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第13話 お嬢様のお願い ※専属料理人ローワン視点
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突然、調理場にナディーンお嬢様がメイドを連れて現れた。なにやら話したいことがあるらしい。
もしかして、我々の作る料理に不満を持っておられるのか。直接、文句を言うためにやって来たということなのか。
最近、ナディーン様の食事の最中のお顔が不満そうだという話を聞いていた。その事かもしれない。
わざわざ、こんな場所まで足を運ぶなんてよっぽどのことだ。もしかして、解雇を告げに来たんじゃ。そんな、最悪な考えが脳裏をよぎる。
俺は不安を抱きながら、お嬢様に対応する。
「あの、お嬢様。話したいこととは、一体?」
「実は貴方に、新しい調理法を伝授しに来たの」
「……調理法、ですか?」
文句を言いに来たんじゃないようだ。予想外のことに、俺は戸惑う。そんな、俺の反応で勘違いしたのか、申し訳ないという顔でお嬢様が謝る。
「ごめんなさい。こんな小娘が教えるだなんて不快に思うでしょう」
「いいえ、そんな! 不快だなんて、全く思っていないです!!」
不快だとは思わなかった。ただ、驚いただけ。お嬢様は、俺に何を教えようとしてくれているのか。教えてもらう俺は、どう反応するのが正解なのか。困ってしまう。
「一度、私の教えた通りにやってもらいたいの」
「わかりました。やってみましょう!」
ナディーンお嬢様は、とても真剣な表情だ。ふざけたり、馬鹿にするような様子はない。ならば俺も、ストランド伯爵家の専属料理人として、お嬢様と真剣に向き合うべきだろう。
そして俺は、ナディーンお嬢様に様々なことを教えてもらった。今まで聞いたこともない調理法、斬新な料理のレシピ。味わったことのない調味料。一体どうやって、ナディーンお嬢様はこの知識を得たというのか。
気になったけれど、今はそんなことよりも集中して、お嬢様の教えを学ぶ。これを学べば、俺は料理人として成長できる。
料理に関することを、たっぷりと教えてもらった。その後に、ナディーンお嬢様は話してくれた。
「これは私が魔法を研究して見つけた、研究成果なのよ。私は魔法使いだから、この知識を発見しても上手く活用することが出来ないのよ。だから、専門の人に伝授して役立ててもらおうと思ったの」
「そうだったのですか!」
魔法は、こんな事も出来るのかと、お嬢様のお話を聞いて驚いた。そして、教えてもらったからには上手く使いこなさなければならない。お嬢様は、料理人である俺を信頼して教えてくれたのだから。気合が入った。
「それから、貴方の部下の料理人たちや屋敷で働いている人には教えてもいいけど、その他の人達にはあまり教えないように。無闇矢鱈と、広めようとはしないでね」
「もちろんです! 我々の秘伝とします」
「あ、うん。そこまで頑なに秘密にしなくても、大丈夫よ。外に漏れてしまっても、別に怒らないから」
ナディーンお嬢様に色々と教えてもらって、料理人として誇りと情熱が高まった。これは、ますます精進しなければ!
もしかして、我々の作る料理に不満を持っておられるのか。直接、文句を言うためにやって来たということなのか。
最近、ナディーン様の食事の最中のお顔が不満そうだという話を聞いていた。その事かもしれない。
わざわざ、こんな場所まで足を運ぶなんてよっぽどのことだ。もしかして、解雇を告げに来たんじゃ。そんな、最悪な考えが脳裏をよぎる。
俺は不安を抱きながら、お嬢様に対応する。
「あの、お嬢様。話したいこととは、一体?」
「実は貴方に、新しい調理法を伝授しに来たの」
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文句を言いに来たんじゃないようだ。予想外のことに、俺は戸惑う。そんな、俺の反応で勘違いしたのか、申し訳ないという顔でお嬢様が謝る。
「ごめんなさい。こんな小娘が教えるだなんて不快に思うでしょう」
「いいえ、そんな! 不快だなんて、全く思っていないです!!」
不快だとは思わなかった。ただ、驚いただけ。お嬢様は、俺に何を教えようとしてくれているのか。教えてもらう俺は、どう反応するのが正解なのか。困ってしまう。
「一度、私の教えた通りにやってもらいたいの」
「わかりました。やってみましょう!」
ナディーンお嬢様は、とても真剣な表情だ。ふざけたり、馬鹿にするような様子はない。ならば俺も、ストランド伯爵家の専属料理人として、お嬢様と真剣に向き合うべきだろう。
そして俺は、ナディーンお嬢様に様々なことを教えてもらった。今まで聞いたこともない調理法、斬新な料理のレシピ。味わったことのない調味料。一体どうやって、ナディーンお嬢様はこの知識を得たというのか。
気になったけれど、今はそんなことよりも集中して、お嬢様の教えを学ぶ。これを学べば、俺は料理人として成長できる。
料理に関することを、たっぷりと教えてもらった。その後に、ナディーンお嬢様は話してくれた。
「これは私が魔法を研究して見つけた、研究成果なのよ。私は魔法使いだから、この知識を発見しても上手く活用することが出来ないのよ。だから、専門の人に伝授して役立ててもらおうと思ったの」
「そうだったのですか!」
魔法は、こんな事も出来るのかと、お嬢様のお話を聞いて驚いた。そして、教えてもらったからには上手く使いこなさなければならない。お嬢様は、料理人である俺を信頼して教えてくれたのだから。気合が入った。
「それから、貴方の部下の料理人たちや屋敷で働いている人には教えてもいいけど、その他の人達にはあまり教えないように。無闇矢鱈と、広めようとはしないでね」
「もちろんです! 我々の秘伝とします」
「あ、うん。そこまで頑なに秘密にしなくても、大丈夫よ。外に漏れてしまっても、別に怒らないから」
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