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第30話 初めての外国
「わぁ! ここが、ファルスノ帝国なんですね! ずーっと先の方まで見えます! すごいっ!」
遥か先まで続いている雄大な草原は、初めて見るような光景だった。
私が生まれ育ったラクログダム王国は、森や山が多い土地。そんな王国から一度も出たことがなかった私は、こんなに先まで見渡せる開けた場所というものを、今まで目にしたことがなかった。本当に、心の底から驚いている。
初めて訪れた外国の景色に、私は興奮していた。何事もなく、全員が無事ここまで辿り着けたことも相まって、とても嬉しかったから。
盗賊団や反乱軍、王国軍と一度も遭遇しなかった。何の問題も起きずに、目的地であるファルスノ帝国に到着することが出来た。運良く、襲われることはなかったので全員無事である。
奇跡的に、誰一人として欠けることなく王国からの逃亡を成功した。
おそらく、ラインヴァルト達が進行ルートを慎重に考えて、敵と遭遇しないような道を選んでくれたから、私達は全員無事だったのだろう。
一緒に前へ進んでいる人達の表情は、とても明るい。希望に満ちた顔をしている。街を出発した時の、暗くて不安そうな表情は消え去っていた。
もう少し進めば、休める場所があるらしい。そこを目指して私達は進んでいる。
「カトリーヌ。馬車から落ちないように、気をつけてね」
「あ! も、申し訳ありません。ご忠告を感謝します、ラインヴァルト様」
前で全体指揮をしていたはずのラインヴァルト様が、いつの間にか私の乗る馬車の近くに居た。私が、はしゃいでいる姿を見られたらしい。恥ずかしくて、顔が熱い。
「フフッ。いや、いいんだよ。楽しそうで可愛いじゃないか」
「う……。恥ずかしいです。だから、あまり笑わないでください……」
「ハハハ! いやいや、ごめんごめん!」
ラインヴァルト様も機嫌良さそうに笑う。少し前までは指揮するのが大変そうで、ずっと真剣な表情だった。
この国の皇子だというラインヴァルト様も、生まれた場所に帰ることが出来たので嬉しいのでしょう。彼の笑顔を見ることが出来て、私も嬉しく思った。
「もう少し先に進んだら到着するから、知らせに来たよ。昼前には目的地に到着する予定だから、そこまで頑張って」
「はい、頑張ります!」
「よしよし、その調子でね! あと少しだよ」
それだけ言って、集団の前に戻っていったラインヴァルト様。わざわざ彼が近くに来てくれたのは、到着が近いことを教えてくれるためだった。その心遣いも嬉しい。
目的地に到着するまで、あと僅か。
遥か先まで続いている雄大な草原は、初めて見るような光景だった。
私が生まれ育ったラクログダム王国は、森や山が多い土地。そんな王国から一度も出たことがなかった私は、こんなに先まで見渡せる開けた場所というものを、今まで目にしたことがなかった。本当に、心の底から驚いている。
初めて訪れた外国の景色に、私は興奮していた。何事もなく、全員が無事ここまで辿り着けたことも相まって、とても嬉しかったから。
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もう少し進めば、休める場所があるらしい。そこを目指して私達は進んでいる。
「カトリーヌ。馬車から落ちないように、気をつけてね」
「あ! も、申し訳ありません。ご忠告を感謝します、ラインヴァルト様」
前で全体指揮をしていたはずのラインヴァルト様が、いつの間にか私の乗る馬車の近くに居た。私が、はしゃいでいる姿を見られたらしい。恥ずかしくて、顔が熱い。
「フフッ。いや、いいんだよ。楽しそうで可愛いじゃないか」
「う……。恥ずかしいです。だから、あまり笑わないでください……」
「ハハハ! いやいや、ごめんごめん!」
ラインヴァルト様も機嫌良さそうに笑う。少し前までは指揮するのが大変そうで、ずっと真剣な表情だった。
この国の皇子だというラインヴァルト様も、生まれた場所に帰ることが出来たので嬉しいのでしょう。彼の笑顔を見ることが出来て、私も嬉しく思った。
「もう少し先に進んだら到着するから、知らせに来たよ。昼前には目的地に到着する予定だから、そこまで頑張って」
「はい、頑張ります!」
「よしよし、その調子でね! あと少しだよ」
それだけ言って、集団の前に戻っていったラインヴァルト様。わざわざ彼が近くに来てくれたのは、到着が近いことを教えてくれるためだった。その心遣いも嬉しい。
目的地に到着するまで、あと僅か。
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