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第9話 真実の愛を貫いて ※第三者視点
「王太子殿下の身分については、そのまま変えずに維持して頂きたい。つまり今回の件で、ギオマスラヴ様の王位継承権を剥奪しないでほしいのです」
あんな愚かな事件を起こしたのだから、王位継承権を剥奪する処分が妥当だろう。処刑も考えるぐらいの行為。公爵家当主は、処刑を求めてくると思っていた。それが逆に、何の処分もしないでほしいと要求されるなんて、想定外だった。
「……どういう事だ?」
イステリッジ公爵家の当主が一体何を考えているのか分からなくて、国王は理由が知りたかった。だから彼は聞いた。どうして処罰を求めないのか。そう問うと、公爵家の当主は国王に続けてお願いした。
「ルシヨンヌ男爵令嬢との婚約も進めて下さい。どうやら、その女性が殿下にとって運命の相手らしいのです。ぜひ、その愛を成就させてあげてください。そして、その女性を将来の妃に迎え入れてほしいんです」
「それは、あれらが勝手に言っているだけで。私は、認めてなどいない……」
運命の相手なんて、馬鹿馬鹿しい。真実の愛など、何も知らない愚かな息子が思い込みで言っただけ。それを認めるなんて、とても嫌な選択を提示された。
「殿下は、イステリッジ公爵家も侮辱されたようですね。その件についての賠償も話し合う必要がありますか」
「……わかった。息子の身分と婚約相手について、認めよう」
今現在、ギオマスラヴ王子の他に王位を継承できるような候補者が居ない。政務能力や健康面、年齢などの問題で、彼以外の人物に王位を譲るのは厳しいと判断が下されていた。でもまさか、性格面に大きな問題があったと発覚して、見直す必要を少し感じていた。
だが、後任候補の選定は非常に困難で大変な作業だ。選定のための人員や、お金も必要になる。だから、このままギオマスラヴを王太子としておくほうが、面倒が少なくて済む。そんな考えが、国王の頭の中を占めていた。だから、公爵家当主の提案を即座に受け入れた。
拒否しても、賠償の問題を持ち出される。選択の余地はない。
これでローレタウ王国の未来は非常に暗いものになるだろうと、国王は思った。
イステリッジ公爵家の当主は、ローレタウ王国を滅亡させようと企んでいるのではないか。愚か者に王位を継がせて、国を混乱させる。そして、自分が実権を握るために暗躍しようと企てている。国王は疑うが、受け入れるしかない。
むしろ、イステリッジ公爵家の当主が実権を握ったほうが、ローレタウ王国の未来は上手くいくかもしれない。そこまで考えて、余計なことを言わないように国王は口を閉じる。
ギオマスラヴには再教育を行い、男爵令嬢には王妃としての教育を急いで施す。それで、どうにかするしかなかった。残された時間は短いが、どうにかするしか。
賠償についての話し合いが終わって、書類にサインをする。領地の件と、王太子の身分に関する内容。それを確認してから、イステリッジ公爵家の当主は席を立った。
「ては、失礼します」
丁寧な挨拶をして、二度と振り返らずに退出していくイステリッジ公爵家の当主。彼を見送った後、1人になった国王はため息をついた。頼りになる臣下が去ってしまった。自分の息子のせいで。そして、これから先も息子は問題を起こすだろう。それを止めることが出来るのだろうか。
この先、どうなってしまうのかと国王は不安に思うのだった。
あんな愚かな事件を起こしたのだから、王位継承権を剥奪する処分が妥当だろう。処刑も考えるぐらいの行為。公爵家当主は、処刑を求めてくると思っていた。それが逆に、何の処分もしないでほしいと要求されるなんて、想定外だった。
「……どういう事だ?」
イステリッジ公爵家の当主が一体何を考えているのか分からなくて、国王は理由が知りたかった。だから彼は聞いた。どうして処罰を求めないのか。そう問うと、公爵家の当主は国王に続けてお願いした。
「ルシヨンヌ男爵令嬢との婚約も進めて下さい。どうやら、その女性が殿下にとって運命の相手らしいのです。ぜひ、その愛を成就させてあげてください。そして、その女性を将来の妃に迎え入れてほしいんです」
「それは、あれらが勝手に言っているだけで。私は、認めてなどいない……」
運命の相手なんて、馬鹿馬鹿しい。真実の愛など、何も知らない愚かな息子が思い込みで言っただけ。それを認めるなんて、とても嫌な選択を提示された。
「殿下は、イステリッジ公爵家も侮辱されたようですね。その件についての賠償も話し合う必要がありますか」
「……わかった。息子の身分と婚約相手について、認めよう」
今現在、ギオマスラヴ王子の他に王位を継承できるような候補者が居ない。政務能力や健康面、年齢などの問題で、彼以外の人物に王位を譲るのは厳しいと判断が下されていた。でもまさか、性格面に大きな問題があったと発覚して、見直す必要を少し感じていた。
だが、後任候補の選定は非常に困難で大変な作業だ。選定のための人員や、お金も必要になる。だから、このままギオマスラヴを王太子としておくほうが、面倒が少なくて済む。そんな考えが、国王の頭の中を占めていた。だから、公爵家当主の提案を即座に受け入れた。
拒否しても、賠償の問題を持ち出される。選択の余地はない。
これでローレタウ王国の未来は非常に暗いものになるだろうと、国王は思った。
イステリッジ公爵家の当主は、ローレタウ王国を滅亡させようと企んでいるのではないか。愚か者に王位を継がせて、国を混乱させる。そして、自分が実権を握るために暗躍しようと企てている。国王は疑うが、受け入れるしかない。
むしろ、イステリッジ公爵家の当主が実権を握ったほうが、ローレタウ王国の未来は上手くいくかもしれない。そこまで考えて、余計なことを言わないように国王は口を閉じる。
ギオマスラヴには再教育を行い、男爵令嬢には王妃としての教育を急いで施す。それで、どうにかするしかなかった。残された時間は短いが、どうにかするしか。
賠償についての話し合いが終わって、書類にサインをする。領地の件と、王太子の身分に関する内容。それを確認してから、イステリッジ公爵家の当主は席を立った。
「ては、失礼します」
丁寧な挨拶をして、二度と振り返らずに退出していくイステリッジ公爵家の当主。彼を見送った後、1人になった国王はため息をついた。頼りになる臣下が去ってしまった。自分の息子のせいで。そして、これから先も息子は問題を起こすだろう。それを止めることが出来るのだろうか。
この先、どうなってしまうのかと国王は不安に思うのだった。
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