【完結】理想の美女7人に愛される生活。ベーシックインカムで儲けた「カセイダード王国」に移住して正解でした。

サアロフィア

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第2章 女神さまの慈悲 スリーカー(1回限定)

009 3日目 結果通知と事後処理

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アリムさんは無事に復活し、アリムさんとオルアとの仲も結果的には強固になった。

それはもちろん喜ばしいが、司会(中路真々美)は目の前の課題に頭を痛めていた。



繰り返すが、司会(中路真々美)は司会というよりは、総司令というか総責任者の立ち位置である。

そして、部下の実力を発揮させることが非常に上手かった。
だから、本件を任された。 本件とはもちろん、カセイダードへの移民を集めることである。

しかし、WEBページに応募した合計200名(アリムさんを除けば、199名)が期待外れだった。
応募者の内訳は、女性84名、男性116名(アリムさんを除けば、115名)であった。

42名が一次試験合格者として発表された。
「第一章 004 運営側の話し合い、クラスターとは」 参照のこと。

その42名は男性だけであった。
なぜなら、応募した女性たちは、周囲の男性を頼れば良いと甘えたことを考えて、研修を真剣に聞いていなかった。
ぬきうち理解度テストで、聞いていないこと(または記憶しなかったこと)が証明された。

光元国にも能力に優れた女性は多いはずだが、応募しなかったようだ。

司会(中路真々美):
「まあ、優秀な女性は地位と収入があるから、応募しないだろうな。
それでも、セクハラやパワハラを受けて、心身を病んで、引きこもった人たちが
応募してくれる可能性に期待していた。
優秀であるがゆえに、『出る杭は打たれる』という目に合った女性が応募すると
と見込んでいた。 アリムさんのように・・・(男性だが、つい比較してしまう。)」

事態に追い打ちを掛けるように、一次試験合格者の面接を担当した2人組は、予想外のダメージを受けていた。

面接: 
「会話履歴が汚すぎます。 ここまで裏表がある人間がいると知ると人間不信になります。」
「第一章 007 治療と若返りの薬」 参照のこと。

針金でも輪ゴムでも、元に戻るための限界がある。
針金を曲げると少しくらいなら、弾性で元に戻る。
輪ゴムを伸ばしても、ある程度までなら、復元力で元に戻る。
しかし、針金を曲げすぎると曲がったままになるし、輪ゴムは切れてしまう。

それと同じように、人間の心にも限界点がある。
それを理解しない上司という権力を持つ存在が、人材を破壊するか退職に追い込むことを理解していた。
だから、面接を担当した2人組に、3日間の有給休暇を取って回復してもらうことにした。

その結果、本来なら面接を担当した2人組が処理するはずだった「結果通知と事後処理」を代わってすることになった。

司会(中路真々美):
「急ぎの案件について、紙に書いて貼ってくれたことには感謝だな。

そして、応募者からすれば過去の言動がばれるとは夢にも思わないだろうな。
科学空想物語に出てくるような技術をカセイダード王国が所持しているとは、
絶対に思わないだろうからな。

応募者に対しては、オルアが言うように無難な定型文を送ることにしよう。
幸か不幸か筆記試験の成績が悪かったことを口実にしておこう。

それにしても、高校入試レベルの数学の点数が低いことが意外だった・・・」



○○様

 この度は、カセイダード王国の移民募集に応募いただき、誠にありがとうございました。
 筆記試験と面接の結果を総合的に判断して、今回は見送りいたします。
 あしからず、ご了承ください。

 なお、誠に恐縮ですが、宿泊された部屋に設置されたスマホやパソコンなどは、
部屋の指定位置に戻して頂くように、ご協力をお願いします。

 お時間を頂戴しますが、係員が室内を確認するときに、立ち合いお願いします。

 すでに、カセイダード王国の通貨に両替された場合は、室内確認後にお申し出ください。
 1Versilバーシル= 1まる光元国ひかりもとこく通貨つうか)で両替いたします。
 もちろん、手数料はいただきません。



司会(中路真々美):
「それにしても心配性だな。 移民の話が無しなら、移民後に支給予定の備品は置いていくだろう。 泥棒じゃあるまいし、行きがけの駄賃として持ち帰ることは無いはずだが。
それでも、せっかく引継ぎ書類に書いてくれたから、彼女らの顔とメンツを立てておこう。」

それと、船を出発地の港に着けてから、結果を伝えるようにと念押しがあったので、
細かいなと思いながらも、船長に船の進路を変更するように指示した。

カセイダード王国への帰国が遅れることの責任について不安がっていたので、
わたしの責任で遅れることを書面に一筆書き残した。

翌朝には光元国の港に着くだろう。



翌朝、一次試験合格者が朝食を済ませた後で、全員に伝えた。

司会(中路真々美):
「みなさん、朝食を終えられましたら、宿泊された部屋にお戻りください。
各部屋の机に、結果書類を置きました。
なお、残念ながら御縁を感じなかった人たちがいらっしゃいます。
筆記試験と面接という二次試験に合格された人も、ほかのひとに結果を
確認しあったりせずに、自室で待機お願いします。」

その後、宿泊設備担当者、備品管理者、警備員を連れて、各部屋を巡回した。



移民後に支給予定の備品を持ち帰ろうとする者が多くて、返却を求めることに
時間と労力を要した。

また、記念と称して、カセイダード王国の通貨を持ち帰りたいという希望があったが、
固くお断りし、光元国の通貨に両替した。

司会(中路真々美):
「面接担当者は良く予想しているな。休暇後の仕事量と負荷を5~10%ほど増やしてやろうと思っていたが、やめておこう。 おかげで助かった。 持つべきものは危機管理できる部下だな。」

なお、それでも、備品やカセイダード王国の通貨を持ちさろうとした者たちは、光元国の警察に引き渡した。

司会(中路真々美):
「このために、光元国の港に近づけてから不合格を告げろと書いてあったのだな。
本当に恐れ入った。 素晴らしい仲間を見つけた自身の目と鼻を自慢したくなった。」



医師(白石冬香)は、AIの判定結果について考えていた。

「既知の異常はありません。
データベース参照の結果、悪い効果は発生していないと、AIは判定しています。」

医師(白石冬香):
「『過ぎたるは及ばざるがごとし』というからねえ。
オルアがベルマイラで抑え込んだナニかについて、
今日の昼頃には聞けるかなあ?

それが片付いたら、アリムさんが圧に弱すぎることについて
オルアに知らせて、気の鍛錬を薦めよう。
オルアなら、上手く指導するでしょう。」

医師(白石冬香)は、元気があふれている気がしたので、先の予定の業務を処理することにした。
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