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13.露呈
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「勝手? 勝手とは、どういう意味だ?」
「エリザベートは、俺の女だ! それを奪い取って、勝手に婚約するなんて!」
一度だって、ランベルト王子の女になったつもりは無い。彼と婚約していたのも、国王と両親が話し合って決めたことだから。恋愛感情なんてゼロである。
「奪ったと言うが、エリザベートに婚約破棄を言い渡したのはランベルトだろう?」
「違う! それには、事情があって……」
元平民の貴族を庇護するために、その女性と婚約を結ぼうと考えていたらしいが。
あの後、ランベルト王子がアメリという女性と婚約したという話は聞いたけれど、ちゃんと手続きしたという話は聞いていない。
婚約の手続きをしていないようだけど、もしかして私が代わりに手続きするだろうと知らぬ間に任されていたとか。
婚約関係だった頃は、そういう事がよくあった。先回りして、何か言われる前には対処していた。でも、婚約関係を破棄した今はもう気を使う必要なんて無い。
そんな事を考えている間に、ランベルト王子とトルステン王子が言い争い、激しくぶつかっている。
正直、兄弟2人で言い合ってくれているから私は楽だった。このまま関わらないで、終わってくれると嬉しい。
だが、ランベルト王子は私の顔を見て話しかけてきた。
「エリザベートも何か言ってやってくれ! 本当は、こんな婚約は嫌なんだろう?」
「そんな事ありません」
「な!? ……なに?」
「トルステン様との婚約は、ちゃんと納得しています」
「そんなはず無い! お前は、俺のことを愛してくれているんだろう?」
「いいえ。何度も言いますが、貴方のことなんて愛していませんよ?」
「……ック!」
前も、同じようなやり取りをした覚えがある。その時も、同じような答えを言ったはずだけど。ランベルト王子は忘れてしまったのか。
今度こそ、私が貴方を愛していないことを理解してもらえたら良いんだけど。
「もういい!!!」
私が拒絶すると、彼は怒りながら会議室を出ていった。第一王子だからといって、身勝手すぎるよ。
会議室は静かなになった。国王を見ると、口をポカンと開けて信じられないというような表情をしている。
しばらくして王は、横に座っている大臣に顔を寄せて何か小声で話し合っていた。見間違えじゃないか、本当にランベルト王子だったのか確認しているようだ。アレが本当の彼なんです。
「とりあえず、今日は解散する」
国王が、会議に参加していた人たちに視線を向けて言う。
「ランベルトに関しては色々と確認した後に、厳しい処分を下すつもりだ」
ようやく国王が、ランベルト王子の酷さを知ってくれたようだ。直接あんな場面を目撃したんだから、今までの印象は一変しただろう。
最近、ランベルト王子が部下や執事に対して感情的に当たり散らしているという噂も聞いている。そのうち、国王の耳に入るだろう。それで、さらなる事実を知ることになるはずだ。
彼が今後どうなるのか気にしながら、私はトルステン王子と一緒に会議室から退室した。
「エリザベートは、俺の女だ! それを奪い取って、勝手に婚約するなんて!」
一度だって、ランベルト王子の女になったつもりは無い。彼と婚約していたのも、国王と両親が話し合って決めたことだから。恋愛感情なんてゼロである。
「奪ったと言うが、エリザベートに婚約破棄を言い渡したのはランベルトだろう?」
「違う! それには、事情があって……」
元平民の貴族を庇護するために、その女性と婚約を結ぼうと考えていたらしいが。
あの後、ランベルト王子がアメリという女性と婚約したという話は聞いたけれど、ちゃんと手続きしたという話は聞いていない。
婚約の手続きをしていないようだけど、もしかして私が代わりに手続きするだろうと知らぬ間に任されていたとか。
婚約関係だった頃は、そういう事がよくあった。先回りして、何か言われる前には対処していた。でも、婚約関係を破棄した今はもう気を使う必要なんて無い。
そんな事を考えている間に、ランベルト王子とトルステン王子が言い争い、激しくぶつかっている。
正直、兄弟2人で言い合ってくれているから私は楽だった。このまま関わらないで、終わってくれると嬉しい。
だが、ランベルト王子は私の顔を見て話しかけてきた。
「エリザベートも何か言ってやってくれ! 本当は、こんな婚約は嫌なんだろう?」
「そんな事ありません」
「な!? ……なに?」
「トルステン様との婚約は、ちゃんと納得しています」
「そんなはず無い! お前は、俺のことを愛してくれているんだろう?」
「いいえ。何度も言いますが、貴方のことなんて愛していませんよ?」
「……ック!」
前も、同じようなやり取りをした覚えがある。その時も、同じような答えを言ったはずだけど。ランベルト王子は忘れてしまったのか。
今度こそ、私が貴方を愛していないことを理解してもらえたら良いんだけど。
「もういい!!!」
私が拒絶すると、彼は怒りながら会議室を出ていった。第一王子だからといって、身勝手すぎるよ。
会議室は静かなになった。国王を見ると、口をポカンと開けて信じられないというような表情をしている。
しばらくして王は、横に座っている大臣に顔を寄せて何か小声で話し合っていた。見間違えじゃないか、本当にランベルト王子だったのか確認しているようだ。アレが本当の彼なんです。
「とりあえず、今日は解散する」
国王が、会議に参加していた人たちに視線を向けて言う。
「ランベルトに関しては色々と確認した後に、厳しい処分を下すつもりだ」
ようやく国王が、ランベルト王子の酷さを知ってくれたようだ。直接あんな場面を目撃したんだから、今までの印象は一変しただろう。
最近、ランベルト王子が部下や執事に対して感情的に当たり散らしているという噂も聞いている。そのうち、国王の耳に入るだろう。それで、さらなる事実を知ることになるはずだ。
彼が今後どうなるのか気にしながら、私はトルステン王子と一緒に会議室から退室した。
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