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プロポーズ
第47話 ハヤトの配信活動
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窓の外は、雪が舞っていた。ハヤトは自宅のマンションで配信の準備をしながら、季節の移り変わりを感じていた。
莉々が開発したゲームを公開してから数ヶ月が経過していた。その間に彼らの配信活動は新たなステージに入っていた。視聴者数は倍増して、メディアからの注目度も高まり、もはや単なる趣味の活動とは言えないほどの影響力を持ち始めていた。
「よし、機材のチェックは大丈夫だな」
ハヤトはマイクとカメラの設定を最終確認し、モーションキャプチャーのシステムを動作確認する。以前は莉々が担当していた技術面について、今では彼自身が習得してセッティングできるようになっていた。
配信の準備が一通り整うと、テストモードでアバターの動きを確認する。画面上の勇者の姿が、ハヤトの動きに合わせて自然に反応した。
スマートフォンが鳴り、城介からのメッセージが届いた。
『今日の配信、少し遅れそうだ。会議が長引いている。先に始めてくれないか?』
ハヤトは微笑んで返信した。
「了解。こっちはいつでも大丈夫だよ」
返信してからパソコンの前に座る。今日は一人で配信を始める。カメラとマイク、モーションキャプチャー用システムの最終確認を終えた。スケジュール通りの時間になると、ハヤトは配信ボタンを押した。
画面上にハヤトのアバターが現れ、元気な声で挨拶する。
「みなさん、こんばんは! ハヤトです。今日もよろしくお願いします」
コメント欄には瞬く間にメッセージが流れ始めた。
-ハヤトさん、こんばんは!
-勇者!
-待ってました!
-今日も頑張ってね!
-配信楽しみにしてました!
ハヤトは最近の視聴者数の増加に、いまだに驚きを感じていた。ゲーム公開前は平均1万人程度だった同時視聴者数が、今では3万人を超えることも珍しくなくなっていた。コメントの流れる速度も格段に上がり、すべてを読み切ることは難しくなっていたが、彼は可能な限り目を通すよう心がけていた。
「今日はまず、俺一人から始める。ジョンは少し遅れるらしいが、もうすぐ合流するはず。到着するのを楽しみに待っていてくれ」
ハヤトは視聴者と雑談しながら、画面の隅に表示されるチャンネル登録者数のカウンターに目をやった。100万人という数字を超えた数値が表示されている。とんでもない数字だ。配信を始めた当初、彼はこれほどの人々に見てもらえるとは想像もしていなかった。
「いつも応援してくれている皆さん、本当にありがとう。でもやっぱり、チャンネル登録者人数が100万人を超えたこと、まだ信じられない気持ちだ」
コメント欄には祝福のメッセージが溢れた。中には、最初の頃から見ていたという視聴者からの温かいメッセージもあった。
「リリアの開発したゲームを公開した頃から、本当に多くの方に知っていただけるようになった。彼女の才能には本当に感謝しているよ」
ハヤトは感謝の気持ちを伝えながら、莉々のことを思い出していた。彼女は今、受験勉強に集中している。時々短い配信に参加することはあるが、以前のような頻度ではない。莉々にとっては、現実の高校生としての将来を考える大切な時期だ。
「リリアを心配してくれている声も多いな。前にも説明した通り、彼女は今、とても大事な時期なんだ。だから、そちらを優先させている」
ハヤトは莉々について、詳細は隠しながらも軽く触れた。彼女がしばらく活動の頻度を減らすことは、以前の配信で正式に発表していた。
多くのファンが残念に思ってくれたが、同時に彼女を応援して送り出してくれた。そして、いつか彼女が戻ってくる日を待ち望んでいる。
コメント欄にはリリアへの応援メッセージが続々と流れていく。
-この時期ということは、勉強頑張って!
-リリアが戻ってくる日を楽しみにしてる
-本当に人生の大事な時期だから、そっちを優先して!
-視聴者は活動している姿を見たいけれど、一番はリリアに幸せになってもらうことだから!
「皆の応援、本当にありがとう。リリアもきっと喜んでいると思う。いつか彼女自身から、皆さんに感謝の気持ちを伝える日が来るだろう」
配信の途中で城介が合流し、二人で最新のアクションゲームのマルチプレイに挑戦した。ハヤトの異世界で培った反射神経と直感力は、ゲームプレイでも遺憾なく発揮される。複雑な操作も一度見ただけでマスターし、難易度の高いステージもスムーズにクリアしていく。
「さすがハヤト、上達が早いな」
ジョンのアバターで配信している城介が感心した声で言うと、視聴者からも驚きのコメントが相次いだ。
-プロゲーマーみたい
-このゲームも上手いんかい
-発売されたばかりなのに、この動き
-参考になる
-やっぱ上達スピードは異常
-どこで、そんなゲーム技術を磨いてきたの!?
-ハヤトさんの動き方、本当にスムーズ!
-反射神経が尋常じゃない
ハヤトは苦笑いしながら答えた。
「昔は、こんなにゲームが得意だったわけじゃないけどね。色々とあったんだ。長い間、生き抜くために反射神経を鍛えてきたというか」
-なるほど、勇者だもんね
-さすが勇者
-これが勇者の力
-勇者の力をゲームに活用するなんて(笑)
城介がその言葉の真意を理解して笑う。異世界での経験が、本当に活きているのだ。
配信が終わった後、ハヤトは莉々に短いメッセージを送った。彼女は配信を見ていないだろうけど、報告しておきたかった。
「今日も配信、盛り上がったよ。登録者数が130万人を超えたぞ。みんな君のことを応援している」
もちろん、返信はすぐに来なかった。彼女は今頃、勉強を頑張っているのだろう。それなら返信がない方が嬉しいかもしれない。ハヤトは配信の後片付けをした。
それから、また時間が経過していく。配信活動は順調に続き、ファンの数も着実に増えていった。警備会社での仕事と配信活動の両立は、時に大変だったが、ハヤトは充実した日々を送っていた。
「Vtuberゲーム大会の出場枠が決まったぞ」
春の陽気が感じられる三月のある日、城介からの連絡でハヤトは驚いた。
「え? 俺達も参加していいやつ?」
「ああ。主催者から直接オファーがあった。出場してほしいそうだ」
招待されたのはFPSゲームの大会らしい。ハヤトは少し考え込んだ。
「俺達が出るべきかな?」
「出るべきだろう。練習する時間が少なくてもお前のゲームセンスなら大丈夫」
城介の言葉に、ハヤトは決意を固めた。
「よし。なら、やってみよう」
それから二週間、ハヤトは大会で使用されるゲームの練習に励んだ。警備会社での仕事と配信活動の合間を縫っての練習だったが、彼の異常な上達速度は健在だった。城介はビジネスの合間に時間を作り、ハヤトとオンラインでチームの連携力を高めた。
大会当日。会場はハヤトが想像していた以上に大きなイベントホールで、多くのVtuberファンで溢れかえっていた。ステージ上には大型スクリーンが設置され、出場者のアバターが次々と紹介されていく。ハヤトのアバターが大型スクリーンに映し出されると、大きな歓声が上がった。
自分たちの知名度が、予想以上に高まっていたことが実感できる瞬間だった。
「こんなに注目されているとは」
バックステージで準備するハヤトに、城介が冷静な声で言った。
「こういうゲームの大会に参加したのは大きな成功。お前の配信活動の積み重ねがあったからだろう。莉々も喜ぶだろう」
ハヤトは頷いた。
「今日は、応援してくれるファンのために、いい結果を残したいな」
大会は予選から決勝まで、一日がかりで行われた。ハヤトは予選を順調に勝ち進み、準決勝では遭遇した強豪Vtuberのパーティーを見事に倒していく。彼の動きは無駄がなく、相手の攻撃パターンを素早く見抜いては的確なカウンターを繰り出していく。城介もまた、冷静な判断と戦略的な動きで、チームの勝利に貢献した。
会場の大型スクリーンには試合の様子が映し出され、観客からは歓声と拍手が絶えなかった。
-あれ、プロの実力あるんじゃないの?
-ハヤトさん、強すぎる!
-まさに勇者
-ジョンの冷静な判断力も素晴らしい!
-やっぱり異世界パーティーは強い!
観客の興奮した声が会場に響く。その声援を力に変えるように、ハヤトたちは次々と勝ち進んでいった。
決勝戦は、当時最も人気のあったVtuberグループのエース、カイトとの対決となった。彼は実績豊富なプレイヤーで、これまで数々の大会で優勝してきた実力者だった。客席は両方のファンで埋め尽くされ、緊張感と興奮が入り混じる空気に包まれていた。
「いよいよ直接対決! ハヤト率いるチームと、カイト率いるチームで正面衝突! 撃ち合っていくうぅ!」
対戦が始まると、両者一歩も譲らない接戦が続いた。カイトの巧みな技術に対し、ハヤトは直感的な判断力と反射神経で対抗する。城介はバックアップに回り、相手の動きを分析しながら戦術的なアドバイスをハヤトに送る。
最終ラウンド、残り体力がわずかになった場面で、ハヤトは相手の攻撃を見切り、完璧なタイミングで突撃を決めた。会場が割れんばかりの歓声に包まれる。
「勝者! ハヤトチーム!」
トロフィーを手にしたハヤトたちのプレイヤーキャラクターが、大型スクリーンに表示される。会場全体が拍手と歓声に包まれた。
「やったな、ハヤト」
城介が誇らしげに言った。彼の声には、チームとしての勝利を心から喜ぶ感情が込められていた。
「ああ、君のサポートがあったからこそだ。一人では無理だった」
ハヤトは心から感謝の気持ちを伝えた。異世界でも現代でも、仲間の力は何物にも代えがたい支えだった。
その夜、大会の模様はインターネット上で大きな話題となり、勝利した瞬間の切り抜き動画が出回った。ハヤトたちの配信チャンネル登録者数は一気に150万人を突破し、SNSでは「#異世界パーティー優勝」というハッシュタグがトレンド入りしていた。
ハヤトが自宅のマンションに戻ると、久しぶりに莉々からの電話があった。
「ハヤト、おめでとうございます! 大会、リアルタイムで見てましたよ! すごく興奮しました!」
彼女の声は嬉しそうだった。受験勉強の合間に大会の様子を見ていたらしい。勉強は大丈夫なのか。莉々なら多分、大丈夫だと思うけど。
「莉々、ありがとう。勉強の調子はどう?」
「順調です。来週、模試があるので、今はそれに向けて勉強しています。でも、ハヤトたちの大会は特別だから、時間を作って見ました。あの最後の動き、本当に素晴らしかったです!」
莉々の声には、純粋な喜びと誇らしさが溢れていた。
「模試か。頑張って。良い結果が出ることを祈ってるよ」
「はい! 頑張ります」
莉々が開発したゲームを公開してから数ヶ月が経過していた。その間に彼らの配信活動は新たなステージに入っていた。視聴者数は倍増して、メディアからの注目度も高まり、もはや単なる趣味の活動とは言えないほどの影響力を持ち始めていた。
「よし、機材のチェックは大丈夫だな」
ハヤトはマイクとカメラの設定を最終確認し、モーションキャプチャーのシステムを動作確認する。以前は莉々が担当していた技術面について、今では彼自身が習得してセッティングできるようになっていた。
配信の準備が一通り整うと、テストモードでアバターの動きを確認する。画面上の勇者の姿が、ハヤトの動きに合わせて自然に反応した。
スマートフォンが鳴り、城介からのメッセージが届いた。
『今日の配信、少し遅れそうだ。会議が長引いている。先に始めてくれないか?』
ハヤトは微笑んで返信した。
「了解。こっちはいつでも大丈夫だよ」
返信してからパソコンの前に座る。今日は一人で配信を始める。カメラとマイク、モーションキャプチャー用システムの最終確認を終えた。スケジュール通りの時間になると、ハヤトは配信ボタンを押した。
画面上にハヤトのアバターが現れ、元気な声で挨拶する。
「みなさん、こんばんは! ハヤトです。今日もよろしくお願いします」
コメント欄には瞬く間にメッセージが流れ始めた。
-ハヤトさん、こんばんは!
-勇者!
-待ってました!
-今日も頑張ってね!
-配信楽しみにしてました!
ハヤトは最近の視聴者数の増加に、いまだに驚きを感じていた。ゲーム公開前は平均1万人程度だった同時視聴者数が、今では3万人を超えることも珍しくなくなっていた。コメントの流れる速度も格段に上がり、すべてを読み切ることは難しくなっていたが、彼は可能な限り目を通すよう心がけていた。
「今日はまず、俺一人から始める。ジョンは少し遅れるらしいが、もうすぐ合流するはず。到着するのを楽しみに待っていてくれ」
ハヤトは視聴者と雑談しながら、画面の隅に表示されるチャンネル登録者数のカウンターに目をやった。100万人という数字を超えた数値が表示されている。とんでもない数字だ。配信を始めた当初、彼はこれほどの人々に見てもらえるとは想像もしていなかった。
「いつも応援してくれている皆さん、本当にありがとう。でもやっぱり、チャンネル登録者人数が100万人を超えたこと、まだ信じられない気持ちだ」
コメント欄には祝福のメッセージが溢れた。中には、最初の頃から見ていたという視聴者からの温かいメッセージもあった。
「リリアの開発したゲームを公開した頃から、本当に多くの方に知っていただけるようになった。彼女の才能には本当に感謝しているよ」
ハヤトは感謝の気持ちを伝えながら、莉々のことを思い出していた。彼女は今、受験勉強に集中している。時々短い配信に参加することはあるが、以前のような頻度ではない。莉々にとっては、現実の高校生としての将来を考える大切な時期だ。
「リリアを心配してくれている声も多いな。前にも説明した通り、彼女は今、とても大事な時期なんだ。だから、そちらを優先させている」
ハヤトは莉々について、詳細は隠しながらも軽く触れた。彼女がしばらく活動の頻度を減らすことは、以前の配信で正式に発表していた。
多くのファンが残念に思ってくれたが、同時に彼女を応援して送り出してくれた。そして、いつか彼女が戻ってくる日を待ち望んでいる。
コメント欄にはリリアへの応援メッセージが続々と流れていく。
-この時期ということは、勉強頑張って!
-リリアが戻ってくる日を楽しみにしてる
-本当に人生の大事な時期だから、そっちを優先して!
-視聴者は活動している姿を見たいけれど、一番はリリアに幸せになってもらうことだから!
「皆の応援、本当にありがとう。リリアもきっと喜んでいると思う。いつか彼女自身から、皆さんに感謝の気持ちを伝える日が来るだろう」
配信の途中で城介が合流し、二人で最新のアクションゲームのマルチプレイに挑戦した。ハヤトの異世界で培った反射神経と直感力は、ゲームプレイでも遺憾なく発揮される。複雑な操作も一度見ただけでマスターし、難易度の高いステージもスムーズにクリアしていく。
「さすがハヤト、上達が早いな」
ジョンのアバターで配信している城介が感心した声で言うと、視聴者からも驚きのコメントが相次いだ。
-プロゲーマーみたい
-このゲームも上手いんかい
-発売されたばかりなのに、この動き
-参考になる
-やっぱ上達スピードは異常
-どこで、そんなゲーム技術を磨いてきたの!?
-ハヤトさんの動き方、本当にスムーズ!
-反射神経が尋常じゃない
ハヤトは苦笑いしながら答えた。
「昔は、こんなにゲームが得意だったわけじゃないけどね。色々とあったんだ。長い間、生き抜くために反射神経を鍛えてきたというか」
-なるほど、勇者だもんね
-さすが勇者
-これが勇者の力
-勇者の力をゲームに活用するなんて(笑)
城介がその言葉の真意を理解して笑う。異世界での経験が、本当に活きているのだ。
配信が終わった後、ハヤトは莉々に短いメッセージを送った。彼女は配信を見ていないだろうけど、報告しておきたかった。
「今日も配信、盛り上がったよ。登録者数が130万人を超えたぞ。みんな君のことを応援している」
もちろん、返信はすぐに来なかった。彼女は今頃、勉強を頑張っているのだろう。それなら返信がない方が嬉しいかもしれない。ハヤトは配信の後片付けをした。
それから、また時間が経過していく。配信活動は順調に続き、ファンの数も着実に増えていった。警備会社での仕事と配信活動の両立は、時に大変だったが、ハヤトは充実した日々を送っていた。
「Vtuberゲーム大会の出場枠が決まったぞ」
春の陽気が感じられる三月のある日、城介からの連絡でハヤトは驚いた。
「え? 俺達も参加していいやつ?」
「ああ。主催者から直接オファーがあった。出場してほしいそうだ」
招待されたのはFPSゲームの大会らしい。ハヤトは少し考え込んだ。
「俺達が出るべきかな?」
「出るべきだろう。練習する時間が少なくてもお前のゲームセンスなら大丈夫」
城介の言葉に、ハヤトは決意を固めた。
「よし。なら、やってみよう」
それから二週間、ハヤトは大会で使用されるゲームの練習に励んだ。警備会社での仕事と配信活動の合間を縫っての練習だったが、彼の異常な上達速度は健在だった。城介はビジネスの合間に時間を作り、ハヤトとオンラインでチームの連携力を高めた。
大会当日。会場はハヤトが想像していた以上に大きなイベントホールで、多くのVtuberファンで溢れかえっていた。ステージ上には大型スクリーンが設置され、出場者のアバターが次々と紹介されていく。ハヤトのアバターが大型スクリーンに映し出されると、大きな歓声が上がった。
自分たちの知名度が、予想以上に高まっていたことが実感できる瞬間だった。
「こんなに注目されているとは」
バックステージで準備するハヤトに、城介が冷静な声で言った。
「こういうゲームの大会に参加したのは大きな成功。お前の配信活動の積み重ねがあったからだろう。莉々も喜ぶだろう」
ハヤトは頷いた。
「今日は、応援してくれるファンのために、いい結果を残したいな」
大会は予選から決勝まで、一日がかりで行われた。ハヤトは予選を順調に勝ち進み、準決勝では遭遇した強豪Vtuberのパーティーを見事に倒していく。彼の動きは無駄がなく、相手の攻撃パターンを素早く見抜いては的確なカウンターを繰り出していく。城介もまた、冷静な判断と戦略的な動きで、チームの勝利に貢献した。
会場の大型スクリーンには試合の様子が映し出され、観客からは歓声と拍手が絶えなかった。
-あれ、プロの実力あるんじゃないの?
-ハヤトさん、強すぎる!
-まさに勇者
-ジョンの冷静な判断力も素晴らしい!
-やっぱり異世界パーティーは強い!
観客の興奮した声が会場に響く。その声援を力に変えるように、ハヤトたちは次々と勝ち進んでいった。
決勝戦は、当時最も人気のあったVtuberグループのエース、カイトとの対決となった。彼は実績豊富なプレイヤーで、これまで数々の大会で優勝してきた実力者だった。客席は両方のファンで埋め尽くされ、緊張感と興奮が入り混じる空気に包まれていた。
「いよいよ直接対決! ハヤト率いるチームと、カイト率いるチームで正面衝突! 撃ち合っていくうぅ!」
対戦が始まると、両者一歩も譲らない接戦が続いた。カイトの巧みな技術に対し、ハヤトは直感的な判断力と反射神経で対抗する。城介はバックアップに回り、相手の動きを分析しながら戦術的なアドバイスをハヤトに送る。
最終ラウンド、残り体力がわずかになった場面で、ハヤトは相手の攻撃を見切り、完璧なタイミングで突撃を決めた。会場が割れんばかりの歓声に包まれる。
「勝者! ハヤトチーム!」
トロフィーを手にしたハヤトたちのプレイヤーキャラクターが、大型スクリーンに表示される。会場全体が拍手と歓声に包まれた。
「やったな、ハヤト」
城介が誇らしげに言った。彼の声には、チームとしての勝利を心から喜ぶ感情が込められていた。
「ああ、君のサポートがあったからこそだ。一人では無理だった」
ハヤトは心から感謝の気持ちを伝えた。異世界でも現代でも、仲間の力は何物にも代えがたい支えだった。
その夜、大会の模様はインターネット上で大きな話題となり、勝利した瞬間の切り抜き動画が出回った。ハヤトたちの配信チャンネル登録者数は一気に150万人を突破し、SNSでは「#異世界パーティー優勝」というハッシュタグがトレンド入りしていた。
ハヤトが自宅のマンションに戻ると、久しぶりに莉々からの電話があった。
「ハヤト、おめでとうございます! 大会、リアルタイムで見てましたよ! すごく興奮しました!」
彼女の声は嬉しそうだった。受験勉強の合間に大会の様子を見ていたらしい。勉強は大丈夫なのか。莉々なら多分、大丈夫だと思うけど。
「莉々、ありがとう。勉強の調子はどう?」
「順調です。来週、模試があるので、今はそれに向けて勉強しています。でも、ハヤトたちの大会は特別だから、時間を作って見ました。あの最後の動き、本当に素晴らしかったです!」
莉々の声には、純粋な喜びと誇らしさが溢れていた。
「模試か。頑張って。良い結果が出ることを祈ってるよ」
「はい! 頑張ります」
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