女のくせに強すぎるからという理由で婚約破棄された令嬢の話

キョウキョウ

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第14話

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 剣術大会での八百長発言について、調査が行われた。

 私も関係者ということで事情聴取されたけれど、すぐ解放された。クリストフ様と妹のジョスリーヌは、かなり長い間拘束されていたようだ。

 それから学園の卒業式が行われて、私は師匠と正式に結婚した。

 そして師匠と一緒に暮らすことになり、夫婦になってからも相変わらず一緒に剣の訓練を続けていた。学生だった頃に比べて私が剣術の腕を披露する場は無いけれど、師匠を超えるという目標を達成するまで鍛え続けるつもりだった。


 そんな日々を過ごしていると、クリストフ様の次期騎士団長という話が取り消しになったという噂を耳にした。

「どうやら、そうらしい。学園を卒業した後は騎士団長ではなく騎士見習いとして、クリストフ君を鍛え直しているようだね」
「師匠も知っているんですね」
「実は、それに関連してセレスに話しておくことがある」

 夕食の時間。真剣な表情で師匠が、とある話を切り出した。

「八百長発言がキッカケになって、騎士団全体の実力について見直すことになって」
「そうなのですか」
「この前、テストが行われた。その結果が少し酷かったようで、騎士団を解散したらどうだろうか、という段階まで話し合いが行われた」

 騎士団が解散する。クリストフ様の行為が大きな影響を及ぼしたようだ。だけど、解散するまでには至らなかったらしい。

「伝統ある騎士団を潰してしまうのは勿体ない。そこで、近衛師団という新たな組織を立ち上げることになったそうだ」

 王族を護衛するのが主な任務という、騎士団の役割と被る新たな組織を作ることになった。

「近衛師団と騎士団を切磋琢磨させて、実力不足を解消させることが目的らしい」
「なるほど」
「それで」

 この話は、まだ終わりじゃないらしい。師匠は話し続ける。

「近衛師団の団長として、俺が任命された」
「そうなのですか! それは、おめでとうございます」

 師匠は学園の先生を辞めて、近衛師団の団長になるという。

「君の意見を聞きたくて、まだ了承していなんだ。やってみてもいいかな?」
「えぇ、もちろんですよ! 頑張って下さい。応援しています」
「そうか、ありがとう。じゃあ、ちょっと頑張ってみるよ」

 わざわざ私の意見を聞くまで、どうするか保留にしてくれていたらしい。もちろん私は賛成だった。頑張って欲しいと思う。

 賛成するという言葉を聞いて、師匠は覚悟を決めたようだ。

 こうして、近衛師団の団長という役職を引き受けることにした師匠。その日から、騎士団と近衛師団が競い合う日々が始まった。
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