレたら引かれるに違いない。
もし引かれたら、絶対に精神がもたない。
筋トレだと思えばいいんだ。
そして、二つ目。 温かいこと。
前の乃愛は、どちらかというと冷たかった。
ひんやりとして、精巧な人形かとすら思った。
けど、今回のは活きがイイぞぉ。
めっちゃあったかい。
平熱高めかな? 子供みたいで可愛いな。
アレも温めて使う方が気持ちいっていうじゃん。
そんな感じだよ。 あったかいの、すげー良い。
しかも、あったかいんだけど、汗ばんでない。
サラッサラ。
それは、上は厚めのパーカーだからわからない。
けど、下が生脚だからね。
すごくね・・・ いい。
あっ、やましいことは考えてないぜ。 勘違いするなよ。
どちらにせよ、早く降ろすにこしたことはない。
コケるわけにはいかないので、全力の早歩きで階段へむかう。
そして、上がっていくのだが、揺れが激しかったんだろうな。
乃愛の手が首にまわり、体を引き寄せる。
俺の努力が・・・
おっぱいが軽くではあるが確実に俺の胸に接触している。
あぁぁー、だめだめだめだめ。
鎮まれ俺の俺。
もう少しだ。 ダッシュ!
着いた。
速く降ろさなければ。
「カナタ。 車にカギおいてきちゃった!」
いやいや乃愛さん、テヘッじゃないよ。
お兄さん、あと一往復はもたないよ。
「どこ? カバンの中? 取ってくるから。」 俺だけで行くべきだ。
「うん、いろはのカバンに入れてもらってる」 そういえば乃愛はまだカバン持ってないのか。
「OK。行ってくる」 乃愛を持っていた大きめのハンカチの上に立たせ、車へ向かう。
彩葉ちゃん(藤井さんって呼ぶけど、心の中では彩葉ちゃんって呼んでる)も気づいていたようで、
カギをもって、すぐそこまで来てくれていた。 優しいなぁ。
ちなみに、乃愛は乃愛ちゃんって呼んでみたら、気持ち悪いと言われてしまった。
あんなに、ショックを受けるとは思わなかった。
無意識に飛び降りそうになっていた。
乃愛が止めてくれなかったら逝ってた。
(ずっと慧って呼んでたから、ちゃん付けは違和感があるっていうだけだったそうだ)
「完全にカギのこと忘れてた。 ところで、なんでお姫様だっこなの?」
うん。やっぱり気になるよね。
「いやぁ、おんぶしたら理性が耐えれる気しやんかったからさ、はは」
なるほど、という顔になる彩葉ちゃん。 納得しちゃうんだ。
「じゃあ、カギありがとう。 戻るわ」 急いで、乃愛のところに向かう。
カギを渡して、一緒に中に入る。
相変わらず、シンプルな部屋だなぁ。
キッチンは調味料とかが色々あるけど、
他は、ベッド、机、TV、ゲーム機、小説の本棚、大小のサボテン20個…
・・・やっぱり、サボテン多いよな。
他がモノトーンでシンプルだから、すごい目立つ。
ウチワみたいなヤツとか丸いやつとか、棒みたいなヤツとか。
昔から好きなんだって。
充電器にささったままの乃愛のスマホを見てみる。
ラインの通知が100を超えている。
あいつら、あれだけ言ったのに…
昨日のことだ、家に帰ってスマホを見ると俺のラインの通知も100を超えていたのだ。
内容は、慧についてのコト。
男子からも女子からも大量にだ。
しかも、全部個人あてに。
まあ、自覚あるけど、慧と一番仲が良かったのは間違いなく俺だ。
こうなるのは当然と言えば当然だろう。
でも、グループ作れば良くない!?
ひとりずつ見るのめんどくさいんですけど。
他を出し抜こうとしてんの?
仕方なくひとりずつ確認すると、誰もまだ慧には直接ラインしていないらしい。
正解だ。
慧はいきなり馴れ馴れしくしてくる人が苦手だ。
それは流石にみんな中学から慧と一緒だから分かるだろう。
でも、俺がそれをきちんと言わないと、我慢できなくなって、連絡するヤツがでるかもしれない。
そこで、俺は「慧について」というグループを作り、慧の好みや苦手を本人が嫌がらない程度に伝えた。
俺が慧の非公認マネージャーになった感じだな。
その時、今まで慧とあまり話したことのない人は、連絡しないようにと言っておいたのだ。
慧の極少数の友人に、頻繁にラインするタイプのヤツは一人もいない。
ということはあの陽キャ達の仕業だと考えたのだ。
しかし、事実とは異なった。
クラスメートからのラインは慧の友人から数件のみで、通知の大半は慧のご両親からだった。
まあ、自分の息子が宇宙人に美少女にされて、心配?
というか興味の湧かない親はいないだろう。
内容は主に不在着信。
最初の方は10分おきに、それからは30分おきに着信が入っている。
一度も絶えずにだ。
ストーカーでもここまでしないよ。
これを見たら、普通は恐怖を感じるものだと思うが、乃愛はいつも通りだというお顔である。
これって普通?
ご両親いつ寝てるの?
12時間以上経ってるよ、全自動着信システムとかあるの?
乃愛がやれやれと電話をかける。 1コール目が終わる前に出た。
「ケーーイ!! 待ってたよぉーー!!」
超絶元気な声がここまで聞こえた。
お母さんかな。
「もうちょっと静かにしないと切るよ」
耳元で叫ばれ乃愛は少し怒っている。
ツンデレのツンモードみたい。
怒ってる乃愛も新鮮でかわいい。
「Desole Desole. それより元気してる?」
前半聞き取れなかった。
フランス語だろう。たぶん ごめん、ごめん だ。
その後も会話が続くが、乃愛もやっぱり元気すぎるのが苦手みたいだ。
(姉ちゃんの3倍は元気そうだもんな)
そして、
「えっ 代わるの? ちょっと待ってね」 何か指示があったようだ。
「カナタ お姉ちゃんに代わってって」
そうか、ホームステイしてることは知ってるんだもんな。
スマホを受け取り、車に戻ろうとする。
道中話しかけられた。
「もしかして奏太君?」
「あ、はい。 宮野奏太です」
「娘がお邪魔しちゃって ごめんねー」
「いえいえ、楽しんで過ごさせてもらってます」
今、すっごいナチュラルに娘って言ったな。
「奏太君は、乃愛の彼氏なの?」
「いーやいや、そんな僕なんかがおこがましいですよ! 慧の友達です」
「慧に友達!? 嘘!」
その反応は親としてどうかと思う。
「じゃあ、私より慧に好かれてるじゃん!」
「また、気が向いたらもらってあげてね」
「は、はい」
ん? 今 返事しちゃったけど、もらうって何? えっ、結婚!?
だめだ、これ以上この人と話すとパニックになりそう。
姉ちゃんに代わる。
姉ちゃんも、ありえないくらいの元気さに驚いた様子ながら、気が合うのか楽しそうに話している。
しばらくして
「えっ、そんな、悪いですよ。そんなにもらえません」
なんの話だろう。
でも、明らかに姉ちゃんが押されている。
「は、はい。じゃあ、頂きます。でも、帰国したら何かお礼させてくださいね」
「はい、では、失礼します。」 といって電話をきった。
あまり長電話すると嫌われるのと乃愛の声を聞けたからもういいらしい。
「「 なんの話(ですか)? 」」 彩葉ちゃん一緒に聞いてみる。
すると震えた声で
「もらっちゃった… 100万円。 生活費とか服とかに使ってって」
「・・・」 3人とも声が出ない。
今の瞬間に姉ちゃんの口座に振り込まれたらしい。
とりあえず、部屋に戻って乃愛にそれを伝えにいく。
すると、乃愛は用が済んだようで、玄関にいた。
その場で100万円をもらったことをを伝えると、一応驚いてはいた。
乃愛の手には通帳があった。
家に来たのは、スマホを取りにきたのと、サボテンの世話。
そして生活費を姉ちゃんに渡そうとしていたらしい。
その通帳にはいくら入っているのか非常に気になったが、100万円もらってしまったので、置いてこさせた。
また、お姫様抱っこして車に戻るのだが、なんか緊張して、俺の俺は静かなままでいてくれた。
「お姉ちゃん、ごめんねー。 ママ変な人だったでしょ。あんまり気にしないでね」
と乃愛は申し訳なさそうにしている。
「100万円…もらっちゃっ…たよ」 姉ちゃんの調子がおかしい
「ママは あげるって決めたら、絶対にあげるひとなの」
「それと、使い切った方がよろこぶから、今日いっぱい使おうね」
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