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序章
異世界への転生
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幼い頃から魔法に憧れていた。
本やテレビに出てくる魔法使いはみんなキラキラしていて、そんな魔法使いは俺の憧れでもあった。
そりゃ、魔法は使えないなど、使えないなりに、本とかみて見よう見まねで練習だってしていた。まあ、高校三年生の今まで魔法なんて一回たりとも使えたことは無かったが。
ひたすらバイトをしては、古本屋をまわって、本を見つけては本物だと思って家に持ち帰り、いくら練習しても当然のように魔法は使うことができず、ガッカリしているという生活を繰り返してきた。
最近になって、魔法が使えないことは薄々気づきはじめたがそれだと、今まで自分が無意味なことに熱を注いでいたみたいで、悔しくなる。
ある日の夏、何時ものように蝉は鳴き夏が訪れたことを何となく感じ始めたころのことだ。時期が時期で進路とか就職やらと同級生が忙しいときではあったが、俺はそんなことは気にせずに日課の古本屋巡りをしていた。
古本屋に入っては本の山を見つけて、それらしい本を見つけ中身をちらりと見たが、目星本が見つけることができず、しぶしぶ古本屋から撤退した。
何回か古本屋に入っては、探してを繰り返していくにつれて日は段々と落ちていき、夕暮れに変わっていく。今日も収穫無しかと帰ろうとしたとき、ふと、近くの神社でフリーマーケットをしていることを思い出した。
そう遠くない神社なので、フリーマーケットが終わる時間までには、ギリギリ見たい店はいくつかは見れる。手持ちも本を入れるカバンが一つ肩から吊り下げてるだけで重い物は一つも持っていなかったので、なるべく長い時間見られるように、急ぎ足で神社に近づいて行く。
フリーマーケットの着くと、大半の物は売れたおかげなのか買う人は殆どおらず、店をたたみ始めた店も何個かあったが、まだやっている店を見ては奥へ奥へと進んでいく。
フリマとは関係無しに神社側が用意したであろう、イチゴやブドウといった飴や、ベビーカステラといった飲食店の数々が辺りに独特の匂いがしているのを感じつつ、食べたい所動を押さえつつ、本は無いかと見て回る。
何軒かを後にし、奥へ奥へと進んでいるといつの間にかまわりには店が段々と少なくなっていた。要するに端の方へと来てしまったようだ。
今から元の道に戻るにはかなりの時間がかかりそうだなと思い、参ったなぁと考えていたが素直に家に帰るかと身体を帰り道に向けようとすると、一つの店がやっていることに気づいた。
「やあ、いらっしゃい」
その店の方に進んでいくと自分よりは少し年上のお兄さんに声をかけられた。無視する訳にもいかずに「こんばんは」と言いながら近づくと本を売っていることに気づいた。どんな本が売っているのが眺めようと思い見ようとすると
「本に興味があるのかい?」
店のお兄さんが声をかけてきた。
さすがに、魔法を使いたいから本を探しているなんて、ストレートには言えないな、と思い少しぼやかしながら伝える。
「はい、古本屋などを巡って珍しい本をよく探しています」
「へぇー、若いのにいい趣味してるねぇ」
この人も自分よりは年が上だが、それこそ十歳上かどうかなのにかなり大人びている口調をしていると感じられた。
「本はいいよねぇ、自分に合った小説とか文章を見ると、まるで……」言葉を止めて少し考えた後に「魔法を使われて夢を見ている気分だよ」と少しくさい台詞を考えていたようだ。
でも、自分はなぜかこの人と話してたいと、思ってしまった。だから、どんな本が売っているか聞いてみることにした。
「ここではどんな本が売られているのですか?」
「ここかい? ここではね、子ども達が好きそうな本を置いているね。例えばほら、こんな絵本とかね」
商品を見ると名の知れた有名な絵本など、子どもたちにも人気な本が置かれていることに気づいた。その中で一冊の本を見つける。
その本は、他の本とは違い古い皮の表紙をしている。
「この本は?」
絵本の中に他とは異質な本が置いてある、それだけでも興味が沸いてしまった。
「あー、それねぇ」
少々歯切れの悪い言い方をしているとこに、自分の好奇心がどんどんと高ぶっていく。中身を読みたくてたまらなくなっている。だから相手の返事も待たずに「中身を見ても良いですか?」と聞くと「見ても良いけど……後悔しないでね?」と返してくるだけだった。
本を少し立ち読みするだけで後悔ってなんだろうか、むしろ興味がわくというか何というか。
「え、あ。はい」
返事をした後に本を手にとって触ってみると、今までも皮の表紙の本を手にとって見たことがあるが、今まで自分が触ったことのある皮の本とは違った感覚を感じさせられる。
表紙を捲ると、本の中には自分が見慣れない言語で書かれている。
捲っても捲っても、何が書かれているかよく分からなかったが、しばらく目で文章を追っていくと他のページとは色の違うページをめくった。
そのページの文章を読めはしないが上から下まで目を通すと、突然と本は輝き辺りを包むように光は広がっていく。
「え、えぇ。なんだこれ、本が急に?」
急に光った本、その持ち主であるお店の人を見ると。
「あはは。ごめんね、頑張ってねぇ」
満面の笑みでこちらの顔を見つめていた。
ここまでが鮮明に俺が覚えていた記憶。
その後の記憶は、知らないメイド服の女性に抱きかかえられ、俺はその女性を見上げている。
「奥様、産まれましたよ! 元気な男の子です」と声と聞こえた。
この時俺は、現実では無いと願うばかりだった。
本やテレビに出てくる魔法使いはみんなキラキラしていて、そんな魔法使いは俺の憧れでもあった。
そりゃ、魔法は使えないなど、使えないなりに、本とかみて見よう見まねで練習だってしていた。まあ、高校三年生の今まで魔法なんて一回たりとも使えたことは無かったが。
ひたすらバイトをしては、古本屋をまわって、本を見つけては本物だと思って家に持ち帰り、いくら練習しても当然のように魔法は使うことができず、ガッカリしているという生活を繰り返してきた。
最近になって、魔法が使えないことは薄々気づきはじめたがそれだと、今まで自分が無意味なことに熱を注いでいたみたいで、悔しくなる。
ある日の夏、何時ものように蝉は鳴き夏が訪れたことを何となく感じ始めたころのことだ。時期が時期で進路とか就職やらと同級生が忙しいときではあったが、俺はそんなことは気にせずに日課の古本屋巡りをしていた。
古本屋に入っては本の山を見つけて、それらしい本を見つけ中身をちらりと見たが、目星本が見つけることができず、しぶしぶ古本屋から撤退した。
何回か古本屋に入っては、探してを繰り返していくにつれて日は段々と落ちていき、夕暮れに変わっていく。今日も収穫無しかと帰ろうとしたとき、ふと、近くの神社でフリーマーケットをしていることを思い出した。
そう遠くない神社なので、フリーマーケットが終わる時間までには、ギリギリ見たい店はいくつかは見れる。手持ちも本を入れるカバンが一つ肩から吊り下げてるだけで重い物は一つも持っていなかったので、なるべく長い時間見られるように、急ぎ足で神社に近づいて行く。
フリーマーケットの着くと、大半の物は売れたおかげなのか買う人は殆どおらず、店をたたみ始めた店も何個かあったが、まだやっている店を見ては奥へ奥へと進んでいく。
フリマとは関係無しに神社側が用意したであろう、イチゴやブドウといった飴や、ベビーカステラといった飲食店の数々が辺りに独特の匂いがしているのを感じつつ、食べたい所動を押さえつつ、本は無いかと見て回る。
何軒かを後にし、奥へ奥へと進んでいるといつの間にかまわりには店が段々と少なくなっていた。要するに端の方へと来てしまったようだ。
今から元の道に戻るにはかなりの時間がかかりそうだなと思い、参ったなぁと考えていたが素直に家に帰るかと身体を帰り道に向けようとすると、一つの店がやっていることに気づいた。
「やあ、いらっしゃい」
その店の方に進んでいくと自分よりは少し年上のお兄さんに声をかけられた。無視する訳にもいかずに「こんばんは」と言いながら近づくと本を売っていることに気づいた。どんな本が売っているのが眺めようと思い見ようとすると
「本に興味があるのかい?」
店のお兄さんが声をかけてきた。
さすがに、魔法を使いたいから本を探しているなんて、ストレートには言えないな、と思い少しぼやかしながら伝える。
「はい、古本屋などを巡って珍しい本をよく探しています」
「へぇー、若いのにいい趣味してるねぇ」
この人も自分よりは年が上だが、それこそ十歳上かどうかなのにかなり大人びている口調をしていると感じられた。
「本はいいよねぇ、自分に合った小説とか文章を見ると、まるで……」言葉を止めて少し考えた後に「魔法を使われて夢を見ている気分だよ」と少しくさい台詞を考えていたようだ。
でも、自分はなぜかこの人と話してたいと、思ってしまった。だから、どんな本が売っているか聞いてみることにした。
「ここではどんな本が売られているのですか?」
「ここかい? ここではね、子ども達が好きそうな本を置いているね。例えばほら、こんな絵本とかね」
商品を見ると名の知れた有名な絵本など、子どもたちにも人気な本が置かれていることに気づいた。その中で一冊の本を見つける。
その本は、他の本とは違い古い皮の表紙をしている。
「この本は?」
絵本の中に他とは異質な本が置いてある、それだけでも興味が沸いてしまった。
「あー、それねぇ」
少々歯切れの悪い言い方をしているとこに、自分の好奇心がどんどんと高ぶっていく。中身を読みたくてたまらなくなっている。だから相手の返事も待たずに「中身を見ても良いですか?」と聞くと「見ても良いけど……後悔しないでね?」と返してくるだけだった。
本を少し立ち読みするだけで後悔ってなんだろうか、むしろ興味がわくというか何というか。
「え、あ。はい」
返事をした後に本を手にとって触ってみると、今までも皮の表紙の本を手にとって見たことがあるが、今まで自分が触ったことのある皮の本とは違った感覚を感じさせられる。
表紙を捲ると、本の中には自分が見慣れない言語で書かれている。
捲っても捲っても、何が書かれているかよく分からなかったが、しばらく目で文章を追っていくと他のページとは色の違うページをめくった。
そのページの文章を読めはしないが上から下まで目を通すと、突然と本は輝き辺りを包むように光は広がっていく。
「え、えぇ。なんだこれ、本が急に?」
急に光った本、その持ち主であるお店の人を見ると。
「あはは。ごめんね、頑張ってねぇ」
満面の笑みでこちらの顔を見つめていた。
ここまでが鮮明に俺が覚えていた記憶。
その後の記憶は、知らないメイド服の女性に抱きかかえられ、俺はその女性を見上げている。
「奥様、産まれましたよ! 元気な男の子です」と声と聞こえた。
この時俺は、現実では無いと願うばかりだった。
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