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第1話 愚かな婚約破棄
「エルミリア・イステリッジ! 貴様との婚約を破棄する!」
「……突然、どうしたのですか? ギオマスラヴ様」
ローレタウ王国にて。多くの有力貴族たちを招いた王宮のパーティー会場で突然、王太子であるギオマスラヴ・シャープス様から指を差して婚約破棄を告げられた。
わざわざ私の名前をフルネームで呼んで、周りの注目を集めるためなのか大声で。
彼の目論見通り、周りに居た参加者の貴族たちが興味津々の表情で私たちを見てくる。もう取り返しがつかないわね。こんなに大勢の前で、言いだしてしまっては。
「どうしたも何も、お前が今までしてきた事を考えれば当然だろう」
「私が? 一体何をしたというのですか?」
彼が自信満々な態度で私を責める。だが、考えれば当然だと言われても身に覚えのない事に首を傾げてしまった。本気で、心当たりがない。そんな私の態度にイライラしたのか、婚約者だったギオマスラヴ様は顔を真っ赤にして怒り始めた。
「とぼけるな! お前は、彼女にした嫌がらせの数々を忘れたとは言わせんぞ!!」
そう言うと、ギオマスラヴ様は近くに控えていた見知らぬ少女の腰を抱き寄せた。それはまるで、恋人同士のように見える動きだ。その女性は、茶色い髪を持つ可愛らしい少女だった。
「あらあら、ギオマスラヴ様。婚約者が居るというのに他の女性と公の場で、そのような不埒な行為をなさるなんて。王族の名を汚すおつもりですか?」
私がそう言うと、周囲で見ている貴族の皆様がギオマスラヴ様に冷ややかな視線を向ける。その雰囲気を感じたのか、慌てて言い訳をするギオマスラヴ様。
「う、うるさいな! これは違うっ! 小賢しいことを言って、煙に巻こうとしても無駄だからな!!」
そう言いながら、少女の腰に回した手を離そうとはしない。煙に巻こうとしているのは、どっちなのかしら。そして彼は今、周りからどういう目で見られているのかを理解しているのかしら。
これが、王太子だというのだから情けない話ね。ちゃんと教育を受けているはずなのに、その効果が全く見えない。王家の跡継ぎの問題は、かなり深刻だった。
「私は、リザベットと出会って運命を感じたのだ。彼女と俺の間には、真実の愛が存在している! 政略結婚で、親に決められた相手と結婚するよりも、ずっと幸せになれるはずだ!」
「はぁ、そうですか……」
彼の話を聞いているだけで、頭が痛くなる。運命とか、真実の愛とか。そんなことを、本気の目で語っている。
彼って、こんなに愚かだったかしら。前は、もう少しマシだったはずよね。最近、どんどん酷くなっているような気がしていたが、まさかここまでとは。
貴族の政略結婚なんて当然で、特に王家なんてそういうものだ。それを、この男は理解していない。自分の気持ちが全てだと思っているみたい。
だけどまあ、これはよい機会なのかもしれない。今ならまだ、ダメージは少ない。こんな愚かな男との関わりを断てるのなら、今すぐに婚約破棄を受け入れるべきね。証人も沢山居るし。
「わかりました。それでは、婚約破棄の件を今すぐ陛下にお伝えして――」
「待てッ! まだ、話は終わっていないぞ!」
それで話は終わりかと思ったら、まだ何かあるらしい。これ以上の面倒は、やめてほしいんだけれど。
「……突然、どうしたのですか? ギオマスラヴ様」
ローレタウ王国にて。多くの有力貴族たちを招いた王宮のパーティー会場で突然、王太子であるギオマスラヴ・シャープス様から指を差して婚約破棄を告げられた。
わざわざ私の名前をフルネームで呼んで、周りの注目を集めるためなのか大声で。
彼の目論見通り、周りに居た参加者の貴族たちが興味津々の表情で私たちを見てくる。もう取り返しがつかないわね。こんなに大勢の前で、言いだしてしまっては。
「どうしたも何も、お前が今までしてきた事を考えれば当然だろう」
「私が? 一体何をしたというのですか?」
彼が自信満々な態度で私を責める。だが、考えれば当然だと言われても身に覚えのない事に首を傾げてしまった。本気で、心当たりがない。そんな私の態度にイライラしたのか、婚約者だったギオマスラヴ様は顔を真っ赤にして怒り始めた。
「とぼけるな! お前は、彼女にした嫌がらせの数々を忘れたとは言わせんぞ!!」
そう言うと、ギオマスラヴ様は近くに控えていた見知らぬ少女の腰を抱き寄せた。それはまるで、恋人同士のように見える動きだ。その女性は、茶色い髪を持つ可愛らしい少女だった。
「あらあら、ギオマスラヴ様。婚約者が居るというのに他の女性と公の場で、そのような不埒な行為をなさるなんて。王族の名を汚すおつもりですか?」
私がそう言うと、周囲で見ている貴族の皆様がギオマスラヴ様に冷ややかな視線を向ける。その雰囲気を感じたのか、慌てて言い訳をするギオマスラヴ様。
「う、うるさいな! これは違うっ! 小賢しいことを言って、煙に巻こうとしても無駄だからな!!」
そう言いながら、少女の腰に回した手を離そうとはしない。煙に巻こうとしているのは、どっちなのかしら。そして彼は今、周りからどういう目で見られているのかを理解しているのかしら。
これが、王太子だというのだから情けない話ね。ちゃんと教育を受けているはずなのに、その効果が全く見えない。王家の跡継ぎの問題は、かなり深刻だった。
「私は、リザベットと出会って運命を感じたのだ。彼女と俺の間には、真実の愛が存在している! 政略結婚で、親に決められた相手と結婚するよりも、ずっと幸せになれるはずだ!」
「はぁ、そうですか……」
彼の話を聞いているだけで、頭が痛くなる。運命とか、真実の愛とか。そんなことを、本気の目で語っている。
彼って、こんなに愚かだったかしら。前は、もう少しマシだったはずよね。最近、どんどん酷くなっているような気がしていたが、まさかここまでとは。
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だけどまあ、これはよい機会なのかもしれない。今ならまだ、ダメージは少ない。こんな愚かな男との関わりを断てるのなら、今すぐに婚約破棄を受け入れるべきね。証人も沢山居るし。
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