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第22話 謝罪
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来てくれた兵士に厄介者の身柄を引き渡して、ようやく店内が静かになった。
次に私がやるべきことは謝罪である。店内で飲食を楽しんでいたお客様にお騒がせしたことを謝らないと。ちゃんと頭を下げて、お騒がせしたお詫びに注文した商品は全て無料にすると提案した。
けれど、その場に居た人たち全員が、その必要はないと言ってくれた。
「店長は悪くないよ。あの男がオカシイ」
「面倒な男に絡まれて大変ね」
「助けに入れなくて申し訳ない」
「見ているだけで何もできなくて、ごめんなさい」
「次があったら絶対に助ける。困ったことがあったら言ってくれ」
「また、あの変な男が来たら今度は絶対に追い払ってあげるよ」
色々と気遣ってもらったり逆に励まされたり、謝られたり。私はお客様の優しさに感謝した。
「皆様、ありがとうございます」
もう一度、頭を下げて感謝を伝える。そして、店内の雰囲気は元通りになった。
よかった。今回の件で、お店に来てくれた人たちが離れてしまったら悲しかった。だけど、その心配がなくて安心する。
まだ謝罪と感謝を伝えないといけない人が残っている。今回の事件で一番お世話になった人に待ってもらっていた。まだ店内に居てくれた彼に近寄り、話しかける。
「お待たせして、申し訳ありません」
厄介者の身柄を引き渡すのを見届けた後、お店から立ち去ろうとしていた彼を私は呼び止めた。助けてもらったのに、お礼を言いたいからと待たせてしまったのは悪いと思う。でも、引き留めないとお礼を言う機会を失ってしまいそうな気がしたから。
「大丈夫、美味しいコーヒーを頂いたからね」
店員がコーヒーを淹れてくれたのだろう。それを飲んで、笑顔で対応してくれる彼。
「先ほどは助けていただき、本当にありがとうございました」
「礼には及ばない。もう少し早く駆けつけたら、スムーズに対処できたんだが」
「いえ、そんなことは!」
彼も、気にしなくていいと言ってくれた。むしろ、助けに来るのが遅くなって申し訳ないと。しかし、そういうわけにはいかない。何か、助けてもらったお礼をしないと。
お礼をさせてください。私がそう言う前に、彼が口を開いた。
「それに、俺は君に色々と世話になった。そのお礼でもある」
「お世話ですか? 私が? 貴方に?」
何か、彼にしただろうか。思い返してみるが、まったく心当たりがない。お店では普通に接客して、特別なことはしていないはずだ。ただの店長と常連客という関係でしかない。
ということは、もっと以前のことかしら。もしかしたら、私が令嬢だった頃とか。でも、その時もルニュルス公爵家との接点はなかったはず。
私とユーグ様が知り合ったのは、このお店が初めて。そんな私が、彼のお世話をした?
やっぱり、心当たりはない。誰かと間違えているのでは?
「実は君のやり方を見て、真似させてもらったんだ」
「あっ」
そう言うと、彼は左手を掲げた。それを見て、私は驚きの声をあげる。彼の左手首には、金色の輪っかが浮かび上がっていた。私と同じように、精霊の契約をした証があった。
つまり彼も、誰かと精霊の契約を交わしたということ。私の真似をして?
次に私がやるべきことは謝罪である。店内で飲食を楽しんでいたお客様にお騒がせしたことを謝らないと。ちゃんと頭を下げて、お騒がせしたお詫びに注文した商品は全て無料にすると提案した。
けれど、その場に居た人たち全員が、その必要はないと言ってくれた。
「店長は悪くないよ。あの男がオカシイ」
「面倒な男に絡まれて大変ね」
「助けに入れなくて申し訳ない」
「見ているだけで何もできなくて、ごめんなさい」
「次があったら絶対に助ける。困ったことがあったら言ってくれ」
「また、あの変な男が来たら今度は絶対に追い払ってあげるよ」
色々と気遣ってもらったり逆に励まされたり、謝られたり。私はお客様の優しさに感謝した。
「皆様、ありがとうございます」
もう一度、頭を下げて感謝を伝える。そして、店内の雰囲気は元通りになった。
よかった。今回の件で、お店に来てくれた人たちが離れてしまったら悲しかった。だけど、その心配がなくて安心する。
まだ謝罪と感謝を伝えないといけない人が残っている。今回の事件で一番お世話になった人に待ってもらっていた。まだ店内に居てくれた彼に近寄り、話しかける。
「お待たせして、申し訳ありません」
厄介者の身柄を引き渡すのを見届けた後、お店から立ち去ろうとしていた彼を私は呼び止めた。助けてもらったのに、お礼を言いたいからと待たせてしまったのは悪いと思う。でも、引き留めないとお礼を言う機会を失ってしまいそうな気がしたから。
「大丈夫、美味しいコーヒーを頂いたからね」
店員がコーヒーを淹れてくれたのだろう。それを飲んで、笑顔で対応してくれる彼。
「先ほどは助けていただき、本当にありがとうございました」
「礼には及ばない。もう少し早く駆けつけたら、スムーズに対処できたんだが」
「いえ、そんなことは!」
彼も、気にしなくていいと言ってくれた。むしろ、助けに来るのが遅くなって申し訳ないと。しかし、そういうわけにはいかない。何か、助けてもらったお礼をしないと。
お礼をさせてください。私がそう言う前に、彼が口を開いた。
「それに、俺は君に色々と世話になった。そのお礼でもある」
「お世話ですか? 私が? 貴方に?」
何か、彼にしただろうか。思い返してみるが、まったく心当たりがない。お店では普通に接客して、特別なことはしていないはずだ。ただの店長と常連客という関係でしかない。
ということは、もっと以前のことかしら。もしかしたら、私が令嬢だった頃とか。でも、その時もルニュルス公爵家との接点はなかったはず。
私とユーグ様が知り合ったのは、このお店が初めて。そんな私が、彼のお世話をした?
やっぱり、心当たりはない。誰かと間違えているのでは?
「実は君のやり方を見て、真似させてもらったんだ」
「あっ」
そう言うと、彼は左手を掲げた。それを見て、私は驚きの声をあげる。彼の左手首には、金色の輪っかが浮かび上がっていた。私と同じように、精霊の契約をした証があった。
つまり彼も、誰かと精霊の契約を交わしたということ。私の真似をして?
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