可愛い兄の堕とし方

東雲

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8.終わりと始まり(後) ※R18

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「…───様……兄様、起きて?」
「兄上…起きて下さい、兄上」
「…ん……?」

ゆさゆさと、緩く体が揺れる感覚に、ふっと目が覚めた。

「……?」
「…兄上、大丈夫ですか?」
「兄様、僕達のこと分かる?」

心配そうに顔を覗き込んできたアデルとジュリィの顔を、ぼぅっとしたまま見つめ返すと、ゆるゆると動き始めた頭でそろりと辺りを見回した。

(……どこだ…ここ…)

どこかの宿屋の一室だろうか。テーブルと数脚の椅子が置かれただけの、こじんまりとした室内。その片隅に置かれたソファーの上、毛布で包まれた体をアデルに横抱きにされている状態で目が覚めた。

「……こ、…ッ、ケホッ…」
「!兄上、先にお飲み物を…」
「兄様、お水だよ。飲める?」
「ん……」

コップに注がれた水を受け取ると、ゆっくりと中身を飲み干す。コクリと嚥下するたび、カラカラに乾いていた喉が潤っていく感覚は心地良く、ほぅっと息を吐いた。

「…大丈夫?もっとお水飲む?」
「ん……いい…」

首を横に振るのも億劫で、アデルに体を凭れ掛けたまま、ぼんやりとくうを見つめた。疲れ切った体は力が入らず、疲労が積み重なったせいか思考は酷く鈍かった。
そのせいだろうか、緩く抱き締めるアデルの腕の力と、ぴたりと寄り添う体温がやけに心地良く、無意識の内に甘えるように擦り寄ってしまった。

「…兄上?」

寄り添った首元から仄かに香る香水は、自分の知らないアデルの匂いで、どうしてかそれがとても不思議に思えた。

「兄様……ごめんね」

アデルの隣に腰掛けたジュリィが、背中にぴたりと張り付く。額を押し付け、毛布の端をキュッと握り締めているのが布越しに伝わった。

「…ごめんね。ごめんなさい、兄様……嫌いにならないで…」

背後から聞こえる声は今にも泣きそうで、その声音に胸が締め付けられた。

(……分かってる)

『嫌いにならないで』
その言葉に対して、反射的に浮かんだ答えは『嫌いになんてなるものか』だった。

アデルとジュリィから向けられる感情が、兄弟愛の枠から遠く逸脱した愛情ということは、理解したくなくとも理解せざるを得なかった。
肉欲を孕んだ激情の熱さは、たった2日間で嫌というほど味わった。己の意思は無視され、卑猥な言葉と淫猥な行為で延々と辱められる性交は、自分という人間の尊厳を深く傷つけた。
肉体も精神も犯す行為は許されないことだし、許してはいけないことだと思う───そう思う反面で、2人に対する嫌悪や、完全に拒絶する気持ちが生まれないのも事実だった。

「ダメだ」と言葉にしても、それが幼い弟達を叱る時の声音と変わらないことに気づいている。
「やめて」と言葉にしても、本気で2人を拒絶する気がないことに気づいている。
「ごめんね」と謝られたら、それだけで許してしまいそうな自分がいることに、気づいている…

愛しい弟達だからこそ、裏切られた気持ちになるのに、「愛してる」「大好き」と言われるたび、それを喜び、愛しいと思う感情が湧き上がってしまう。
嫌になるほど弟達を愛している───そこに肉親以上の愛情なんて無かった。…無かったはずだ。

「兄様…」

ジュリィの泣きそうな声を聞いた瞬間、胸を裂くような痛みと苦しさから息が詰まった。
陵辱されたのは紛れもない事実で、それを許してはいけないのに───溢れ返りそうなほどの愛情に飲まれ、心の奥底でそれを悦んでいる愚かな自分がいた。

(……馬鹿な…)

過ぎた情を注がれ、受け止められないのに、弟達を嫌いなることは絶対に無いのだろうという確信があった。
それよりも、もしも彼らを拒絶することで、逆に嫌われ、遠ざけられるようなことになったら───それを想像した時に、「嫌だ」と激しく抗う自分がいた。

(……ダメだ。こんなこと…)

グラグラと揺れ動く思考の狭間を埋めるように、ジュリィの声が再び響いた。

「兄様……怒ってる?」

恐る恐る呟かれた声は、幼かった頃のジュリィを彷彿とさせ、無意識の内に手を伸ばしてしまった。
それに気づいたジュリィが背後から動き、ソファーから降りると傍らに膝をついた。

「兄様…?」

こちらを見上げる綺麗な青い瞳は潤み、下げられた眉は垂れ下がった仔犬の耳のようだ。握り締めた手の平は小刻みに震え、ジュリィが本気で怖がっているのが伝わってきた。

(……そんな顔をしないでくれ)

加害者と被害者と呼ぶなら、被害者は間違いなく自分のはずなのに…そんなことを考えながら、腰の高さにあるジュリィの頭に手を伸ばした。
ぎこちない手付きで頭を撫でれば、手の平をふわふわとした毛先が擽る。触れることがなくなってから久しいその感触は、遠い日の愛しさを孕んでいて、訳も無く泣きそうになった。

「兄様…?」

怒ってはいない。だがだからといって簡単に許せる心情でもなく、複雑な心境を飲み込んだまま、無言で頭を撫で続ければ、ジュリィがふにゃりと笑った。

「えへへ…兄様に撫でてもらうの大好き」
「…ッ」

そう言って笑った“弟”の顔に、ドキリと心臓が跳ねた。腰に抱き着き、仔猫のように甘えるジュリィにきゅうっと胸が鳴き、性懲りも無く生まれる愛しさに唇を噛んだ。
ぎゅうぎゅうと抱き着いたまま、離れないジュリィの髪の毛を戸惑いながら撫で続けていれば、空気が次第に穏やかになっていく。

「大好き。兄様、大好き」
「………」

何度も「大好き」と呟くジュリィに応えることもできず、口を閉ざしていると、アデルにそっと肩を抱き寄せられた。

「…愛しています。兄上」

肌に触れるだけのキスが、二度、三度と目尻に落ちる。

「無理をさせてしまい、ごめんなさい。食後は少しお休みしましょう」
「そうだね。部屋を用意してもらえるように、頼んでおくよ」

声に籠った労るような響きは本物で、優しく抱き締める腕に強引さは無い。
チュ、チュ…と頬や指先に落ちる唇を拒む気持ちも湧かぬまま、触れる温もりに、ただ身を委ねた。

その後、アデルに横抱きにされたまま、2人の手ずからで食べ物を与えられ、ゆっくりと食事を終えた。食べ終わる頃には意識を保っているのが限界で、体は休息を求めるままに眠りに落ちた。


どれほどか時間が経ち、ゆるりと目覚めれば、見知らぬ部屋のベッドの中にいた。まだ日も高い室内は明るく、眠ってからそう長い時間は経っていない様だった。

「……あ、兄様、おはよう」
「おはようございます、兄上」

まだ夢見心地の中、ベッドサイドの椅子に腰掛けた2人がすぐさま立ち上がり、こちらに寄ってくる姿が見えた。

「よく眠れましたか?」
「……ん」
「良かった。…できればこのまま休ませて差し上げたいのですが、今夜中には次の宿に着いていたいので、そろそろ出発しましょう」
「………」

それに返事はできないが、拒否権が無いことは知っている。ささやかな抗議として瞳を伏せれば、頬をアデルの指が撫でた。

「ご無理をさせて申し訳ございません。でもなるべく早く、兄上と一緒に私達の家に帰りたいんです」
「ごめんね、兄様。…でも、僕達もずっと寂しかったんだ。ずっとずっと、兄様のいない屋敷にいるのが、苦しくて寂しくて悲しくて……本当に、本当に嫌だった」
「…ッ」

そこに責めるような響きは無い。
だがアデルとジュリィに何も告げず、全てを放り出して行方を眩ましたことへの自責の念から、心臓が潰されるような息苦しさを覚えた。

「ご…ごめん…」

寂しかったと嘆く声に、口から漏れたのは謝罪の言葉だった。

「謝らないで。兄様があの家にいたくなかった気持ちは、ちゃんと分かってる」
「過去のことはもういいのです。大事なのはこれから……お願いです、兄上。もう一度、あの家で私達と“家族”になって下さい」
「…!」

穏やかに告げられたその声に、ドクリと胸が鳴った。

(……家族)

生まれた時からずっと、両親には見向きもされなかった。
父親からも、母親からも、一片の情を注がれたことは無く、名前すら数えるほどしか呼ばれたことがない。
それは成人しても変わらず、自分にとっては家令や使用人達が父であり母であり、祖父母だった。
自分は彼らのことを家族のように思っていたが、彼らには彼らの家族がいて、勝手にそんなことを思うのはいけないことだと、どこかで線引きをし、必要以上に甘えないようにしていた。

だからアデルとジュリィが屋敷に来た時、弟という『家族』ができたことが、本当に嬉しかったのだ。
初めての『家族』と呼べる存在は可愛くて、愛しくて、心の底から愛していた。
家を出る時も、2人と屋敷の皆だけは幸せであってほしいと願ったし、その願いはその後もずっと色褪せることはなかった。

そんな2人の願う幸せは、自分と共にあること───歪に思えた劣情のその根本にある純粋な愛情は、自分のそれと同じものだと気づいてしまい、言葉を失った。

弟として兄を慕う顔も、無邪気に愛情を求める顔も、ただ寄り添うだけの温もりを求める顔も、剥き出しの欲望のままに体を求める顔も…全てが嘘偽りのない本物なのだと、で理解してしまった。

「……、ぁ…」

まともに声を出すこともできず固まっていると、アデルとジュリィの腕が伸びてきて、ゆっくりと抱き締められた。

「私達の家に帰りましょう、兄上」
「兄様、また皆で一緒に暮らそうね」

心臓を抉るような優しい声に、心の奥底で、枷がまた一つ、外れたような音がした。




ベッドから起き上がると、今度はジュリィに横抱きにされ、庶民向けの宿屋だったらしい建物を出た。
入口に横付けするように停められた馬車は、気を失う前に乗っていたものと同じで、当たり前だが内装はそのままだ。寝台のような座席に、不釣り合いな拘束具…反射的に強張った体をあやすように、ジュリィの唇が頬に落ちた。
先に中に乗ったアデルに自身の体が受け渡され、当然の如く寝台に寝かせられる。

(ああ、また…)

きっとまた、淫らな行為を強要されるのだろう───そう分かっているのに、抵抗する気力も体力も根こそぎ奪われていた。

「そんな泣きそうな顔をなさらないで下さい…もう酷いことはしませんから、ね?」

そう言いながら、ジャラリと重い音を立てる鎖が手足を拘束していくが、繋がれていく四肢をただ見つめることしか出来なかった。

(……あれ?)

そこでふと、あることに気づく。
気を失う前、自身の全身から吹き出した汗や、恥部から垂れた液体で、寝台部は悲惨なことになっていたはずだ。にも関わらず、改めて寝かせられた台は清潔で、情事の名残りは一切無い。

(……昨日と、同じだ…)

情事の跡が色濃く残った寝具を取り替えられていた時と同じように、同行している誰かが、馬車の中も清めたのだろう。

「…っ!」

自分の知らないところで、自身の痴態の証を見られているという事実に、顔から火が出そうなほどの羞恥に襲われる。
恥ずかしくて死んでしまいそうなのに、拘束された腕では顔を隠すことも、身を捩ることも困難で、下唇を噛み締めることしか出来なかった。

「…どうされました?お顔が赤いですよ?」
「ん…!」

ただでさえどうにかなってしまいそうな状況下で、これ以上感情を乱したくなくて、フルフルと頭を振った。それと同時にジュリィが馬車へと乗り込み、ガチャンと扉が閉められる。

「兄様、どうしたの?……兄さん、何かした?」
「何もしてません。…と言いたいところですが、自信がありませんね。兄上、大丈夫ですか?」
「……ん」

正確に言えば、大丈夫ではない。
手足を拘束された現状も、死んでしまいそうな羞恥心も、何一つ大丈夫なことなど無かったが、事実から早急に目を逸らしたくてコクリと頷いた。

「ふふ…可愛い、兄様」
「ぅ…」

チュ…と、目元にジュリィの唇が落ちる。

「恥ずかしがっている兄上は本当にお可愛らしいですね。…もっと、恥ずかしいお顔を見せて下さい」
「あっ、や…っ」

かろうじて体を隠していた毛布が取り払われ、当然のように何も纏っていない素肌が晒される。
昨日から幾度となく、全裸の姿を2人の前に晒しているが、恥ずかしさが変わることはなく、触れた空気に肌が粟立った。

「ゃ、やだ…」
「はぁ…何度見ても、なんて美しい体でしょう。縮こまっているおちんぽがとっても可愛らしいですね」
「うぅ…!」
「さっきいっぱいイッたから、おちんぽふにゃふにゃだね」
「あっ、ダメ…!」

密室になった瞬間、穏やかだった空気は一変し、卑猥な言葉が当たり前のように飛び交う。
ふにゃりと垂れ下がったペニスを撫でられ、ほんの少しの刺激にすら腰が揺れた。

「ふふ、かぁわいい♡…兄さん、出して」
「分かってます。…出してくれ」

コツコツ、アデルが小窓を叩けば、それに応えるように、ゆっくりと馬車が動きだした。相変わらず揺れも音もほとんど感じない不思議な空間の中、少しずつ高まっていく緊張感に息が荒くなる。

「ふ……ふっ…」
「兄上、どうか怖がらないで下さい」
「ひぅ…っ」

2人分の手の平が腹や胸、太腿を擽るように撫で回す。同時にこめかみ、耳、頬…と、あらゆる箇所に啄むような口づけを受け、その優しい感触にぶるりと身が震えた。

「愛しています、兄上」
「大好きだよ、兄様」

肌を唇と手で撫でられながら、鼓膜に届く甘やかな声に、ゾクゾクとしたものが背筋を駆け抜ける。
聞いてはいけない、反応してはいけない、気持ち良いと思ってはいけない───嬉しいと、思ってはいけない。
悦んではいけないと分かっているのに、肌を滑る手付きは優しくて、性急さを感じさせず、それでいて性的な興奮を煽り立てるような触り方に、じわじわと熱が上がっていった。

「気持ち良いですね」
「体ビクビクしてるね」
「はぁ…ぁ、ゃ…っ」

───おかしい。

2人から注がれる過剰な愛情と、兄弟同士の許されない肉体関係を受け入れられるだなんて思ってない。…思っていないのに、体は悦び、拒絶する言葉は口から出てこなくなった。

「帰ろう」と言われたあの瞬間、自分の中で壊れた何かが元に戻らない。

(駄目だ…駄目だ、駄目だ…っ!)

意思を強く持ち、否定の言葉を繰り返していないと、快楽と愛情に大事な部分を根こそぎ奪われてしまいそうで、得体の知れない恐怖と緊張に身を固くした。

「…どうしたの?」
「…っ」

胸の上に置いた手の平で、ぷくりと腫れ上がった突起を優しく転がしながら、心配そうにこちらを見上げるジュリィに頭が混乱する。
兄を心配する思いやりも、同時に乳首を刺激し、耳を喰む行為も、全部が全部、『本物』なのだと、理解したくないのにしてしまう。

「兄上、余計なことは何も考えないで…私達のことだけ、感じて下さいね」
「ひ…ゃ…」

耳元で低く呟かれた声に、ゾクリと腰が戦慄いた。
できることなら何も考えたくない、知りたくない───そんな考えすら奪うように、目元を分厚い布で覆われた。

「…っ!?なに…っ!?」

視界を遮る布を頭部に巻かれ、目の前が真っ暗になる。突然のことに驚き頭を振るも、目隠しがズレることはなかった。

「待ってくれ!なんで…っ、取っ───んぐっ」

動揺から声を上げた瞬間、開いた口に噛ませるように押し込まれた何かに反抗の声は殺された。

「ぅぐ…っ、んぐうぅっ!」

柔らかな布でできた猿轡───声も、視界も、四肢の自由も奪われた状態に、途端に恐怖心は膨れ上がり、頭の中はパニック寸前だった。

「ん"ん"んっ!!」

怖い、怖い、嫌だと、声にならない声を上げながら、手足の拘束具を鳴らす。ブンブンと頭を左右に振りながら、目隠しの下では生理的に零れた涙が滲んだ。

「兄上、大丈夫ですから…どうか怖がらないで下さい」
「ごめんね、兄様。大丈夫だよ。僕も兄さんも、側にいるからね」
「ふっ…ふぅ…っ」
「怖くないですよ、怖くないですからね」
「…うぅ…」

暴れる体を宥めるように、2人の腕に抱き締められたのが分かった。
この状況で安心していいはずがないのに、緩く上半身を締め付ける温もりと柔らかな声音に、気持ちは凪いでいく。
それでも、どうして急に視界と声を奪われたのか、得体の知れない恐怖は消えず、体の震えは止まらなかった。

「うぅっ…」
「怖いことはしないから…ね?」

そう言って、ジュリィの唇が頬に触れた。

「ええ、兄上。…今からずっとずぅっと、気持ち良いことだけしかしませんからね」
「んぅ…っ!」

そう言って、アデルの舌が耳を舐めた。

「今から兄様のおっぱいも、お腹も、足も…全身舐めたり撫でたりして、いっぱい気持ち良くしてあげるからね」
「ええ、兄上の全身、どこもかしこもエッチでいやらしい、すけべな体にして差し上げます」

瞬間、ヒュッと喉の奥が鳴ったが、その音も口に充てがわれた布に吸い込まれ、消えていった。

「大丈夫ですよ。たくさんイッたら、兄上のお体が保ちませんからね。…イかないように、でもおちんぽがイキたくてイキたくて堪らなくなるように、私達と気持ち良いことしか考えられないような時間を過ごしましょう?」
「…っ、うっ、んうぅ…!」
「ふふ…可愛い♡想像してもう気持ち良くなっちゃった?…大丈夫だよ、兄様。おちんぽには触らないからね?身体中いっぱい気持ち良くなってイキたくなっても、おちんぽだけは触らないでいてあげるからね?」
「…っ、んん…!」

…ああ、また地獄のような快楽の沼に堕とされる。
怖くて、苦しくて、逃げ出したくて堪らない───それなのに、頭の片隅でその先に起こりうる未来と、与えられる快感を想像し悦ぶ浅ましい体に、抗う気持ちは砕かれていった。




「ふぅーっ…♡、ふぅー…っ♡」

宿を出てから、どれほどの時間が過ぎただろう。
静かに揺れる馬車の中は、徐々に色濃くなっていく情事の香りと、熱を帯びた体から溢れる体液で、僅かに湿った空気が漂い初めていた。

「兄様、大好き。大好きだよ」
「ああ…乳輪もパンパンに膨れて…なんて美味しそうなんでしょう」
「ふ…っ♡ふぅぅ…っ!♡」

そんな中で視界と口を塞がれ、手足は拘束され、抵抗はおろか制止の一言も発せない状況に、焦る気持ちがじわじわと募っていった。

視覚と声を奪われた後、宣言通り、アデルとジュリィによって全身を撫でられ舐められ、終わりの見えない快楽の沼に落とされた。但しそれは決定的な刺激を避けた、もどかしいほどの優しい愛撫だった。
サワサワと肌の上を滑るように撫でる手は、擽ったさと気持ち良さが混じり合い、ゾクゾクと肌が粟立つ。
脇腹、下腹部、太腿、足の先まで…身体中を満遍なく撫で回す手に、2人が触れていない場所などないのではないかと錯覚してしまうほどだった。
温かくてサラリとした指先が、肌の表面を滑るように撫でながら、時たま思い出したように乳首を転がす。
最初は我慢できたささやかな刺激は、少しずつ少しずつ、快楽を積み重ねていき、ただ体を撫でられているだけだったそれが、次第に愛撫となり、勝手に腰が揺れた。
『気持ち良い』と体が自覚し始め、徐々に上がっていった熱───性感帯となった乳首が触れられずとも勃起するのは、当然のことだった。

「えっちな乳首ビンビンだね♡」
「んぉっ!?んんんっ♡」
「ふふ…乳首カリカリされるの気持ちいい?」
「んんっ♡んんぅっ…!♡」
「コリコリのすけべ乳首、カリカリきもちぃね♡乳首イッちゃうね♡」
「んん~っ!♡♡」
「はい、カリカリ終わり」
「ぅぐ…っ!♡ふっ…ふぅ…っ♡♡」

肌を撫でるだけの愛撫の隙間、思い出したように乳首を弄られるも、その時間は短く、熱が上がり切る前に止められる。
そうしてまた身体中を撫で回され、大きな熱が収まる時間も与えられぬまま、腰をくねらせるようなもどかしい愛撫が続き、再び乳首を弄られる…終わらないループ。

「可愛いですね、兄上」
「ふぅ…っ♡」
「可愛い…愛しています。愛しています、私の兄上」
「んん…っ」
「愛しい兄上。これからもずっとずっと、一緒にいましょうね」
「ふぅ…ふぅ…っ♡」

そうしている間も、耳元で囁く愛の言葉と、『家族』として望まれる声が響く。
肉欲を孕んだそれとは違う、愛しさだけを含んだ甘い声が鼓膜を揺らし、脳に染みつく。同時に耳を擽る吐息に背筋が戦慄くが、目元や頬に落ちる唇は優しくて、快楽と喜びがぐちゃ混ぜになっていく。

───このままでは、まずい。

脳の奥で警戒音が鳴り響くが、それを止める為にやめてほしい行為は止まらない。
焦る気持ちが大きくなっていくも、その焦燥も、少しずつ少しずつ、溶かされていった。

「ああ…またおちんぽからいやらしいミルクを垂らして…」
「んっ!んん…!♡」
「乳首カリカリされて気持ち良くなっちゃいましたね。おちんぽの先っぽの穴がヒクヒクして…ほらまた、やらしいミルクがとろぉって溢れましたよ♡」
「んぅぅっ!♡」
「ふふ…見えなくても、兄上も分かるでしょう?おちんぽからえっちな涎がとろとろ零れて、ピンクの可愛い亀頭がびちょびちょになっているのが…」
「ふぅっ…ふぅぅ…っ♡」

…実際、アデルの言葉の通りなので、口を塞がれていなくても何も言えなかっただろう。
全身を撫でるアデルとジュリィの手と唇だが、唯一、ペニスにはただの一度も触れていなかった。
それでも延々と続くもどかしく擽ったい愛撫と、乳首を弾き、捏ねくり回し、時たま舐められる終わらない気持ち良さに、気づけばペニスは勃起していた。
固く屹立し、肌を撫でられるたび、ピクンピクンと揺れるペニスからは、精液の混じった先走りがタラタラと零れる。

「涎タラタラ垂らして、可愛いおちんぽだね♡」
「ふぅ…ふぅ…♡」
「さぁ兄上、乳首コリコリしましょうね」
「んっ!?♡んんんっ!♡♡」
「スケベ乳首イジメられて、嬉しいですね」
「可愛い…可愛いね、兄様。大好きだよ」
「うっ!んうぅぅっ!♡♡」

再び始まった乳首への愛撫と同時に、穴をほじるようにジュリィの舌が耳を舐り、ゾクゾクとした疼きに腰が跳ねた。
唾液にまみれた柔らかく熱い舌に、ちゅくちゅく♡と耳を舐められ、擽ったさと快楽に全身が引き攣る。

「んぐぅ!んぅぅっ!♡♡」
「はぁ…♡ふふ、お耳くちゅくちゅ気持ち良いね♡」
「スケベ乳首もカリカリしましょうね?」
「…っ!?♡♡ん"ん"んっ!♡♡」
「あ、またおちんぽ揺れた♡乳首もお耳も、気持ち良くて幸せだね、兄様」
「くふっ…♡んうぅっ!♡♡」
「体中、ぜーんぶ気持ち良くて嬉しいね?嬉しい、嬉しい、気持ちいいの嬉しいって…やらしいこと大好きって、おちんぽが泣いてるよ?」
「可愛いですよ、兄上。ああ、本当に美味しそうな乳首…♡」
「ふっ、ふっ♡…んうぅっ!♡♡」

コリコリ、カリカリと指先で弄られていた乳首に吐息が掛かれば、次の瞬間には滑った舌にねっとりと舐め上げられていた。

「…っ!!♡♡」

途端に脳内で細い糸がプツンと切れるような快楽が走り、背がのけ反った。

「んぉ…おぉぉぉっ…!!♡♡♡」

ぬるり、ぬるりと、ゆっくりと動く舌に乳首を転がされ、声が止められない。同時に反対側の乳首は、ジュリィの指の先でカリカリと弾かれ、腰が揺れ動いた。

「んうぅっ!♡♡んんん~~~っ!♡♡♡」
「雌乳首弄ってもらえて嬉しいね。えっちな雌乳首、くりゅくりゅカリカリされて気持ち良い?」
「ふぅぅっ…!♡♡んんぅっ♡♡」

クリクリと指先で転がされ、くちゅくちゅと厚い舌の上で転がされる胸の粒が信じられないほど気持ち良くて、甘ったるい息が鼻から抜けた。

「イく?乳首でイッちゃうの?」
「んっ!♡♡んんっ!♡♡」

延々と続いていた愛撫で高められていた熱。緩やかに続いていた快楽は放出されることを望んでいて、ようやく訪れた強い刺激に、無意識の内にコクコクと頷いていた。

(イク…!イッちゃ…!)

胸への愛撫で達することへの抵抗感はあった。それでも気持ち良いという気持ちに抗えず、快感に身を任せようとしたのだが───…

「…ッ!?」

あとほんの少し、ほんの少しの刺激で達せそうな瞬間、乳首を舐め回していた熱い舌も、いやらしく捏ね回していた指先も、パッと離れてしまった。

「うぐっ…、うぅー…っ!」

達する直前に放り出された体は、絶頂間際の余韻に身悶え、ガチャガチャと拘束具を鳴らした。

「ふふ、えっちな雌乳首、イケなかったね?」
「んぅ…!」
「もう少しでとっても気持ち良くなれたのに…乳首イキお預けされて、切ないですね?兄上」
「んっ!♡ふぅぅっ!♡」

まだ余韻の残る乳輪を、アデルの指先がなぞるようにくるりくるりと撫でるも、勃起した乳首には直接触れないもどかしさと、ゾワゾワとした乳輪への愛撫に、また静かに熱が溜まっていくのが分かった。

(やだ…嫌だ!これヤダ…!)

常時発情しているような肉体を遊ぶ指先に、フルフルと首を振った。
「やめてくれ」と訴えるも、その願いは通じず、再び肌をサワサワと撫で、言葉で耳を嬲り、脳を犯す責め苦が始まった。

「んん…っ、んぅぅ…!」
「さぁ、もっともっと、なんにも考えられなくなるくらい、気持ち良くなりましょうね、兄上」
「兄様がえっちなこと大好きになるように、体にいっぱい教えてあげるからね?」
「…っ、んんんっ!」

絶望を宣言するようなアデルとジュリィだが、その声は歌うように穏やかだった。
そこにある情愛に、悲しくもないのに涙が溢れ、脳の奥でまたプツリと、細い糸が切れた音がした。



気を失う前は散々イかされ、何度も絶頂を迎え、メスイキを仕込まれて、「イキたくない」と必死に懇願してようやくイキ地獄から抜け出せたのが、今度はその真逆だった。
焦ったいほどの優しい愛撫が延々と続き、気持ち良くて堪らないところまで熱が押し上げられると、それまで触れられなかった乳首を突然刺激され、体が跳ねるほどの快感が襲う。
常時勃起しっぱなしの乳首を、指先で捏ねくり回され、舌先で舐められ、それまでのもどかしさが嘘のような強い快感に一気に絶頂の波が押し寄せるも、達する寸前で唇も手もパッと離れていく。
イク寸前でおあずけを食らった体は悶え、昂っていた熱は中途半端なところで放り出され、脳は「イキたい」と馬鹿みたいに信号を発した。

そうして熱が少しずつ治まり始めると、また肌を擽るだけの愛撫が続き、上がり切ったところで乳首を虐められる───そんな地獄のループを何十回も繰り返した。
抵抗しようにも拘束された腕は無防備に晒した肌を守ることも出来ず、自身の手で慰めることも叶わない。
塞がれた口では「もうやめて」と懇願することも「イかせて」と強請ることも許されない。
それと同時に、性感帯となった耳たぶや耳の穴まで舐め回され、時には卑猥に、時には愛を紡ぎながら、「一緒に暮らそう」「側にいて」「私達を捨てないで」と乞い願う言葉に聴覚を犯され、頭も身体もおかしくなってしまいそうだった。

イキたいのにイけない。
イキたいと言いたいのに言わせてすらもらえない。

過ぎた快感はただの毒でしか無く、卑猥に濡れたフラストレーションは脳を犯し、体をただの淫靡な塊へと変えていく。

(お願い、お願い、お願い!!もうイかせて!!)
(もっと乳首いじめて!!イクまでずっといじめて!!)
(イキたい!!もうイキたい!!なんでもいいからイキたい…!!)

声に出せないと分かっている分、余裕の無い思考は壊れたように欲望を唱え、欲求に対して忠実に声にならない言葉を吐いた。
視力を奪われ、他の五感が敏感になっている中、極限まで高められた絶頂欲求と、もどかしくも優しい愛撫を交互に与えられながら、聴覚から得る音と言葉は全身を蝕んでいく。

「乳首イキたい?乳首でメスイキしたいの?」
「兄上、大切な私の兄上。もうどこへも行かないで…私達を置いていかないで下さい」
「えっちな兄様、大好きだよ。もっともっと、スケベになろうね?」
「乳首コリコリしてほしいですか?それとも、おちんぽくちゅくちゅしてほしいですか?」
「兄様、大好き。大好きだよ。お願い、僕達とまた家族になって、一緒に暮らそう?」
「ああ…息が荒くなってきましたね。そろそろ乳首をいじめて差し上げますね。イク寸前まで、気持ち良くなって下さいね?」
「ふふ、おちんぽがピクンピクンて跳ねてる…期待しちゃったね?乳首いじめられるの想像して、悦んじゃったね?」
「乳首イキを強請るいやらしい雌になって下さって、本当に嬉しいです。ふふ…こんな体では、もうお婿には行けませんね」
「おちんぽも嬉しいって、先っぽからえっちな涙ずーっと零してるね。…ねぇ、兄様は僕達のお嫁さんになるんだよ?誰にも渡さない。兄様で、奥さんで、家族になるの。素敵でしょう?兄様」
「毎日毎日、いやらしい体を愛でて差し上げますからね。…これから先も、ずっと一緒ですよ。愛しい兄上」
「大好きだよ、兄様。もうどこへも行かないで、ずっと一緒にいて?」

卑猥な言葉に混じる懇願と、ひたすらに自身を望む声に、脳みそがぐずぐずに溶け出すのは時間の問題だった。
上げては下がる熱と、どこまでも続くような気持ち良さに、次第に意識は朦朧とし始め、判断力は鈍っていく。

「ふぅーっ…♡ふぅー…っ♡♡」

体の内側に籠った熱で、全身からは大量の汗が吹き出し、脳が揺れた。
イキたいのにイけない苦しさと、それでも終わらない責め苦に、瞳の端から涙が溢れ、一度も触られていないペニスからは、精液の混じったカウパーがとろとろと零れる。
このままでは乾涸びてしまう…そんな危機感がうっすらと脳裏を掠めた時、またも乳首を強く刺激され、猿轡を噛み締めた。

「んぉっ!?♡♡んんんっ!♡♡」

焦らされるたびに感度が上がり、痛いほどに充血した乳首は、僅かな刺激にもビリビリとした電撃のような快感が走り、ぶわりと涙が溢れた。
そんな刺激もほんの一瞬で、すぐに離れてしまった指先に、いよいよ耐え切れなくなった四肢が暴れた。

イキたい!イキたい!怖い!苦しい!もう嫌だ!もっとして!もうやめて!もっと!もっと!嫌だ!イキたい!イキたい!イキたい───ッ!!

ぐちゃぐちゃに絡まった思考は本当に頭がおかしくなりそうで、その恐怖から逃げるように、頭をブンブンと大きく振り回した。

「うん"んっ!んうぅぅっ!!」

イかせて、イかせて、イかせて───イキたい。
楽になりたいという欲に思考を奪われ、手足がブルブルと震える。体力も精神も我慢も、限界などとうに超えていた。
ガチャガチャと拘束具を鳴らし、奪われた声で必死に懇願すれば、そっと頬を撫でられる感触がした。

「ふぅー…っ、ふぅ…っ、うぅ…!」
「…兄上、イキたいですか?」
「っ…!う、うぅ!」

問われた言葉に、恥も躊躇いも無くコクコクと頷けば、唐突に目元を覆っていた目隠しを外された。

「っ…!?」

突然のことに驚き、急に明るくなった視界に目を細めるも、随分と久方ぶりに感じるアデルとジュリィの顔を見て、ホッとしている自分がいた。
猿轡も外され、自身の唾液でぐっしょりと濡れそぼった布からは、垂れた涎がどろりと糸を引いた。

「っ…!ぁ…はぁっ、はぁ…っ、ぁ…や…イキた…!もうイキたい…!!」

ようやく戻ってきた五感の開放感から、口からは溜まりに溜まっていた欲望が漏れ出し、目尻からはボロボロと涙が流れた。

「お願い!もうイかせて!イキたい…!乳首イキたいぃ…っ!!」

未だに渦巻く体内の熱。それを早く放出したくて、こちらを見つめるアデルとジュリィを見つめ返せば、一瞬だけ驚いたように目を見開いた2人の瞳が、にっこりと弧を描いた。

「…そう、兄様は乳首でイキたいんだね?」
「ふふ、乳首イキをおねだりだなんて、兄上はなんて可愛くていやらしいのでしょう」
「…ッ!」

瞬間、自分の発した言葉に、顔に火が点いたほどの羞恥に襲われたが、理性を放棄した脳がなにより最初に求めた刺激は紛れもなく本心で───自分の体がどれほど調教され変えられてしまったのか、嫌になるほど実感しながら、欲望に負けた理性は、ゆっくりと首を縦に動かした。

「……ぃ、イク…イキたい…!乳首で、イキたいから…、もっと…、イクまで弄って…!」

言葉にした瞬間、壊れかけだった枷が、軋む音を立てて外れた。
弟相手に甘い声で縋り、乳首で達することを強請る行為に、羞恥と絶望が混じり合い、別の涙が瞳からは溢れたが、それらの雫は全てアデルとジュリィの唇に吸われ、舌で舐め取られた。

「ああ、本当に…なんていやらしくて可愛らしいんでしょう♡」
「乳首イキのおねだりなんて、最高にスケベで可愛いよ、兄様♡…安心してね、今からいっぱいいっぱい、イキ過ぎて雄っぱいが雌化して、お乳が出ちゃうくらいイかせてあげるね?」
「…っ!♡」
「ふふ、連続メスイキを想像して、期待しましたね?乳首がビンビンに勃起して『早く苛めて』って、弄られ待機してますよ?」
「やっ♡あ…、やぁ…っ」

ぷっくりと膨れた乳輪をくるりくるりと円を描くように撫でられ、固くなった乳首を掠めるようなもどかしい動きに、我慢できなくなった体は勝手にくねくねと動き、欲望が漏れた。

「嫌だ!いや…っ、焦らさないで…!もうやだ…!お願い!乳首苛めて…!!♡」

みっともないほど泣きながら懇願すれば、アデルとジュリィの顔が胸元に寄った。それだけで次に来る刺激を想像し、股が濡れた。

「はっ…♡はぁ…っ♡」
「我慢した分、たくさん気持ち良くなって下さいね?」
「兄様のいやらしい雌乳首、いっぱいクチュクチュしてあげるね?」
「は…ぁ、…して…♡いっぱい…して…ぇっ、あぁあぁっ!!♡♡」

自分の口から強請る言葉が出た自覚すら無い。
ただ焦らされ続けた体は解放を望み、胸を突き出すように背を反らせば、両の乳首にアデルとジュリィが噛みつくようにしゃぶりついた。

───ちゅぷちゅぷ♡くちゅくちゅ♡ヂュゥゥゥッ♡

「ひ…っ!!♡♡♡いあ"あぁ"ぁぁっっ!!♡♡♡」

焦らされ、焦らされ、イキたくて堪らない欲を我慢して我慢して我慢して、ようやく訪れた強い刺激に、瞬間的に跳ね上がった快感は、呆気ないほど簡単に弾けた。

「あぁあぁぁっ!!♡♡♡イク、イク、イきゅ…ッッ!!♡♡♡」

イキ続けている乳首を容赦なく舐られ、舌の上で弾くように転がされ、絶頂の波が下りてこない。
脳の神経がプツプツと焼き切れるような快楽に、四肢は震え、拘束具がガチャガチャとうるさい音を立てた。

「あぁぁぁっ!!♡♡♡イグ…ッ!イ、ぐぅ…ッ!!♡♡♡」

連続で絶頂し続け、どこが波の頂点かも分からない中、ペニスからはダラダラと蜜が垂れ、漏らしているようなその感覚さえ気持ち良くて、熱は引くどころか高まるばかりだった。
唾液でドロドロになった熱い舌が、乳輪ごと乳首を捏ねくり回し、吸い付き、舌先でチロチロと転がす。調教されきった乳首は、ただただ気持ち良いと更に固くなり、2人の口の中で遊んでもらうだけのいやらしい玩具に成り果てていた。

「イク…ッ!!♡♡♡イぅ…ッ、あぁぁぁっ!♡♡♡もうやめでぇっ!♡♡イクの止まんないからやめれぇえっ!!♡♡♡」

叫ぶように声を張り上げるも、2人の唇が離れることは無く、過ぎた愛撫が止まることは無かった。




「はぁー…っ♡はぁーっ、ぁ…っ♡♡」

どれほど時間が経ったか、チュポッ♡という音と共に左右の乳首が解放された頃には息も絶え絶えで、ピクピクと体が僅かに跳ねる以上に反応することもできなくなっていた。

「…ぁ…っ、あ……や…♡」

朦朧とする意識の中、未だに舌先でゆっくりと乳首を舐められる感覚に、反射的に視線を下げてしまい、即座に後悔する。
ぷっくりと膨れた乳輪と乳首は、信じられないほど腫れ、真っ赤に充血していた。一目で勃起しているのが分かる大きな粒を、アデルとジュリィが「美味しい」と言わんばかりの表情でねっとりと舐め上げる───そのあまりにも卑猥な光景に、体はそれだけで甘イキしてしまった。

「ひ、ん…♡」
「ふふ、可愛いね♡スケベ乳首でいーっぱい雌イキしたね♡」
「本当に、なんて可愛らしいんでしょう♡お顔をこんなに蕩けさせて…♡」
「はぁ…は…、んむ…♡」

半開きのまま、涎の垂れる唇にアデルの唇が重なり、口の中を舌が犯す。キスをされることへの抵抗感は既に消滅し、ただこの舌がつい今ほどまで、自分の乳首を舐めしゃぶっていたのだという事実に、羞恥が募るだけだった。
アデルの口づけが終わると、ジュリィから口移しで水を飲まされ、一口飲み終わるとそのまま濃厚な口づけを受ける…唇が離れていった頃には意識は朦朧とし、ぼんやりと2人の顔を見つめることしかできなかった。

「はぁ……はぁ……♡」
「乳首、気持ち良かったね?」
「ふ…」
「兄上、乳首気持ち良くなかったですか?」
「あっ…♡きもち…っ、気持ちひぃ…♡」

勃起した乳頭をクリクリと転がされ、簡単に腰が疼く。調教されきった脳と体は、それだけでアデルの問いに答えなければと、反射的に言葉を返していた。

「気持ちいぃ…っ♡」
「ふふ、かぁわい♡」
「上手に言えましたね。良い子ですよ」
「ん…」

チュッ、チュッと頬や目元に唇が落ち、その心地良さに瞼が落ちそうになる───が、それが許されるはずも無く、股の間にアデルが移動した。

「ふふ、勃起しないまま、おちんぽミルクだらだら零して…♡なんて可愛らしい雌ちんぽなんでしょう♡」
「あ…、んぁ…♡」

ふにゃりと寝たままのペニスに、アデルが口づける。恥ずかしくて堪らないはずなのに、頭はもう溶け切っていて、垂れた淫液を舐め取られても、もうまともに反応することすらできなくなっていた。

「はぁ……ぁ…♡」
「トロトロになってしまいましたね。…乳首イキのおねだりもできましたし、こちらでも上手におねだりできるようになりましょうね?」

そう言って、手の平サイズの小箱から取り出されたのは、薄ピンク色をした謎の球体だった。大粒の苺ほどの大きさのそれをアデルが指先で摘み、自分にも見えるように掲げた。

「…なに…?」
「兄上のおまんこを気持ち良くしてくれるものですよ」
「…え?」

言い終わると同時に自身の愛液で濡れそぼったアナルに、ピンクの球体が押し込められた。

「はっ……あ、ぐぅ…っ」

突然の圧迫感に息が詰まるも、柔らかく解れきった肉孔は難なく異物を飲み込んだ。

「な、なに…?やだ…っ、取って…!」
「大丈夫ですから、怯えないで下さい」
「ひっ…!」

次いでぬぷぷ…と入り込んだ異物に、背筋が震えた。柔らかなそれは、恐らくスライムだろう。ゆっくりと腸内を進んだそれが、先に入っていた球体をより奥へ奥へと追いやった。ググッと腹の底を押し上げるような感覚に腰が逃げるも、それで逃げられるはずもなく、指の届かない箇所まで無理やり広げられる感覚に恐怖が募った。

「嫌っ…!やだ…、嫌だぁ…!」
「兄様、大丈夫だから、ね?怖くないから、泣かないで」
「うぅ…っ」

ジュリィに頭を抱き抱えるように抱き締められ、額や頭部に唇が落ちる。その温もりに一瞬気が緩むも、それと同時に腸内に入った球体が腹の奥にグッと押し付けられ、背が仰け反った。

「ひっ…うぅ…!」

腹の底、まるでそこが行き止まりであるかのように、腸の壁に押し付けられた球体。押し込む為に挿入されたであろうスライムの存在で、押し出すことも出来ず、得体の知れない何かが体内に留まっている苦しさに吐く息は震えた。
そうしている内にアデルが股の間から移動し、傍らに移動すると、にこりと微笑んだ。

「昨夜の気持ち良くなれる薬を覚えていますか?アレと同じ成分で作った結晶体です」
「…え…?」

信じられない言葉に、火照っていた体から急速に血の気が引くも、それに気づいたのだろうアデルが、フルリと首を横に振った。

「液体ほどの効果はありませんから、ご安心下さい。体温で溶けたりもしません。結晶の表面から僅かに媚薬成分が摂取できる程度です。…そんなに怯えないで下さい」

あやすように頬に口づけを受けるも、安心できる要素など無い。どれだけ微量だろうが、媚薬であることに変わりはないのだ。抗議するように手足を動かすも、拘束具が虚しく鳴くだけだった。

「や…やだ…!取って!取っ…んぐっ!?」
「ごめんね、兄様。もう一度、お口塞ぐね」
「んんっ!!んんーっ!!」

再び咬まされた猿轡に、ヒュッと心臓が竦み上がった。

(嫌だ…!!これじゃ、さっきと…っ!)

この状態は知っている。
散々弄られ、極限まで感度を高められ、自ら強請るまで焦らされ、ようやく与えられた刺激に悦びを得た胸の粒───たった今、脳が溶けてしまいそうなほどの快楽から解放されたばかりの体は、嫌でも直前までの焦らされ続けた地獄を思い出し、カタカタと震えた。

(まって…!待ってくれ…!!もう無理だ!!)

───もう、耐えられない。
肉体も、精神も、既に限界をとうに超えていた。
その上で、今からアレと同じ体験をもう一度味わうなど、これ以上耐えることなど、できるはずが無かった。

「うぅ…っ!!ううぅ!!」

無駄だと分かっていても、塞がれた口からは言葉にならない声が漏れた。

(もうやめてくれ…!もう…2人の好きにしていいから…っ!!)

肉体的な繋がりを欲しているのなら、いくら犯してくれても構わない───そう思ってしまうほどに、すべてが疲弊しきっていた。

「うぅぅ…っ!」
「ああ、兄上…どうか泣かないで下さい。…これで最後ですから」

目尻から零れた涙を啜るように、アデルの唇が目元に触れた。

「怖くないように、ギュッてしててあげる。大丈夫だからね、兄様」
「ふ…ぅ…」

その言葉通り、ジュリィの細い腕が腰を抱き寄せ、柔らかな髪が頬を擽った。
いけないと分かっていても、絡む体温はどこまでも心地良く、溶け出した愛しさにまた涙が溢れた。

(……もう、無理だ…)

きっと、分かっていた。
こうなってしまった瞬間から、もう逃げられないと、分かっていた。
それでも許されないことだと、拒絶し、必死に虚勢を張っていたのだと、心底理解してしまった───瞬間、自分の中に僅かに残っていた大事な何かが、小さな音を立て、ボロボロと崩れ落ちた気がした。


───
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