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第9章 海賊のふりをした敵からの襲撃
055 10日目 ナイトバインド4クローズ届け
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アリムの遺伝子治療の成果がでているようです。
色覚が正常になり、頭の回転=働きが良くなりました。
◇
10日目 PM 19:00
《2日に一度の会議: あり、
第2回襲撃予測日: 2日後の夜 PM20:00》
◇
アリムは、【正性知識 2000】を読み続けていた。
オルアがアリムの部屋にやってきた。
オルア
「アリム、真々美が晩御飯できたって。」
アリム
「ありがとう。 オルアといっしょにリビングに行くよ。」
オルア
「また、【正性知識 2000】を読んでいたの?」
アリム
「うん、たたかう力というか身を守る術を持つ一番早い方法だと思うからね。」
そう言いながら、アリムは 【正性知識 2000】を胸の前に現れた異空間に戻した。
筆者の注釈
「【正性知識 2000】は、女神様が「美女以上の女性」と「男の人以上の男性」が生と性をまもるために与えたものです。
他者にとられたり、汚したり、破られたりしないように、工夫されています。
ひとたび異空間収納すれば、脅したり、苦痛を与えたりしても、金品の様に奪うことができないように加護されています。」
オルア
「いま、どこまで習得したの?」
アリム
「600までだよ。 1200に到達する希望が見えてきたよ。」
オルア
「すごいわね。 でも、無理しないでね。」
オルア こころの声
『アリムが努力家だということは分かるけれど、習得ペースが速すぎる気がするわ。』
◇
オルアとアリムは、リビングに移動した。
食卓のテーブルには、2時の位置に真々美、10時の位置に冬香が座っていた。
8時の位置にオルア、4時の位置にアリムが座った。
オルア
「お待たせ。 真々美、冬香。」
アリム
「ありがとう。 真々美、冬香。」
真々美
「今晩のメニューは、ビーフシチューもどきだ。
わたしは、コトコトと長い時間をかけて煮込むことが嫌いでな。」
冬香
「美味しく食べられたら、それでいいわ。
タイムパフォーマンスを考えたら、効率が良いから問題無いわ。
アリム、夜更かししてまで進めたいことは、少しは進められたかな?」
アリム
「ありがとう、冬香。
進められたよ。
遺伝子治療の成果が出ているみたいだ。」
真々美
「アリムが感じる成果について、話してくれるか?」
アリム
「まず、なんと言っても色の違いが分かるようになったことが、うれしいよ。
真々美と冬香の髪の毛の色は同じだと思っていたからね。
ふたりともというか、3人とも違う色で、それぞれに美しい色だと見とれている。」
冬香
「赤緑色盲《red-green color blindness》が治ったということね。
効果が出て良かったわ。
ほかには感じたことはある?」
アリム
「頭の回転が速くなったというか、理解力が上がって賢くなった気がします。」
真々美
「アリムが夜更かししてまで進めていることはなにか聞いてもいいか?」
オルア
「たたかう力を持つために、【正性知識 2000】を読み進めているのよ。
もう600まで行ったって、早いよね。」
真々美
「たしかに早いな。」
冬香
「そうね、早いわね。
でも、アリム、無理だけはしないでね。
そんなにあせらなくても大丈夫だから。」
アリム
「うん、でもね。
どうしても必要になる気がするんだ。」
冬香
「アリムが予定時刻になっても目覚めないから、オルアが私の大事な【医療用AI】を破壊しそうになったのよ。
【流星かかと落とし】で。」
オルア
「冬香、ごめんなさい。
アリムには言わないで欲しかった。」
アリム
「オルア、心配かけてごめんね。
オルアの愛情の深さを感じて、うれしいよ。」
冬香
「愛情の深さで、わたしが今までの長い年月を掛けて鍛え上げた【医療用AI】を破壊されたら、たまらないわ。」
真々美
「アリム、というわけで、アリムのことは私たちにとっては他人事では無くなっているんだ。
だから、アリムの心身の健康を維持することを第一に考えてくれ。」
アリム
「うれしい言葉を、ありがとう。
もしかして、先ほどの冬香がボクを睨んでいた理由って、長い年月を掛けて鍛え上げた【医療用AI】が関係していますか?」
冬香
「そうよ。
しかも、それだけではなくて、オルアのことも考えてね。」
真々美
「オルアにとって、アリムはかけがえが無いひとだからな。
もちろん、冬香とわたしにとってもかけがえが無いひとだ。」
筆者の注釈
「かけがえが無いとは、欠けたときに替わりが無いという意味です。」
アリム
「じーん、うれしい言葉だ。 涙が出そうだよ。」
オルアはアリムの涙をくちびるで吸い取った。
オルア
「無理しないで、わたしたちに頼ってね。」
アリム
「うん、【正性知識 2000】を読み進めることも手伝ってくれると助かります。」
真々美、冬香、オルア
「「「 それは無理。 ほかのことなら、なんでも言ってね。 」」」
アリム
「はあい。」
筆者の注釈
「【正性知識 2000】を使用する訓練はできても、
【正性知識 2000】を習得する手伝いはできない。
という意味です。」
◇
真々美
「では、いただきます。」
冬香、オルア
「「いただきます。」」
アリム
「いただきます。」
オルア
「遅れたね。」
真々美
「そうだな。」
冬香
「アリム、わたしたちの流儀として、料理を作った人が「いただきます。」と号令を掛けるのよ。
そして、ほかの家族は同時に「いただきます。」と答えて、食事を開始するのよ。」
オルア
「初回だから仕方ないかもだけど、アリムが言うタイミングが遅れたことに、わたしたちへの遠慮というか距離感を感じて嫌なのよ。」
冬香
「という訳で、真々美、仕切り直して。」
真々美
「では、いただきます。」
冬香、オルア、アリム
「「「いただきます。」」」
真々美
「いい感じだ。」
アリム
「家族か。」
オルア
「どうしたの、アリム?
まさか、ほかの女性の家族になりたいのかな?
シュウピンさん? それとも、メラニィさん?」
オルアの笑顔がなんとなく怖い。
アリム
「もちろん、オルアの家族になりたい。
それが第一希望です。
同時に、真々美、冬香とも家族になれるなら、とてもうれしいです。
ただ、ね。」
オルア
「ただ、なあに?」
アリム
「10日前には夢にも思えなかった幸せだから、現実にいるのかどうか不安になって、幻覚を見せられているのかなと不安になりました。」
アリムの左隣にいるオルアがアリムを抱きしめた。
オルア
「この柔らかさを感じるかな?
現実感が湧いたかな?」
アリム
「うん、ありがとう。」
オルア
「じゃあ、お礼にキスして!」
アリム
「えっ? 真々美と冬香に見られてもいいの?」
オルア
「もちろんいいわ。
真々美と冬香に見守られる中でするキスは格別の味がすると思うわ。」
アリム
「では、あの、なんというか、いただきます。」
アリムがオルアにキスすると、オルアが抱きしめてきて、しばらく離さなかった。
真々美
「アリム、まだ実感がわかないなら、わたしもいるからな。」
冬香
「わたしもね。 というか、オルアだけとキスするのは、変というかズルいよね。
わたしたちともキスしましょうね。」
アリム
「はい、よろこんで。」
アリムは席を立ち上がって、真々美とキスをして抱きしめ合った。
それから、冬香ともキスをして抱きしめ合った。
◇
10日目 PM 19:30
冬香
「さてと、食休みを兼ねて歯を磨きましょうか? それと入浴もね。
お風呂に4人で入りたかったけれど、さすがに、せまくて厳しいので、2組に分かれましょう。
真々美とわたし。
そして、オルアとアリムの組み合わせでいいわね。」
オルア
「うん。 賛成。」
冬香
「20:15までに、真々美チームはお風呂を、オルアチームは歯磨きを終わらせましょう。
それから、交代して、
21:00までに、真々美チームは歯磨きを、オルアチームはお風呂を終わらせましょう。
オルア、最後にお湯を抜いて、湯船だけ洗ってくれるかな?」
オルア
「もう一度、入ったら良いと思うけれど。 もったいなくない?」
冬香
「洗い物が苦手な真々美だからね。
3日くらい放置して、雑菌が湧きそうだから、お湯を抜く方がいいわ。
洗濯物に使用してもいいけれど、洗濯物を真々美は溜めないからね。」
真々美
「冬香の部屋から、洗濯物を持ってきてもいいぞ。
夜に寝るときの音をかき消すためにも良いかもしれない。」
オルア
「そうね、冬香、そうしてくれる?」
冬香
「いい考えね。
アリム、運ぶのを手伝ってくれる?」
オルア
「大丈夫よ、わたしたちで行ってくるから、お風呂に入っておいて。」
冬香
「それなら、食器を洗って欲しいわ。
アリム、行きましょう。」
冬香はアリムと腕を組んで、洗濯物を取りに行こうとした。
オルア
「まあ、その方が効率が良いかもね。」
真々美
「じゃあ、お風呂を頂くことにするか。
冬香が戻り次第、すぐに入れるように、準備をしておこう。
そうだ、アリム、今日はお風呂では見せないからな。
夜のお布団の上まで、がまんしてくれ。」
アリム
「ぽっ。 真々美の美しい身体を思い出しそうです。」
オルア
「アリム、今はわたしの顔を見つめましょうか?」
オルアはアリムを抱き寄せてキスをした。
そして、手で真々美に合図した。
「早く、風呂に入れ!」
冬香
「オルア、食器洗い、よろしくね。
アリム、行くわよ。」
冬香はアリムの手を引っ張って、今度こそ、洗濯物を取りに行った。
◇
5分ほどして、冬香とアリムが帰ってきた。
冬香
「1回分の洗濯としては、これくらいよね。」
オルア
「じゃあ、おふろの残り湯で洗っておくわ。
夜、寝る前に干すから手伝ってね。」
冬香
「手伝いはしないけれど、いっしょに居て見学するわ。」
オルア
「見学って、なにもしないってことじゃない。」
冬香
「そんなことはないわ。 熱いまなざしを送りながら、大きな声で応援するわ。」
オルア
「夜だから、大きな声は出さないでね。
さあ、真々美が待っているから、お風呂に行ってきて。」
冬香
「大好きよ、 オルア。 チュッ。」
冬香はオルアに投げキスをしてから、お風呂に入った。
オルア
「アリム、歯磨きを進めておいてね。
洗い物はまかせてね。」
アリム
「オルア、ありがとう。」
◇
10日目 PM 20:15
真々美
「お先にお風呂をいただきました。」
冬香
「いいお湯だったわ。」
オルア
「さあ、アリム、入りましょう。」
アリム
「うん、うれしい。 オルアさんと一緒にお風呂。」
オルア
「オルアって、呼んでね。 アリムさん。」
アリム
「オルア。」
オルア
「アリム。」
真々美、冬香
「「 つづきはお風呂でしてくれ。 」」
オルア、アリム
「「 はあい。 」」
◇
10日目 PM 21:00
冬香
「さあ、21時に寝て、22時に眠る規則正しい生活をしましょうか?」
真々美
「そうだな。」
オルア
「まずは、わたしからで良いよね?」
真々美
「ああ。」
冬香
「ええ。」
アリム
「?」
<<< 攻め アリム vs 受け オルア >>>
オルア
「アリム、まずは、真々美と冬香に、ごあいさつしましょうか?」
アリム
「う、うん。」
オルア
「真々美、冬香。 アリムと愛し合う様子をご覧ください。
さあ、アリムからもお願いしてね。」
アリム
「真々美、冬香。 オルアと愛し合う様子をご覧ください。」
真々美
「アリム、やさしくしてやってくれ。」
冬香
「オルア、しっかりね。」
オルア
「さあ、来て、アリム。」
オルアは、お布団に仰向けになって両手を広げて、アリムを誘った。
アリム
「なんだか、恥ずかしいよ。」
オルア
「えっ? アリム?
真々美とも冬香とも、したよね。」
アリム
「うん、したよ。
でも、ふたりきりだったからね。」
オルア
「アリム、こう考えたら、どうかな?
わたしが信頼していて、私を大事にしてきてくれた二人に、あなたは認められた。
あなたは、ふたりの信頼にこたえるために、わたしを大事にしている様子を見せるのよ。」
アリム
「わかったよ。
でも、ボクの目にはオルアしか写っていないから、真々美と冬香の反応を気にする余裕は無いからね。」
オルア
「それで良いのよ。
あなたの愛情をたっぷり注いでね。」
アリム
「オルア、大好きだ。」
オルア
「アリム、大好きよ。」
ふたりが愛し合う様子を見て、真々美と冬香は安心した。
<<< 攻め 真々美 vs 受け 冬香 >>>
真々美
「オルア、アリム、わたしたちが愛し合う様子を、ご覧ください。」
冬香
「オルア、アリム、わたしたちが愛し合う様子を、ご覧ください。」
オルア
「姉妹関係の儀式とは逆の見る方になったのね。
なんだか、どきどきするわ。
ねえ、アリム。」
アリム
「うん、どきどきするよ。
10日前のことを考えると、今、ここにいることが夢のように思えてしまう。」
オルア
「アリム、夢じゃないわ。
私の体温と感触を感じるでしょ。」
オルアはアリムに横から抱きついた。
アリム
「うん、夢じゃないと分かるよ。」
オルア
「じゃあ、静かに見守りましょうね。
ふたりの息づかいが聞こえるようにしましょうね。」
アリムは、オルアの目を見て、うなづいた。
真々美
「冬香、アリムに全身をやさしくやさしく愛されたって、言っていたな。」
冬香
「そうよ。 真々美。
あなたが張り合って、やさしく愛してくれる時間を待ちわびていたわ。」
真々美
「ああ、わたしの愛で上書きして、忘れてもらうようにしようか?」
冬香
「や、やさしくしてね。」
真々美
「可愛い声で、歌ってくれよ。」
真々美が冬香を愛する姿は、それはそれは美しかった。
男女が愛し合うときは、男性が女性の身体を激しく揺さぶるが、そのような荒々しさはなく、ただただ相手の感じるところをやさしく丁寧にていねいに扱う仕草が印象的だった。
最後に身体の要所要所を相手と1つずつ重ね合う過程と、強く抱きしめ合ってキスする様子は、芸術的としか言いようがなかった。
オルア
「どう? アリム?」
アリム
「とても綺麗だった。 こんなにも美しく愛情をそそぐ方法があるんだね。」
真々美
「うれしいことを言ってくれる。」
冬香
「真々美、もうしばらく、このままで居てちょうだい。」
冬香はオルアとアリムに見られていることさえ忘れたかのように、真々美を抱きしめ続けていた。
<<< 攻め 冬香 vs 受け アリム >>>
冬香
「今度は都合により順番を変えるわ。
アリム、わたしの愛を受け止めてね。」
アリム
「う、うん、やさしくしてね。」
冬香
「無理ね。
わたしの身体無しには生きられない男性に変えてあげるわ。」
冬香は、その魅力的な身体でアリムを満足させていった。
<<< 攻め 真々美 vs 受け オルア >>>
真々美
「オルア。
オルアは、冬香とわたしをめぐり合わせてくれた愛のキューピッドだ。
そして、冬香とわたしのかわいい妹のような、娘のように愛しい愛しい存在だ。
そのオルアを、この腕に抱ける日が来るなんて、うれしくて、うれしくて、たまらなくなる。」
オルア
「ええ、真々美。
私にとっても、真々美と冬香は両親のような、お姉ちゃんのような大事な存在だわ。
こうやって、抱かれる日が来るなんて思わなかったけれど、とても自然なことに思えるわ。
冬香に愛されて、アリムに愛されて、真々美にも愛される、わたしはシクペリアで一番しあわせな存在だと女神さまに感謝しているわ。」
真々美がいままで抑えてきたオルアに対する愛情が一気に注がれて、オルアは身をまかせるしかなかった。
ただ、これ以上ないくらい愛されていることが理解できた。
そう、予想以上に深く強い愛情を感じ取ることができた。
真々美とオルアは、冬香が焼きもちで中断させたくなるくらいに、幸せそうに見えた。
アリムは、真々美にライバル心を燃やしていた。
<<< 攻め アリム vs 受け 真々美 >>>
真々美
「アリム、楽器を奏でるように優しく、私を演奏してくれ。」
アリム
「真々美の美しい歌声が響き渡るように、ボクの情熱を吹き込むよ。」
いつもカッコいい真々美がひとりの女性として恥じらい、アリムに身を任せる様子は、冬香とオルアにとって、とても新鮮だった。 ただただ美しい可愛らしいと感じるしかなかった。
<<< 攻め オルア vs 受け 冬香 >>>
オルア
「さあ、冬香。
かわいい冬香を、真々美とアリムに見てもらいましょうね。
感じたら、可愛い声を遠慮なく出していいからね。」
冬香
「は、はずかしいわ。」
オルア
「冬香の美しい身体も見てもらいましょうね。」
冬香
「いや、はずかしい。 オルアの身体で覆い隠してね。」
オルア
「どうしようかなあ?」
冬香
「いじわるしないで。」
オルア
「まあ、とっても可愛いわ。」
いつもの冷静な冬香とは別人と思えるくらい可愛い振る舞いだった。
そんな冬香をリードするオルアも、とてもりりしかった。
<<< ナイトバインド4クローズ >>>
攻めと受けのすべての組み合わせは、12通りもある。
しかし、4人がペアになる、6通りの組み合わせは、すべて実施されたのだった。
真々美
「これにより、わたしたち4人が愛情を確かめあったことになる。
それぞれが持つナイトバインド枠3つが埋められた。
これで、他の者がナイトバインドに割り込むことはできなくなった。」
冬香
「ナイトバインド4クローズ届けを提出する準備が整っただけよ。」
☆ 最後に
☆ ・ナイトバイント 4クローズ届
☆ が必要です。
☆
☆ オルア様がアリムさんとナイトバイントを済まされても、
☆ ・オルア様とナイトバインドする残り2名様の男性
☆ または
☆ ・アリムさんを共有する2名様の女性
☆ を決めない限り、空席を狙われます。
☆
☆ 028 6日目 11時40分 命がけの告白
オルア
「これで、わたしたちがアリムを独占できて、アリムとの時間に専念できるのよね?」
アリム
「独占って?
3にんとナイトバインドしただけでは足りなかったのですか?」
冬香
「真々美、オルア、わたしのナイトバインド枠が2つずつ空いているから、他の男性が割り込む隙《すき》があったのよ。
でも、アリムがわたしたちの愛情交換を見届けたことで、空きは埋まったことになるの。
特例で、お互いの枠を埋めたことに出来るのよ。」
アリム
「ということは、異性がひとり入っていれば、他の枠は同性でも条件を満たすことになるんだね。」
真々美
「その通りだ。
そして、通常ならば、サブシスのサブシスであるオルアに私が手を出すことは禁じられているが、わたしたち3人が同じ男性《アリム》を選んだから、特例で問題なしとなる。」
冬香
「ただし、アリムとわたしが見ている前で、という条件があるけれどね。」
オルア
「それでも、真々美とも愛し合えるなんて、最高だわ。」
冬香
「じゃあ、4人で肩を組んで、円陣を組みましょう。」
4人は野球チームのように円陣を組んだ。
真々美
「ナイトバインド4クローズ、おめでとう。 わたしたち。」
冬香
「これで、さらに固い絆が完成したわ。」
オルア
「このしあわせが続きますように。」
アリム
「ボクが仲間に入っていることがとてもうれしいです。」
アリムは泣いていた。
オルア
「アリム、キスしましょう。」
オルアは円陣を組みながら、アリムにキスをした。
真々美
「アリム、実感がわくように私とも、キスしよう。」
真々美は円陣を組みながら、アリムにキスをした。
冬香
「アリム、最後は私とキスしましょう。
そして、片づけた記憶が箱から出てこないように、この瞬間の記憶を上に置いて、重石兼フタにしてね。」
冬香は円陣を組みながら、アリムにキスをした。
アリム
「オルア、真々美、冬香、ありがとう。」
冬香
「オルア、洗濯と洗い物は明日にして、今日は4人で身体を寄せ合って眠りましょう。」
オルア
「そうね。」
真々美
「そうだな。」
冬香
「じゃあ、オルアはアリムの上、真々美はアリムの左、わたしはアリムの右ね。」
アリム
「えっ? ドキドキして眠れそうに無いよ。」
オルア
「じゃあ、眠れるように延長戦しましょうか?」
真々美
「ふむ、アリムが望むなら、3対1で愛情をそそぐこともできるぞ。」
冬香
「明日の分を残しておいた方がいいわ。
さあ、アリム、位置について。」
オルアがアリムの上から抱きついて、真々美がアリムの左腕に抱き寄せられて、冬香がアリムの右腕に抱き寄せられる体勢で眠りについた。
アリム
「あ、あの位置を直させて。」
アリムは恥ずかしそうに言った。
オルア
「うん、ああ、まかせてね。
この位置で良いよね。」
アリム
「は、はずかしいよう。」
真々美
「アリムはカセイダード王国で一番しあわせな男性だと思うぞ。」
冬香
「いいえ、アリムは、シクぺリアで一番しあわせな男性よ。」
オルア
「そして、わたしたちも、シクぺリアで一番しあわせな女性たちだわ。」
アリム
「まるで、シクペリアの王様というか支配者になった気分になるよ。
良い夢が見れそう。
おやすみなさい。」
真々美、冬香、オルア
「「「 おやすみなさい。 」」」
筆者の注釈
「太陽系を含む銀河系よりも広い大宇宙を、シクペリアと呼びます。
カセイダード本星は、シクペリアのほぼ中心にあるオリガスト系のほぼ中心に位置します。
結局、シクペリアのど真ん中にカセイダード本星があります。」
◇
肝心のところは、みなさまの想像の中ですね。
【読者様へ】
あなたの10秒で、この作品にパワーをください。
「お気に入りに追加」 【 ↓ 】 お願いします。
色覚が正常になり、頭の回転=働きが良くなりました。
◇
10日目 PM 19:00
《2日に一度の会議: あり、
第2回襲撃予測日: 2日後の夜 PM20:00》
◇
アリムは、【正性知識 2000】を読み続けていた。
オルアがアリムの部屋にやってきた。
オルア
「アリム、真々美が晩御飯できたって。」
アリム
「ありがとう。 オルアといっしょにリビングに行くよ。」
オルア
「また、【正性知識 2000】を読んでいたの?」
アリム
「うん、たたかう力というか身を守る術を持つ一番早い方法だと思うからね。」
そう言いながら、アリムは 【正性知識 2000】を胸の前に現れた異空間に戻した。
筆者の注釈
「【正性知識 2000】は、女神様が「美女以上の女性」と「男の人以上の男性」が生と性をまもるために与えたものです。
他者にとられたり、汚したり、破られたりしないように、工夫されています。
ひとたび異空間収納すれば、脅したり、苦痛を与えたりしても、金品の様に奪うことができないように加護されています。」
オルア
「いま、どこまで習得したの?」
アリム
「600までだよ。 1200に到達する希望が見えてきたよ。」
オルア
「すごいわね。 でも、無理しないでね。」
オルア こころの声
『アリムが努力家だということは分かるけれど、習得ペースが速すぎる気がするわ。』
◇
オルアとアリムは、リビングに移動した。
食卓のテーブルには、2時の位置に真々美、10時の位置に冬香が座っていた。
8時の位置にオルア、4時の位置にアリムが座った。
オルア
「お待たせ。 真々美、冬香。」
アリム
「ありがとう。 真々美、冬香。」
真々美
「今晩のメニューは、ビーフシチューもどきだ。
わたしは、コトコトと長い時間をかけて煮込むことが嫌いでな。」
冬香
「美味しく食べられたら、それでいいわ。
タイムパフォーマンスを考えたら、効率が良いから問題無いわ。
アリム、夜更かししてまで進めたいことは、少しは進められたかな?」
アリム
「ありがとう、冬香。
進められたよ。
遺伝子治療の成果が出ているみたいだ。」
真々美
「アリムが感じる成果について、話してくれるか?」
アリム
「まず、なんと言っても色の違いが分かるようになったことが、うれしいよ。
真々美と冬香の髪の毛の色は同じだと思っていたからね。
ふたりともというか、3人とも違う色で、それぞれに美しい色だと見とれている。」
冬香
「赤緑色盲《red-green color blindness》が治ったということね。
効果が出て良かったわ。
ほかには感じたことはある?」
アリム
「頭の回転が速くなったというか、理解力が上がって賢くなった気がします。」
真々美
「アリムが夜更かししてまで進めていることはなにか聞いてもいいか?」
オルア
「たたかう力を持つために、【正性知識 2000】を読み進めているのよ。
もう600まで行ったって、早いよね。」
真々美
「たしかに早いな。」
冬香
「そうね、早いわね。
でも、アリム、無理だけはしないでね。
そんなにあせらなくても大丈夫だから。」
アリム
「うん、でもね。
どうしても必要になる気がするんだ。」
冬香
「アリムが予定時刻になっても目覚めないから、オルアが私の大事な【医療用AI】を破壊しそうになったのよ。
【流星かかと落とし】で。」
オルア
「冬香、ごめんなさい。
アリムには言わないで欲しかった。」
アリム
「オルア、心配かけてごめんね。
オルアの愛情の深さを感じて、うれしいよ。」
冬香
「愛情の深さで、わたしが今までの長い年月を掛けて鍛え上げた【医療用AI】を破壊されたら、たまらないわ。」
真々美
「アリム、というわけで、アリムのことは私たちにとっては他人事では無くなっているんだ。
だから、アリムの心身の健康を維持することを第一に考えてくれ。」
アリム
「うれしい言葉を、ありがとう。
もしかして、先ほどの冬香がボクを睨んでいた理由って、長い年月を掛けて鍛え上げた【医療用AI】が関係していますか?」
冬香
「そうよ。
しかも、それだけではなくて、オルアのことも考えてね。」
真々美
「オルアにとって、アリムはかけがえが無いひとだからな。
もちろん、冬香とわたしにとってもかけがえが無いひとだ。」
筆者の注釈
「かけがえが無いとは、欠けたときに替わりが無いという意味です。」
アリム
「じーん、うれしい言葉だ。 涙が出そうだよ。」
オルアはアリムの涙をくちびるで吸い取った。
オルア
「無理しないで、わたしたちに頼ってね。」
アリム
「うん、【正性知識 2000】を読み進めることも手伝ってくれると助かります。」
真々美、冬香、オルア
「「「 それは無理。 ほかのことなら、なんでも言ってね。 」」」
アリム
「はあい。」
筆者の注釈
「【正性知識 2000】を使用する訓練はできても、
【正性知識 2000】を習得する手伝いはできない。
という意味です。」
◇
真々美
「では、いただきます。」
冬香、オルア
「「いただきます。」」
アリム
「いただきます。」
オルア
「遅れたね。」
真々美
「そうだな。」
冬香
「アリム、わたしたちの流儀として、料理を作った人が「いただきます。」と号令を掛けるのよ。
そして、ほかの家族は同時に「いただきます。」と答えて、食事を開始するのよ。」
オルア
「初回だから仕方ないかもだけど、アリムが言うタイミングが遅れたことに、わたしたちへの遠慮というか距離感を感じて嫌なのよ。」
冬香
「という訳で、真々美、仕切り直して。」
真々美
「では、いただきます。」
冬香、オルア、アリム
「「「いただきます。」」」
真々美
「いい感じだ。」
アリム
「家族か。」
オルア
「どうしたの、アリム?
まさか、ほかの女性の家族になりたいのかな?
シュウピンさん? それとも、メラニィさん?」
オルアの笑顔がなんとなく怖い。
アリム
「もちろん、オルアの家族になりたい。
それが第一希望です。
同時に、真々美、冬香とも家族になれるなら、とてもうれしいです。
ただ、ね。」
オルア
「ただ、なあに?」
アリム
「10日前には夢にも思えなかった幸せだから、現実にいるのかどうか不安になって、幻覚を見せられているのかなと不安になりました。」
アリムの左隣にいるオルアがアリムを抱きしめた。
オルア
「この柔らかさを感じるかな?
現実感が湧いたかな?」
アリム
「うん、ありがとう。」
オルア
「じゃあ、お礼にキスして!」
アリム
「えっ? 真々美と冬香に見られてもいいの?」
オルア
「もちろんいいわ。
真々美と冬香に見守られる中でするキスは格別の味がすると思うわ。」
アリム
「では、あの、なんというか、いただきます。」
アリムがオルアにキスすると、オルアが抱きしめてきて、しばらく離さなかった。
真々美
「アリム、まだ実感がわかないなら、わたしもいるからな。」
冬香
「わたしもね。 というか、オルアだけとキスするのは、変というかズルいよね。
わたしたちともキスしましょうね。」
アリム
「はい、よろこんで。」
アリムは席を立ち上がって、真々美とキスをして抱きしめ合った。
それから、冬香ともキスをして抱きしめ合った。
◇
10日目 PM 19:30
冬香
「さてと、食休みを兼ねて歯を磨きましょうか? それと入浴もね。
お風呂に4人で入りたかったけれど、さすがに、せまくて厳しいので、2組に分かれましょう。
真々美とわたし。
そして、オルアとアリムの組み合わせでいいわね。」
オルア
「うん。 賛成。」
冬香
「20:15までに、真々美チームはお風呂を、オルアチームは歯磨きを終わらせましょう。
それから、交代して、
21:00までに、真々美チームは歯磨きを、オルアチームはお風呂を終わらせましょう。
オルア、最後にお湯を抜いて、湯船だけ洗ってくれるかな?」
オルア
「もう一度、入ったら良いと思うけれど。 もったいなくない?」
冬香
「洗い物が苦手な真々美だからね。
3日くらい放置して、雑菌が湧きそうだから、お湯を抜く方がいいわ。
洗濯物に使用してもいいけれど、洗濯物を真々美は溜めないからね。」
真々美
「冬香の部屋から、洗濯物を持ってきてもいいぞ。
夜に寝るときの音をかき消すためにも良いかもしれない。」
オルア
「そうね、冬香、そうしてくれる?」
冬香
「いい考えね。
アリム、運ぶのを手伝ってくれる?」
オルア
「大丈夫よ、わたしたちで行ってくるから、お風呂に入っておいて。」
冬香
「それなら、食器を洗って欲しいわ。
アリム、行きましょう。」
冬香はアリムと腕を組んで、洗濯物を取りに行こうとした。
オルア
「まあ、その方が効率が良いかもね。」
真々美
「じゃあ、お風呂を頂くことにするか。
冬香が戻り次第、すぐに入れるように、準備をしておこう。
そうだ、アリム、今日はお風呂では見せないからな。
夜のお布団の上まで、がまんしてくれ。」
アリム
「ぽっ。 真々美の美しい身体を思い出しそうです。」
オルア
「アリム、今はわたしの顔を見つめましょうか?」
オルアはアリムを抱き寄せてキスをした。
そして、手で真々美に合図した。
「早く、風呂に入れ!」
冬香
「オルア、食器洗い、よろしくね。
アリム、行くわよ。」
冬香はアリムの手を引っ張って、今度こそ、洗濯物を取りに行った。
◇
5分ほどして、冬香とアリムが帰ってきた。
冬香
「1回分の洗濯としては、これくらいよね。」
オルア
「じゃあ、おふろの残り湯で洗っておくわ。
夜、寝る前に干すから手伝ってね。」
冬香
「手伝いはしないけれど、いっしょに居て見学するわ。」
オルア
「見学って、なにもしないってことじゃない。」
冬香
「そんなことはないわ。 熱いまなざしを送りながら、大きな声で応援するわ。」
オルア
「夜だから、大きな声は出さないでね。
さあ、真々美が待っているから、お風呂に行ってきて。」
冬香
「大好きよ、 オルア。 チュッ。」
冬香はオルアに投げキスをしてから、お風呂に入った。
オルア
「アリム、歯磨きを進めておいてね。
洗い物はまかせてね。」
アリム
「オルア、ありがとう。」
◇
10日目 PM 20:15
真々美
「お先にお風呂をいただきました。」
冬香
「いいお湯だったわ。」
オルア
「さあ、アリム、入りましょう。」
アリム
「うん、うれしい。 オルアさんと一緒にお風呂。」
オルア
「オルアって、呼んでね。 アリムさん。」
アリム
「オルア。」
オルア
「アリム。」
真々美、冬香
「「 つづきはお風呂でしてくれ。 」」
オルア、アリム
「「 はあい。 」」
◇
10日目 PM 21:00
冬香
「さあ、21時に寝て、22時に眠る規則正しい生活をしましょうか?」
真々美
「そうだな。」
オルア
「まずは、わたしからで良いよね?」
真々美
「ああ。」
冬香
「ええ。」
アリム
「?」
<<< 攻め アリム vs 受け オルア >>>
オルア
「アリム、まずは、真々美と冬香に、ごあいさつしましょうか?」
アリム
「う、うん。」
オルア
「真々美、冬香。 アリムと愛し合う様子をご覧ください。
さあ、アリムからもお願いしてね。」
アリム
「真々美、冬香。 オルアと愛し合う様子をご覧ください。」
真々美
「アリム、やさしくしてやってくれ。」
冬香
「オルア、しっかりね。」
オルア
「さあ、来て、アリム。」
オルアは、お布団に仰向けになって両手を広げて、アリムを誘った。
アリム
「なんだか、恥ずかしいよ。」
オルア
「えっ? アリム?
真々美とも冬香とも、したよね。」
アリム
「うん、したよ。
でも、ふたりきりだったからね。」
オルア
「アリム、こう考えたら、どうかな?
わたしが信頼していて、私を大事にしてきてくれた二人に、あなたは認められた。
あなたは、ふたりの信頼にこたえるために、わたしを大事にしている様子を見せるのよ。」
アリム
「わかったよ。
でも、ボクの目にはオルアしか写っていないから、真々美と冬香の反応を気にする余裕は無いからね。」
オルア
「それで良いのよ。
あなたの愛情をたっぷり注いでね。」
アリム
「オルア、大好きだ。」
オルア
「アリム、大好きよ。」
ふたりが愛し合う様子を見て、真々美と冬香は安心した。
<<< 攻め 真々美 vs 受け 冬香 >>>
真々美
「オルア、アリム、わたしたちが愛し合う様子を、ご覧ください。」
冬香
「オルア、アリム、わたしたちが愛し合う様子を、ご覧ください。」
オルア
「姉妹関係の儀式とは逆の見る方になったのね。
なんだか、どきどきするわ。
ねえ、アリム。」
アリム
「うん、どきどきするよ。
10日前のことを考えると、今、ここにいることが夢のように思えてしまう。」
オルア
「アリム、夢じゃないわ。
私の体温と感触を感じるでしょ。」
オルアはアリムに横から抱きついた。
アリム
「うん、夢じゃないと分かるよ。」
オルア
「じゃあ、静かに見守りましょうね。
ふたりの息づかいが聞こえるようにしましょうね。」
アリムは、オルアの目を見て、うなづいた。
真々美
「冬香、アリムに全身をやさしくやさしく愛されたって、言っていたな。」
冬香
「そうよ。 真々美。
あなたが張り合って、やさしく愛してくれる時間を待ちわびていたわ。」
真々美
「ああ、わたしの愛で上書きして、忘れてもらうようにしようか?」
冬香
「や、やさしくしてね。」
真々美
「可愛い声で、歌ってくれよ。」
真々美が冬香を愛する姿は、それはそれは美しかった。
男女が愛し合うときは、男性が女性の身体を激しく揺さぶるが、そのような荒々しさはなく、ただただ相手の感じるところをやさしく丁寧にていねいに扱う仕草が印象的だった。
最後に身体の要所要所を相手と1つずつ重ね合う過程と、強く抱きしめ合ってキスする様子は、芸術的としか言いようがなかった。
オルア
「どう? アリム?」
アリム
「とても綺麗だった。 こんなにも美しく愛情をそそぐ方法があるんだね。」
真々美
「うれしいことを言ってくれる。」
冬香
「真々美、もうしばらく、このままで居てちょうだい。」
冬香はオルアとアリムに見られていることさえ忘れたかのように、真々美を抱きしめ続けていた。
<<< 攻め 冬香 vs 受け アリム >>>
冬香
「今度は都合により順番を変えるわ。
アリム、わたしの愛を受け止めてね。」
アリム
「う、うん、やさしくしてね。」
冬香
「無理ね。
わたしの身体無しには生きられない男性に変えてあげるわ。」
冬香は、その魅力的な身体でアリムを満足させていった。
<<< 攻め 真々美 vs 受け オルア >>>
真々美
「オルア。
オルアは、冬香とわたしをめぐり合わせてくれた愛のキューピッドだ。
そして、冬香とわたしのかわいい妹のような、娘のように愛しい愛しい存在だ。
そのオルアを、この腕に抱ける日が来るなんて、うれしくて、うれしくて、たまらなくなる。」
オルア
「ええ、真々美。
私にとっても、真々美と冬香は両親のような、お姉ちゃんのような大事な存在だわ。
こうやって、抱かれる日が来るなんて思わなかったけれど、とても自然なことに思えるわ。
冬香に愛されて、アリムに愛されて、真々美にも愛される、わたしはシクペリアで一番しあわせな存在だと女神さまに感謝しているわ。」
真々美がいままで抑えてきたオルアに対する愛情が一気に注がれて、オルアは身をまかせるしかなかった。
ただ、これ以上ないくらい愛されていることが理解できた。
そう、予想以上に深く強い愛情を感じ取ることができた。
真々美とオルアは、冬香が焼きもちで中断させたくなるくらいに、幸せそうに見えた。
アリムは、真々美にライバル心を燃やしていた。
<<< 攻め アリム vs 受け 真々美 >>>
真々美
「アリム、楽器を奏でるように優しく、私を演奏してくれ。」
アリム
「真々美の美しい歌声が響き渡るように、ボクの情熱を吹き込むよ。」
いつもカッコいい真々美がひとりの女性として恥じらい、アリムに身を任せる様子は、冬香とオルアにとって、とても新鮮だった。 ただただ美しい可愛らしいと感じるしかなかった。
<<< 攻め オルア vs 受け 冬香 >>>
オルア
「さあ、冬香。
かわいい冬香を、真々美とアリムに見てもらいましょうね。
感じたら、可愛い声を遠慮なく出していいからね。」
冬香
「は、はずかしいわ。」
オルア
「冬香の美しい身体も見てもらいましょうね。」
冬香
「いや、はずかしい。 オルアの身体で覆い隠してね。」
オルア
「どうしようかなあ?」
冬香
「いじわるしないで。」
オルア
「まあ、とっても可愛いわ。」
いつもの冷静な冬香とは別人と思えるくらい可愛い振る舞いだった。
そんな冬香をリードするオルアも、とてもりりしかった。
<<< ナイトバインド4クローズ >>>
攻めと受けのすべての組み合わせは、12通りもある。
しかし、4人がペアになる、6通りの組み合わせは、すべて実施されたのだった。
真々美
「これにより、わたしたち4人が愛情を確かめあったことになる。
それぞれが持つナイトバインド枠3つが埋められた。
これで、他の者がナイトバインドに割り込むことはできなくなった。」
冬香
「ナイトバインド4クローズ届けを提出する準備が整っただけよ。」
☆ 最後に
☆ ・ナイトバイント 4クローズ届
☆ が必要です。
☆
☆ オルア様がアリムさんとナイトバイントを済まされても、
☆ ・オルア様とナイトバインドする残り2名様の男性
☆ または
☆ ・アリムさんを共有する2名様の女性
☆ を決めない限り、空席を狙われます。
☆
☆ 028 6日目 11時40分 命がけの告白
オルア
「これで、わたしたちがアリムを独占できて、アリムとの時間に専念できるのよね?」
アリム
「独占って?
3にんとナイトバインドしただけでは足りなかったのですか?」
冬香
「真々美、オルア、わたしのナイトバインド枠が2つずつ空いているから、他の男性が割り込む隙《すき》があったのよ。
でも、アリムがわたしたちの愛情交換を見届けたことで、空きは埋まったことになるの。
特例で、お互いの枠を埋めたことに出来るのよ。」
アリム
「ということは、異性がひとり入っていれば、他の枠は同性でも条件を満たすことになるんだね。」
真々美
「その通りだ。
そして、通常ならば、サブシスのサブシスであるオルアに私が手を出すことは禁じられているが、わたしたち3人が同じ男性《アリム》を選んだから、特例で問題なしとなる。」
冬香
「ただし、アリムとわたしが見ている前で、という条件があるけれどね。」
オルア
「それでも、真々美とも愛し合えるなんて、最高だわ。」
冬香
「じゃあ、4人で肩を組んで、円陣を組みましょう。」
4人は野球チームのように円陣を組んだ。
真々美
「ナイトバインド4クローズ、おめでとう。 わたしたち。」
冬香
「これで、さらに固い絆が完成したわ。」
オルア
「このしあわせが続きますように。」
アリム
「ボクが仲間に入っていることがとてもうれしいです。」
アリムは泣いていた。
オルア
「アリム、キスしましょう。」
オルアは円陣を組みながら、アリムにキスをした。
真々美
「アリム、実感がわくように私とも、キスしよう。」
真々美は円陣を組みながら、アリムにキスをした。
冬香
「アリム、最後は私とキスしましょう。
そして、片づけた記憶が箱から出てこないように、この瞬間の記憶を上に置いて、重石兼フタにしてね。」
冬香は円陣を組みながら、アリムにキスをした。
アリム
「オルア、真々美、冬香、ありがとう。」
冬香
「オルア、洗濯と洗い物は明日にして、今日は4人で身体を寄せ合って眠りましょう。」
オルア
「そうね。」
真々美
「そうだな。」
冬香
「じゃあ、オルアはアリムの上、真々美はアリムの左、わたしはアリムの右ね。」
アリム
「えっ? ドキドキして眠れそうに無いよ。」
オルア
「じゃあ、眠れるように延長戦しましょうか?」
真々美
「ふむ、アリムが望むなら、3対1で愛情をそそぐこともできるぞ。」
冬香
「明日の分を残しておいた方がいいわ。
さあ、アリム、位置について。」
オルアがアリムの上から抱きついて、真々美がアリムの左腕に抱き寄せられて、冬香がアリムの右腕に抱き寄せられる体勢で眠りについた。
アリム
「あ、あの位置を直させて。」
アリムは恥ずかしそうに言った。
オルア
「うん、ああ、まかせてね。
この位置で良いよね。」
アリム
「は、はずかしいよう。」
真々美
「アリムはカセイダード王国で一番しあわせな男性だと思うぞ。」
冬香
「いいえ、アリムは、シクぺリアで一番しあわせな男性よ。」
オルア
「そして、わたしたちも、シクぺリアで一番しあわせな女性たちだわ。」
アリム
「まるで、シクペリアの王様というか支配者になった気分になるよ。
良い夢が見れそう。
おやすみなさい。」
真々美、冬香、オルア
「「「 おやすみなさい。 」」」
筆者の注釈
「太陽系を含む銀河系よりも広い大宇宙を、シクペリアと呼びます。
カセイダード本星は、シクペリアのほぼ中心にあるオリガスト系のほぼ中心に位置します。
結局、シクペリアのど真ん中にカセイダード本星があります。」
◇
肝心のところは、みなさまの想像の中ですね。
【読者様へ】
あなたの10秒で、この作品にパワーをください。
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